Claude Code v2.1.73 — modelOverridesの追加とフリーズ系バグの一斉修正
Claude Code v2.1.73はmodelOverrides設定の追加と、権限プロンプト起因のフリーズ・.claude/skills/大量更新時のデッドロック・サブエージェントの静かなモデル降格などエンタープライズ運用で踏み抜きやすい穴を一斉に塞いだ版です。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.73は、新機能1本(modelOverrides)とエンタープライズ経路の踏み抜きポイントを束で潰す修正群が同居する版です。Bedrock / Vertex / Microsoft Foundry経由でClaude Codeを運用しているチームほど、本版の差分は直接効きます。
/modelピッカーの各エントリをカスタムプロバイダのモデルID(BedrockのARN等)に差し替えできる(modelOverrides設定)- 権限プロンプト起因のフリーズ / CPU100%ループ・skills大量更新時のデッドロックが解消し、固まる現象が静かに減る
- Bedrock / Vertex / Foundryでサブエージェント指定が古いモデル世代に降格していた問題が修正され、
opus指定が本当に最新Opusで走るようになる
つまり「フリーズの原因が分からず再起動でしのいでいた」「Bedrockで古いモデルが走っていた可能性に気付かなかった」のいずれかに該当する場合は、本版で正常運用に戻れます。
あなたの開発フローはどう変わるか
Bedrock / Vertex / Foundry経由でClaude Codeを使う企業チーム
本版のもっとも大きな差分はここに集中しています。これまでサブエージェントで model: opus / sonnet / haiku と指定していても、Bedrock / Vertex / Foundryでは古いモデル世代(Opus 4.1など)へ静かに降格されていました。「指定通りの世代で走っているつもりで、実は旧世代」という品質と料金の両方に効く問題です。
合わせて、デフォルトのOpusモデルがOpus 4.1からOpus 4.6に切り替わります。モデル未指定時の出力品質が自動で引き上がるため、/modelを意識せずに使っているメンバーにも恩恵が伝播します。modelOverrides設定を使えば、/modelに並ぶ各エントリをBedrockの推論プロファイルARNなどへマッピングでき、/model UIと実ルーティングのズレを設定ファイル側で完結できます。
社内プロキシ配下で初期導入につまずいていたチーム
社内プロキシのTLS終端で証明書チェーンが差し替わると、OAuthログインや接続チェックが不明瞭なエラーで落ちる場面があります。本版ではSSL証明書エラーを検知したときに NODE_EXTRA_CA_CERTS の設定など具体的な対処指針が表示されるようになり、エラー画面を見ただけで次の一手を打てるようになります。
VS Code拡張側でも、プロキシ背後・Bedrock / Vertex + Claude 4.5モデルの組み合わせで発生していたHTTP 400エラーが修正されており、企業ネットワーク経由での導入摩擦がまとめて減ります。
.claude/skills/をモノレポで共有しているチーム
git pullで .claude/skills/ 配下のskillファイルが一度に大量に変わると、Claude Codeが固まるデッドロックがありました。本版で解消され、skillsを社内共有リポで配っている運用でpull直後のフリーズに悩まされなくなります。同一プロジェクトディレクトリで複数のClaude Codeセッションを並走したときにBashツール出力が欠落する問題も同時に修正されています。
Linuxネイティブビルド利用者
Linuxサンドボックスがネイティブビルドでripgrep (rg) not foundを理由に起動失敗する問題、LinuxネイティブモジュールがAmazon Linux 2などglibc 2.26系でロードできない問題が修正されました。CIや社内のレガシー環境で詰まっていた場合は、本版で起動できる可能性があります。
主な変更点
本版の変更は新機能2件・修正17件・改善6件・非推奨1件の合計26項目です。
modelOverrides設定でモデルピッカーをカスタムIDへ
/modelに並ぶ各エントリを、カスタムプロバイダのモデルIDへマッピングできる設定modelOverridesが追加されました。Bedrockではクロスリージョン推論やプロビジョンドスループットを使うと、モデルは素のIDではなく推論プロファイルARN経由で呼び出す形になります。「sonnetを押したら指定ARNへ飛ぶ」という対応が設定ファイル側で完結するため、独自マッピングを噛ませる必要がなくなります。
SSL証明書エラー時のガイダンス追加
OAuthログインや接続チェックがSSL証明書エラーで落ちるときに、対処指針が具体的に出るようになりました。NODE_EXTRA_CA_CERTS等の設定方法を案内する文言が含まれ、エラーから次の一手まで一画面で繋がります。
運用で固まる系のバグ群を修正
- 複雑なbashコマンドの権限プロンプトで発生していたフリーズ・CPU100%ループを修正
.claude/skills/配下に大量のskillファイルが一度に変わる(git pull等)と発生していたデッドロックを修正- 同一プロジェクトディレクトリで複数のClaude Codeセッションを並走したときにBashツール出力が欠落する問題を修正
いずれも「何もしていないのに固まった/出力が消えた」に直結するタイプのバグで、再現条件が環境依存なため報告が散りがちでしたが、本版でまとめて塞がれています。
