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Agent SkillsのAPI標準スキル一覧 — PDF・Excel・Word・PowerPoint生成

Agent SkillsのAPI標準スキル一覧 — PDF・Excel・Word・PowerPoint生成

Claude APIには最初からPowerPoint・Excel・Word・PDFを生成できる4つの標準Skillが用意されています。呼び出し方と、claude.aiやClaude Codeとの違いを扱います。

Claude APIには、自分でSkillを書かなくても最初から使える4つの標準Skillがあります。pptx・xlsx・docx・pdfです。公式の説明では、PowerPointは作成と編集、Excelは作成と分析、Wordは作成と編集、PDFは生成を担います。呼び出し方は4つとも共通で、containerパラメータにskill_idを1つ指定するだけです。

Agent SkillsのAPI標準スキルで何ができるか

標準Skillは、ドキュメント作成という特定領域の専門知識をClaudeに持たせるための既製部品です。プレゼン資料・集計用スプレッドシート・Word文書・PDFと、業務でよく使うファイル形式を一通りカバーします。

リクエストからファイルを受け取るまでの流れは次の4段階です。

手順

標準Skillでファイルができるまで

  1. 1

    container.skillsにskill_idを指定する

    コード実行ツールをtoolsに含めたMessagesリクエストを送ります。Skillの指示はコンテナの/skills/pptx/のようなディレクトリに置かれます。

  2. 2

    Claudeがコンテナ内でファイルを作る

    必要なときだけSKILL.mdを読み、同梱のコードや参照ファイルを使って生成します。

  3. 3

    応答にfile_idが返る

    ファイルの実体ではなく、コード実行結果のブロックに入ったfile_idが返ります。

  4. 4

    Files APIでダウンロードする

    file_idを指定して取得します。Files APIに作られたファイルは、削除するまで残ります。

4段階目の取り出し方はSkillsの生成ファイルをダウンロードする4ステップにまとめています。本記事は呼び出しの共通形と4つのSkillの違いを扱います。

使う前に必要なもの

APIキーと、コード実行ツールを有効にしたリクエストの2つだけです。コード実行ツールが対応していないモデルではSkillも使えないので、事前にツールのモデル互換性を見ておきます。SDKを使う場合は各言語のクライアントライブラリ、curlで試す場合はjqがあると応答の整形に便利です。

コード実行ツールのバージョン表記は、公式ページで揃っていません。Skillsガイドのコード例はcode_execution_20250825で、クイックスタートのcurl例はcode_execution_20260521です。コード実行ツールのページによると、20260521は20260120と同じ実行環境で、プログラム的ツール呼び出しの1セルが90秒で打ち切られることをツールの説明文でClaudeに伝える違いがあります。Skillはどちらの版でも動き、現行のコード実行ツールのバージョンなら要件を満たします。

一覧を取得して確認する

まず、どのSkillが使えるかをSkills APIで確認します。source=anthropicを付けると、Anthropicが提供する標準Skillだけに絞り込めます。

curl --fail-with-body -sS "https://api.anthropic.com/v1/skills?source=anthropic" \
  -H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
  -H "anthropic-version: 2023-06-01"

この一覧取得は管理用のAPIで、Claudeの文脈への読み込みとは別です。標準Skillは、次の3段階の読み込みの上に成り立っています。

仕組み

Skillの3つの読み込み段階

  • 1層目: 名前と説明

    起動時から常に読み込まれます。1Skillあたり約100トークンなので、並べてもほとんど負担になりません。

  • 2層目: 詳しい指示

    依頼がSkillの説明に合致したときだけ、SKILL.mdの本文が入ります。目安は5,000トークン未満です。

  • 3層目: 参照ファイルとコード

    必要になるまでトークンを使いません。スクリプトは実行され、文脈に入るのは出力だけです。

PowerPointを生成する — 呼び出しの共通パターン

container.skillsにtype: "anthropic"とskill_idを指定し、toolsにコード実行ツールを含めます。この形はxlsx・docx・pdfでも共通で、skill_idの値だけが変わります。

curl --fail-with-body -sS https://api.anthropic.com/v1/messages \
  -H "content-type: application/json" \
  -H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
  -H "anthropic-version: 2023-06-01" \
  -d '{
    "model": "claude-opus-5-5",
    "max_tokens": 16000,
    "container": {
      "skills": [{"type": "anthropic", "skill_id": "pptx", "version": "latest"}]
    },
    "messages": [
      {"role": "user", "content": "再生可能エネルギーについて5枚のスライドを作って"}
    ],
    "tools": [{"type": "code_execution_20260521", "name": "code_execution"}]
  }'

versionには日付形式(20251013のような値)かlatestを指定します。latestは常に最新版を使うので、Anthropic側の更新でスライドの見た目や挙動が変わる余地があります。本番運用ではバージョンを固定します。

containerとtoolsの組み方からfile_idを取り出してFiles APIで実ファイルを取得するところまでの3ステップは、Agent Skills APIクイックスタートで手順化しています。クイックスタート側は最短手順、本記事は4つの標準Skillの一覧と利用形態ごとの可否を扱います。

