Anthropic株は買える?非上場の現状とIPOの時期、間接投資の手段
Anthropic株は証券会社では買えません。非上場で株価もなく、S-1は2026年10月26日に公開提出されました。IPOの時期、評価額の推移、間接的に触れる手段を示します。
Anthropic株は、証券会社では買えません。Anthropicは非上場企業で、公開株価がないためです。2026年10月26日にS-1が公開提出され、Class A株をナスダック・グローバル・セレクト市場に銘柄コードANTで上場する予定ですが、効力が発生するまで売買はできません。
Anthropicという会社そのものの創業経緯や事業内容はAnthropicとはにまとめています。
検索でよく見られる問いへの答えを、先に表にします。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| Anthropic株は買えるか | 答え証券会社の画面からは買えません |
| 購入方法はあるか | 答え一般向けの公式な購入経路はありません。「買える」とうたう仲介には発行体が警告を出しています |
| 株価はいくらか | 答え株価はなく、あるのはSeries Hの評価額9,650億ドルです |
| 上場はいつか | 答え株数と価格帯は未定です。S-1の効力発生前は売買できません |
| 間接的に触れる手段は | 答えAmazon・Alphabetの株、AGIXなどのファンドがあります |
Anthropic株を証券会社で買えるか
証券会社を通じてAnthropic株を直接買う方法はありません。Anthropicは2021年の創業以来、株式を非公開のまま資金調達を重ねてきたPublic Benefit Corporation(PBC)です。株式は一般の証券市場に流通していません。
上場企業なら日々の売買で株価が決まります。Anthropicにあるのは「評価額」だけです。Series A〜Hといった私募増資のたびに、投資家とAnthropicが合意した企業価値で、市場でリアルタイムに動く株価とは性質が違います。
株価と評価額の違い
上場企業の株価
取引所での売買で毎日変わります。ティッカーシンボルがあり、証券会社の画面で買えます。
Anthropicの評価額
資金調達のたびに投資家と合意した数字です。次のラウンドかIPOまで更新されず、一般の売買画面もありません。
Series Hで何が起きたか — 評価額9,650億ドルの中身
評価額の推移を追う前に、直近のSeries H(2026年5月28日発表)の中身を見ておきます。Anthropicの発表では、調達額は650億ドル、ポストマネー評価額は9,650億ドルです。リード投資家はAltimeter Capital、Dragoneer、Greenoaks、Sequoia Capitalの4社でした。
Series Hの数字(Anthropic発表)
調達額
650億ドル
Series H
ポストマネー評価額
9,650億ドル
2026年5月28日発表
年換算売上高
470億ドル超
発表月に到達
発表によれば、資金の使い道は3つです。安全性と解釈可能性の研究を進めること、需要に応えるためにコンピュート(計算資源)を広げること、顧客が頼るプロダクトとパートナーシップを拡大することです。CFOのKrishna Raoは、Claude CodeとCoworkをより強力で適応しやすいものにしていくと述べています。
共同リードにはCapital Group、Coatue、D1 Capital Partners、GIC、ICONIQ、XNの6社が並びます。このほかの主要投資家には、Baillie Gifford、Blackstone、T. Rowe Price、Temasek、Jane Streetなどがいます。Fidelity Management & Research Companyも含まれます。発表には、ハイパースケーラー(大手クラウド事業者)からの既存コミット分150億ドルも含まれるとあります。Amazonなどの既存出資者の資金が、このラウンドの650億ドルの一部に入っているということです。150億ドルのうち50億ドルがAmazon分です。
戦略的インフラパートナーとして、Micron、Samsung、SK hynixも加わっています。いずれもメモリー、ストレージ、ロジック半導体の供給を担う企業です。計算容量の契約先は、Amazon(最大5ギガワット)、GoogleとBroadcom(次世代TPUで5ギガワット)、SpaceX(Colossus 1・2のGPU)です。主要クラウド事業者であり訓練パートナーでもあるのは、引き続きAWSとされています。
ポストマネーは、調達した資金を加えたあとの評価額です。調達前のプレマネーと並べて語られるため、記事によって使われる数字が違うことがあります。調達額を引けば、ラウンド前の評価額は9,000億ドルと計算できます(この引き算は本記事の計算で、発表に書かれた数字ではありません)。
評価額はどう推移してきたか
直近1年余りで、評価額は急激に切り上がっています。公表されている主要ラウンドを並べると、上昇のペースがそのまま見えます。
| 時期 | ラウンド | 調達額 | ポストマネー評価額 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月 | ラウンドSeries E | 調達額35億ドル | ポストマネー評価額615億ドル |
| 2025年9月 | ラウンドSeries F | 調達額130億ドル | ポストマネー評価額1,830億ドル |
| 2026年2月 | ラウンドSeries G | 調達額300億ドル | ポストマネー評価額3,800億ドル |
