Claude Code deep-researchコマンドでウェブ横断調査を任せる
Claude Codeの/deep-researchはWeb検索を多角的に展開し出典をクロスチェックしてレポート化するバンドルワークフローです。仕組みとv2.1.218での自動起動廃止を解説します。
/deep-researchはClaude Codeにバンドルされたdynamic workflowです。1つの質問をきっかけに複数の角度からWeb検索を展開し、見つけた出典を相互にクロスチェックしたうえで、根拠付きのレポートにまとめます。バックグラウンドで実行されるためセッションは占有されず、完了すると1本のレポートだけが会話に届きます。
/deep-researchでできること
質問を1つ渡すと、Claudeはそれを複数の調査角度に分解し、各角度でWeb検索とページ取得を担当するエージェントを並列に走らせます。集まった出典は互いにクロスチェックされ、主張ごとに「裏付けが取れたか」が判定されてから、引用付きのレポートとして返されます。
裏付けが取れなかった主張は「反証された」のではなく「未検証」として区別されます。レート制限やAPIエラーで検証エージェントが判定できなかった場合も、この未検証扱いになります。v2.1.195以前は検証エージェントの失敗が「全主張が反証された」と誤って報告される不具合があり、v2.1.196で修正されました。
使い方 — 実行例
引数に調査したい質問を渡すだけです。
/deep-research Node.jsのパーミッションモデルはv20からv22でどう変わったか実行を許可するかどうかの確認が入り、承認すると調査はバックグラウンドで始まります。/workflowsを実行すると進行中のフェーズ・エージェント数・トークン消費量・経過時間を確認でき、入力欄下のタスクパネルにも進捗の1行サマリーが表示されます。
実行前の承認は権限モードで挙動が変わる
/deep-researchを含むdynamic workflowは、実行前に「計画されたフェーズ」を示す承認プロンプトが表示されます。ここでの挙動は権限モードによって異なります。Autoモードでは初回起動時だけ確認が入り、一度承認すればそれ以降のセッションでは確認なしに始まります。Manualモードでは、そのプロジェクトでそのワークフローに対して「今後確認しない」を選ばない限り、実行のたびに確認が入ります。Bypass permissionsモードやclaude -p、Agent SDK経由では確認自体が発生せず、即座に実行が始まります。
ワークフローが呼び出すサブエージェント自体は、セッションの権限モードにかかわらず常にacceptEditsモードで動き、ファイル編集は自動承認されます。許可リストに入っていないシェルコマンドやMCPツールは、実行途中でも確認を求められることがあるため、長時間の調査を止めずに終えたい場合は事前に許可リストへ追加しておくと安全です。
なお/effort ultracodeを有効にしたセッションでは、この承認プロンプト自体がスキップされます。Claudeがタスクごとにワークフローを自律的に計画する運用のため、都度の確認を前提としていません。
v2.1.218で自動起動が廃止された、その影響
/deep-researchは当初、明示的に呼び出さなくてもClaudeが必要と判断すれば自律的に起動する挙動を持っていました。v2.1.218でこの自動起動が廃止され、/deep-researchはユーザーが明示的にコマンドを打ったときだけ起動する仕様に変わりました。
この変更の意味は、大量のエージェントを使う重い調査が、ユーザーの意図しないタイミングで勝手に始まらなくなったことです。dynamic workflow全般はトークン消費が会話内でのやり取りより大きくなりやすい設計です。25エージェントまたは推定トークン総量150万を超えるとLarge workflowの警告が表示されます。自律起動を許したままだと、この規模のコスト増がユーザーの把握しないところで発生しかねません。明示的な呼び出しに限定したことで、調査コストの発生源をユーザー自身の操作に一本化した変更だと言えます。
コストと利用できるプラン・環境
/deep-researchはdynamic workflowの一種であるため、有料プランに限って利用できます。Proプランでは/configの「Dynamic workflows」の行から明示的に有効化する操作が必要です。Anthropic API、Amazon Bedrock、Google Cloudのエージェントプラットフォーム、Microsoft Foundryでも利用できます。
ただし/deep-research自体はWebSearchツールを前提にしており、この点でdynamic workflow全体の対応環境とは一致しません。Amazon Bedrockはサーバーサイドの検索ツールを提供していないため、dynamic workflow自体は使えてもWebSearchが必要な/deep-researchは動かせません。環境ごとに使える機能が違うため、Bedrock上で導入する前には確認が要ります。
エージェントを大量に使う分、同じ質問を会話でやり取りするより消費トークンは増えます。コストを見積もるには、まず狭い質問で小さく試すのが安全です。/workflowsではエージェントごとのトークン消費が進行に合わせて表示され、いつでも実行を止められます。
実行中にできないこと
/deep-researchが実行されている間、途中で追加の指示を挟むことはできません。フェーズの合間に人間の判断を挟みたい場合は、調査を複数のワークフローに分けて段階ごとに実行する必要があります。ワークフロー自体がファイルやシェルへ直接アクセスすることもなく、実際の検索・取得・読み込みは個々のサブエージェントが担当し、ワークフローはその調整役に徹します。
