Claude Code v2.1.33 — Agent Teams運用を支えるフック・メモリ・ツール制約の追加
Claude Code v2.1.33はAgent Teamsの運用を土台から強化する中規模リリース。TeammateIdle/TaskCompleted hooksの追加、sub-agent制約、agent memoryスコープ、tmux疎通修正、proxy/エラーメッセージ改善まで16項目を含みます。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.33は16項目を含む中規模リリースで、軸は明確にAgent Teamsの実運用に耐える足回りを整えることにあります。直前のv2.1.32でAgent Teams(research preview)が登場した直後の運用補強回です。
- multi-agentワークフロー向けhooksとして
TeammateIdleとTaskCompletedが新設 - sub-agent側のfrontmatterで
tools制約とmemoryスコープ(user/project/local)が定義可能に - tmux上のteammateセッションでメッセージ送受信が通らない不具合を修正
- API proxy・エラー表示・extended thinking・
/resumeセッションピッカー周りの安定化(Agent Teamsを使っていない利用者にも効く)
あなたの開発フローはどう変わるか
Agent Teamsをresearch previewで試しているチーム
Agent Teamsを実運用に近い形で回すには、「次のトリガを発砲する契機」を公式hookで掴めるかが鍵になります。これまで外側のスクリプトでpollingするしかなかった部分を、本版で次の2つのhookに寄せられるようになりました。
TeammateIdle: teammateが待機状態に入った瞬間に発火TaskCompleted: teammateがタスクを完了したタイミングで発火
加えて、sub-agentのfrontmatter toolsにTask(agent_type)構文を書くことで、親エージェントが任意のsub-agentを無制限にspawnできる状態を明示的にホワイトリスト化できます。Agent Teamsを実務に乗せる際の権限設計がフレームワーク側で表現できるため、レビュー・承認の粒度も揃えやすくなります。
agent frontmatterに新設されたmemoryフィールドは、user(ユーザー全体)/ project(プロジェクト単位)/ local(そのマシンのみ)の3スコープで、agentごとに永続メモリ保持先を切り替えられる設計です。teammateが会話をまたいで文脈を持ち越す経路が整い、長期タスクを分担する構成が実装しやすくなります。
ただしAgent Teamsは依然としてCLAUDE_CODE_EXPERIMENTAL_AGENT_TEAMS=1を要求するresearch previewであり、仕様の破壊的変更も起こり得ます。hookイベント名・memoryフィールドのスコープ名・Task(agent_type)構文の細部は、正式リリース時に名称変更される可能性がある点は留意しておく必要があります。
tmux上でAgent Teamsを動かそうとしていたチーム
tmux上のagent teammateセッションでメッセージの送受信が失敗していた不具合が解消されました。ターミナルマルチプレクサ上でmulti-agentを並べる構成は、画面分割の自然さからAgent Teamsの典型運用形態の1つです。本版でこのパスが通るようになったため、tmuxを使ったmulti-agent運用が成立します。
企業proxy配下で運用しているチーム
settings.jsonのenv varで指定したproxy設定が、WebFetch等のHTTPリクエストに適用されていなかった(Node.js buildの経路)バグが修正されました。社内ネットワーク経由でAgent Teamsを試そうとした時に真っ先に刺さる部分です。あわせて、proxy経由の404を受けたときに本来non-streamingフォールバックに落ちてはいけないケースで落ちていた互換性問題も修正されています。
/resumeでslash commandベースのセッションを引きたい
/resumeのセッションピッカーで、slash commandから開始したセッションが生のXMLマークアップのまま見えていたのを、クリーンなタイトル表記に修正しました。slash commandを多用している利用者ほど一覧が判読不能になりやすかった部分で、過去セッションを名前で拾う作業が実用レベルに戻ります。
VSCode拡張で複数セッションを切り替えるユーザー
VSCode拡張に3件の改善が入っています。
- remote session対応: OAuthユーザーがclaude.ai側のセッションをVSCodeから閲覧・再開可能に
