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Claude Codeのwriting-skillsプラグインで文体規格16種を使い分ける

Claude Codeのwriting-skillsプラグインで文体規格16種を使い分ける

writing-skillsは、plain languageやGOV.UKなど9つの文体規格と7つのキャラクターボイスを16本のSKILL.mdにしたプラグインです。入れ方、日本語での使いどころ、個別に止められない点を解説します。

writing-skillsは、文章の書き方の規格を16本のSKILL.mdにしたサードパーティ製プラグインです。内訳は、plain languageやGOV.UKなど実在の基準に沿った9つのフレームワークと、7つのキャラクターボイスです。「平易な言葉で書き直して」と頼むだけで該当のスキルが読み込まれ、最後に確認用のチェックリストを通してから結果が返ります。

ただし、規則はすべて英語の語数や語種で書かれています。日本語の文書に使うなら、そのまま通る規則と、数え方から作り直す規則を切り分ける必要があります。この記事では、入れ方、各スキルが検査する項目、日本語での使いどころ、そしてプラグイン経由だと個別に止められない点を扱います。

16本のスキルは何でできているか

リポジトリの説明は「16 writing-style skills for AI agents: 9 measurable frameworks, 7 character voices」です。ライセンスはMITで、plugin.jsonのバージョンは0.6.0です。変更履歴によると、0.6.0(2026-09-02)でorwells-rulesが加わり、9つ目のフレームワークになりました。

各スキルは約45〜55行の短いファイルで、構成がそろっています。

  • The core rule:規則を太字1文で言い切る
  • Mechanics:守る手順を番号付きで並べる
  • Verify:出力前に通すチェックリスト
  • Do not:やりすぎを止める禁止事項
  • Example transformations:Before/Afterの書き換え例

Verifyが付いているのが特徴です。「第1文に結論があるか」「25語を超える文がないか」といった項目を、エージェントが納品前に自分で確かめる設計になっています。

Claude Codeへの入れ方と呼び出し名

READMEは複数の入れ方を挙げています。Claude Codeならプラグインとして入れます。

/plugin marketplace add surendranb/writing-skills
/plugin install writing-skills@writing-skills

マーケットプレイス名もプラグイン名もwriting-skillsなので、@の前後が同じ名前になります。プラグインのスキルは/プラグイン名:スキル名の形で呼べます。たとえば次のとおりです。

  • /writing-skills:plain-language
  • /writing-skills:business-writing
  • /writing-skills:yoda

自分のスキルと同名でも衝突しません。プラグインのスキルは名前空間が付くため、~/.claude/skills/や.claude/skills/に置いた同名スキルとは別物として共存します。

READMEにはほかに、npx skills add writing-skills(対応するエージェント全部に入る)、npm install writing-skills、pip install writing-skillsも載っています。Claude Codeだけで使うなら、アンインストールを/pluginで管理できるプラグイン経由が扱いやすい入れ方です。プラグイン配布の全体像はClaude Codeプラグインとマーケットプレイスの解説にまとめています。

9つの規格スキルは何を数えて検査するか

フレームワーク側のVerifyは、数値で測れる項目を多く含みます。READMEの一覧とSKILL.mdのVerifyを並べると、次のようになります。

スキル拠り所Verifyの主な項目
orwells-rules拠り所Orwellの6規則Verifyの主な項目受動態は文の10%未満、禁止リストの比喩はゼロ
plain-language拠り所Plain Writing ActVerifyの主な項目1文25語以内、受動態は約10%以下、Flesch Reading Ease 60以上
business-writing拠り所BLUF(結論先行)Verifyの主な項目第1文に結論か依頼、依頼は動詞と期限で1つ、25語超の文なし
corporate-communication拠り所社内通達Verifyの主な項目第1文にニュース、読者への影響を前半に、婉曲表現なし
gov-uk-style拠り所GOV.UKVerifyの主な項目1文25語未満、段落5行未満、見出しは重要語を先頭に
asd-ste100拠り所Simplified Technical EnglishVerifyの主な項目手順の文は20語以内、名詞の連なりは3語まで
google-dev-docs拠り所Googleの開発者向け文書Verifyの主な項目見出しは動名詞か動詞、二人称、現在形
journalism-ap拠り所AP StylebookVerifyの主な項目第1文でwho/what/when/where、意見語なし、段落は2文以内
scott-adams拠り所Scott Adamsの文章法Verifyの主な項目平均15語未満、第1文で興味を引く、very/reallyを削る

