Claude Code Desktopのタスクカード — StartとDo it hereの違い
Claude Code Desktopのチャットに出るタスクカードは、Startで別セッションを起動し、Do it hereで今のセッションに送ります。Optionsで変えられる項目とStart allの挙動を押さえます。
Claude Code Desktopで作業していると、いま頼んだ作業とは別に「ついでに直したほうがよさそうな点」をカードの形で出してくることがあります。このカードのボタンは、Startが別セッションで実行、Do it hereが今のセッションへ送信という分担です。押す前に知っておくと迷わない点を、ボタンごとに見ていきます。
タスクカードは何を出し、どこで始まるか
Claudeは、現在の作業の外に直したほうがよいものを見つけると、その作業を「タスク」として提案します。ローカルセッションとSSHセッションの現行レイアウトでは、提案はチャット内のカードとして表示されます。カードのボタンは、タスクを始めるものと、今のセッションに留めるものに分かれます。
| ボタン | 動作 | 起動先 |
|---|---|---|
| Start | 動作タスクを別セッションで始める | 起動先既定では今のセッションと同じ環境 |
| Do it here | 動作タスクをメッセージとして今のセッションへ送る | 起動先今のセッション |
| Options | 動作環境・モデル・worktree・権限を確認、変更する | 起動先Startを押す前の設定画面 |
| Start all | 動作カードに複数のタスクが並ぶときだけ。全件を一括で始める | 起動先タスクごとに別セッション |
Startを押すと、カードには起動したセッションの状態が表示されます。サイドバーでは、起動したセッションが今のセッションの下に並びます。元の会話を止めずに、脇道の作業だけを切り出せる設計です。
StartとDo it hereはどう使い分けるか
分かれ目は、その作業が今のセッションの文脈を必要とするかです。
- 今の会話で読み込んだファイルや決めた方針に依存する作業は、Do it hereが向きます。メッセージとして届くので、続きの依頼と同じ扱いになります
- 今の作業と無関係な修正は、Startで切り出します。セッションごとに独立したコンテキストを持てます
- 同じファイルを触る作業を並べるときは、Startの前にOptionsを開き、worktreeを確認します
Do it hereはメッセージ送信と同じなので、権限モードも今のセッションのままです。Startで別セッションを始めるときは、Optionsの権限の欄に目を通してから押すのが確実です。
Optionsで変えられる設定の中身
Optionsでは、環境・モデル・worktree・権限といった設定を、Startを押す前に確認、変更できます(これらは例で、すべてを網羅した一覧ではありません)。どれもセッション開始時の設定で、Desktopの通常の新規セッションと同じ項目です。環境の選択肢は、自分のマシンで動くLocal、Anthropicが管理する基盤で動くCloud、SSHで接続した別のマシンで動くSSH、Windowsで使うWSLの4種類です。Cloudはアプリを閉じても続きますが、Localは自分のマシン上のファイルを直接扱います。権限は、Manual、Accept edits、Plan、Auto、Bypass permissionsのモードから選びます。Manualでは編集やコマンドの前に毎回確認が出て、Planはコードを編集せずに計画だけを提案します。
worktreeを有効にすると、タスクは独立したGitのコピーで動きます。この設定は、Gitリポジトリのプロジェクトで使える機能です。保存先は既定で<project-root>/.claude/worktrees/です。別のフォルダーにしたいときは、ローカルセッションならSettings > Claude Codeの「Worktree location」で変えられます。同じ画面の「Branch prefix」を設定すると、worktreeのブランチ名の先頭に決まった文字列が付くので、Claudeが作ったブランチを見分けやすくなります。.envのようなgitignoreされたファイルをコピーしたいときは、プロジェクトルートに.worktreeincludeを置きます。
# .worktreeinclude(.gitignoreと同じ書式)
.env
.env.localworktreeで動くセッションには、共有される範囲があります。.gitディレクトリのほか、Bashコマンドで「Yes, and don't ask again」を選んだときの許可ルールは、メインのチェックアウトの.claude/settings.local.jsonに保存されます。つまり、タスクカード経由のworktreeセッションで承認した許可は、ほかのworktreeにも効きます。この保存先はv2.1.211以降の挙動で、それ以前は承認がworktree内に保存され、削除すると失われました。
デスクトップから開始したworktreeセッションは、設定・フック・スキル・エージェント・コマンド・.mcp.jsonをメインのチェックアウトのルートから読みます。フックのコマンドもそのルートで実行され、${CLAUDE_PROJECT_DIR}もルートを指します。作業中のファイルの場所は、フックの入力に含まれるcwdで確かめます。CLAUDE.mdと.claude/rules/はworktree側から読み込まれます。
権限の既定値を揃えたいなら、設定ファイルのpermissions.defaultModeで新しいローカルセッションの既定モードを決められます。デスクトップはCLIと同じ設定ファイルを読みます。ただしセレクターで選んだモードはフォルダーごとに記憶され、そのフォルダーではdefaultModeより優先されます。
