Claude kintone連携ガイド — 公式MCPサーバーの導入手順
サイボウズが公開する公式kintone MCPサーバーを使い、Claude CodeとClaude Desktopからkintoneを操作する設定手順をまとめます。認証方式の選び方とつまずきどころも扱います。
サイボウズは2025年、kintoneの公式ローカルMCPサーバーをOSSとして公開しました。npmパッケージ・Dockerイメージ・Claude Desktop用のMCPBパッケージの3方式で配布され、Claude CodeとClaude Desktopの両方からアプリ情報の取得、レコードの追加・更新・削除、フォーム設定の変更まで自然言語で指示できます。
kintone MCPサーバーとは何か
kintone MCPサーバーは、サイボウズがApache 2.0ライセンスで公開する公式OSSです。cybozu developer networkは「MCPサーバーに対応した生成AIツール(例:Claude Desktop)と組み合わせて利用でき、生成AIからkintoneを操作できる」と説明しています。GitHubのkintone/mcp-serverリポジトリがコードとドキュメントの一次情報源です。
サポート窓口はAPIサポートの対象外で、バグ報告や機能要望はGitHub Issuesで受け付ける運用です。個人開発者が使う分にも、業務でチーム導入する場合にも、この前提を先に押さえておくと導入後の期待値がずれません。
cybozu developer networkは、OSSとして公開した狙いを「生成AIとkintone、さまざまなサービスとの連携を柔軟に試せるようにするため」「技術者がコードを自由に変更できるようになり、実現したい個別のユースケースにも柔軟に対応できる」と説明しています。国産のグループウェア・業務アプリ基盤を、Anthropicの公式チャネルを経由せずサイボウズ自身が保守する形で提供している点は、他の海外SaaS向けMCPサーバーとの違いとして押さえておく価値があります。同じ国産のビジネスチャット・グループウェアとしてはLINE WORKSもよく使われており、Claude LINE WORKS連携をMCPで実現する方法ではコミュニティ製サーバー経由で対応できる範囲を扱っています。
利用できる操作は次の通りです。アプリ情報・フィールド設定・フォームレイアウトの取得と変更、レコードの取得・追加・更新・削除、レコードコメントの追加、添付ファイルのダウンロード、動作テスト環境でのアプリ作成とデプロイ、スペースの作成・更新・削除まで、26個のツールが用意されています。
| カテゴリ | 主なツール | できること |
|---|---|---|
| アプリ情報 | 主なツールkintone-get-apps / kintone-get-app | できることアプリ一覧・単一アプリの詳細を取得 |
| フォーム設定 | 主なツールkintone-get-form-fields / kintone-update-form-fields / kintone-add-form-fields / kintone-delete-form-fields | できることフィールドの取得・追加・変更・削除 |
| レコード操作 | 主なツールkintone-get-records / kintone-add-records / kintone-update-records / kintone-delete-records | できること複数レコードの取得・追加・更新・削除 |
| ステータス・コメント | 主なツールkintone-update-statuses / kintone-get-record-comments / kintone-add-record-comment | できることプロセス管理のステータス変更、コメントの取得・追加 |
| アプリ運用 | 主なツールkintone-add-app / kintone-deploy-app / kintone-get-app-deploy-status | できること動作テスト環境でのアプリ作成、運用環境への反映と反映状況確認 |
| その他 | 主なツールkintone-download-file / kintone-add-space-from-template / kintone-get-space | できること添付ファイルの保存、テンプレートからのスペース作成 |
利用可能な操作は今後も順次追加される見込みで、最新のツール一覧はGitHubリポジトリのREADMEが正です。
導入前に確認すること
kintone MCPサーバーはローカルで動くサーバーです。Claude Codeでは.mcp.jsonや~/.claude.jsonに設定を書いてローカルプロセスとして起動し、Claude Desktopではアプリ内から拡張機能として組み込みます。この「ローカル実行」という性質は、Claude Coworkのスケジュールタスクとの連携可否にも直結する重要な前提です。
認証方式は2種類あり、どちらか一方が必須です。
| 認証方式 | 必要な情報 | 向く用途 |
|---|---|---|
| ユーザー名・パスワード | 必要な情報kintoneのログイン情報 | 向く用途個人利用、権限をログインユーザーに合わせたいとき |
| APIトークン | 必要な情報アプリごとに発行するトークン(カンマ区切りで最大9個) | 向く用途チーム利用、アプリ単位で権限を絞りたいとき |
クライアント証明書認証を使う場合は、URLのドメインが.s.cybozu.comになる点にも注意が必要です。通常のcybozu.comドメインとは別経路の設定です。
社内プロキシを経由する環境では、HTTPS_PROXY環境変数を別途設定します。認証付きプロキシならhttp://username:password@proxy.example.com:8080の形でユーザー名・パスワードを埋め込めます。この設定はkintone MCPサーバー自体のオプションで、Claude Code側の--envとは別に用意する必要があります。
Claude Codeにkintone MCPサーバーを追加する
Claude CodeのMCP設定はclaude mcp addコマンドで行います。kintone MCPサーバーはローカルで起動するstdioサーバーなので、--区切りでnpxコマンドを渡します。
claude mcp add kintone \