サブエージェントとスラッシュコマンドまわり
- Bedrock / Vertex / Foundryで、サブエージェントの
model: opus/sonnet/haiku指定が古いモデル世代へ静かに降格されていた問題を修正 - サブエージェントがspawnしたバックグラウンドbashプロセスが、エージェント終了時にクリーンアップされないリークを修正
/resumeのセッションピッカーに現在のセッションが出ていた問題を修正/ideがonInstall is not definedで落ちていた自動インストール経路を修正/loopがBedrock / Vertex / Foundryおよびテレメトリ無効時に使えなかった問題を修正/heapdumpがWindowsでDesktopフォルダが既存のときEEXISTで失敗していた問題を修正
フックとセッション系
--resume/--continueでセッション再開時に**SessionStartフックが2回発火していた**問題を修正- JSON出力フックが毎ターンのcontextにno-opな
system-reminderを注入していた問題を修正 - 低速な接続と新規録音が重なった際にvoice modeのセッションが破損する問題を修正
JSON出力フックの毎ターン注入は、contextを薄く食い続けるため、長時間セッションでのトークン消費に効くタイプの修正です。
プラットフォーム固有
- Linuxサンドボックスがネイティブビルドで
ripgrep (rg) not foundで起動失敗 - LinuxネイティブモジュールがAmazon Linux 2やglibc 2.26系でロードできない
- Remote Control経由で画像を受け取る際の
media_type: Field requiredAPIエラー - VS Code拡張: プロキシ背後やBedrock / Vertex + Claude 4.5モデルで発生していたHTTP 400エラー
改善・小さな手当て
↑キーで中断直後の復帰が1ステップに(プロンプト復元と会話巻き戻しが同時に走る)- voice modeのpush-to-talk素早い再押下時の自動リトライ
/effortが/modelと同じくClaudeの応答中でも切り替え可能に- macOSクリップボード画像貼り付けの高速化、起動時のIDE検出高速化、Remote Controlのspawn modeプロンプトの文脈表示
デフォルトモデルの変更と非推奨
- Bedrock / Vertex / FoundryのデフォルトOpusがOpus 4.1からOpus 4.6に変更
/output-styleコマンドが非推奨に。/configへの集約で、セッション開始時に出力スタイルを固定してプロンプトキャッシュ効率を上げる方向に切り替わります
modelOverridesとOpus 4.6格上げが企業導入に効く理由
今回の追加と修正を「Bedrock / Vertex / Foundryを使う人」視点で並べると、この版は企業ユーザー向けの整地に寄っていることが浮かび上がります。
| 変更点 | 想定読者 | 効く場面 |
|---|---|---|
modelOverrides追加 | Bedrockで推論プロファイルARN運用 | /modelのUIと実ルーティングを一致させたい |
| デフォルトOpusを4.1から4.6に(Bedrock/Vertex/Foundry) | 企業経路の全員 | モデル未指定時の品質が自動で引き上がる |
| サブエージェントのモデル降格修正 | 企業経路の全員 | opus指定が本当に最新Opusで走る |
/loopのBedrock/Vertex/Foundry対応 | 企業経路 + テレメトリ無効運用 | /loopが使えない状態からの回復 |
| VS Code拡張: プロキシ / Bedrock+4.5のHTTP 400 | 企業 + VS Code | エラー画面の回避 |
直前のv2.1.72が/plan引数化やSDKプロンプトキャッシュ修復など個人運用の手触りを整える版だったのに対し、本版は企業経路の踏み抜きポイントを塞ぐ版と位置付けられそうです。連続する2版で「個人」と「エンタープライズ」を分けて整地している、と読むこともできます。
/output-styleの非推奨化(/configへ集約)もこの流れに乗るもので、セッション開始時に出力スタイルを固定してプロンプトキャッシュのヒット率を上げるという説明がついています。動的に切り替えていた層には手間ですが、キャッシュ率は企業経路ほどコストに直結するため、落とし所として理解しやすい変更です。
まとめ
- Bedrock / Vertex / Foundryで運用しているチームは即更新推奨: モデル降格修正・デフォルトOpus 4.6化・
modelOverridesの3点が同時に効きます - 社内プロキシ配下で詰まっていたチームは推奨: SSL証明書エラー時のガイダンスとVS CodeのHTTP 400修正が入っています
- skillsを共有リポで配布しているチームは推奨:
git pull時のデッドロック解消で日常的なフリーズが消えます - サブエージェント常用なら推奨: モデル降格・bg bashリーク・
SessionStart二重発火がまとめて修正されています
新機能だけ見ると地味な版ですが、企業経路の運用品質に直接効く修正が束で入っており、Bedrock系を本番で使っているチームほど差分が大きく出ます。更新はclaude updateで取得できます。
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