Claude Code v2.1.206 — MCPタイムアウト修正、/doctorがCLAUDE.md分割を提案
Claude Code v2.1.206は、企業プロキシや背景ワーカーで詰まっていたMCPの3経路を通し、/doctorがCLAUDE.mdの分割を提案し、エージェント一覧と常駐運用を整えた修正中心の版です。
Claude Code v2.1.206は、不具合修正を中心にしつつ、日々の操作を軽くする新機能をいくつか加えた版です。27項目のうち18項目が不具合修正で、残りは3件の新機能、4件の挙動変更、2件の改善にあたります。中心にあるのは、企業プロキシや背景ワーカーで詰まっていたMCP(Model Context Protocol、外部ツール連携の仕組み)の3つの経路を通し、/doctorや/cdで日々のコマンド操作を減らし、エージェント一覧と背景エージェントの常駐運用を整える、という3方向の地固めです。記事化された直前のv2.1.201までは内部挙動の細かな調整が続いていましたが、本版はユーザーの操作体験に触れる修正へ重心が戻っています。この記事では、利用形態別の早見表とMCP3修正の実務インパクト、そしてエージェント常駐運用の版差分で、更新の判断材料を示します。
このリリースで何ができるようになるか
この版で押さえたい変化は、MCPの長時間ツール呼び出しが途中で切れなくなったこと、/doctorと/cdが日々のコマンド操作を減らすようになったこと、そしてエージェント一覧と背景エージェントの常駐運用が整ったことの3点です。いずれも大きな新能力の追加ではなく、運用を止めていた詰まりを取り除き、手数を減らす方向の変更になります。
1つ目は、MCPまわりの3つの経路が通った点です。これまで--mcp-configや.mcp.jsonでサーバーごとに設定したrequest_timeout_msが反映されず、新しいセッションでは長時間のMCPツール呼び出しが60秒の既定値で打ち切られていました。本版ではサーバーごとの値が効くようになります。あわせて、claude agentsや--bgの背景ワーカーがCLAUDE_CODE_EXTRA_BODYを無言で無視していた問題、OAuth接続のMCPサーバーがトークン更新に一度失敗しただけで手動の再認証を求めていた問題も直りました。
2つ目は、日々のコマンド操作の手数が減る点です。/cdがディレクトリのパス候補を出すようになり、/add-dirと同じ感覚で移動先を選べます。/doctorには、リポジトリに置いたCLAUDE.mdのうちコードベースから読み取れる内容を削って身軽にする、という提案を出す健診項目が加わりました。肥大化したCLAUDE.mdをどこから削るか、その入り口が1コマンドで見つかります。
3つ目は、エージェント一覧と背景エージェントの常駐運用が整った点です。Claude Codeを更新した直後に、背景エージェントがバックグラウンドで新しい版へ上がるようになり、次に接続したときに遅い持ち越し更新を待たされることがなくなりました。claude rmで消したジョブが名簿(roster、稼働中エージェントの記録)に残って一覧に再表示される問題や、エージェント一覧の状態列が64文字で切れていた問題も直っています。
あなたの開発フローはどう変わるか
本版の効き方は利用形態でかなり分かれます。長時間のMCPツールを使う開発や企業プロキシの内側での利用、CLAUDE.mdが育ったリポジトリ、背景エージェントの常駐運用では手応えが大きく、/commit-push-prやworktreeを使う運用では挙動の変化に注意が要り、ローカルでの短い対話利用ではほとんど変化を感じません。
長時間のMCPツールや企業プロキシ内での利用
外部ツールをMCP経由で呼ぶ開発では、これまで新しいセッションを開くたびに、時間のかかるツールが60秒で落ちるという壁がありました。サーバーごとのrequest_timeout_msが効くようになったことで、この打ち切りを避けられます。背景ワーカーでCLAUDE_CODE_EXTRA_BODYが無視されていた問題も直り、シェルで書き出したこの上書きが、処理を投げた側のセッションへ引き継がれるようになりました。企業プロキシの内側でヘッダーやボディを差し込んで通している構成では、背景側でも同じ設定が効く形になります。
OAuth接続のMCPサーバーを使う運用
トークンの有効期限が切れやすいOAuth接続のMCPサーバーでは、更新に一度でも失敗すると手動で再認証をやり直す必要がありました。本版では単発の失敗で認証状態を捨てず、再認証の手間が減ります。一時的なネットワークの揺れでトークン更新が失敗する環境ほど、この効き目が出やすくなります。
CLAUDE.mdが育ったリポジトリの運用
チームで使い込んだリポジトリでは、CLAUDE.mdが長くなり、コードを読めば分かる内容まで書き込まれていることがあります。/doctorの新しい健診は、そうした「コードベースから読み取れる記述」を削る候補として挙げます。手作業で全体を読み直す前に、どこから身軽にするかの当たりを付けられます。