gov-uk-styleの段落の長さは、READMEの表が「5文以内」、SKILL.mdのThe core ruleが「5行未満」と書いていて、単位が食い違っています。どちらで検査するかはスキルの本文側が基準になるので、READMEの表は目安として読むのが安全です。

同じ「文の長さ」でも上限は25語、20語、15語と揃っていません。後で見るように、これが複数のスキルが同時に動いたときの扱いに響きます。

日本語の文書に通る規則と通らない規則

規則の書き方を見ると、日本語にそのまま持ち込める部分と持ち込めない部分がはっきり分かれます。

構造で定義された規則は、言語に依存しません。

  • 第1文に結論か依頼を置く(business-writing、corporate-communication、journalism-ap)
  • 依頼は1つに絞り、期限を添える
  • 行為者を主語に立てる(plain-languageの「We will refund you」の型)
  • 見出しは答えや作業を表す語から始める

語を数える規則は、そのままでは使えません。

  • 25語・20語・15語といった語数の上限
  • Flesch Reading Easeの下限(英語の音節と語数から計算する指標です)
  • utilizeやpursuant toなどの禁止語リスト
  • Orwellの「短いSaxon語を選ぶ」といった語種の規則
  • APの「1〜9は綴り、10以上は数字」という数字表記

asd-ste100は、英語を母語としない読者にも意味が1つに決まる英語、という前提で書かれた規格です。日本語の手順書にそのまま当てはまる規格ではありません。

つまり、日本語で使えるのは、構造の規則を使うbusiness-writing、corporate-communication、gov-uk-style、google-dev-docsの考え方が中心になります。ここまでが、スキルの文面から読み取れる範囲です。日本語の文章に対する検査精度は、導入するチームが自分の文書で試して判断することになります。

閾値を日本語に書き換えて自分のスキルにする

数え方が合わないなら、SKILL.mdを日本語で書き直して自分のスキルにします。plain-languageの骨格を借りた例は次のとおりです。閾値の数字は例であり、元のスキルにある値ではありません。

mkdir -p .claude/skills/ja-plain-language

.claude/skills/ja-plain-language/SKILL.mdに次を書きます。

---
name: ja-plain-language
description: 日本語の社外向け文書を平易に書き直す。「読みやすくして」「平易な日本語に」と頼まれたときに使う。
---
 
# 平易な日本語
 
## 規則
1. 第1文に結論か依頼を書く。
2. 1文は60〜80字、100字を超えたら分ける。
3. 行為者を主語にする。「実施されます」より「当社が実施します」。
4. 漢字の名詞を4語以上つなげない。
5. 段落は3文までにする。
 
## Verify
- 100字を超える文がない
- 第1文に結論か依頼がある
- 「〜について」「〜に関して」が連続していない

この例はVerifyを字数で測れる形にしています。Verifyの項目を数えられる形に書き換えておくと、エージェントが自分で検査しやすくなります。スキルの置き場所と書き方の全般はClaude Codeのスキルガイドにあります。

