DISABLE_GROWTHBOOKを設定するとRemote Controlが使えなくなる理由
DISABLE_GROWTHBOOKは機能フラグの取得を止める環境変数です。Remote Controlや/auto-mode-setupなど使えなくなる機能、テレメトリが止まらない点、似た変数との違いを解説します。
DISABLE_GROWTHBOOKを設定するとRemote Controlが使えなくなる理由
DISABLE_GROWTHBOOKは、Claude Codeが起動時に行う機能フラグ(feature flag)の取得を止める環境変数です。1かtrueを入れると、すべてのフラグがコード側の既定値で動きます。その代わり、フラグの取得を前提にしている機能が使えなくなります。代表がRemote Controlです。
名前から「テレメトリを切る変数」と読まれがちですが、止まるのはフラグの取得だけで、テレメトリのイベント送信は止まりません。止まる機能の一覧、似た変数との違い、エラーが出たときの戻し方は、この順で書いています。
DISABLE_GROWTHBOOKが止めるのは機能フラグの取得だけ
Claude Codeは一部の機能を、Anthropicから取得した機能フラグで有効にしています。DISABLE_GROWTHBOOKを1またはtrueにすると、この取得を行わず、全フラグにコード上の既定値を使います。0かfalseを入れた場合は、取得は続きます。
ここで押さえたいのは、テレメトリとの関係です。環境変数リファレンスの説明では、テレメトリのイベントログはDISABLE_TELEMETRYも設定しない限りオンのままです。フラグ取得だけを止めてテレメトリを残す組み合わせは、この変数でしか作れません。逆に「通信を減らしたい」「計測を止めたい」という目的でこの変数を選ぶと、目的と効果がずれます。
設定の置き場所は、シェルの環境変数でもsettings.jsonのenvブロックでも構いません。
{
"env": {
"DISABLE_GROWTHBOOK": "1"
}
}取得を止めると使えなくなる機能
フラグ取得を飛ばすセッションでは、次のことができません。DISABLE_GROWTHBOOKに限らず、取得を止める変数すべてに共通する一覧です。
フラグ取得が要る主な機能
Remote Control
別デバイスへの引き継ぎ。
DISABLE_GROWTHBOOKを設定すると使えません。/auto-mode-setup
autoMode.environmentのエントリを下書きするコマンドです。他マシンへのセッション間メッセージ
Remote Controlが使えないとき、別マシンのセッションには送れません。同一マシン内は動きます。
上の3つ以外にも、次の項目が挙がっています。
claude importと/importコマンドの実行/skill-doctorの実行と、/pluginのStatsタブでのレポート表示- claude.aiアカウントで有効にしたスキルとプラグインの、ターミナルへの同期
- advisorツールの利用
- Artifactのコメントの読み取りと返信、他組織の公開Artifactの読み取り
- Windowsで、Git Bashが入っているclaude.ai・Consoleアカウントに対するPowerShellツールの既定提供
- Claudeが下書きするフィードバック(SendFeedback)
- 大きな貼り付けを「貼り付けたテキスト」として扱う挙動(
[Pasted text #N]の中身がマーク無しでClaudeに届く) - 入力スキーマがAPIに拒否されるMCPツールの除外(スキーマをそのまま送るため、該当ツールを含むリクエストは400エラーになります)
見落としやすいのは最後の2つです。機能が「無くなる」のではなく、挙動が静かに変わります。MCPサーバーを多く接続している環境では、特定のツールを含むリクエストが400で落ちる形で表面化します。
スキル・プラグインやadvisorが手元に現れないとき
claude.aiアカウントで有効にしたスキルとプラグインは、フラグ取得が止まるとターミナルのセッションに同期されません。アカウント側では有効なのに手元に出てこないときは、同期の不具合を疑う前に、環境に取得を止める変数が入っていないかを見ます。advisorツールも同じ条件で使えなくなります。
Windowsでは、Git Bashが入っているclaude.ai・Consoleアカウントで、PowerShellツールが既定では提供されなくなります。シェルコマンドはGit Bash経由で動きます。PowerShellツールを使いたいときはCLAUDE_CODE_USE_POWERSHELL_TOOL=1を設定します。Git Bashが入っていないWindowsでは、このツールは取得に関係なくオンのままです。
Artifactでは、コメントの読み取りと返信、他組織が公開したArtifactの読み取りができなくなります。
いずれも、環境変数を外せば取得が再開します。取得したフラグは端末に保存されるので、機能が戻るのは外したあとに取得できたセッションの、次のセッションからです。
止まる範囲の違う4つの変数
フラグ取得を止める変数は4つあります。止まる範囲と値の読み方が違うので、並べて確認します。
| 変数 | 有効になる値 | テレメトリ | Remote Control |
|---|---|---|---|
DISABLE_GROWTHBOOK | 有効になる値1またはtrue(0とfalseでは取得を続行) | テレメトリ止まらない | Remote Control使えない |
DISABLE_TELEMETRY | 有効になる値空でない値(0でも有効) | テレメトリ止まる | Remote Control単独なら使える(v2.1.283以降) |
