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Anthropic株価は買えるか — 非上場の現状とIPOの行方

Anthropic株価は買えるか — 非上場の現状とIPOの行方

Anthropicは非上場で、株価は存在せず直接購入もできません。評価額の推移とIPO準備状況、間接的に投資できる手段をまとめます。

Anthropicは非上場企業です。証券取引所に上場していないため、ティッカーシンボルも公開株価も存在しません。「Anthropic株」を検索エンジンで探しても、買える先は証券会社の取引画面ではなく、評価額の推移や未公開株ファンド、そしてIPO(新規株式公開)準備の進捗情報になります。本記事は「株を買えるか・評価額はどう推移したか・IPOはいつか・間接的な投資手段は何か」の4点に絞って扱います。Anthropicという会社そのものの創業経緯や事業内容はAnthropicとはで全体像をまとめています。

Anthropic株を証券会社で買えるか

結論から言うと、証券会社を通じてAnthropic株を直接買う方法はありません。Anthropicは2021年の創業以来、株式を非公開のまま資金調達を重ねてきた法人形態(Public Benefit Corporation、PBC)です。株式は一般の証券市場に流通していません。

上場企業であれば日々の売買で株価が形成されますが、Anthropicの場合は「評価額」という別の数字だけが存在します。これはSeries A〜Hといった私募増資のたびに、投資家とAnthropicが合意した企業価値であり、市場でリアルタイムに変動する株価とは性質が異なります。直近のSeries H(2026年5月28日発表)では、ポストマネー評価額が9,650億ドルに達しました。

株を直接買えない以上、実際に確認できるのは評価額の水準とIPO準備の進み具合です。次の2節で順に扱います。

評価額はどう推移してきたか

Anthropicの評価額は、直近1年余りで急激に切り上がっています。公表されている主要ラウンドを並べると、上昇のペースがそのまま見えてきます。

時期ラウンド調達額ポストマネー評価額
2025年3月ラウンドSeries E調達額35億ドルポストマネー評価額615億ドル
2025年9月ラウンドSeries F調達額130億ドルポストマネー評価額1,830億ドル
2026年2月ラウンドSeries G調達額300億ドルポストマネー評価額3,800億ドル
2026年5月ラウンドSeries H調達額650億ドルポストマネー評価額9,650億ドル

Series GからSeries Hまでの3ヶ月半で、評価額は2.5倍を超えました。Anthropicの年換算売上高(run-rate)は同期間に140億ドルから470億ドル超へと伸びており、評価額の上昇はこの売上成長を裏付けに持っています。ただし、この9,650億ドルという数字はあくまで私募投資家が合意した価格です。上場株のように毎日値が付く市場価格ではなく、次のラウンドや実際のIPO価格で大きく動く可能性がある点は押さえておく必要があります。

IPOはいつ実現するのか

Anthropicは2026年6月1日、米国の証券取引委員会(SEC)にForm S-1の登録届出書ドラフトを秘密裏に提出したと発表しました。これは1933年証券法Rule 135に基づく手続きで、「上場を確約するもの」ではなく「上場という選択肢を制度上確保する」段階に位置付けられます。公募株数・公募価格・上場時期は、この発表時点で一切明らかにされていません。

CNBCは2026年7月15日、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースがIPOの引受幹事として投資家との事前面談の調整を始めたと報じました。同記事は2026年10月の上場が視野に入っているとしつつ、正式なタイミングはまだ確定していないと伝えています。実際の上場時期はSECの審査状況と市場環境次第で変わりうる流動的な計画です。

未公開株を「買える」とうたうサービスに注意

Anthropicは2026年5月12日、未公開株の売買を仲介すると称する複数のプラットフォームに対して警告を発しました。TechCrunchの報道によれば、Anthropicは当初8社を名指ししていました。対象はOpen Door Partners(TechCrunchでの表記はOpen Doors Partners)、Unicorns Exchange、Pachamama Capital、Lionheart Venturesの4社です。さらにHiive、Forge Global、Sydecar、Upmarketの4社も含まれていました。その後Forge Globalなどが誤指定を主張して異議を唱えました。Anthropicは同年5月30日までに、警告対象をOpen Door Partners、Unicorns Exchange、Pachamama、Upmarketの4社へ縮小しました。この見直しでHiiveとForge Globalはリストから外れています。Anthropicのサポートページには「これらの企業が提供するAnthropic株式の売却・譲渡は無効であり、当社の帳簿には一切反映されない」と明記されています。

背景には、Anthropicの優先株・普通株に譲渡制限が設けられており、取締役会の承認を経ない売買は法的に無効になるという仕組みがあります。評価額が急騰する局面では、特別目的会社(SPV)を介して未公開株への「アクセス」をうたう商品が増えがちです。Anthropic自身が発行体として認めていない取引は、株式そのものの権利を保証しません。「Anthropic株が買える」とうたうサービスを見かけたら、発行体であるAnthropicが認めた取引かどうかをまず確認する必要があります。

Amazon株やGoogle株は代わりになるか

Anthropicへ直接投資できない代わりに、既に上場しているAmazonやAlphabet(Google)の株式を通じた間接的な方法があります。両社はAnthropicの主要出資者かつクラウド供給パートナーで、株式を保有すればAnthropicの価格変動に間接的な感応度(エクスポージャー)を持てます。

