Claude CoworkのConnectors一覧 — 接続先の種類と権限設定の注意点
Claude Coworkの外部接続はプリビルドconnector・Connectorsディレクトリ・カスタムMCPの3層構造です。承認モードと組織設定が権限をどう変えるかをまとめます。
Claude Coworkの外部接続は、大きく3層に分かれます。Anthropicが自前でメンテするプリビルドconnector、サードパーティが提供するConnectorsディレクトリ、そして自分でホストするカスタムMCPです。層によって設定できる権限の粒度も、組織側で絞り込める範囲も変わります。Claude Coworkとはでは接続の存在自体には触れています。ただし、どの層にどこまでの権限があるか、承認モードや組織設定と組み合わさったときに何が起きるかまでは扱っていません。ここではその接続先の内訳と、設定でつまずきやすい点を先に押さえます。
Cowork Connectorsの3層構造とは
ConnectorsはModel Context Protocol(MCP)を基盤に、外部サービスへOAuthで接続する仕組みです。3層の性格ははっきり違います。
プリビルドconnectorは、Anthropicが直接開発・保守する接続先です。該当するのはGoogle Workspace(Gmail・Calendar・Drive)とMicrosoft 365(Outlook・Calendar・Teams・SharePoint)です。ほかにGitHubと1Passwordを合わせた4系統です。サポート記事が個別に用意されているのはこの層だけです。
Connectorsディレクトリは、サードパーティ製のMCPサーバーを審査のうえ掲載する市場です。絞り込みの軸は3つあります。
- Works with: Claude / Claude Code / Skills
- 用途別: Code・Data・Sales and marketingなど11分野
- 権限区分: Interactive・Read & write・Read
掲載数は多く、検索とフィルタを使わないと目当ての接続先にたどり着けません。
カスタムMCPは、自分で立てたリモートMCPサーバーを個別に登録する方法です。社内システムやニッチなSaaSをつなぐときはここに入ります。Team / Enterpriseプランではオーナーだけが組織に追加でき、メンバーは追加された接続先に個別に認証します。
標準搭載のプリビルドconnectorで何ができるか
4系統の内訳と権限は次の通りです。
| 系統 | 主な用途 | 書き込み可否 | 組織ゲート |
|---|---|---|---|
| Google Workspace | 主な用途Gmail検索・下書き / Calendar管理 / Drive読み取り・保存 | 書き込み可否一部可(Calendar・Drive。Gmail送信は不可) | 組織ゲートオーナーが組織有効化、管理者がClaudeを信頼済みアプリとして許可 |
| Microsoft 365 | 主な用途SharePoint・メール・カレンダー・Teamsの検索 | 書き込み可否既定は読み取りのみ、書き込みは管理者の追加同意で有効化 | 組織ゲートオーナーの組織追加+Entra管理者のテナント同意(書き込みはさらに追加同意) |
| GitHub | 主な用途指定ブランチのファイル名・内容の取得 | 書き込み可否読み取りのみ | 組織ゲート個人がgithub.com上でClaudeアプリを承認(SSO必須の組織は別途承認) |
| 1Password | 主な用途プリビルドconnectorとして提供 | 書き込み可否未確認(公開ガイドが限定的) | 組織ゲート導入前に自組織のプランでの対応状況を要確認 |
Google Workspaceは3つのサービスをまとめて扱えます。Gmailはメールの検索と下書き作成はできますが、送信はできません。送信は必ず利用者自身がGmail側から行います。Calendarは予定の閲覧・作成・変更に加え、出席者の空き時間の照合や招待への返信まで対応します。Driveはドキュメント・スプレッドシート・スライド・PDF・Office形式の読み取りと、Claudeが作った成果物の保存に対応しますが、埋め込み画像までは読みません。
Microsoft 365は読み取り系と書き込み系ではっきり扱いが分かれます。標準で有効なのは読み取り系の7ツールだけです。内訳はSharePoint検索・フォルダ検索・メール検索・カレンダー検索・空き時間検索・Teamsチャット検索・URI指定でのリソース読み取りです。
メール送信やカレンダー変更、SharePointのファイル作成・更新といった書き込み系ツールは、組織の管理者が追加の同意をしたときだけ有効になります。既存の接続に対しては、書き込み系ツールは既定でブロックされたまま追加されるため、管理者が明示的に有効化するまで動きません。
