Claude Code v2.1.49 — エージェントの作業ツリー分離と、バックグラウンド制御の強化
Claude Code v2.1.49はgit worktree統合、バックグラウンドエージェント制御、MCP OAuthのstep-up認証、Sonnet 4.5(1M)のMax枠退役を含む中規模リリースです。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.49は、マルチエージェント運用とMCP周辺の土台を同時に整えた版です。
- git worktree統合:
--worktree(-w)フラグで隔離されたworktreeでセッション開始、サブエージェント側のisolation: "worktree"で個別エージェントを別worktreeに閉じ込め可能に - バックグラウンドエージェントの制御強化:
Ctrl+F一括停止キーバインド追加、background: trueによるエージェント定義のbackground固定 - MCP OAuthがstep-up認証とdiscoveryキャッシュに対応し、認証失敗キャッシュとトークン集計のバッチ化で複数サーバ構成での起動コストが低減
- Sonnet 4.5(1Mコンテキスト)がMax枠から退役、1MコンテキストはSonnet 4.6に移行(
/modelで明示的な切り替えが必要)
直前のv2.1.47がWindowsとメモリ周りの広範な整地だったのに対し、本版はマルチエージェント運用とMCP土台に重心を置いた変更が並びます。
あなたの開発フローはどう変わるか
worktreeでメインブランチを汚さずに試行錯誤したいケース
claude --worktree(または -w)を付けると、現在のリポジトリから隔離されたgit worktreeの中でセッションが始まります。メインブランチを触らずに試行錯誤したい、複数セッションでブランチを衝突させたくない、という場面に合います。
claude --worktree
# 別名
claude -wサブエージェント定義(.claude/agents/*.mdのfrontmatter)にisolation: "worktree"を書くと、そのエージェントだけ一時worktreeで動かすことができます。調査系・自動生成系のサブエージェントでメインの作業ツリーを汚さない運用が可能になります。
バックグラウンドエージェントの止め方が曖昧だったケース
Ctrl+Fの2回押しでバックグラウンドエージェントを一括killできるようになりました。これまでCtrl+CとESCがメインスレッドアイドル時にバックグラウンドで握り潰されていた問題も、3秒以内の2回押しで全background killに昇格する形で修正されています。エージェント定義にbackground: trueを書けば、常にバックグラウンドで起動する動きに固定できます。
MCPサーバを複数刺している環境
MCPサーバ複数構成での起動が重いという問題に対し、MCP OAuthのstep-up認証 + discoveryキャッシュ、HTTP / SSE MCPサーバの認証失敗キャッシュ、起動時のMCP / analytics token countingの最適化が同時に入りました。サーバ接続時の重複ネットワーク要求が減るため、複数サーバ構成での体感が変わります。
Maxプランで1Mコンテキストを常用しているケース
Sonnet 4.5(1Mコンテキスト)がMaxプランから退役し、1Mコンテキスト枠はSonnet 4.6に切り替わりました。自動移行ではないため、/modelで明示的に切り替える必要があります。agents/*.mdのfrontmatterや環境変数でモデルを固定指定している場合は、更新直後に確認するのが無難です。
エンタープライズで設定をポリシー管理しているケース
セッション中に設定ファイルが変更された際に発火するConfigChangeフックが追加されました。changelog上ではエンタープライズ利用のセキュリティ監査、ポリシー違反の設定変更ブロックが想定用途として明記されています。同時にdisableAllHooksがmanaged設定階層を尊重するよう修正(#26637)され、非管理設定がポリシー設定のmanaged hookを無効化できない動きに変わります。
CI / claude -p で非対話実行しているケース
非対話モード(-p)の起動時に不要なAPIコールがスキップされるようになり、自動化パイプラインの実行時間にじわり効きます。
主な変更点
新機能・追加
--worktree(-w)フラグ: 隔離されたgit worktreeでセッション開始(マルチセッション運用向け)- サブエージェントの
isolation: "worktree": エージェント定義側でworktree隔離を宣言可能(調査系エージェントの隔離向け) Ctrl+Fキーバインド: バックグラウンドエージェントを2回押しで一括停止- エージェント定義の
background: true: 常にバックグラウンドで起動する動きに固定 - Plugin同梱の