背景エージェントを常駐させ、エージェント一覧を多用する運用
claude agentsで背景エージェントを立てっぱなしにする運用では、更新のたびに接続時の持ち越し更新で待たされることがありました。本版では更新直後に背景で新版へ上がるため、次の接続が軽くなります。claude rmで消したジョブが一覧に戻ってくる問題や、二重に表示される問題、状態列が64文字で切れる問題も片付き、一覧の見え方が安定します。
/commit-push-prやworktreeを使う運用
コミットからPR作成までを/commit-push-prでまとめている場合、git pushの自動許可先がoriginだけでなく、リポジトリに設定したプッシュ先(remote.pushDefault、またはリモートが1つだけならそのリモート)にも広がりました。EnterWorktreeは、プロジェクトの.claude/worktrees/の外にあるworktreeへ入る前に確認を求めるようになっています。どちらも安全側への調整で、これまで無確認だった操作に一手挟まる場面があるため、運用によっては条件次第の影響になります。
利用形態別の影響早見表
| 利用形態 | 影響度 | 効く理由 |
|---|---|---|
| 長時間MCPツール / 企業プロキシ内でのMCP利用 | 影響度明確な恩恵あり | 効く理由request_timeout_ms反映・EXTRA_BODY継承・OAuth再認証の3修正 |
| CLAUDE.mdが肥大化したリポジトリ運用 | 影響度明確な恩恵あり | 効く理由/doctorが読み取れる記述の削減を提案 |
| 背景エージェント常駐 / エージェント一覧の多用 | 影響度明確な恩恵あり | 効く理由更新直後の背景アップグレードと名簿残り・重複表示の修正 |
| /commit-push-prやworktreeでの作業 | 影響度条件次第 | 効く理由プッシュ先の自動許可拡大とworktree外への確認追加で挙動が変わる |
| ローカル単発・短時間の対話利用 | 影響度ほぼ影響なし | 効く理由対象がMCP・常駐・企業網・肥大リポジトリに寄っている |
主な変更点
本版の27項目は、性質で見ると、日々の操作を軽くする新機能、MCPと認証まわりの修正、安全側への挙動変更、エージェント一覧と表示の整備、そしてモデル選択や起動まわりの修正に分けられます。各項目に「誰に効くか」を添えます。
日々の操作を軽くする3つの新機能
/cdにディレクトリのパス候補を追加し、/add-dirと同じ挙動でそろえた — 深い階層を行き来しながら作業する利用者に効きます/doctorに、コードベースから読み取れる内容を削ってCLAUDE.mdを身軽にする提案を出す健診項目を追加 — 使い込んだリポジトリでCLAUDE.mdが長くなった利用者に効きます- Gateway経由の
/loginが、Anthropicが運用する公開ゲートウェイのエンドポイントに対応 — ゲートウェイ越しにログインする利用者に効きます
MCPと認証まわりの修正
--mcp-configや.mcp.jsonで設定したサーバー単位のrequest_timeout_msが無視され、新しいセッションで長時間のMCPツール呼び出しが60秒の既定値で打ち切られる問題を修正 — 時間のかかるMCPツールを呼ぶ利用者に効きますclaude agentsや--bgの背景ワーカーがCLAUDE_CODE_EXTRA_BODYを無言で無視する問題を修正(シェルで書き出した上書きが、処理を投げた側のセッションへ引き継がれる) — プロキシでヘッダーやボディを差し込む利用者に効きます- OAuth接続のMCPサーバーが、トークン更新に一度失敗しただけで手動の再認証を求める問題を修正 — トークンの期限が切れやすい環境でMCPを使う利用者に効きます
--permission-prompt-toolがMCPサーバーを指しているとき、サーバーの接続完了前のコールドスタートで「MCP tool not found」と表示して落ちる問題を修正 — 権限確認をMCPツールに委ねている利用者に効きます- ログインの期限切れが、
/loginの実行を促す代わりに、すべてのモデルで「There's an issue with the selected model」という紛らわしいエラーで失敗する問題を修正 — 認証が切れた状態で再開する利用者に効きます
安全側への挙動変更
