Cowork Scheduled Tasksで定型レポートを自動化する実践パターン
Cowork Scheduled Tasksで日次ブリーフィングや週次レポートを自動化する5つの型と、クラウド実行の境目、承認モードとコネクタ権限の掛け合わせを示します。
Claude Cowork(クロードコワーク)とはの中核機能の1つであるScheduled Tasksは、一度書いた依頼を決めた頻度でClaudeに実行させる機能です。Slack要約やレポート作成のような繰り返し業務に向きます。各実行は独立したCoworkセッションとして走り、パソコンがスリープしていても、デスクトップアプリを閉じていても予定どおりに動きます。ただし例外もあるので、本稿は「どこまでクラウドで完結するか」「承認モードとコネクタの権限がどう効くか」の2点を軸に、定型レポートの5つの型を示します。
Scheduled Tasksでできること
Scheduled Tasksは、Coworkの通常タスクと同じ能力を持ちます。接続済みのコネクタ、スキル、インストール済みのプラグインがそのまま使えるため、SlackやGoogle Driveを読んでレポートに仕上げる処理も、Web調査も任せられます。利用できるのはPro・Max・Team・Enterpriseの有料プランです。Team・Enterpriseでは、管理者が組織全体のCowork利用可否を切り替えます。
頻度は、毎時・毎日・毎週・平日のみ・手動実行から選びます。「毎週月曜9時に先週のSlackを要約して」のように、自然言語で頻度と内容を一緒に書いても作れます。
Pro・Maxでは、「ChatとCoworkの選択肢が消えた」新しい画面への切り替えが順次進んでいます。この画面ではCoworkという入口が無くなり、通常の会話の中で依頼すれば、Claudeが頻度などを確認してタスクを提案します。
作り方は3通り — 画面とプランで入口が変わる
Coworkで定期タスクを作る流れ
- 1
「Scheduled」ページを開く
左サイドバーの「Scheduled」を選び、右上の「New task」を押します。Coworkのタスク内で
/scheduleと入力しても始められます。 - 2
作り方を選ぶ
「Create with Claude」では、Claudeが質問をしたうえで、タスク名・頻度・内容を提示します。「Set up manually」では、タスク名、依頼文、承認モード、頻度、モデル(任意)、作業フォルダ(任意)を自分で入力します。
- 3
確定する
Create with Claudeなら「Schedule」、手動なら「Save」を押すと、Scheduledページの一覧に載ります。
新しい画面の入口は、会話に「毎週月曜9時に、チームのSlackチャンネルの先週分を要約して」と書き、Claudeの質問に答え、提案された内容に「Schedule」を押す形です。
作成後は一覧から、過去と次回の実行の確認、指示や頻度の編集、一時停止と再開、削除、今すぐの手動実行ができます。
どこまでクラウドで動くか — 「フォルダに紐づけられない」のに「フォルダ欄がある」
定期実行が動く場所の境目
クラウドだけで完結
コネクタ経由のSlack・Gmail・Googleドライブの読み取り、Web調査、スキルやプラグインの実行です。パソコンがスリープでも、デスクトップアプリが閉じていても予定どおりに動きます。
デスクトップアプリが必要
ローカルのファイル、ローカルのコネクタ(ローカルのMCPサーバーを含むプラグインも)、ブラウザ操作、コンピューター操作です。アプリが開いている間だけ、クラウドのセッションからパソコンに届きます。
同じヘルプページの中に、見た目が食い違う記述があります。手動作成の入力項目には「作業フォルダ(任意)」がある一方、注記には「パソコン上のフォルダには紐づけられない」とあります。さらに別の注記は「ローカルのファイルやアプリが必要なタスクはローカルで実行される」と述べます。読み分けると、クラウドで完結する設計なら空欄で作り、フォルダが要る業務だけ、アプリを開いたパソコンの上で動く前提で組む形です。