--env KINTONE_BASE_URL=https://example.cybozu.com \
--env KINTONE_USERNAME=your-username \
--env KINTONE_PASSWORD=your-password \
-- npx -y @kintone/mcp-serverDockerで動かす場合は次の形です。
claude mcp add kintone \
--env KINTONE_BASE_URL=https://example.cybozu.com \
--env KINTONE_API_TOKEN=your-api-token \
-- docker run -i --rm \
-e KINTONE_BASE_URL -e KINTONE_API_TOKEN \
ghcr.io/kintone/mcp-server:latest追加後はclaude mcp listで接続状態を確認します。✔ Connectedと表示されれば準備完了です。Claude Codeのセッション内でも/mcpパネルから同じ状態を見られます。
スコープはどれを選ぶか
Claude CodeのMCP設定にはlocal・project・userの3スコープがあり、kintone連携でもどれを選ぶかで挙動が変わります。個人のアプリ管理用ならlocalスコープ(既定)で自分のプロジェクトだけに閉じ込め、チームで同じkintone環境を使うならprojectスコープで--scope projectを付けます。.mcp.jsonに書き込まれるのでバージョン管理に載せてチーム全員が同じ設定を使えます。複数プロジェクトを横断してkintoneを触るならuserスコープが向きます。
認証情報は環境変数展開(${KINTONE_API_TOKEN})で外に出し、トークンそのものはコミットしないようにします。サーバーの信頼性評価や権限の絞り方といったMCP全般のセキュリティ判断はMCPセキュリティガイドにまとめています。
Claude Desktopでkintone MCPサーバーを使う
Claude DesktopではMCPBパッケージのドラッグ&ドロップが最短です。GitHubのリリース一覧からをダウンロードし、Claude Desktopの「設定」→「デスクトップアプリ」→「拡張機能」ページにドラッグ&ドロップします。インストール確認ダイアログのあと、ベースURL・ユーザー名・パスワードを入力する設定画面が出ます。ここで完結し、追加のファイル編集は不要です。
npm・Dockerで動かす場合は、claude_desktop_config.jsonの書き方に沿ってmcpServersブロックへ手動で追記します。設定ファイルの内容はClaude Codeの.mcp.jsonとほぼ同じ形なので、片方を作ってからもう片方へ移植する形でも進められます。
接続でつまずいたときの確認ポイント
接続エラー・認証エラー・権限エラーの3系統で切り分けます。
- 接続エラー: ベースURLの綴りを再確認します(
https://example.cybozu.comの形)。プロキシ環境ではHTTPS_PROXY環境変数の設定が要ります。一時的な接続断は数分後の再試行で解消することがあります - 認証エラー: ユーザー名・パスワードの誤りに加え、パスワード認証とAPIトークンの同時指定がないか見ます。クライアント証明書利用時は
.s.cybozu.comドメインを使っているかも確認します - 権限エラー: 対象アプリへのアクセス権(アプリ管理権限・レコード閲覧権限)を持つユーザーかを確認します。APIトークンなら「閲覧」「追加」「編集」「削除」の各権限が付与されているか個別に見ます
kintone-download-fileツールを使う場合は--attachments-dir(またはKINTONE_ATTACHMENTS_DIR)の指定が必須です。指定しないとツール実行時にエラーになります。存在しないディレクトリを指定すると自動作成されるので、保存先を決め打ちで用意しておく運用が扱いやすくなります。
よくある質問
kintone MCPサーバーはClaude以外のツールでも使える?
使えます。kintone MCPサーバーはMCP標準に準拠した公式サーバーで、Cursor向けのインストールリンクもREADMEに用意されています。CLIやMCP対応クライアントであれば同じサーバーを共有できます。
ゲストスペースのアプリを操作したい場合は?
現状のkintone MCPサーバーはゲストスペース内のアプリに対応していません。通常スペースへの移設か、kintone側のAPI・プラグインを使う別経路を検討する必要があります。
APIトークンは何個まで登録できる?
--api-token(環境変数KINTONE_API_TOKEN)はカンマ区切りで最大9個まで指定できます。アプリごとにトークンを分けて権限を絞りたい場合に使う設計です。
Claude Codeで動かしたサーバーはClaude Desktopに引き継げる?
.mcp.jsonとclaude_desktop_config.jsonは書式がほぼ共通なので、環境変数の値を移し替えるだけでどちらでも同じkintone MCPサーバーを起動できます。macOS・WSLではclaude mcp add-from-claude-desktopでDesktop側の設定をClaude Code側に取り込むことも可能です。
kintoneのプラグインやJavaScriptカスタマイズも生成できる?
kintone MCPサーバー自体はREST API相当の操作(アプリ設定・レコード・スペース)に特化しており、プラグインやJavaScriptカスタマイズのコード生成を直接担うツールは含まれていません。Claude Codeでコードを書かせつつ、kintone MCPサーバーで動作確認用のテストアプリを作成・デプロイするという組み合わせ方が実務では現実的です。
まとめ
kintone MCPサーバーは、Claude CodeとClaude Desktopのどちらからでも同じツール群でkintoneを操作できる公式の窓口です。個人でアプリ管理やレコード操作を効率化したい人はユーザー名・パスワード認証で最短導入でき、チーム共有ではAPIトークン認証と.mcp.jsonのプロジェクトスコープが向きます。具体的なレコード検索・更新の使い方はkintoneレコード検索・更新の実践ガイド、日報・週報の自動化を検討している場合はCowork連携の現実的な進め方にまとめています。