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Claude CodeとJulesの比較 — 非同期実行とPR自動作成の使い分け

Claude CodeとJulesの比較 — 非同期実行とPR自動作成の使い分け

Claude CodeとGoogle製Julesを実行環境・権限モデル・GitHub連携・料金の4点で比較します。

Claude CodeとJulesは何が違うのか

Claude CodeはAnthropic、JulesはGoogleが提供するコーディングエージェントです。どちらもコードベースを読み、自律的に変更を加えて、ブランチやプルリクエストまで進めます。

「ローカルのClaude Code、クラウドのJules」という対比は、すでに正確ではありません。Claude Codeにも、クラウドVMで動かす「クラウドセッション」があります。違いは既定の居場所と、人が介入する入口の作りにあります。

Claude Codeは手元の端末で対話する使い方が出発点で、クラウドは選択肢の1つです。Julesは常にクラウドVMで動き、プランを承認したら離席する前提で作られています。Jules公式サイトは、バグ修正・バージョンアップ・テスト・機能構築といった作業を代行するエージェントと説明しています。

Claude Codeの全体像は別の記事に任せ、ここでは動く場所・承認の仕組み・GitHub連携・上限の4点で並べます。

クラウドで動かすとき、環境はどこまで揃うか

動く場所は、Claude Codeが2通り、Julesが1通りの計3パターンです。

実行環境

実行環境の3パターン

  • Claude Code(ローカル)

    端末のシェルプロセスとして動き、手元のファイルシステムとツールチェーンをそのまま使います。プロキシ・カスタムCA・mTLS認証といった社内ネットワーク向けの設定にも対応します。

  • Claude Code(クラウドセッション)

    セッションごとに新しいUbuntu 24.04のVMが立ち上がり、リポジトリがクローンされます。目安の上限は4 vCPU・16GB RAM・30GBディスクです。ブラウザ・スマホ・Desktop・claude --cloudから始められます。

  • Jules

    タスクごとに使い捨てのクラウドVM(Ubuntu Linux)を使います。Node.js・Bun・Python・Go・Java・Rustなどが入った状態で始まります。簡単な環境なら、リポジトリのREADMEやagents.mdを手がかりに自分で準備します。

クラウド側の細部は、両者でかなり違います。

Claude Codeのクラウドセッションは、環境ごとにネットワークの到達範囲を選びます。Noneは外向き通信なし、Trusted(既定)はパッケージレジストリやGitHubなど許可リストのドメインだけ、Fullは任意のドメインです。許可ドメインを自分で並べるCustomもあります。セットアップスクリプトの結果は環境キャッシュに保存され、次のセッションの立ち上がりが速くなります。ただし、スクリプトが約5分を超えるとキャッシュされません。数分アクティビティがないとVMは一時停止し、のちに回収されることがあります。

Julesは、リポジトリごとに「Initial Setup」へコマンドを書き、「Run and Snapshot」で成功すると環境のスナップショットが残ります。以降のタスクはそのスナップショットから始まります。プリインストールにはDocker、Maven、Gradle、clang、cmakeも含まれます。一方、npm run devのような常駐プロセスはセットアップスクリプトでは使えません。

Claude Codeのクラウドセッションは、docker compose upでサービスを起動する使い方が公式に案内されています。ローカルの隔離の話は、AIコーディングエージェントのサンドボックス実装比較でCodex・Cursor・Devinと並べて扱っています。Claude DesktopのCoworkをローカルで使う場合に、組織のClaude Desktop構成でrequireCoworkFullVmSandboxを設定すると、フルVMサンドボックスへ切り替える構成もあります。

離席したあと、誰が何を承認するのか

承認の考え方が、2つのツールの性格を最もよく表します。

Julesは、プランに承認を集中させます。リポジトリとブランチを選んでプロンプトを書くと、セットアップ(クローン・VM初期化・依存関係のインストール)のあとにプランが出ます。承認は「approve plan」の1回です。

手順

Julesのタスクの流れ

  1. 1

    リポジトリとブランチを選ぶ

    最後に使ったリポジトリは記憶されます。プロンプトが曖昧だと、コードを書く前にJulesから質問が返ります。

  2. 2

    プランをレビューする

    ステップごとに開いて中身を読み、チャット欄で修正を依頼できます。ページを離れると、一定時間後にプランが自動承認されます。

  3. 3

    実行を見守る、または離れる

    アクティビティフィードとファイルごとの差分が流れます。いつでも一時停止でき、停止中は再指示・再開・削除から選べます。

  4. 4

    Create branchで取り込む

    完了後の要約から「Create branch」を押すと、ユーザーがブランチオーナー、Julesがコミット作者になります。PRはそのブランチからユーザーが開きます。

