Claude Code v2.1.3 — Hook実行時間が10分に拡張、到達不能な権限ルールを検出
Claude Code v2.1.3はHook実行タイムアウトを60秒から10分へ拡張し、到達不能な権限ルールを /doctor と保存時の両方で検出するようになりました。スラッシュコマンドとSkillの内部モデル統合や、サブエージェントのモデル取り違えバグも修正されています。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.3は、v2.1.0で広がった設定面に対するデバッグ可能性と余裕を底上げする運用改善リリースです。
- Hook実行タイムアウトが60秒から10分に拡張: ビルド / lint / テストをHookで回す現実解が広がります
- 到達不能な権限ルールを
/doctorと保存時に警告: settings階層が増えたときの「書いたのに発火しないルール」を自動検出 - スラッシュコマンドとSkillの内部メンタルモデルを統合: 挙動は変わらず、将来の設定フォーマット収束への布石
/configでリリースチャンネル(stable/latest)を切り替え可能: チーム全体をstableに寄せる運用がUI上で完結
加えて、サブエージェントがcompaction中に誤ったモデルを使う不具合や、/clear 後もplanファイルが残る不具合など、v2.1系を日常的に回すと遭遇しやすい詰まりどころが一掃されています。
あなたの開発フローはどう変わるか
Hookでビルド / lint / テストを回しているチーム
これまでHookで npm run build や pytest のような重い処理を噛ませると、60秒で打ち切られて成功したはずのビルドが失敗扱いになる事例がありました。本版で10分まで張れるようになったため、CI寄りの処理をHookに寄せてClaudeのターン中に検査を完了させる構成が現実的になります。
ただし、10分も張り付くHookは対話体験を損なうため、対象ファイルを絞る、非同期ジョブに逃がすといった設計判断は引き続き必要です。
複雑な権限ルールをsettings階層に跨って書いているチーム
Bash(git *) の後に Bash(git status) を置くと、後者は前者に吸収されて永久に発火しません。この種の到達不能ルールを /doctor 実行時とルール保存時の両方で検出し、ルールの出処(user / project / localのどのsettings.jsonか)と修正指針までメッセージに含めて出してくれます。
settings階層が増えるほど起きやすい事故なので、本版以降は /doctor を一度回しておくと既存の死にルールが洗い出せます。
サブエージェント重視の構成
compaction(会話圧縮)中にサブエージェントが想定外のモデルへ切り替わるバグと、サブエージェント内のWeb検索が誤ったモデルを呼ぶバグが修正されました。ログから追いにくいタイプの不具合だったため、コストや品質の再現性が地味に向上します。
スラッシュコマンドとSkillのどちらで書くか迷っていた人
/foo で呼ぶスラッシュコマンドと .claude/skills/ 配下のSkillが、内部モデル上で1本化されました。挙動は変わりませんが、将来の設定フォーマット収束やドキュメント一本化が進みやすくなる土台です。新規に書くときの迷いが減るくらいの受け止めで十分です。
VSCode拡張ユーザー
権限リクエストのダイアログに保存先を選べるセレクタが付きました。「このプロジェクト」「全プロジェクト」「チーム共有」「このセッションのみ」の4種から視覚的に選べるため、誤って全プロジェクトに書くミスが減ります。
主な変更点
機能追加・再編
- スラッシュコマンドとSkillのメンタルモデル統合:
/fooと.claude/skills/の内部表現を1本化(挙動変更なし) /configにリリースチャンネル切り替え:stable/latestをUIで選択可能- 到達不能な権限ルールの検出:
/doctorと保存時に警告。ルールの出処と修正指針も表示
挙動変更
- Hook実行タイムアウト: 60秒 → 10分に拡張
バグ修正
| 領域 | 修正内容 |
|---|---|
| セッション状態 | /clear 後にplanファイルが残る挙動を修正 |
| Skill検出 | ExFATなど大inode環境でのSkill重複誤検知を64-bit精度で解消 |
| ステータスバー | バックグラウンドタスク件数とタスクダイアログ表示数の不整合を修正 |
| サブエージェント | compaction中にサブエージェントが誤ったモデルを使う不具合を修正 |
| サブエージェント | サブエージェント内Web検索が誤ったモデルを呼ぶ不具合を修正 |
| 権限 | ホームディレクトリから起動した際のtrust dialog承諾が、Hookなどtrust必須機能を有効化できていなかった件を修正 |
| ターミナル | 制御されない書き込みでカーソル状態が壊れる問題を抑止 |
UI / UX
- スラッシュコマンドサジェスト: 長い説明を2行で打ち切り、視認性を改善
- VSCode拡張: 権限リクエストの保存先(this project / all projects / team / session only)をクリックで選べるセレクタを追加
スラッシュコマンドとSkillの統合は何を示しているか
挙動が変わらない内部整理ですが、ユーザーが頭の中で持つ設計モデルには影響します。これまで両者は次のような場面で用途が重なっていました。
| 用途 | これまでの選択 |
|---|---|
| ワークフローを呼び出し型で走らせる | スラッシュコマンド |
| 特定状況下で自動発動する制約・手順 | Skill |
| 再利用可能な手順セットの配布 | どちらでも書けて迷う |
「どちらでも書ける」領域で、.claude/commands/*.md と .claude/skills/SKILL.md の違いは何かが常に問われていました。本版の内部統合により、新規に書くときの迷いが減り、将来は設定フォーマットの収束やドキュメント一本化も進みやすくなります。既存ファイルを慌てて書き換える必要はありません。
到達不能な権限ルールの検出と合わせると、本版は「v2.1.0で増えた設定ポイントを、ユーザーが破綻なく扱えるようにする」方向の小さな整理が並んだリリースとして読めます。
まとめ
- Hookで重い処理を回すチーム: 10分タイムアウトで詰まりが解消されるため即更新推奨です
- 権限ルールを階層的に書くチーム:
/doctorを一度回すと死にルールが洗い出せます - サブエージェント中心の構成: compaction中のモデル取り違えバグ修正でコスト / 品質の再現性が上がります
- 新規にSkill / スラッシュコマンドを書く人: メンタルモデルが1本化されたため、設計の迷いが減ります
- VSCode拡張ユーザー: 権限保存先セレクタで誤った全プロジェクト書き込みを防げます
派手な新機能の追加はありませんが、v2.1系の運用に効くフィードバック型のパッチです。Hookや権限を積極的に書き込んでいるチームほど、更新の体感が早く出ます。
関連する記事
Claude Code をもっと見る →Claude Code v2.1.6 — シェル継続行による権限バイパスの修正と、ネストSkillの自動検出
Claude Code v2.1.0 — Skillが独立した実行ユニットに昇格、Hooksが機能ファイルに同梱可能に
Claude Code v2.1.119 — /config設定の永続化と、--from-prのGitLab/Bitbucket対応
Claude Code v2.1.9 — Hookが追加文脈を返せるようになり、長時間セッションのAPIエラーも解消
Claude Code v2.1.76 — MCPの対話型確認と新フック、作業ツリーのスパース化
Claude Code v2.1.47 — Windows・メモリ周り68項目を整える整備版
Claude Code v2.1.38 — VS Codeリグレッション修正とサンドボックス境界の強化
Claude Code v1.0前半(v1.0.0 〜 v1.0.69)総まとめ — GA直後に固められた設計思想と機能の骨格