有効化した後も制約は残ります。添付ファイル付きの送信・転送・下書き作成はできません。メール送信・転送・予定の作成と更新は「常に許可(Always allow)」の対象にならず、毎回の承認が必要です。Teamsは書き込み系が有効になった後も検索専用のままです。
1Passwordもプリビルドconnectorとして用意されています。導入前に自組織のプランでの対応状況を確認したうえで進めるのが安全です。
Connectorsディレクトリとカスタム接続はどう違うか
ディレクトリの権限区分のうち「Interactive」は見落とされがちです。対応する接続先はチャット内にサンドボックス化されたiframeでUIを描画し、通信はJSON-RPCで監査可能な形に限定されます。追加の権限は要求されず、接続時に許可した範囲がそのまま使われます。決済や送金のような操作はInteractive connectorsでは行えません。組織側はこの描画機能だけを個別にオフにでき、オフにしても接続先自体のテキストベースの機能は動き続けます。
カスタムMCPで見落としやすいのはネットワーク経路です。Coworkはローカルで動くアプリですが、リモートMCPサーバーへの接続はAnthropicのクラウド側から発信されます。手元のマシンからではありません。
組織単位で接続先を一括提供する方法として、Enterprise-managed authもあります。IDプロバイダー(現状はOkta)経由で接続先を一度だけ組織として認可し、メンバーは初回ログイン時に自動で権限を引き継ぎます。提供対象はAsana・Atlassian・Canva・Figma・Granola・Linear・Supabaseの7つで、Slackは対応予定として案内されています。ベータ扱いのため利用には申請が必要です。
承認モードは接続の許可をどう左右するか
Coworkには3つの動作モードがあり、接続先のツール呼び出しをどこまで自動で通すかが変わります。
| モード | 常に許可指定 | Needs approval指定 | Blocked指定 |
|---|---|---|---|
| Manual(手動承認) | 常に許可指定承認済みとして実行(確認なし) | Needs approval指定毎回確認 | Blocked指定拒否 |
| Auto(自動承認)※ | 常に許可指定読み取り専用は自動許可・書き込み/削除はClaudeが安全性を判定 | Needs approval指定Claudeが安全性を判定 | Blocked指定拒否 |
| Skip(承認スキップ) | 常に許可指定承認済みとして実行 | Needs approval指定承認済みとして実行 | Blocked指定拒否 |
※Autoモードは現状Pro / Maxプラン限定です。
Manualは、コネクタ側で常に許可と指定されたツール以外はすべて毎回確認を求める、もっとも慎重な設定です。Autoはデータ持ち出しやプロンプトインジェクションの兆候をClaude自身が都度チェックし、危険と判断した操作だけ止めて安全な代替手段を探すか、利用者に直接確認します。Anthropicはこの安全チェックを、外部のセキュリティ専門家に危険な操作をすり抜けさせようと試みてもらったうえで公開しています。それでも金銭のやり取りや本人名義のメッセージ送信、重要ファイルが絡む作業では、Manualに戻して都度確認する運用のほうが手堅い場面もあります。Skipは接続先が明示的にBlocked指定されているツール以外、すべて確認なしで実行します。
Team / Enterpriseプランでは、組織設定の「Cowork」にある「常に許可を有効にする」というトグルが、メンバー個人のツール単位の常に許可設定より優先されます。このトグルがオフの場合、メンバー個人が書き込み系ツールを常に許可に設定していても、タスクごとの承認が必要になります。読み取り専用ツールが対象外になるのは、接続先がそのツールを読み取り専用と明示している場合だけです。多くのカスタムMCPサーバーはこの明示をしていないため、実質的にすべてのツールが承認対象になります。Enterpriseプランではさらにカスタムロールの権限設定が重なり、最も制限の強い設定が優先されます。
組織で接続先を絞り込むにはどの設定を使うか
いくつかの管理機能が層をまたいで効きます。
Enterprise限定の「Restrict verified-domain connectors」という設定があります。検証済みドメインのメールアドレスで接続しようとした相手を、自組織のClaudeアカウント経由に限定する仕組みです。個人のGmailアカウントを業務用Claudeアカウントに接続するような逆方向は制限しません。すでに成立している接続も遡って切断しません。接続に失敗した本人にだけメッセージが表示され、管理者への通知はありません。