| 2026年5月 | ラウンドSeries H | 調達額650億ドル | ポストマネー評価額9,650億ドル |
Series GからHまでの3ヶ月半で、評価額は2.5倍を超えました。年換算売上高も同期間に140億ドルから470億ドル超へ伸びています。
主導した投資家も毎回変わっています。Series EはLightspeed Venture Partners、Series FはICONIQ、Series GはGICとCoatueがリードしました。年換算売上高は、2025年初めの約10億ドルから、2025年8月に50億ドル超、2026年2月に140億ドル、2026年5月に470億ドル超へ伸びています。評価額の上昇は、この売上の伸びと並行しています。Series Gの時点で、Claude Codeだけでも年換算売上高は25億ドルを超えていました。
ただし9,650億ドルは、私募投資家が合意した価格にすぎません。上場株のように毎日値が付く市場価格ではないため、次のラウンドや実際のIPO価格で大きく動く可能性があります。
IPOはいつ実現するのか
Anthropicは2026年6月1日、米国の証券取引委員会(SEC)にForm S-1の登録届出書ドラフトを秘密裏に提出したと発表しました。その後、2026年10月26日にS-1を公開提出しています。Class A株をナスダック・グローバル・セレクト市場に銘柄コードANTで上場する意向です。公募する株数と価格帯は未定です。
登録届出書はSECに提出済みですが、効力は発生していません。効力が発生するまで、株式の売却も買い付けの受け付けもできません。発表は、売り出しの申し込みでも買い付けの勧誘でもないと断っています。
CNBCは2026年7月15日、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースがこの案件に関わる3行として、投資家との事前面談の調整を始めたと報じました。同記事は2026年10月の上場が視野に入っているとしつつ、正式なタイミングは確定していないと伝えています。時期はSECの審査と市場環境次第です。
2026年5〜10月の出来事
- 5月12日未公開株仲介の名指しをTechCrunchが報道
自社株の売買を仲介すると称するプラットフォーム8社が、サポートページで名指しされていると伝えられました(次の節で詳述)。
- 5月28日Series H発表
650億ドルを調達し、ポストマネー評価額は9,650億ドルになりました。
- 6月1日S-1ドラフトを秘密提出
SECに登録届出書のドラフトを提出したと発表しました。
- 7月15日引受幹事の動きをCNBCが報道
3行が投資家との事前面談の調整を始めたと伝えられました。10月上場が視野にあるとの内容です。
- 10月26日S-1を公開提出
Class A株をナスダック・グローバル・セレクト市場にANTの銘柄コードで上場する意向を発表しました。株数と価格帯は未定です。
銘柄コードはANTの予定です。上場の有無と時期は、登録届出書の効力発生など手続きの進み具合で決まります。
未公開株を「買える」とうたうサービスに注意
Anthropicはサポートページ(2026年2月公開)で、未公開株の無断売買への警告を出しています。2026年5月12日のTechCrunchの報道時点では、名指しされたのは8社でした。
- Open Door Partners
- Unicorns Exchange
- Pachamama Capital
- Lionheart Ventures
- Hiive
- Forge Global
- Sydecar
- Upmarket
HiiveとForge Globalは、新規の提供(new offerings)に限った名指しでした。TechCrunchは1社目をOpen Doors Partnersと表記しています。
その後、Forge Globalなどが誤指定を主張して異議を唱えました。その結果、Anthropicは5月30日までに警告対象をOpen Door Partners、Unicorns Exchange、Pachamama、Upmarketの4社へ縮小しました。HiiveとForge Globalはリストから外れています。
その後もリストは更新され、サポートページの現在の掲載はUnicorns Exchangeの1社です。リストから外れても、関連する投資商品をAnthropicが認めたことにはなりません。
Anthropicのサポートページには、これらの企業が提供するAnthropic株式の売却・譲渡は「無効であり、当社の帳簿には一切反映されない」と明記されています。
背景には、優先株・普通株に譲渡制限があり、取締役会の承認を経ない売買は法的に無効になる仕組みがあります。評価額が急騰する局面では、特別目的会社(SPV)を介して未公開株への「アクセス」をうたう商品が増えがちです。発行体が認めていない取引は、株式の権利を保証しません。
サポートページは、「Anthropicには直接投資できないが、当社経由ならアクセスを確保する」とうたう投資ファンドにも警告しています。こうしたファンドは、譲渡制限を回避する仕組みに頼っている可能性が高いという見立てです。先物契約やトークン化証券などの形で一般向けに売る第三者の商品も、譲渡制限のために無価値になりうると説明されています。
警戒すべきサインとして、次の点が挙げられています。
- メール・SNS・メッセージアプリで、頼んでいないのに株式を勧められる
- 「限定」「独占」のアクセスだと言われる
- 暗号資産や送金など、追跡しにくい方法での支払いを求められる
- 急いで投資するよう迫られる