{
"permissions": {
"defaultMode": "acceptEdits"
}
}Start allは何を一度に始めるのか
カードに複数のタスクが並ぶときは、Start allで全件を始められます。各タスクはそれぞれ別のセッションで走り、前のタスクの完了を待ちません。
便利な反面、タスクの数だけセッションが増えます。互いに無関係な修正が並んでいるときの一括起動には向きます。同じファイルや同じ関数を触りそうなタスクが混ざっているなら、Start allの前にOptionsでworktreeを確認するほうが安全です。並列セッションの分離の考え方はClaude Code Desktopの並列セッションで扱っています。
起動したセッションのその後と後片付け
Startで切り出したセッションは、サイドバーの通常のセッションとして扱えます。作業が済んだら、セッションにカーソルを合わせてメニューを開き、Archiveを選びます。worktreeを使っていた場合は、ここに注意点があります。
- 未コミットの変更があると、Desktopが確認を出します。Archive anywayを選ぶと変更は捨てられます
- 変更が未追跡ファイルだけのときは、Claudeが開いたプルリクエストがマージされた時点で、Desktopが確認なしで消すことがあります。残したいファイルは先にコミットします
- それ以外では、worktreeは変更ごとディスクに残ります。ローカルセッションは、アーカイブしてから(または最後に開いてから)約30日後にDesktopが削除します。残したいときはArchivedタブから開き、Unarchiveを選びます
Settings > Claude Codeの「Auto-archive after PR merge or close」を入れると、プルリクエストのマージやクローズに合わせてセッションが自動でアーカイブされます。起動中のセッションとクラウドセッションは対象外です。
状況別の早見表
| 状況 | 向くボタン | 確認する点 |
|---|---|---|
| 今読んだファイルや決めた方針の続き | 向くボタンDo it here | 確認する点権限モードは今のセッションのまま |
| 今の作業と無関係な単発の修正 | 向くボタンStart | 確認する点環境が今のセッションと同じでよいか |
| 同じファイルを触るタスクを並べる | 向くボタンOptionsでWorktreeを確認してからStart | 確認する点.envが要るなら.worktreeinclude |
| 無関係な修正が複数並ぶ | 向くボタンStart all | 確認する点セッション数が増える |
カードの見た目がレイアウトで変わる
同じ提案でも、見た目はレイアウトと実行場所で変わります。
- ローカルとSSHの現行レイアウト: Start、Do it here、Options、Start allを持つカード
- クラウドセッション、およびローカルとSSHの以前のレイアウト: 「Suggested task」というカード。主ボタンの表記は状況で変わり、例えば
Send to cloudやStart with worktreeと出ます。主ボタンの横のキャレットから別の始め方を選べ、その中にDo it hereが含まれます
画面にStartが見当たらないときは、Suggested taskのカードを見ている可能性があります。新規セッションのプロンプトボックスの下に環境セレクターが無ければ、以前のレイアウトです。Desktopがv2.37337.0より古い場合は、更新すると現行レイアウトになります。サードパーティプロバイダーで組織のインフラ上にセッションを置く構成では、更新しても以前のレイアウトのままです。
次の入力欄の提案とは別物
チャットの入力欄に灰色で出る「次のプロンプト候補」は、この機能とは別です。こちらはClaudeの返答後に会話から生成され、TabかRight arrowで入力欄に取り込み、Enterで送ります。生成には短いバックグラウンドリクエストが使われ、プランの使用量またはAPI料金に計上されます。Settings > Claude Codeの「Prompt suggestions」で止められますが、タスクカードの出現を止める設定は、Desktopのドキュメントに記載がありません。
タスクカードのほうは、押した時点でセッションが動き出す点が決定的に違います。入力欄の候補は送信するまで何も起きません。
つまずきやすい点
- Startを押しても今の画面が変わらない: 別セッションで始まる仕様のため、今のチャットはそのままです。起動先はサイドバーで、今のセッションの下に並びます
.envが無くて動かない: worktreeは新しいチェックアウトなので、gitignoreされたファイルは入りません。.worktreeincludeで補います- SSHで切断後も続けたい: タスクカードとは別に、SSHセッションのタスクは切断中も続けられます。条件はClaude DesktopのSSHタスクが切断後も続く条件と止まる条件にあります
定期的に同じ作業を回したいなら、カードを待つより定期実行タスクのほうが再現性があります。タスクカードは、その場で見つけた単発の修正を切り出すための入口です。
まとめ
Startは「元の会話から切り離して走らせる」、Do it hereは「今の会話の続きとして頼む」ボタンです。迷ったら、その作業が今のコンテキストに依存するかで選びます。複数のタスクを一括で始めるStart allの前には、同じファイルを触るタスクが混ざっていないかだけ確認します。変更を伴うなら、Optionsで権限とworktreeを確かめてから押すと確実です。