Claude Code v2.1.91 — MCPツール結果の500K許容と、Deep Linkの複数行対応
Claude Code v2.1.91はMCPツール結果の上限をサーバー側で500Kまで押し上げる仕組み、Deep Linkの複数行プロンプト対応、プラグインのbin実行、--resume時のトランスクリプト欠落修正など、運用の詰まりを広く潰した中粒度リリースです。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.91は、MCPサーバーや外部統合の「設計の窓」を広げる変更が中心です。読者目線で効くのは次の3点です。
- MCPツール結果の打ち切り上限をサーバー側で最大500Kまで引き上げ可能に(
_meta["anthropic/maxResultSizeChars"]をオプトインで宣言) claude-cli://open?q=...Deep Linkが複数行プロンプトを受け付けるように(%0Aエンコードが通る)-
--resumeでトランスクリプトの非同期書き込みが失敗した際の履歴欠落を修正
加えて、プラグインがbin/配下の実行ファイルをBashツールから直接叩けるようになり、プラグイン側の配布手段が増えています。普段使いで詰まる箇所をまとめて通す中継リリースとして読むと位置付けが整理しやすい1本です。
あなたの開発フローはどう変わるか
MCPサーバーを書く / 利用する開発者
MCPサーバーが返すツール結果のサイズ上限は、これまでクライアント側(Claude Code)が一律に打ち切る設計でした。DBスキーマのダンプ、長大なログ、検索結果のバッチなど「全部渡したい」結果がトランケートされ、結果を小分けするツールを別途用意するといった打ち切り対策前提の設計を強いられてきました。
本版でMCPサーバーが応答に次のannotationを付与すると、Claude Code側の打ち切り上限を最大500Kまで引き上げられます。
{
"content": [{ "type": "text", "text": "..." }],
"_meta": {
"anthropic/maxResultSizeChars": 500000
}
}ポイントはオプトイン設計であることです。デフォルト挙動は従来どおりで、MCPサーバーを書く側が「この結果はそのまま渡さないと意味がない」と判断したケースだけ明示的に上限を上げます。DBスキーマ全体・大きめのログファイル・検索結果を意味上限で返すといった設計が素直に書けるようになります。
外部ツール / ランチャー / 自動化スクリプトでClaude Codeを叩く
claude-cli://open?q=...形式のDeep Linkで、エンコードされた改行(%0A)がvalidation段階で弾かれていました。本版ではこれが通るようになり、外部ツールから長文プロンプトを1つのDeep Linkに乗せて投げ込めるようになります。MCP結果の500K対応と組み合わせると、「外部ツールから長文タスクを投げ込み、MCPサーバーが大きな結果をそのまま返す」構成が現実的に動きます。
プラグインを開発する人
プラグインにbin/ディレクトリを同梱して、Bashツールからベアコマンドとして起動できるようになりました。my-plugin-cli --fooのようにプラグイン内のスクリプトを叩く構成が素直に書け、モデルが自然にBash経由で叩けます。プラグインの責務範囲が1段広がります。
加えてdisableSkillShellExecution設定が追加され、スキル / カスタムスラッシュコマンド / プラグインコマンドのインラインシェル実行を一括で無効化できます。CI上でClaude Codeを走らせるとき、共有環境でスキルを読み込む運用に向いた設定です。
--resumeを多用する長期セッション運用者
トランスクリプトの非同期書き込みが静かに失敗していた場合、--resume時に会話履歴の一部が消えるという原因がユーザー側で推測しにくい不具合がありました。本版で修正されています。長時間セッションを再開して作業する運用で静かにデータを削っていた可能性があるため、該当者には更新の即時性が高い変更です。
主な変更点
MCPツール結果の持続を呼び出し側で500Kまで拡張
サーバー側で_meta["anthropic/maxResultSizeChars"]を宣言することで、クライアント側の打ち切り上限を最大500Kまで引き上げられるようになりました。デフォルト挙動は変わらず、サーバー側のオプトインで初めて有効化されます。クライアント更新だけでは挙動は変わらないため、サーバー側のannotation実装と組み合わせて検証する必要があります。
disableSkillShellExecution設定でインラインシェル実行を封じる
スキル・カスタムスラッシュコマンド・プラグインコマンドのインラインシェル実行を一括無効化できる設定が追加されました。実行時の権限境界を絞る運用に向きます。