- 会社の制限を回避する仕組みを組んだと説明される
- 取締役会の承認を示す書類を出せない
Anthropicは一般向けに株券を発行していません。株券を渡してくる相手は、詐欺である可能性が非常に高いとも明記されています。メールで届いた勧誘の差出人を確かめたいときは、Anthropicの公式メールの送信元7件と見比べられます。
Amazon株やGoogle株でAnthropicに触れられるか
上場済みのAmazonやAlphabet(Google)は、Anthropicの主要出資者でありクラウド供給パートナーです。株式を保有すれば、Anthropicの価格変動に間接的な感応度(エクスポージャー)を持てます。
| 出資元 | 累計出資・コミット | 保有割合・評価額の目安 |
|---|---|---|
| Amazon | 累計出資・コミット130億ドル出資済み、追加200億ドルをコミット | 保有割合・評価額の目安報道による評価は9,650億ドル評価時で1,350億〜1,600億ドル相当 |
| Alphabet(Google) | 累計出資・コミット130億ドル以上出資済み、追加400億ドルをコミット | 保有割合・評価額の目安株式ベースで約14%(契約上15%が上限)、評価額換算で約1,350億ドル |
これらの数字はFortuneやThe Motley Foolの報道による推定です。Anthropic自身が開示した保有比率ではありません。
また、Amazon株・Google株の値動きは両社の広告事業やクラウド事業全体に左右されます。Anthropicの評価額だけを映す代理変数にはなりません。
Amazonとの関係では、10年で最大5ギガワットの計算容量を確保する提携も進んでいます。詳細はAnthropic-Amazonの計算容量拡張で扱っています。
ETFや未公開株ファンドでも触れられるか
上場済みのファンドを経由して、Anthropicの未公開株に間接的に触れる手段も報じられています。代表例は2つです。
Anthropicに触れる上場ファンド2例
KraneShares AGIX
KraneShares Public-Private AI & Technology ETF(ティッカー:AGIX)です。公開企業に加えて未公開企業にも直接投資できます。2026年4月15日のAnthropicへの直接配分比率は2.91%でした。投資自体は2025年2月、Series Eの評価額615億ドルの時点です。
Destiny Tech100 DXYZ
NYSE上場のクローズドエンド型投資会社(ティッカー:DXYZ)です。2026年2月に、Anthropicへのエクスポージャーを加えたと報じられました。
クローズドエンド型ファンドには、ETFのような新規発行・償還の仕組みがありません。市場価格が組み入れ資産の純資産価値(NAV)から乖離しやすい構造です。
ファンド経由では、Anthropic本体の成長よりも、AI関連IPOへの市場の期待感に値が動きやすい面があります。なお、ファンド経由のアクセス全般にAnthropicが警告を出している点は、前の節のとおりです。
上場前に出回る「予想価格」は、発行体が示した数字ではありません。売買の可否や損益は本記事の範囲外で、判断には発行体・ファンドの開示資料と専門家への相談が必要です。
まとめ
非上場のAnthropicには、証券会社で買える株価がありません。見られるのは、Series Hの9,650億ドルという評価額と、6月に秘密提出され10月26日に公開提出されたS-1に基づく上場準備の進み具合です。
IPOの時期は未定で、株数と価格帯もこれから決まります。S-1の財務諸表とリスクファクターはEDGARで読めるので、株価が付く前に財務の中身を確かめられます。議決権の設計が条文で読めるようになった点はAnthropicがS-1を公開提出にあります。
参照した一次ソース
この記事の記述は、次の一次ソースと照合しています。更新時に参照先が変わった場合は一覧も更新します。
- anthropic.com/news/series-h
- anthropic.com/news/confidential-draft-s1-sec
- sec.gov/Archives/edgar/data/2130357/000162828026067168/anthropicpb…
- techcrunch.com/2026/05/12/anthropic-warns-investors-against-secondary-pla…
- cnbc.com/2026/07/15/anthropic-ipo-banks-investor-meetings.html
- fortune.com/2026/06/04/amazon-google-billions-anthropic-ipo
- fool.com/investing/2026/05/28/anthropic-just-delivered-spectacular-…
- kraneshares.com/how-this-ai-etf-agix-was-able-to-invest-in-anthropic-ahead…
- benzinga.com/trading-ideas/movers/26/02/50563366/destiny-tech100-stock-…
- investing.com/analysis/how-to-invest-in-anthropic-via-etfs-and-term-trus…
- thenextweb.com/news/anthropic-cuts-unauthorized-platform-list-965-billion…