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Claude CodeとJulesの比較 — 非同期実行とPR自動作成の使い分け

Claude CodeとJulesの比較 — 非同期実行とPR自動作成の使い分け

Claude CodeとGoogle製Julesを実行環境・権限モデル・GitHub連携・料金の4点で比較します。

Claude CodeとJulesは何が違うのか

Claude CodeはAnthropicが提供する、ターミナルで対話しながら使うCLI型のコーディングエージェントです。JulesはGoogleが提供する、GitHubと連携してクラウドVM上で非同期にタスクを実行するコーディングエージェントです。どちらもコードベースを理解して自律的に変更を加える点は共通していますが、「どこで動くか」と「どう介入するか」の設計が大きく異なります。

Jules公式サイトは、バグ修正・バージョンアップ・テスト追加・機能構築といった「やりたくないコーディング作業を代行するエージェント」と説明しています。プロンプトを渡すとGitHubリポジトリをクラウドVMにクローンし、プランを立てた上でコードを変更し、最終的にブランチとプルリクエストを用意する流れです。Claude Codeはこれとは対照的に、手元の端末でリポジトリに直接触れながら、都度の指示や修正を挟みつつ進める対話型の使い方が基本になっています。

実行環境の違い — ローカル端末かクラウドVMか

Claude Codeは既定でローカル端末上のシェルプロセスとして動き、手元のファイルシステムやツールチェーンをそのまま使います。プロキシ・カスタムCA・mTLS認証といったエンタープライズ向けのネットワーク設定にも対応しており、社内ネットワーク経由での利用を想定した作り込みがあります。Claude DesktopのCowork機能と組み合わせた場合は、管理者設定でフルVMサンドボックス(requireCoworkFullVmSandbox)を使う構成も選べますが、これはオプションであり、単体の既定動作はローカル実行です。

Julesは逆に、タスクごとに使い捨てのクラウドVMを用意する設計です。土台はUbuntu Linuxです。VMにはNode.js・Bun・Python・Go・Java・Rustなど主要な開発ツールチェーンがあらかじめインストールされており、複雑な環境ではセットアップスクリプトを登録して「Run and Snapshot」を実行すると、以降のタスクで同じ環境のスナップショットを再利用できます。ただしnpm run devのような常駐プロセス(dev serverやwatchスクリプト)は、セットアップスクリプトの実行対象として現状サポートされていません。

AIコーディングエージェントのサンドボックス実装比較では、Claude Code・Codex・Cursor・Devinのサンドボックス設計を扱っています。Julesは常にクラウドVMという1系統のみを持つ点で、これらとは前提がやや異なります。

タスクの始め方と権限モデルの比較

Claude Codeは、ターミナルセッションを開いてプロンプトを入力するか、GitHub Actions経由でリポジトリ側のイベントをトリガーにするかの2通りで起動します。権限はdefaultacceptEditsplanautodontAskbypassPermissionsという6つのモードで制御し、Pro・Max・Teamプランではautoモードが既定です。autoモードではpermissions.allowaskdenyのルール評価に加えて、分類器モデルが個々のアクションを都度審査します。ルールはdenyがaskより、askがallowより優先される順で評価されます。

Julesは、Web UIでリポジトリとブランチを選び、プロンプトを書いて「Give me a plan」を押すとプランが生成される流れです。プランはステップごとに開いて内容を確認でき、チャット欄からその場でフィードバックを送って修正させることもできます。承認は「approve plan」の1回で、ページを離れたまま放置すると一定時間後に自動承認されるタイマーが働きます。実行中はいつでも一時停止でき、停止中はタスクへの再指示・再開・削除のいずれかを選べます。

npm install -g @google/jules
jules login
jules remote new --repo . --session "parseQueryString関数のテストを追加して"

Julesには「Jules Tools」というCLIもあり、jules remote newでリモートセッションを起動し、jules remote pull --session <id>で完了したセッションの変更を手元に取り込めます。引数なしでjulesを実行すると、セッション一覧と差分ビューアを備えたTUIダッシュボードが開きます。

タスクが失敗したときの挙動も対照的です。Julesは公式FAQで、タスクが失敗すると自動的にリトライし、それでも解消しない場合はfailedとしてマークしてユーザーに通知すると説明しています。原因の多くはセットアップスクリプトの不備か、プロンプトの曖昧さです。Claude Codeには同種の自動リトライの仕組みは無く、対話セッションの中で状況を見ながらユーザーが再度指示を出す運用になります。

Claude Codeの権限モデルをより詳しく知りたい場合は、AIコーディングエージェント権限モデル比較でCodex CLI・Cursor・Devinとの違いも含めて扱っています。

GitHub連携とPR作成フローの比較

両者ともGitHubのissueとラベルを起点にタスクを開始できますが、既定のラベル名と後続フローが異なります。

Julesは、GitHub issueに「jules」というラベル(大文字小文字を区別しない)を付けるとタスクを開始します。作業が終わるとJulesがissueにコメントし、レビュー用のプルリクエストへのリンクを提示します。Web UIから手動でタスクを開始した場合は、完了後に表示される「Create branch」を押すとブランチが作成され、ユーザーがブランチオーナー、Julesがコミット作者としてGitHub上に記録されます。そこからPRを開くのはユーザー側の操作です。