- セッションピッカーにgitブランチ名とメッセージ件数を表示、ブランチ名検索もサポート
- 初回ロードおよびセッション切り替え時に最下部まで自動スクロールしきれていない挙動を修正
「claude.ai側のセッションをVSCodeからresume」は、Webで始めたやり取りをそのままIDEに引き継げるという意味で、ワークフロー上のインパクトが大きい追加です。
主な変更点
Agent Teams関連(5件)
TeammateIdleとTaskCompletedの2つのhookイベントを追加- sub-agentの
toolsfrontmatterにTask(agent_type)構文を追加(spawn可能なsub-agentをホワイトリスト化) - agent frontmatterに
memoryフィールドを追加(user/project/localの3スコープ) - tmux上のagent teammateセッションでのメッセージ送受信不具合を修正
- 「agent teamsが現在プランでは利用不可」という誤表示の警告を抑制
Skills / プラグイン
/skillsメニューとskill descriptionにplugin名を表示
extended thinking / API堅牢化
- extended thinking中に新規メッセージを送るとthinkingフェーズが中断される挙動を修正
- ストリーム中の中断時、空白文字とthinking blockの組み合わせが正規化をすり抜けて不正リクエストになるAPIエラーを修正
- proxy経由の404を受けたときに不要にnon-streamingフォールバックに落ちていた互換性問題を修正
settings.jsonのenv var proxy設定がWebFetch等に適用されない問題(Node.js build)を修正
UX / エラー表示
/resumeのセッションピッカーで、slash commandから始めたセッションのタイトルがクリーンに表示されるように- API接続失敗のエラーメッセージに
ECONNREFUSED/ SSL errorなど具体原因を出すよう改善 managed settings不正時のエラーを明示的に露出
VSCode拡張(3件)
- claude.ai側のセッションをVSCodeから閲覧・再開可能に(OAuthユーザー)
- セッションピッカーにgitブランチ名・メッセージ件数表示、ブランチ名検索を追加
- 初回ロード / セッション切り替え時のスクロール位置不整合を修正
v2.1.32の翌日パッチとして見るAgent Teams補強
本版16項目を地図にすると、v2.1.33はAgent Teamsを「見せられる状態」から「運用できる状態」に寄せる橋渡しのリリースと読めます。
| 観点 | v2.1.32時点 | v2.1.33で追加・修正 | 意味合い |
|---|---|---|---|
| イベント連携 | teammate状態を外から観測する術が薄い | TeammateIdle / TaskCompleted hook | 次の行動の起点を公式hookで表現できる |
| 権限設計 | sub-agent spawnの制約が弱い | tools内でTask(agent_type)指定可 | どのエージェントが誰を呼べるかをコードで宣言 |
| 文脈保持 | 会話間の記憶が伝わりにくい | agent memoryフィールド(3スコープ) | teammate単位で永続メモリを設計できる |
| 実行環境 | tmuxでteammateが無反応になる事例 | tmux session送受信を修正 | ターミナルマルチプレクサ上の構成が成立 |
これは「新機能の華やかな追加」ではなく、experimentalで見えた穴をほぼ同時に埋めにきた動きです。research previewのfreshな利用者からのフィードバックを短サイクルで反映する体制が、そのまま可視化されたリリースと言えそうです。
まとめ
- Agent Teamsを試しているなら本命の更新: hooks / memory / tools制約 / tmux送受信が揃う
- 企業proxy環境ならば更新推奨: settings.json env var proxyの適用経路修正は通信不全の解消に直結
- VSCode拡張ユーザーは更新推奨: claude.ai remote session / ブランチ検索 / スクロール修正
- 通常利用でも更新価値あり: extended thinking / API proxy /
/resumeの堅牢化が効く - Bedrock / Vertex / Foundry経由は任意: 本版固有の修正は薄め
更新はclaude updateで取得できます。
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