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Claude Codeの返信が英語化するドリフトの原因と回避策

Claude Codeの返信が英語化するドリフトの原因と回避策

CLAUDE.mdで日本語指定していてもClaude Codeの返信が英語に化ける不具合をGitHub issueの報告から読み解きます。

Claude CodeのCLAUDE.md日本語指定が英語ツール出力の直後に効かなくなる

~/.claude/CLAUDE.md や settings.json の language キーで日本語を指定していても、Claude Codeの返信が突然英語になることがあります。GitHub issue #96326には、この症状の再現報告が2026年9月23日から複数件寄せられています。共通しているのは、英語のツール出力(ビルドログ、コミットメッセージ、サブエージェントのレポート、コードレビュー結果など)を読んだ直後に返信が英語へ切り替わるという点です。ユーザーが日本語で指摘すると次の1文だけ日本語に戻り、同じターンか次のターンでまた英語に戻ります。

このissueを起票したユーザーは、ユーザーレベルのCLAUDE.mdと会話言語の設定の両方で「必ず日本語で返信する」と指定していました。それでも1回の長いエージェントセッションの中で、英語の仕様書・英語のサブエージェント報告・英語のコードレビュー出力を読んだ直後の返信が繰り返し英語化しています。ユーザーは3回訂正しましたが、訂正の直後の1文だけ日本語に戻り、同じターン内か次のターンでまた英語に戻る挙動が記録されています。

自分の環境で再現するか確かめる手順

issueの報告者は、次の手順で症状を再現できたとしています。手元で同じ挙動が出るか確認したい場合はこの順で試します。

  1. ~/.claude/CLAUDE.md に「返信は必ず日本語で行う」のような非英語の指示を書く。
  2. 長めのエージェントセッションを走らせる。途中で英語のspec、サブエージェントのレポート、/code-review の出力(部分的に英語を含むもの)を読ませる。
  3. 直後にClaude Codeが出す短いステータス行(ツール呼び出しの合間の一行進捗)の言語を確認する。

報告では、この短い進捗行が最も英語化しやすく、長いタスクの最終サマリーでも同じ傾向が見られたとされています。

症状の再現パターン(issueの報告から)

issueには9件のコメントが付いており、複数のユーザーが独立に同じ挙動を報告しています。報告された環境と条件は次のとおりです。

報告者環境対象言語ドリフトの引き金として観測されたもの
noboru007環境Linux, Opus 5.5(1Mコンテキスト)対象言語日本語ドリフトの引き金として観測されたものgit commit・Pythonのheredoc編集など、地味な英語ツール出力でも発生
d-kishi環境WSL2, Opus 5.5, Concise対象言語日本語ドリフトの引き金として観測されたものConciseスタイルのリマインダー文言。ただしDefaultスタイルでも英語コメント60行を読んだ後に再発
tkdesign-jp環境Claude Desktop(macOS), Opus 5.5対象言語日本語ドリフトの引き金として観測されたもの英語ツール出力・他セッションの英語メッセージ
sagizaidor環境Linux対象言語ヘブライ語ドリフトの引き金として観測されたもの英語のツール出力・長い英語のCLAUDE.md・スキル手順
paoloalby環境macOS, Concise対象言語イタリア語ドリフトの引き金として観測されたものツール呼び出し間の一行ステータスとサブエージェント報告の直後

日本語だけの不具合ではなく、ヘブライ語やイタリア語でも同じパターンで再現しています。共通点は「非英語を指定しているのに、直前に英語の長いテキストを読むと返信が英語化する」ことです。

CLI・モデルのバージョン別の英語化率

d-kishiとtkdesign-jpのコメントには、セッションの文字起こしを数えた実測値が載っています。数値は各報告者の環境における観測値であり、公式ベンチマークではありません。sagizaidor・paoloalbyはヘブライ語・イタリア語での計測結果を別途報告しています。

Claude Codeモデル英語で返ってきた返信の割合
2.1.280モデルclaude-opus-5-5英語で返ってきた返信の割合3/141(約2%、d-kishi環境)
2.1.281モデルclaude-opus-5-5英語で返ってきた返信の割合14/31(約45%、d-kishi環境)
2.1.280モデルclaude-opus-5-5英語で返ってきた返信の割合5/119(約4%、tkdesign-jp環境)
2.1.281モデルclaude-opus-5-5英語で返ってきた返信の割合11/98(約11%、tkdesign-jp環境)

sagizaidorのヘブライ語での計測では、モデルをclaude-opus-5からclaude-opus-5-5に切り替えた時点で英語化率が1.1%から8.5%へおよそ10倍に跳ね上がり、2.1.282でも解消していません(サンプル数は22件と小さい)。paoloalbyの直近30日分の集計でも、claude-opus-5では0.3%だったのに対しclaude-opus-5-5では15.3%まで上がっています。

原因がCLIバージョンかモデルかについては、報告者の間で見方が割れています。d-kishiは、モデルが09-23からOpus 5.5のまま変わっていないのにCLIを2.1.281に上げた日から悪化した点を挙げ、バージョン起因を疑っています。一方でpaoloalbyは、Opus 5が2.1.281で0/82だったのに対しOpus 5.5は2.1.280・2.1.281・2.1.282のすべてで英語化しており、自分の環境ではバージョンよりモデルの挙動として現れていると述べています。sagizaidorのデータもモデル切り替え時点での急上昇を示しており、両方の見立てが併存したままです。