settings.json: PluginパッケージにデフォルトSettingsを同梱可能(配布の手間が減る) ConfigChangeフックイベント: 設定ファイル変更時に発火、エンタープライズ監査向け- SDK
model infoにsupportsEffort/supportedEffortLevels/supportsAdaptiveThinking追加(動的なモデル能力照会向け) - 安全チェックの
ask応答にpermission suggestionsが含まれるよう修正(SDKコンシューマの権限UI実装に効く) - Simple mode(
CLAUDE_CODE_SIMPLE)でfile editツールが利用可能に
MCP・起動パスの最適化
- MCP OAuthにstep-up auth + discoveryキャッシュ(複数サーバ構成での重複ネットワーク要求を削減)
- HTTP / SSE MCPサーバの認証失敗キャッシュ(再接続抑制)
- 起動時にMCP認証失敗キャッシュを利用、analyticsのtoken counting HTTPコール削減、MCPツールのtoken countingを単発APIにバッチ化
- 非対話モード(
-p)で不要なAPIコールを起動時にスキップ
モデル構成の整理
- Sonnet 4.5(1M)をMax枠から退役、Sonnet 4.6に1Mが移行(
/modelで切り替え必須)
バグ修正
- 長時間セッションのtree-sitterパーサーを定期リセット(WASMメモリの肥大を抑制)
- Yoga WASMのlinear memoryが縮まない問題を修正(描画関連のメモリリーク)
- 古いYogaレイアウト参照による描画の乱れを修正
Ctrl+C/ESCがbackground agent稼働時にアイドルメインで無視される問題を修正- verbose modeを
/configでトグルしてもthinkingブロック表示が更新されない問題を修正 --resumeで先頭が/clearのセッションがピッカーで生XMLタグ表示される問題を修正- file-not-foundエラー時にモデルがrepoフォルダを落とした場合の修正案パスを提示
- prompt suggestion cacheのヒット率が落ちていたregressionを修正
plugin enable/plugin disableが--scope未指定時に常にuserスコープを選んでいた挙動を修正(自動検出に変更)disableAllHooksがmanaged設定階層を尊重するよう修正(#26637)- 権限プロンプトでpath safety / 作業ディレクトリブロック時に理由を表示するように変更
Sonnet 4.5(1M)退役は運用に何をもたらすか
今回地味に影響が大きいのが、MaxプランにおけるSonnet 4.5(1Mコンテキスト)の退役です。読み解くポイントは3つあります。
- 1Mコンテキスト枠そのものは残る: 載るモデルがSonnet 4.5からSonnet 4.6に切り替わる
- 利用者側は
/modelでの明示的切り替えが必要: 自動移行ではない - 古い世代の1M枠を維持する意味が薄れた構図: フロンティア側の最新世代(4.6)に1Mが揃ったため
Claude Codeのセッション設計は長文コンテキスト前提のコードベース読み込みが前提にあるため、1Mモデル指定をスクリプト・エージェント定義にハードコードしている構成では即座に影響が出ます。具体的には、agents/*.mdのfrontmatterや環境変数でモデルを固定指定している場合に、起動時に明示的に4.6系へ切り替える必要があります。
並行して入っているSDK側のsupportsEffort / supportsAdaptiveThinking公開は、この種のモデル切り替えを動的に検知して安全に対応するためのAPI面の整備とも読めます。Claude Codeを組み込んだ自前アプリケーションでは、ハードコードからクエリ駆動への置き換えを段階的に進める材料が揃った版です。
まとめ
- Maxプラン1M利用者は即更新推奨: Sonnet 4.6への切り替えが必要、
/modelを確認 - MCP複数サーバ構成は推奨: 認証 / discoveryキャッシュで起動体験が変わる
- バックグラウンド / サブエージェント運用は推奨: worktree隔離と一括停止が整備された
- エンタープライズ管理者は推奨:
ConfigChangeフックでポリシー監査の選択肢が増える
直後のv2.1.50ではWorktreeCreate / WorktreeRemovehookとstartupTimeout設定が入り、本版で追加されたworktree統合の運用面が引き続き整備されます。両版をまとめて取り込むと、worktree隔離を業務に組み込みやすくなります。更新はclaude updateで取得できます。
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