Excel・Word・PDFの呼び出し

3つともskill_idをxlsx・docx・pdfに差し替えるだけで、リクエストの骨格は同じです。

Skill生成できるもの用途の例公式の説明
pptx生成できるものPowerPointスライド(.pptx)用途の例提案資料・報告用スライド公式の説明作成、スライドの編集、内容の分析
xlsx生成できるものExcelブック(.xlsx)用途の例集計表・グラフ付きレポート公式の説明作成、データの分析、グラフ付きレポートの生成
docx生成できるものWord文書(.docx)用途の例契約書・議事録など書式付き文書公式の説明作成、内容の編集、書式設定
pdf生成できるものPDFファイル(.pdf)用途の例請求書・レポートなど体裁の整った出力物公式の説明書式付きPDFとレポートの生成

編集に触れているのはpptxとdocxで、xlsxは作成と分析、pdfは生成だけです。既存ファイルを渡して書き換えさせたいときは、この差を前提にSkillを選びます。

1リクエストで複数のSkillを同時に指定することもできます。上限は20個です。Excelのデータを分析してからPowerPointにまとめる、といった複合タスクではxlsxとpptxを同じcontainer.skills配列に並べます。

{
  "container": {
    "skills": [
      {"type": "anthropic", "skill_id": "xlsx", "version": "latest"},
      {"type": "anthropic", "skill_id": "pptx", "version": "latest"}
    ]
  }
}

標準Skillとカスタムスキルの違い

標準Skillだけでなく、自分で作ったカスタムSkillも同じcontainerパラメータで呼び出せます。統合の形は同一ですが、識別子の付き方と管理方法が違います。

項目標準Skill(pptx等)カスタムSkill
type値標準Skill(pptx等)anthropicカスタムSkillcustom
skill_id標準Skill(pptx等)短い固定名(pptxなど)カスタムSkill生成されたID(skill_01...)
version形式標準Skill(pptx等)日付形式(20251013) または latestカスタムSkillバージョンID(skver_01...) または latest
提供範囲標準Skill(pptx等)全ユーザーが利用可能カスタムSkill自分のワークスペース内

カスタムSkillはSkills APIの/v1/skillsエンドポイント群(作成・一覧・取得・削除)でアップロードして管理します。一覧取得ではsourceパラメータでanthropicとcustomを切り替えられ、両方の種類が同じエンドポイントから返ります。標準Skillからカスタムへ切り替えるときも、コードの構造は変わりません。

カスタムSkillには、SKILL.mdのfrontmatterに守る決まりがあります。nameは64文字以内の小文字・数字・ハイフンだけで、予約語のanthropicとclaudeを含められません。descriptionは1,024文字以内で、空にできません。どちらもXMLタグは使えません。

ワークスペースで共有される点にも注意が要ります。versionを省略するかlatestにしたカスタムSkillは、ワークスペースの誰かが新しい版をアップロードした時点で、本番のエージェントが実行する中身まで変わります。本番でバージョンIDを固定するのは、この共有範囲のためです。

カスタムSkillは、エンドユーザーや会話、セッションごとではなく、ワークスペース全体に公開されます。Skills APIの上でマルチテナントのサービスを作るなら、テナントごとにワークスペースを分けます。

会話をまたぐときはコンテナを引き継ぐ

Skillはコンテナの中で動くので、既定では毎回まっさらなコンテナが作られます。前のリクエストで作ったファイルに続けて手を入れたいときは、応答のcontainer.idを次のリクエストへ渡します。

{
  "container": {
    "id": "<前の応答のcontainer.id>",
    "skills": [{"type": "anthropic", "skill_id": "pptx", "version": "latest"}]
  }
}

コンテナはコード実行ツールの仕様で、作成から30日で期限切れになります。約5分操作がないとチェックポイントに保存され、30日以内にIDを付けて送ればそこから復元されます。期限切れのコンテナは使えないので、containerパラメータを外して新しく作り直します。

Skillが複数ターンにわたる処理をするときは、応答のstop_reasonがpause_turnになることがあります。その応答をassistantのメッセージとしてそのまま次のリクエストに積めば、Claudeが処理を続けます。公式のSDK例は、pause_turnでなくなるまでこの手順を繰り返す書き方です。

データの扱いとネットワーク制限

Agent SkillsはZDR(ゼロデータ保持)の対象外です。Skillの定義自体と実行時のデータは、Anthropicの標準的なデータ保持ポリシーに従って保持されます。ZDR契約を前提に設計しているワークスペースは、この点を先に確かめておく必要があります。