/commit-push-prのgit pushの自動許可先を、originに加えて、リポジトリに設定したプッシュ先(remote.pushDefault、またはリモートが1つだけならそのリモート)にも拡大 — 既定リモートがorigin以外の利用者に効きますEnterWorktreeが、プロジェクトの.claude/worktrees/の外にあるgit worktreeへ入る前に確認を求めるように変更 — 想定外のworktreeへ入りたくない利用者に効きます- Claude Codeの更新直後に、背景エージェントがバックグラウンドで新しい版へ上がるように変更(接続時の遅い持ち越し更新を避ける) — 背景エージェントを常駐させる利用者に効きます
- エージェント一覧で
Ctrl+Xが完了済みセッションを恒久的に削除するように変更し、セッションが二重に描画される問題も解消(消した背景ジョブは消えたまま) — 一覧を手で整理しながら使う利用者に効きます
エージェント一覧と表示の整備
claude rmで消したジョブがデーモンの名簿に残り、claude agentsの行が再び現れる問題を修正 — ジョブを削除して一覧を保ちたい利用者に効きます- エージェント一覧の状態列が64文字で切れる問題を修正し、ターミナルの幅いっぱいを使うように改善 — 長い状態文字列を一覧で確認する利用者に効きます
- スラッシュコマンドをターンの途中で送るとデスクトップのセッションが「running」の表示のまま止まる問題を修正 — デスクトップからセッションを操作する利用者に効きます
- Windowsで、素の
claude --resumeの前にセットアップのプロンプトが出ると、エージェント表示でキーボード入力が無視される問題を修正 — Windowsでエージェント表示を使う利用者に効きます - ワークフローの詳細表示で、左矢印がフェーズやエージェントから一段戻れない問題を修正 — ワークフローを行き来しながら確認する利用者に効きます
モデル選択・起動・その他の修正
/modelピッカーの行が、その行の名前とは別のモデルの価格を表示する問題を修正し、請求しないプロバイダーで一次配布の定価を出すのをやめた — モデルを価格を見比べて選ぶ利用者に効きます- 権限や許可リストの制限で並び位置の基準にしていた行が落ちたとき、サーバー提供のモデル行が
/modelピッカーで誤った位置に並ぶ問題を修正 — 制限付きの環境でモデルを選ぶ利用者に効きます claude --resumeと--continueが、起動直後にキーボード入力へ反応しない問題を修正 — 前のセッションを再開して即操作したい利用者に効きます- ログアウト状態で
/remote-controlが「Unknown command」を出す問題を修正し、サインインの方法を案内するように変更 — 未ログインで遠隔操作を試す利用者に効きます /statusが同じ壊れたインストールの警告を二重に並べる問題を修正 — インストールの状態を確認する利用者に効きます- LSPプラグインで「使われていないプラグイン」という誤ったヒントが出て、不使用の集計がゆがむ問題を修正 — LSPプラグインを常用する利用者に効きます
/doctorの更新チェックが、Homebrewでの導入を設定のチャンネルではなくCask側のチャンネルと突き合わせるように修正 — HomebrewでClaude Codeを入れている利用者に効きます- 全画面表示の「最下部へ移動」ピルが、macOSで
Ctrl+Endを提案し、割り当て直したキーを表示せず、トランスクリプトに重なって折り返す問題を修正 — 全画面で長い会話をたどる利用者に効きます - Bedrockで、
awsCredentialExportヘルパーを使うとき、外向き通信が制限されたネットワークで起動が数分ハングする問題を修正 — Bedrock経由で制限付きネットワークから使う利用者に効きます claude-opus-4-8での/code-reviewの指摘の質を、すべてのeffortレベルで改善 — Opus 4.8でコードレビューを回す利用者に効きます
claude update
claude --version更新後は、MCPを使う環境なら/doctorで導入状態を確認しておくと、Homebrewのチャンネル判定の修正やインストール警告の重複解消の効果もあわせて把握できます。
/doctor
/cd企業プロキシでMCPが繋がらなかった原因が、この版の3修正で切り分けやすくなる
本版でいちばん実務に効くのは、MCPの3つの修正がそろって入ったことです。これまで企業ネットワークの内側でMCPが期待通りに動かないとき、原因が「タイムアウト」「設定の未反映」「認証の失効」のどこにあるのか切り分けにくく、まとめて「繋がらない」として扱われがちでした。3つの詰まりが別々に解消されたことで、症状から原因を絞りやすくなります。
3つの修正は、詰まっていた場所が異なります。1つ目のrequest_timeout_msは、呼び出しが「途中まで動いて60秒で落ちる」タイプの症状に効きます。時間のかかるツールほど顕在化し、新しいセッションで再現しやすいのが特徴でした。2つ目のCLAUDE_CODE_EXTRA_BODYは、対話セッションでは通るのにclaude agentsや--bgの背景ワーカーだと通らない、という「経路によって挙動が違う」症状に対応します。プロキシで差し込むヘッダーやボディが背景側だけ欠ける構成では、ここが原因になっていました。3つ目のOAuthの再認証は、「しばらく使うと認証が外れて手動でやり直す」タイプの症状に効きます。