Deep Linkが複数行プロンプトを受け付けるように
%0A(エンコードされた改行)入りクエリが通るようになり、外部ツールから長文プロンプトを1つのDeep Linkに乗せて投げ込めるようになりました。
プラグインがbin/配下の実行ファイルをそのまま呼べる
プラグインにbin/ディレクトリを同梱して、Bashツールからベアコマンドとして起動できます。プラグイン内に補助スクリプトを抱え込み、モデルが自然にBash経由で叩く構成が組めます。
/claude-apiスキルの設計ガイダンス強化
組み込みの/claude-apiスキル(Claude API / Anthropic SDKアプリの設計支援用)に、ツール表面の決め方・コンテキスト管理・キャッシュ戦略の観点が追加されました。
その他の改善
- Bun環境での
stripAnsiをBun.stripANSI経由にルーティングし高速化 - Editツールの
old_stringアンカーを短縮し、出力トークン削減
修正ハイライト
| 修正対象 | 踏んでいた人の状況 |
|---|---|
--resumeでトランスクリプトのチェーン切れ | 非同期書き込みが静かに失敗、再開時に会話履歴の一部が消える |
cmd+deleteが行頭まで削除しない | iTerm2 / kitty / WezTerm / Ghostty / Windows Terminalで発生 |
| リモートセッションのplanモード | コンテナ再起動後にplanファイルを見失い、plan編集時に権限プロンプトが出たり、承認モーダルが空になる |
permissions.defaultMode: "auto"のJSONスキーマ検証 | settings.jsonにauto指定を書くとスキーマエラーになる |
| Windows版のクリーンアップ | 有効版のrollbackコピーが保護対象外で削除されるケース |
/feedbackスラッシュコマンドの消失 | 利用不可時にスラッシュメニューから消えるだけで理由が表示されない → 理由を明示するよう変更 |
--resumeでの履歴欠落は原因がユーザー側で推測しにくいタイプの不具合です。長時間セッションを再開して作業する運用に効きます。
MCP結果500K拡張は実運用の何を変えるか
13項目のうち、設計上の影響が最も大きいのはMCPツール結果の500K対応です。
これまでMCPサーバーを書く開発者は、クライアント側の打ち切りを避けるために「結果を小分けするツールを用意する」「検索とhydrationを別ツールに分ける」「summarize用の別ツールを挟む」といった打ち切り対策前提の設計を強いられてきました。
本版以降は、MCPサーバー側が「この結果は全部意味がある」と宣言できるようになります。具体的には次のような設計が素直に書けます。
- DBスキーマ全体を1ツール呼び出しで返す(巨大スキーマのDBでも切らない)
- 大きめのログファイルを構造化して返す(数万行のaudit logをまとめて読む)
- 検索結果を件数上限ではなく意味上限で返す(打ち切り閾値をツールごとに持つ)
ただしモデルのコンテキスト窓自体が広がるわけではない点は押さえておく必要があります。500Kを返しても、結局モデル側で消費するトークンは増えるため、キャッシュ戦略や後続ツールでのsummarize設計は依然として重要です。ここは個別ツールごとに「本当に上限を上げる必要があるか」を都度判断する使い分けになります。
Deep Linkの複数行対応と組み合わせると、外部ワークフローからClaude Codeを呼び出す経路が太くなる変更です。直前のv2.1.90で計算量線形化が入った文脈と合わせて読むと、本版は「MCP / 外部統合の設計余地を広げる中継リリース」として位置付けられます。直後のv2.1.92ではBedrock対話セットアップなど企業導線の整備が続きます。
まとめ
- MCPサーバー利用 / プラグイン開発は推奨: 500K対応・
bin/実行・disableSkillShellExecutionが効く - 長期セッションの
--resume利用は更新の効果が大きい: トランスクリプト欠落修正 - Deep Link / 外部ツール連携運用は推奨: 複数行プロンプトが通るようになる
- Windows / リモートコンテナ運用は推奨: planモードとバージョンクリーンアップの修正
この流れは翌週のv2.1.94でのBedrock Mantle対応とeffort既定値引き上げに続き、基盤強化と挙動調整を交互に積む開発リズムの一端として読めそうです。MCPサーバーや自作プラグインを抱えている開発者は、本版の更新と同時にサーバー側annotationの見直しを検討する価値があります。
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