同時に動くエージェント数は最大16で、CPU資源の空き状況によってはさらに絞られることもあります。1回の実行で使えるエージェント総数の上限は1,000で、暴走した調査が際限なくエージェントを増やし続けることはありません。同時実行数と総数という2段構えの上限が、コストと処理時間の両方に歯止めをかけている形です。範囲の広い質問を渡すとこの上限に近づきやすくなるため、まず狭い質問で挙動を確かめてから対象を広げるのが安全な進め方です。
Claude Researchとの違い
claude.aiのチャットにも「Research」という調査機能がありますが、/deep-researchは仕組みが異なります。
| 項目 | Claude Research(claude.ai) | /deep-research(Claude Code) |
|---|---|---|
| 利用場所 | Claude Research(claude.ai)ブラウザー版・デスクトップ・モバイルのチャット | /deep-research(Claude Code)Claude Code CLI・デスクトップアプリ・IDE拡張・ヘッドレスモード |
| 実行主体 | Claude Research(claude.ai)チャット内で検索を繰り返す単一の会話 | /deep-research(Claude Code)複数のサブエージェントが並列にバックグラウンドで実行 |
| 出典の扱い | Claude Research(claude.ai)検索結果を会話内で参照 | /deep-research(Claude Code)出典を相互にクロスチェックし、未検証の主張を明示 |
| 想定用途 | Claude Research(claude.ai)その場で1〜2件のページを深掘りしたい調査 | /deep-research(Claude Code)多角的な視点からの調査を1本のレポートに集約したい調査 |
1つの質問に何度も検索をかけ直しながら会話でじっくり深掘りしたいならClaude Researchが向き、複数の角度から集めた出典を相互検証したレポートが欲しいなら/deep-researchが向きます。
よくあるつまずき
- Proプランで動かない: dynamic workflow自体を
/configで有効化していないケースです。「Dynamic workflows」の行をオンにしてから再実行します。 - Bedrock環境で反応しない: BedrockはWebSearchツールを提供していないため、
/deep-researchは動作しません。dynamic workflowが使えることと/deep-researchが使えることは別問題です。 - 想定より高コストになる: 質問が広すぎると調査角度が増え、エージェント数とトークン消費が膨らみます。まず範囲を絞った質問で試し、
/workflowsでトークン消費を見ながら本番の質問に広げます。 - 途中で止めて再開したら想定より再実行が多い: 実行順で後から始まったエージェントは、途中のエージェントが未完了のまま停止すると再実行の対象になります。小さく分解されたワークフローほど、中断時に残る進捗は多くなります。
よくある質問
/deep-researchは無料プランでも使えますか
使えません。dynamic workflowは有料プランでの利用が前提です。Proプランでは/configからの明示的な有効化も必要です。
検証で「未検証」と判定された主張はレポートにどう表示されますか
反証されたと断定せず、未検証であることが分かる形でレポートに残ります。レート制限やAPIエラーで検証自体ができなかった場合もこの扱いになります。
v2.1.218より前のバージョンではどう動いていましたか
明示的に呼び出さなくても、Claudeが必要と判断すれば自律的に/deep-researchを起動する挙動がありました。v2.1.218以降はユーザーが明示的に呼び出したときだけ起動します。
実行を承認するプロンプトを毎回出したくないのですが
Autoモードであれば初回の承認以降は確認なしで実行されます。Manualモードのままにしたい場合は、承認プロンプトで「今後確認しない」を選ぶとそのプロジェクト・そのワークフローに限って以降スキップされます。/effort ultracodeを有効にしている場合は、そもそも承認プロンプト自体が表示されません。
実行中に質問を追加で投げることはできますか
できません。フェーズの途中で人間の指示を挟む仕組みはなく、追加の判断を挟みたい場合は調査を複数のワークフローに分けて、段階を区切りながら順番に実行する必要があります。
まとめ
/deep-researchは複数のサブエージェントを使って出典を相互検証する調査ワークフローで、通常の会話内検索より裏付けの精度を優先した設計です。v2.1.218で自動起動が廃止され、重い調査が意図しないタイミングで始まる心配がなくなりました。有料プラン限定かつBedrockではWebSearch非対応という制約はあるものの、多角的な調査を1本のレポートにまとめたい場面では会話内での逐次検索より確実です。
Claude Codeのdynamic workflow全般の仕組みはClaude Code Skills完全ガイドで、他のスラッシュコマンドとの位置づけはClaude Codeスラッシュコマンド一覧で確認できます。claude.ai側のResearch機能の使い方はClaudeリサーチの使い方にまとめています。