Claude Codeは、claude-code-actionというGitHub Actionsの公式アクションを介して同等の自動化を組み込みます。既定のトリガーは@claudeメンションで、これに加えてラベル(既定値claude)やアサイニーもトリガーに使えます。イベントの種類(PRレビュー・メンション・カスタム自動化)に応じて動作モードを自動判定し、ブランチ名の既定プレフィックスはclaude/です。GitHub Actionsのワークフローを自分で用意する前提のため、リポジトリ側に事前のYAML設定が必要になる点は、Julesのラベル起動よりも一手間かかります。

Claude Codeのバージョンごとの変更点は、Claude Codeの変更履歴をどこで確認するかにまとめています。Julesと同じように複数のエージェントを並行運用する設計を検討している場合は、Claude Managed Agentsの使い分けも参考になります。

比較表: 実行環境・権限モデル・GitHub連携・料金

項目Claude CodeJules
提供元Claude CodeAnthropicJulesGoogle
実行環境Claude Codeローカル端末(CoworkでフルVMサンドボックスも選択可)JulesクラウドVM(Ubuntu、タスクごとに使い捨て)
起動方法Claude Codeターミナルでの対話、またはclaude-code-action(メンション・ラベル・アサイニー)JulesWeb UIでのプロンプト投入、issueへの「jules」ラベル、CLIのjules remote new
承認の仕組みClaude Code6つの権限モード切り替え(autoモードは分類器が個別アクションを審査)Julesタスクごとに1回のプラン承認(放置時は自動承認タイマー)
PR作成Claude CodeClaude自身がgitコマンドを実行、またはActionsが自動でPRを開くJules「Create branch」でユーザーがブランチ作成、issue起動時はJulesがPRリンクをコメント
料金Claude CodeClaude Pro(年払い月額$17、月払い$20)以上に含まれる、Maxは$100/月〜Jules無料プランあり(15タスク/日・3並列)、上位プランはGoogle AI Pro/Ultraサブスクの特典
モデルClaude CodeClaude(Anthropic製)JulesGemini(Google製、プランによって2.5 Pro/3 Pro)

Claude CodeとJulesそれぞれの強み

Claude Codeは、手元の開発フローに密着している点が強みです。エディタやターミナルの状態をそのまま使えるため、対話しながらその場で方向修正しやすくなります。autoモードやmanaged settingsを使えば、組織でルールを固定配布して統制することもできます。一方で、対話セッションを回すには端末が起動している必要があります。issueラベルだけで無人実行を回すには、claude-code-actionのワークフロー設定を別途用意する一手間もかかります。

離席していてもタスクが進む点は、Julesの明確な強みです。クラウドVMで完結するため、手元のマシンのリソースを使いません。GitHub issueに「jules」ラベルを付けるだけで起動できる手軽さもあり、環境スナップショット機能により複雑な依存関係を毎回作り直さずに済みます。ただし無料プランには上限があります。タスク数は15/日、同時実行数は3までです。まとまった量のタスクを並行して回す用途には手狭になる場合があります。有料プランはGoogle AI Plansのサブスク経由で、現状は@gmail.comの個人アカウントに限られます。ビジネス利用者向けの正式な課金導線はまだなく、個別フォームでの問い合わせ対応にとどまっています。

この設計差は、両社が想定する開発体験の違いをそのまま映しています。Claude Codeは人が手元で判断し続ける前提で権限モデルを作り込み、Julesは人の手を離れても進む前提でクラウド実行と自動承認タイマーを組み込んでいます。優劣というより、「誰が、いつ、どこまで介入するか」という設計思想の違いとして見ると実態に近そうです。

使い分け早見表

用途向いているツール理由
エディタとターミナルの文脈を保ったまま素早く反復したい向いているツールClaude Code理由ローカルのコードベースに対話的に触れられ、都度の方向修正がしやすい
離席中でも複数タスクを並行で進めたい向いているツールJules理由クラウドVMでタスクごとに独立実行され、通知を受けて後から確認する運用に向く
issueのラベルだけでPR起票まで進めたい向いているツールJules(既定で利用可)、Claude Code(claude-code-actionの設定が前提)理由Julesはラベルを付けるだけで起動、Claude Codeはワークフローの用意が必要
組織でルールを固定配布して権限を統制したい向いているツールClaude Code理由managed settingsで権限モードを配布・固定できる
追加費用をかけずに試したい向いているツールJules(無料プラン)理由15タスク/日までは無償で試用できる

よくある質問

Julesはタスクの日次上限に達するとどうなりますか

新規タスクを開始するボタンが無効化されますが、既存タスクのレビューや管理、履歴の閲覧は制限なく続けられます。上限はローリング24時間でリセットされ、上限に達している間は製品内にアップグレードを促す案内が表示されます。

Claude CodeでもJulesのようにクラウドVM上で完全に隔離して実行できますか

Claude DesktopのCoworkと組み合わせ、管理者側の設定でrequireCoworkFullVmSandboxを有効にすれば、フルVMサンドボックス上で動かす構成を選べます。ただしこれは組織側が設定するオプションで、Claude Code単体の既定動作はローカル実行です。

まとめ

Claude CodeとJulesは、同じ「コードベースを理解して自律的に変更する」エージェントでも、動く場所と介入の仕方が対照的です。Claude Codeは手元の端末で対話しながら細かく方向修正する使い方に向き、Julesはクラウド側にタスクを投げて離席前提で進める使い方に向いています。GitHub連携による自動化はどちらも可能ですが、Julesはissueラベルだけで即座に使え、Claude Codeはワークフローを自分で組む前提という違いも、実際に導入する際の分かれ目になります。

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