実行環境と共有範囲は、同じ「Skill」でも利用形態ごとに違います。

比較

利用形態ごとの実行環境と共有範囲

  • Claude API

    ネットワークアクセスなし、実行時のパッケージ追加なし。カスタムSkillはワークスペース全員が使えます。

  • claude.ai

    ネットワークアクセスは、ユーザーや管理者の設定次第で「フル・部分的・なし」のいずれかです。カスタムSkillは各ユーザー個人のもので、管理者による一括配布や集中管理はできません。

  • Claude Code

    Skillはユーザーのコンピューターの他のプログラムと同じネットワークアクセスを持ちます。個人用は~/.claude/skills/、プロジェクト用は.claude/skills/に置きます。

組織でCompliance APIを有効にしている場合、Activity FeedにSkillとそのバージョンの作成・削除が記録されます。APIキーやClaude Console経由の操作が対象で、Compliance APIをオフにしていた期間の操作は記録されず後から復元もできません。監査証跡を前提に運用するなら、Skillの利用を始める前にCompliance APIを有効化しておく必要があります。

どの面で使えるか、面ごとに違う

同じ「Agent Skills」という名前でも、標準Skillが使えるかどうかは利用形態によって変わります。API実装者はここを取り違えると、動くはずのコードが別の面では動かなくなります。

利用形態標準Skill(PPTX/XLSX/DOCX/PDF)管理方法
Claude API標準Skill(PPTX/XLSX/DOCX/PDF)使える管理方法container.skillsにskill_idを指定
claude.ai標準Skill(PPTX/XLSX/DOCX/PDF)使える(設定不要で自動適用)管理方法ドキュメント作成時に自動で有効化
Claude Code標準Skill(PPTX/XLSX/DOCX/PDF)使えない管理方法カスタムSkillは使える

Claude Platform on AWSとMicrosoft Foundryは、この表のAPI行と同じ挙動です。ただしMicrosoft Foundryでは「Hosted on Anthropic」構成の場合に限られ、Skillバージョンのダウンロード用エンドポイント(GET /v1/skills/{skill_id}/versions/{version}/content)も使えません。

カスタムSkillは逆に、面ごとに個別管理が必要です。API・claude.ai・Claude Codeの間で自動同期はされないので、別の面でも使いたいなら面ごとにアップロードし直します。claude.aiへのアップロードは、コード実行を有効にしたPro・Max・Team・Enterpriseプランが対象で、Settings > Featuresからzipで行います。

古いサンプルコードのベータヘッダーに注意する

Skills APIはベータを終えており、anthropic-beta: skills-2025-10-02ヘッダーは不要です。このヘッダーを付けたままのリクエストも動き続けますが、返ってくる応答の形は旧ベータのままです。

ヘッダーを外すと、フィールド名と動きが変わります。

  • display_titleはdisplay_nameになり、上限が64文字から255文字に変わって一意でなくなります
  • latest_versionはlatest_version_id(skver_...形式)になります
  • DELETE /v1/skills/{skill_id}は、Skillと全バージョンをまとめて削除します

ベータ時代は、バージョンが残っているSkillの削除が400エラーで拒否されていました。この拒否を安全弁にしていたコードは、ヘッダーを外した時点でSkillごと消せるようになります。

Skillの唯一のバージョンを削除しようとすると400エラーになります。先に置き換えのバージョンをアップロードするか、Skillごと削除します。

最新バージョンの取得はGET /v1/skills/{skill_id}/versions/latestの1回の呼び出しで済みます。SDKでは、Pythonの1.2.0やTypeScriptの0.122.0以降、client.beta.skillsがこのヘッダーを送らなくなっています。

よくあるつまずき

コード実行ツールを付け忘れるケースが最初に疑うところです。Skillはコード実行ツールのコンテナで動くので、tools配列にcode_executionを含めます。Skill関連の失敗はHTTP 400で返り、error.messageにSkillの問題が書かれます。

API上のSkillはサンドボックス化されたコンテナで動きます。そのため、Skillに外部APIを呼ばせる要求はAPI面では実現できません。

カスタムSkillをアップロードする場合、全ファイル合計で30MB(非圧縮)という上限があります。画像やサンプルデータを多く同梱するSkillでは、事前にサイズを見ておきます。

使わないSkillをcontainer.skillsに含めると性能に響くので、そのリクエストで使うSkillだけに絞ります。

プロンプトキャッシュを使っている場合、Skillの一覧を変えるとキャッシュが切れます。Skillはシステムプロンプトに固定の順序で展開されるため、同じ一覧なら同じキャッシュ対象の先頭部分になります。リクエストごとにSkillを入れ替える設計は避けます。

まとめ

標準Skillで足りるのは、APIかclaude.aiで文書ファイルを作る用途です。Claude Codeで同じことをしたい場合や、独自の手順を足したい場合は、カスタムSkillを面ごとに置く設計になります。

Agent Skillsの設計思想そのものを知りたい場合はAgent Skillsとは何かを、コード実行ツールの課金条件はコード実行ツールが無料になる条件を、code_execution_20260521のようなツールのバージョン表記の読み方はClaude APIツールのバージョン管理の読み方と使い分けを参照してください。

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