「Conciseの注釈が原因」説は途中で撤回されている

d-kishiは当初、Concise出力スタイルが有効なときに全ターンの末尾へ挿入される英語のリマインダー文(「Concise output style is active. Be concise: lead with the result, skip preamble and narration, keep only what the user needs.」)が引き金だと仮説を立てました。同じ英語読み取りタスクを名前付きサブエージェントとフォークに渡した4回の実験では、いずれも返信と思考ブロックがすべて日本語のままだったためです。

ところがフォローアップのコメントで、この仮説自体が本人によって弱められています。Defaultスタイルに切り替えてリマインダー文が付かない状態でも、英語のコメントを60行含むシェルスクリプトを読んだ直後に英語の返信が発生したためです。d-kishiは「Conciseへの切り替えは信頼できる修正ではない」と明記しています。issueのコメント欄にAnthropicチームからの回答は記録されておらず、原因は「直前に読んだ英語テキストの分量が言語指示より優先されることがある」という利用者側の仮説にとどまっています。

現時点でできる回避策

根本原因が未確定のため、確実な修正方法はありません。issueの報告から拾える対処は次の3つです。

  1. 返信の言語をその都度短く言い直させる。1文だけは日本語に戻る挙動が全報告で共通しています。ただしpaoloalbyの報告では、訂正が効くのはその次の1文までで、それ以上の再発は防げません。短い言い直しは応急処置であり、根本的な解決策ではありません。
  2. 英語のツール出力を大量に読ませた直後は、返信の言語を目視で確認する。ビルドログやサブエージェントのレポートを読み込ませた直後のターンは、他のターンより英語化しやすいという報告が複数あります。CIログの要約や外部リポジトリのspecファイルを読んだ直後は特に注意します。
  3. 出力スタイルの切り替えは補助的な手段にとどめる。Concise出力スタイルのリマインダーが引き金の一つになっている可能性はありますが、Defaultへ戻しても英語化が完全には止まらないことが確認されています。出力スタイルを変える対応は、応急処置であって解決策ではないと理解して使う必要があります。

language 設定とCLAUDE.mdの役割分担

Claude Codeには settings.json の language キーがあり、"japanese" のような値を渡すと、その値をそのままClaudeへの指示として渡します。

{
  "language": "japanese"
}

公式ドキュメントでは、固定の言語リストは存在せず、Claudeが読める言語名であれば動作すると説明されています。誤字を含む値もチェックされずにそのままClaudeへ渡るため、指定した綴りが正しいかは自分で確認する必要があります。同じ値は音声入力の言語判定と、セッションタイトルの自動生成にも使われます。

CLAUDE.mdへの言語指示と language キーは、どちらも「常にこの言語で返信する」という指示をClaudeに渡す点で役割が重なります(詳しい設定方法はClaude Codeの言語設定ガイドにまとめています)。issueの報告者の多くは両方を併用していましたが、それでも英語化を防げていません。tkdesign-jpの環境では、さらにUserPromptSubmit hookで毎ターン日本語ルールを注入していましたが、それでも英語化は止まりませんでした。指示を重ねて渡すこと自体は誤りではありませんが、二重・三重に指定すれば直るという単純な問題ではないことは、この不具合が示しています。

出力スタイルの仕組み(公式ドキュメントの範囲)

Concise出力スタイルは、Claude CodeのDefault以外の4つの組み込みスタイルの一つで、応答の冒頭で結果を述べ、前置き・途中経過の説明・締めの振り返りを省く指示を追加します。公式ドキュメントは、出力スタイルが「常にこうなることを保証するものではない」と明記しており、毎回必ず実行させたい挙動にはフックを使うよう案内しています。ただし今回のissueでは、hookで毎ターン言語ルールを注入していたtkdesign-jpの環境でも英語化は止まっておらず、フック自体が万能な回避策ではありません。出力スタイルの指示が言語指定を上書きする保証はもともと無い、という前提が背景にあります。

英語化ドリフトをどう受け止めるべきか

この不具合は、CLAUDE.mdや language 設定が「常に効く固定ルール」ではなく、直前の文脈の影響を受ける指示の一つでしかないことを示しています。ツール出力やサブエージェントの報告が英語である以上、その言語がモデルの応答言語に波及するリスクは常にあります。日本語での運用を前提にCLAUDE.mdを書いているチームほど、この挙動の影響を受けやすいと言えます。

複数言語(日本語・ヘブライ語・イタリア語)で同じパターンが報告されていることから、日本語固有の問題ではなく、英語以外を指定する運用全般に共通するリスクです。issueはopenのままで、修正バージョンは公表されていません。バージョンとモデルのどちらが主因かも報告者の間で決着していないため(関連issue #96601でも内訳の議論が続いています)、運用でカバーする前提で付き合う不具合です。

まとめ

Claude CodeでCLAUDE.mdや language 設定に日本語を指定していても、英語のツール出力やサブエージェント報告を読んだ直後に返信が英語化する不具合が、GitHub issue #96326で複数のユーザーから報告されています。原因はAnthropicから公式に説明されておらず、Conciseスタイルのリマインダー文だけが原因という仮説も報告者自身によって撤回されています。バージョンとモデルのどちらが主因かも見方が割れたままです。確実な修正手段が無い間は、ドリフトに気づいたら短い日本語で即座に指摘する、英語のツール出力を大量に読ませた直後の返信を目視確認する、英語読み取りが多い作業はサブエージェントに切り出す、の3つで運用をカバーするのが現実的です。設定の基本はClaude Codeの言語設定ガイド、出力スタイルの使い分けは出力スタイルとCLAUDE.md・Skillsの違いを参照してください。

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