出資元累計出資・コミット保有割合・評価額の目安
Amazon累計出資・コミット130億ドル出資済み、追加200億ドルをコミット保有割合・評価額の目安報道による評価は9,650億ドル評価時で1,350億〜1,600億ドル相当
Alphabet(Google)累計出資・コミット130億ドル以上出資済み、追加400億ドルをコミット保有割合・評価額の目安株式ベースで約14%(契約上15%が上限)、評価額換算で約1,350億ドル

これらの数字はFortuneやThe Motley Foolの報道による推定であり、Anthropic自身が正式に開示した保有比率ではありません。またAmazon株・Google株の値動きは、両社の広告事業やクラウド事業全体に左右されるため、Anthropicの評価額だけを映す代理変数にはなりません。「Amazon株を買えばAnthropicに投資したのと同じ」とは言えない点は誤解しやすいところです。

Amazonとの関係については、10年で最大5ギガワットの計算容量を確保する提携も別途進んでいます。詳細はAnthropic-Amazonの計算容量拡張で扱っています。

ETFや未公開株ファンドでも触れられるか

上場済みのファンドを経由して、Anthropicの未公開株そのものに間接的に触れる方法も存在します。代表例が2つあります。

1つ目は、KraneShares Public-Private AI & Technology ETF(ティッカー:AGIX)です。このETFは公開企業だけでなく未公開企業にも直接投資でき、2026年4月15日時点でAnthropicへの直接配分比率は2.91%でした。投資自体は2025年2月、Series Eの評価額615億ドルの時点で行われています。

2つ目は、NYSE上場のクローズドエンド型投資会社Destiny Tech100(ティッカー:DXYZ)です。2026年2月11日、Magnitude ANC IIIという投資ビークルを通じて1億ドルをAnthropicへ投じたと発表しました。同社の投資先はSpaceXやOpenAIなど複数の未公開テック企業に及びます。

こうしたクローズドエンド型ファンドには、上場投資信託(ETF)のような新規発行・償還の仕組みがありません。市場価格が組み入れ資産の純資産価値(NAV)から乖離しやすい構造です。実際にBlackRock Science and Technology Term Trustは2026年2月時点で、NAVに対し10.9%のディスカウントで取引されていました。ファンド経由の間接投資は、Anthropic本体の成長そのものではなく、AI関連IPOへの市場の期待感に値が動きやすい性質を持ちます。

よくある質問

Anthropicの株価はいくらですか

存在しません。Anthropicは非上場のため、日々値が付く株価という概念自体がありません。参照できるのは私募増資で合意された評価額で、直近のSeries H(2026年5月)では9,650億ドルでした。

Anthropicはいつ上場しますか

確定していません。2026年6月にSECへS-1を秘密提出したことは公表されていますが、上場するかどうか、いつ上場するかはSECの審査と市場環境次第です。CNBCは2026年10月の上場が視野に入っていると報じていますが、あくまで準備段階の観測です。

個人投資家がAnthropicの未公開株を直接買う方法はありますか

Anthropic自身が認めた経路は基本的にありません。2026年5月、Open Door Partners・Unicorns Exchange・Pachamama・Upmarketの4社がAnthropicから正式に警告を受けています。当初はHiive・Forge Globalを含む8社が名指しされましたが、異議申し立てを経て5月30日までに4社へ縮小されました。そこで提示される「株式」の権利は、Anthropicの帳簿上認められません。

Anthropicのティッカーシンボルはもう決まっていますか

まだ決まっていません。ティッカーシンボルは実際に上場した時点で初めて付与されます。上場する取引所自体も、この発表時点では明示されていません。

AmazonやGoogleの株を買えば、Anthropicに投資したことになりますか

厳密には異なります。両社はAnthropicの大株主ですが、株価は自社の広告・クラウド事業全体で決まるため、Anthropicの評価額を映す純粋な代理変数にはなりません。

Anthropicの評価額はどうやって決まるのですか

Series A〜Hのような私募増資のたびに、Anthropicと投資家が合意した価格で決まります。上場株の市場価格のように需給で毎日動く数字ではなく、ラウンドごとに段階的に切り上がっていく性質のものです。

まとめ

Anthropicは非上場で、証券会社を通じて買える株価は存在しません。参照できるのはSeries Hで示された9,650億ドルという評価額と、2026年6月に秘密提出されたS-1に基づくIPO準備の進捗だけです。上場時期はSEC審査と市場環境次第で確定しておらず、CNBCが報じる2026年10月の観測も変わりうる情報として扱う必要があります。

未公開株を「買える」とうたうプラットフォームには、Anthropic自身が権利を認めていないという明確なリスクがあります。一方でAmazon・Google株や、AGIX・DXYZのような上場ファンドを通じた間接的な方法は既に存在します。ただしいずれも、Anthropic本体の評価額をそのまま映すものではない点は踏まえておく必要があります。

会社としてのAnthropicをより広く知りたい読者は、Anthropicとはを参照してください。創業から資金調達までの全体像を整理しています。

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