Microsoft 365は2段階の組織ゲーティングが必須です。まずTeam / Enterpriseプランのオーナーが組織設定でコネクタを追加し、次にMicrosoft Entraのグローバル管理者がテナント全体への同意を一度だけ行います。書き込み系ツールを使うにはさらに3段階目として、更新された同意セットへの承認と組織側での有効化が必要です。権限を絞りたい場合はEntra側で個別のスコープ(Mail.ReadやSites.Read.Allなど)を取り消せば、対応する機能だけを止められます。この設計はClaude CoworkのRBAC運用で扱っているロール・SSO・SCIMの管理体系と地続きです。接続そのものの設定手順はCowork × Microsoft 365連携ガイドにまとめています。
Google Workspaceも同様にTeam / Enterpriseではオーナーによる組織有効化が前提です。個人ユーザーは自分の判断で個別の接続先をオフにできます。組織のGoogle Workspace管理者がClaudeを信頼済みアプリとして許可していないと、管理者の確認を求めるエラーで接続が止まります。Gmail連携を業務でどこまで任せるかの線引きはCoworkのGmail連携で具体的に扱っています。
接続を止める方法は4段階あります。利用者本人がCustomize内で個別に切断する、組織オーナーが組織設定で接続先ごと無効化する、Entra側で特定の権限スコープだけを取り消す、Entra側でテナント全体の許可を取り消す、の4つです。上位の管理者操作は影響範囲が広い分、即座に全メンバーへ反映されます。
つまずきやすい設定を先に知っておく
GitHub組織のリポジトリが接続後も一覧に出てこない場合、その組織がSSOを必須にしていることが多い原因です。組織単位の認可とは別に、利用者本人がgithub.com上でその組織向けにClaudeアプリを個別承認する必要があります。接続をつなぎ直しても解消しません。
Microsoft 365で書き込み系ツールを有効にしたはずなのに表示されない場合は、初回の同意と書き込み用の追加同意が別物である点を疑ってください。Entra管理者が更新後の権限セットに同意し直し、組織側でも書き込みツールを有効化する両方が揃って初めて反映されます。
カスタムMCPサーバーが接続できない、またはタイムアウトする場合の大半は、サーバーが社内ネットワークやファイアウォールの内側にあることが原因です。手元の端末からアクセスできても、Anthropicのクラウドから届くとは限りません。
Connectorsを選ぶときの判断軸
同じ業務アプリでも、プリビルドconnectorとディレクトリのどちらを選ぶかで運用の手間が変わります。Google WorkspaceやMicrosoft 365、GitHubのように業務の中核を占めるサービスは、プリビルドconnectorとして用意されています。権限スコープや監査ログの扱いまで、公開情報で追える範囲です。ニッチな業務SaaSや自社システムはディレクトリかカスタムMCPに頼るほかありません。その場合は、接続先がツールを読み取り専用と明示しているかどうかを接続前に確認する価値があります。明示されていなければ、書き込み系と同じ扱いで毎回の承認が発生するからです。
よくある質問
Coworkに自社のMCPサーバーを追加できますか
追加できます。Team / Enterpriseプランではオーナーが組織に登録し、メンバーが個別に認証する流れです。ただしサーバーは公開インターネット上でAnthropicのクラウドから到達できる必要があり、社内ネットワークに置く場合はIPの許可リスト設定が前提になります。
Interactive connectorsに追加の権限は必要か
必要ありません。Interactive connectorsは接続時に許可した範囲のデータしか使わず、UIを描画する分の追加権限は要求しません。組織はUI描画機能だけを個別にオフにでき、オフにしてもテキストベースの機能は継続します。
承認モードの設定はCoworkだけの機能ですか
一部だけです。3モードのうちAutoモードは、Coworkの接続先操作に加えて、既存のプラグインやClaude in Chromeにも同じ安全チェックが働きます。Cowork内のすべての操作が対象になるわけではなく、Webページの取得など一部の操作に限られます。ManualとSkipについて同じ適用範囲かどうかは公式情報に明記がありません。
書き込み系ツールを個別に無効化できますか
できます。Microsoft 365であればEntra側で該当スコープを取り消すか、Claude側の組織設定でコネクタ自体を無効化します。個人アカウントの範囲では、Customize内から接続先ごと切断できますが、ツール呼び出し単位で個別に無効化する機能は確認できていません。