Claude Codeは、承認を操作ごとに分散させます。権限モードは6つで、claude --helpのv2.1.289の出力では--permission-modeの選択肢が次のように並びます。

claude --version
claude --help | grep -A3 -e "--permission-mode"
2.1.289 (Claude Code)
  --permission-mode <mode>   Permission mode to use for the session
                             (choices: "acceptEdits", "auto",
                             "bypassPermissions", "manual",
                             "dontAsk", "plan")

manualは、設定ファイルの値defaultと同じモードの表示名です。v2.1.283以降は、ターミナルとVS Code拡張の既定がautoです。それ以前は、Pro・Max・Teamプランで機能フラグを取得するセッションだけがautoで、それ以外はdefaultでした。autoでは、permissionsのdeny・ask・allowのルールに加えて、分類器モデルが個々のアクションを審査します。評価はdenyがask、askがallowより優先されます。ただしautoを.claude/settings.jsonに書いても効きません。~/.claude/settings.jsonに置く必要があります。

クラウドセッションの権限モードは、Accept edits・Plan・Autoの3つです。ファイル編集は、モードに関わらず事前承認されます。権限モデルをCodex CLI・Cursor・Devinと並べた比較は、AIコーディングエージェント権限モデル比較にあります。

失敗時の挙動も違います。Julesはタスクが失敗すると自動でリトライし、それでも直らなければfailedとして通知します。原因として多いのは、セットアップスクリプトの不備と曖昧なプロンプトです。Claude Codeのクラウドセッションは、Claudeが質問してセッションが止まっていても、環境が期限切れになるまでなら戻ってから答えられます。期限切れ後に開き直すと新しいVMが立ち上がり、会話履歴は戻りますが、実行中だったサブエージェントやシェルコマンドは戻りません。

GitHub連携とPR作成フローの違い

両者ともGitHubのissueやPRを起点に動かせますが、起動の入口が違います。

くらべる

issueからの起動

ラベルを付けるだけ

Jules

issueに「jules」ラベル(大文字小文字は区別されません)を付けると、タスクが始まります。Jules GitHub appにリポジトリへのアクセスを許可しておく必要があります。作業が終わると、Julesがissueにコメントして、レビュー用PRへのリンクを示します。

ワークフローを用意する

Claude Code

claude-code-actionをGitHub Actionsに組み込みます。既定のトリガーは@claudeメンションで、ラベル(既定値claude)やアサイニーも使えます。ブランチ名の既定プレフィックスはclaude/です。リポジトリ側にYAMLを書く一手間が要ります。

Claude Codeのクラウドセッションは、Actionsを経由せずに同じことを実現します。ブラウザやスマホのアプリから、GitHubを連携するだけで始められます。連携は、Claude GitHub Appを入れる方法と、ターミナルで/web-setupを実行して手元のghのトークンを送る方法の2通りです。セッションが終わったら、claude.ai/codeからPRを作成します。PRのCI失敗やレビューコメントをClaudeに監視させる自動修正は、Claude GitHub Appを入れたリポジトリで使えます。

リポジトリがGitHub以外にある場合は注意が必要です。クラウドセッションのクローンとPR作成はGitHubが前提で、GitLabやBitbucketのリポジトリはローカルのバンドルとして送れるだけです。結果をそのリモートへ戻す(push)ことはできません。

Julesには、リモートセッションを手元から操作するCLI「Jules Tools」もあります。jules remote pull --session <id>で、完了したセッションの変更を取り込みます。

npm install -g @google/jules
jules login
jules remote new --repo . --session "parseQueryString関数のテストを追加して"

--parallel <number>を付けると、同じタスクを複数セッションで並列に走らせられます。引数なしのjulesは、セッション一覧と差分ビューアを備えたTUIダッシュボードを開きます。

対するClaude Code側にも、端末を開いたままにしないための入口があります。claude --bgはセッションをバックグラウンドで始めてIDを返し、claude agentsで一覧、claude attach <id>で戻れます。ただしこれは手元のマシンで動くバックグラウンドセッションで、PCを閉じれば止まります。マシンを閉じても進めたいときは、claude --cloud "<説明>"でクラウドセッションを作ります。