DO_NOT_TRACK | 有効になる値1(0ならオン) | テレメトリ止まる | Remote Control単独なら使える(v2.1.283以降) |
CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC | 有効になる値空でない値(0でも有効) | テレメトリ止まる | Remote Control使えない |
Remote Controlの列には条件が付きます。DISABLE_TELEMETRYかDO_NOT_TRACKだけを設定している場合でも、組織がTrusted Devicesを必須にしていると使えません。v2.1.154からv2.1.282までは、この2つの変数だけでもRemote Controlが使えませんでした。
もう一点、DISABLE_TELEMETRYとCLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICは「0でも無効化される」点でDISABLE_GROWTHBOOKと読み方が逆です。DISABLE_GROWTHBOOK=0は取得が続きますが、DISABLE_TELEMETRY=0は止まります。同じ設定ファイルに複数の変数を並べるときは、値の意味を取り違えやすい箇所です。各変数の詳細はDISABLE_TELEMETRYの解説、DO_NOT_TRACKの解説、非必須通信を止める変数の解説にあります。
Remote Controlで出るエラーと戻し方
DISABLE_GROWTHBOOKが原因のとき、Remote Controlは「Remote Control requires feature-flag evaluation」というエラーを返します。メッセージの全文には、Claude Codeが見つけた変数名が含まれます。v2.1.154より前のバージョンでは、同じ設定が「Remote Control is not yet enabled for your account」になります。
戻し方は、変数が設定されている場所を探して外すだけです。シェルの環境変数と、settings.jsonのenvブロックのどちらにも置けるため、片方だけ消して残りに気づかないことがあります。
echo "$DISABLE_GROWTHBOOK"
grep -n DISABLE_GROWTHBOOK ~/.claude/settings.json .claude/settings.jsonどちらにも出なければ、組織の管理設定が配っている可能性があります。接続できないときの切り分け全体はRemote Controlに接続できないときの見分け方に、無効化を意図して設定する場合の考え方はRemote Controlの無効化設定にまとめています。
同じ原因が別の形で表に出る例もあります。claude importは「not yet available in this build」と表示して止まります。理由の一つがDISABLE_GROWTHBOOKなどによるフラグ取得の停止で、詳しくはclaude importが使えないときの対処で扱っています。/skill-doctorも同じ条件で使えなくなります(skill-doctorの使い方)。
フラグ取得を止める前に確認したいこと
この変数を入れる動機は、おおむね「挙動を固定したい」か「外部との通信を減らしたい」のどちらかです。前者なら意味がありますが、後者ならテレメトリが残る点に注意が必要です。
通信を減らしたいだけなら、CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICがフラグ取得もテレメトリもまとめて止めます。メトリクスだけ止めたいならDISABLE_TELEMETRYです。ただしどちらもフラグ取得が止まるので、上の一覧の機能が使えなくなる点は同じです。
なお、取得を止めなくても、フラグが効かない場面があります。インストールやアップグレード直後の最初のセッションでは、フラグ付きの機能が見当たらないことがあり、起動時の権限モードも後のセッションと変わる場合があります。取得したフラグは端末に保存され、次のセッションから反映されます。CIのように毎回まっさらな環境で動かす場合や、ANTHROPIC_AUTH_TOKENだけでAnthropic以外のホストを指すゲートウェイ経由の場合は、2回目以降のセッションでも最新のフラグがありません。
claude -p、Agent SDK、VS Code拡張のような非対話セッションでは、インストール直後でも、起動時の権限モードを決める前にフラグを取り込めることがあります。ただし、必ず待ってくれるわけではありません。権限モードの違いが気になる環境では、フラグ任せにせず、起動時の権限モードを明示して固定する選択肢があります。
サードパーティプロバイダー(Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundryなど)とClaude apps gatewayのセッションでは、そもそもフラグ取得が行われません。ただし、Claude Codeを組み込むホストがCLAUDE_CODE_PROVIDER_MANAGED_BY_HOSTを設定している場合、サードパーティプロバイダーのセッションは取得します。そこにDISABLE_GROWTHBOOKを足しても、使える機能は増減しません。影響が出るのは、claude.aiアカウントやAPIで直接Anthropicに接続している環境です。設定ファイルに紛れ込んだDISABLE_GROWTHBOOKを見つけたときは、上の一覧と照らして、いま使えない機能の原因になっていないかを確かめられます。