2026年10月6日より前は、ヘルプの注記どおり、ローカルのファイルやアプリが必要なタスクはローカルで実行されます。この境目は10月6日から変わります。ProとMaxでは同日以降の新しいCoworkタスクがクラウドで動き、設定の「Only on your computer」は削除されます。すでにパソコン上で始めたタスクは、そのままパソコンに残ります。定期タスクもクラウド側に移り、パソコン上のファイルを使うものはデスクトップアプリを開いておく必要があります。なお、定期タスクとプロジェクトはClaude Codeへは引き継がれません。
定型業務レポートを自動化する5つのパターン
ヘルプが挙げる用途は、日次ブリーフィング、週次レポート、定点調査、ファイル整理、チーム更新の5つです。それぞれ、使うツールが読み取りか書き込みかで、後述する承認の効き方が変わります。
日次ブリーフィング — 前日分の情報を朝にまとめる
SlackメッセージやメールやカレンダーのイベントをClaudeに要約させ、出社前に読める形で届けます。ポイントは対象範囲と判定基準を具体的に書くことです。「毎朝8時、昨日のSlackの#generalと#salesの未読を要約し、対応が必要そうなものに印をつけて」のように、対象チャンネルと基準を並べます。朝会前の5分で読める分量、という長さの指定も添えられます。
読み取りだけで完結する型なので、書き込み系のツールを使わない運用がしやすい用途です。結果はScheduledページから読めます。
週次レポート — 複数ソースのデータを定型フォーマットで集約
Google Driveやスプレッドシートのデータを、毎週決まった書式のレポートに整形させます。出力先まで指定するのがコツです。「毎週月曜9時、共有ドライブの週次売上シートを読み、先週比の増減を3行で要約したうえでSlackに投稿して」のように書きます。
注意したいのは、Slackへの投稿が書き込みツールにあたる点です。後述のとおり、安全性ガイドは本人に代わるメッセージ送信を定期実行に載せないよう求めています。最初は「要約をScheduledページに出すだけ」で始め、内容が安定してから投稿を足す進め方があります。同じ仕組みで勤怠異常を週次検知する例はCoworkで勤怠異常検知を週次自動化する方法で扱っています。
定点調査 — 競合や業界ニュースを一定周期で追跡する
特定のトピック、競合、業界ニュースを決まった周期で追いかけさせます。狙いは変化だけを拾うことです。「毎週水曜、競合3社の料金ページに変更がないか調べ、変わっていた箇所だけ報告して」と、変化があったときだけ知らせる条件を添えると、結果ページが「変化なし」で埋まりません。同じ報告が続くなら、対象ページを絞るか頻度を下げます。
ファイル整理 — 指定フォルダを周期的に片付ける
指定フォルダの中身を、周期的に仕分け・整理・処理させます。「毎日17時、ダウンロードフォルダの請求書PDFを取引先名でサブフォルダへ振り分けて」のように、命名規則やフォルダ構成が決まっている業務に向きます。
ローカルのフォルダが対象なので、前節のとおり実行時にデスクトップアプリが開いている必要があります。ファイルの完全削除は、どの承認モードでも許可を求められます。無人の定期実行でその確認に答える人がいない点を、設計の時点で織り込みます。
チーム更新 — プロジェクト管理ツールからステータスをまとめる
プロジェクト管理ツールから、ステータス更新やスタンドアップ用のサマリーを生成させます。「毎週金曜16時、Asanaの今週完了タスクと来週着手予定を部門別に3行でまとめて」のように、粒度と分量を先に決めます。複数のツールを併用しているチームは、対象ツールの名前を毎回同じ書き方で明記します。
コネクタの組み合わせは「集める側」と「届ける側」で分ける
日次ブリーフィングならSlackとGmail、週次レポートならGoogle DriveとSlack、チーム更新ならAsanaやJiraとSlackが典型です。情報を集める側と結果を届ける側を分けると、使うツールが読み取りか書き込みかを見分けやすくなります。障害対応の文脈ではPagerDutyとCoworkでSLA監視とエスカレーションを自動化するが同じ組み合わせの例です。