MITライセンスなので、元のSKILL.mdを改変して使うことは認められています。ライセンス表示の扱いはリポジトリのLICENSEに従ってください。

キャラクターボイス7人の使いどころ

ボイス側はted-lasso、jack-sparrow、shrek、yoda、winnie-the-pooh、paddington、bob-rossの7本です。READMEの見出しは「rate-limited against caricature」で、誇張しすぎない歯止めが仕様に入っています。

yodaのVerifyはわかりやすい例です。

  • 全ての文が3〜8語
  • 語順を倒すのは3文に1文程度で、全文は倒さない
  • 3音節を超える語と抽象名詞を使わない
  • 末尾は単独の格言で締める

jack-sparrowも、口癖の「savvy?」は最大1回、海賊語の名詞を積みすぎない、と上限を設けています。READMEの例では、「Rejection email, but make it Paddington」にpaddingtonが答え、「丁寧さを崩さずに断る」文面を返すとされています。

日本語の文書での使いどころは、社内の雑談チャンネル向けの告知や、勉強会のスライドの導入文のような、遊びが許される場面に限られます。語順の倒置や音節の制限は英語固有の仕掛けなので、日本語で同じ効果が出るかは試してみないとわかりません。顧客向けの正式文書にボイスを当てる使い方は、説明文の想定用途にも入っていません。

説明文が常駐する量と、個別に止められない点

16本のdescriptionを合計すると約4,000字です。最長はorwells-rulesの360字で、スキル一覧に載る説明文の上限1,536字には、どれも届きません。切り詰められる心配はなく、問題は量です。説明文は呼ぶ前から一覧に載るので、使わないボイスも常に文脈の一部を占めます。上限の変え方はskillListingMaxDescCharsで扱っています。

落とし穴

skillOverridesではプラグインのスキルを個別に止められない

skillOverridesで"off"や"name-only"にできるのは、自分で置いたスキルなどです。プラグインのスキルには効かないと、スキルの設定ページに明記されています。ボイス7本だけを消したくても、/pluginで管理できる単位はプラグイン全体です。

止め方は二通りあります。

  • プラグインごと無効にして、必要なSKILL.mdだけを.claude/skills/にコピーする
  • プラグインは入れたまま、使うスキルを名前で呼び、説明文の常駐コストは受け入れる

組織の管理設定でスキルをプラグイン由来に限っている環境では、コピーしたスキル自体が読み込まれない場合があります。その条件はstrictPluginOnlyCustomizationに詳しくあります。

複数のスキルが同時に発動したらどうなるか

READMEの使い方は「Ask for the style. The skill loads itself.」です。依頼文がdescriptionに合えば自動で読み込まれる仕組みですが、説明文には重なりがあります。たとえば、plain-languageは公共向け文書、gov-uk-styleは公共向け・行政向け文書、business-writingは経営層向け連絡を担当し、「分かりやすい公開文書」という依頼には複数が当てはまります。

16本のSKILL.mdのどれにも、複数のスキルが同時に発動したときの優先順位を定める節がありません。上限が25語のスキルと、15語のスキルが両方読み込まれたら、どちらに従うかはモデル任せです。さらに読み込んだスキルの本文は会話に残り続け、自動圧縮の際は1スキルあたり先頭5,000トークン、全体で25,000トークンの予算で引き継がれます。

実務上の対処は単純です。

  • 依頼文にスキル名を入れる(「/writing-skills:plain-languageで直して」)
  • 2つの規格を重ねたいときは、1つ目の結果を渡して2つ目を別ターンで当てる
  • 日本語向けの自作スキルを使うなら、プラグイン側の同種スキルは外しておく

文体の固定そのものに興味があるなら、Projectsとの使い分けまで扱ったClaude文章作成ガイドも参考になります。

導入を決めるときの見方

英語の文書を書くチームには、Verify付きの規格集として手っ取り早く効きます。日本語中心のチームには、そのまま入れるより、構造の規則だけを借りて閾値を書き換える使い方が合っています。16本のうち実際に使うのが2〜3本なら、プラグインで全部入れるより、必要なSKILL.mdだけをコピーしたほうが、説明文の常駐も同時発動の曖昧さも小さく済みます。

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