| 修正対象 | 詰まっていた場所 | 現れていた症状 |
|---|---|---|
request_timeout_ms(サーバー単位) | 詰まっていた場所新しいセッションで設定値が無視される | 現れていた症状長時間ツールが60秒で打ち切られる |
CLAUDE_CODE_EXTRA_BODY | 詰まっていた場所背景ワーカー(claude agents / --bg) | 現れていた症状対話では通るのに背景側で上書きが効かない |
| OAuthのトークン更新 | 詰まっていた場所更新の単発失敗で認証を破棄 | 現れていた症状しばらく使うと手動の再認証を求められる |
あわせて、--permission-prompt-toolがMCPサーバーを指しているときのコールドスタートで「MCP tool not found」と落ちていた問題も直っています。これはサーバーの接続が終わる前に権限確認のツールを呼んでしまう競合で、起動直後に一度だけ出る種類の症状でした。MCPの設定や運用の勘所は、MCPの実践ガイドで全体像から確認できます。本版は、そこで整えた構成が企業ネットワークの内側でも素直に動くように、経路ごとの穴を塞いだ版と読めます。
エージェント常駐運用はv2.1.198から本版までどう積み上がったか
本版のエージェントまわりの修正は単発の手当てではなく、数版にわたる常駐運用の地固めの続きに位置づけられます。サブエージェントが既定で背景実行になって以降、起動・停止・一覧表示の穴が順に埋められてきました。時系列で並べると、積み上がりが見えてきます。
| バージョン | エージェント常駐まわりの変化 |
|---|---|
| v2.1.198 | エージェント常駐まわりの変化サブエージェントが既定で背景実行へ移行 |
| v2.1.199 | エージェント常駐まわりの変化約50秒ごとのデーモン自壊を修正し、SSH越しの回帰を回収 |
| v2.1.200 | エージェント常駐まわりの変化スリープ復帰後の停止・デーモン乗っ取り・名簿(roster)破損を修正 |
| v2.1.206 | エージェント常駐まわりの変化更新直後の背景アップグレード、claude rmの名簿残り、一覧の重複表示と列切れを修正 |
v2.1.198でサブエージェントが既定で背景実行になり、この経路が常時使われるようになりました。続くv2.1.199とv2.1.200で、デーモンの自壊やスリープ復帰後の停止、名簿の破損といった「立てっぱなしにしたときに崩れる」不具合が片付いています。本版はその延長で、更新をまたいだときの持ち越し更新の遅さと、一覧の表示のちらつき(削除したジョブの再表示・二重描画・列の切れ)に手が入りました。番号上の直前はv2.1.205で、記事化された直前は内部挙動の調整だったv2.1.201です。v2.1.201からv2.1.206までは連番で欠番はなく、v2.1.206が2026年7月9日時点の最新版にあたります。単発の対話利用では表に出にくい領域ですが、エージェントを本格的に常駐させて一覧で管理するなら、この一連の版を通して運用の予見性が上がってきた点は判断材料になりそうです。
まとめ
本版は、企業プロキシや背景ワーカーで詰まっていたMCPの3経路を通し、/doctorや/cdで日々の操作を減らし、エージェント一覧と背景エージェントの常駐運用を整えた、修正中心の版です。長時間のMCPツールが60秒で落ちて困っていた場合、背景ワーカーでCLAUDE_CODE_EXTRA_BODYが効かなかった場合、OAuth接続のMCPで再認証を繰り返していた場合は、更新する価値が見込めます。
CLAUDE.mdが育って読み直しに手間取っていたリポジトリでは、/doctorの新しい健診が削り所の当たりを付ける入り口になります。背景エージェントを常駐させてclaude agentsで一覧管理している運用でも、更新直後の背景アップグレードや名簿の後始末が整い、見え方が安定します。一方、ローカルで短い対話利用が中心であれば、体感の変化は小さいと考えられます。更新はclaude updateで取得できます。自分の利用形態が上の早見表のどこに当たるかを確認したうえで、更新の要否を判断する形になります。MCPやエージェント運用の前提から押さえたい場合は、Claude Codeの全体像をまとめた完全ガイドもあわせて参照できます。
関連ガイド
このバージョン単体の位置づけはClaude Code完全ガイドで、2026年7月のアップデート全体の流れは月次アップデートまとめでたどれます。
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