新しいコネクタを足した直後は、いきなり定期実行に組み込まず、まず通常のタスクとして1回試してから頻度を設定します。定期タスクは通常タスクと同じ能力を持つので、通常タスクで試せば、そのコネクタで何ができるかは見通せます。接続先の3層構造や権限設定でつまずきやすい点はClaude CoworkのConnectors一覧にまとめています。部門別の依頼パターンはClaude Cowork活用事例から、自部門で最初に試す型を選べます。
承認モードとコネクタ権限は掛け算で効く
定期タスクの作成時には承認モードを選びます。Coworkの承認モードは、Manually approve(Manual)、Automatically approve(Auto)、Skip all approvals(Skip)の3つです。新しい画面ではAutoとManualの2択になり、既定はManualです。コネクタのツール側にも「常に許可」「承認が必要」「ブロック」の設定があり、両者の組み合わせで実際の挙動が決まります。
| コネクタ側の設定 | Manual | Auto | Skip |
|---|---|---|---|
| 常に許可 | Manual承認なしで実行 | Auto読み取りは承認なし。書き込み・削除は安全性チェックで判定 | Skip承認なしで実行 |
| 承認が必要 | Manual毎回確認を求める | Auto安全性チェックで判定 | Skip承認なしで実行 |
| ブロック | Manual拒否 | Auto拒否 | Skip拒否 |
表で目を引くのは、Manualで「常に許可」にした書き込みツールの扱いです。確認なしで実行され、Autoのような安全性チェックも挟まりません。「確認ダイアログを避けたい」だけの理由でManualと「常に許可」を組むと、Autoより緩い運用になります。
Autoの安全性チェックは、データの持ち出しやプロンプトインジェクションを見て、危険と判断した操作を止めます。ブロックされると、Claudeは別の方法を探すか、本人に尋ねます。ブロックが続くと、各ステップで許可を求める状態に戻る仕様です。無人で回す定期タスクでは、この確認に答える人がいないので、結果ページで途中停止していないかを見る習慣が要ります。また、Autoは他のモードより使用量の上限を多く消費します。毎日走る日次ブリーフィングをAutoで組むなら、上限への食い込み方を数日分実行して確かめます。
Team・Enterpriseでは、管理者がAutoの提供を止められます。止まっていればモード選択に出てきません。組織によっては書き込み可能なコネクタツールにタスクごとの承認を課す場合があり、その場合「常に許可」の設定は効かないことがあります。モード自体の挙動はCowork自動承認モードとはで詳しく扱っています。
定期実行で避けたいこと
安全性ガイドは、定期タスクが手元を離れて動くことを前提に、4点を挙げています。簡単な処理から始めること。機密ファイルに触れる処理や、本人に代わるメッセージ送信・購入のような取り消しにくい操作を載せないこと。実行のたびに出力を確かめること。使わなくなったタスクを放置せず、一時停止か削除にすること。
依頼文を書くときの条件
「重要な連絡」「関係者」のような主観的な表現を避け、「差出人が特定ドメインの未読メール」のように機械的に判定できる条件で書きます。
最初の数回は結果を見ながら条件を直し、狙いどおりに動くことを確かめてから頻度を上げます。過去の実行結果は、左サイドバーの「Scheduled」からいつでも見返せます。設定直後だけでなく、対象データの形式が変わった頃にも見直すと、要約の質が落ちた変化に気づけます。
よくある質問
定期タスクをWebやスマホから使えますか
使えます。Scheduled tasksはデスクトップ・Web・モバイルのどれでも提供されています。ただしローカルファイルやブラウザ操作を伴う回は、Webやモバイルからでもデスクトップアプリを経由するので、アプリを開いたパソコンが必要です。
Claude Codeに定期タスクを移せますか
移せません。デスクトップアプリのClaude Codeはパソコン上で動き、フォルダと履歴をパソコンに残しますが、プロジェクトと定期タスクは引き継がれません。個々のタスクの文字起こしはダウンロードして、Claude Codeで続きの作業に使えます。