並行運用の設計は、Claude Managed Agentsの使い分けに別の観点があります。バージョンごとの変更は、Claude Codeの変更履歴をどこで確認するかから追えます。

料金と上限の数え方が違う

Julesの無料プランには、ローリング24時間で15タスク、同時実行3の上限があります。上位プランはGoogle AI ProとGoogle AI Ultraのサブスクリプションの特典で、Proは100タスク・同時15、Ultraは300タスク・同時60です。モデルは無料プランがGemini 2.5 Pro、上位プランは最新モデル(Gemini 3 Proから)へのアクセスが広がります。有料プランの契約は、現状は@gmail.comの個人アカウントに限られます。ビジネス利用者には正式な課金導線がなく、問い合わせフォームでの受付です。家族共有のGoogle Oneプランでも、タスク上限は共有されず、メンバーごとに数えます。

Claude Codeのクラウドセッションは、ほかのClaudeやClaude Codeの利用と同じレート制限を共有します。並列で走らせたぶん、消費も比例して増えます。クラウドVMに別料金はかかりません。対象はPro・Max・Teamプランです。Enterpriseでは、プレミアムシートか「Chat + Claude Code」シートの利用者が使えます。

項目Claude CodeJules
提供元Claude CodeAnthropicJulesGoogle
実行環境Claude Codeローカル端末、またはクラウドVM(Ubuntu 24.04)JulesクラウドVM(Ubuntu、タスクごとに使い捨て)
承認の仕組みClaude Code6つの権限モード(autoは分類器が個別アクションを審査)Julesタスクごとに1回のプラン承認(放置時は自動承認)
PR作成Claude CodeClaudeがgitコマンドを実行、Actionsが開く、またはclaude.ai/codeから作成Jules「Create branch」後にユーザーがPRを開く(issue起動時はJulesがPRリンクをコメント)
料金Claude CodeClaude Pro(年払い月額$17、月払い$20)以上に含まれる。Maxは$100/月〜Jules無料プランあり(15タスク/日・3並列)、上位はGoogle AI Pro/Ultraの特典
モデルClaude CodeClaude(Anthropic製)JulesGemini(Google製、プランにより2.5 Pro/3 Pro)

※Claudeの金額はいずれも税抜の表示価格です。日本から契約すると消費税10%が加わります(Pro月払いの$20なら$22)。

どちらが向くか — 状況別の使い分け

Claude Codeの強みは、手元の開発フローに密着していることです。エディタやターミナルの状態をそのまま使えるので、対話しながらその場で方向修正できます。managed settingsを使えば、組織で権限ルールを固定配布して統制することもできます。

Julesの強みは、手元のマシンを使わず、プラン承認のあとは離席できる点です。環境スナップショットで複雑な依存関係を毎回作り直さずに済み、issueへのラベル付けだけで起動できる手軽さもあります。

状況ごとの選び方は次のとおりです。

状況向いているツール理由
エディタとターミナルの文脈を保ったまま素早く反復したい向いているツールClaude Code(ローカル)理由手元のコードベースに触れ、都度の方向修正がしやすい
離席中に複数タスクを並行で進めたい向いているツールJules、またはClaude Codeのクラウドセッション理由どちらもVMでタスクごとに独立実行できる
issueのラベルだけでPR起票まで進めたい向いているツールJules理由ラベルだけで起動。Claude Codeはclaude-code-actionの設定が前提
組織でルールを固定配布して権限を統制したい向いているツールClaude Code理由managed settingsで既定の権限モードを配布し、autoモードを無効化できる
追加費用なしで試したい向いているツールJules(無料プラン)理由15タスク/日まで無償
GitHub以外のリモートに結果を戻したい向いているツールClaude Code(ローカル)理由クラウドセッションはGitHubが前提

よくある質問

Julesはタスクの日次上限に達するとどうなりますか

新規タスクのボタンが無効になり、理由を示すツールチップかエラーメッセージが出ます。既存タスクのレビューや管理、履歴とフィードバックの閲覧は続けられます。上限はローリング24時間でリセットされます。

組織のIP許可リストがあると、クラウドセッションは使えますか

Claude Codeのクラウドセッションは、Anthropic管理のインフラからAnthropic APIを呼ぶため、IP許可リストを有効にしている組織では、Anthropicホスト型のセッションがすべて認証エラーになります。自組織のネットワークから呼ぶセルフホスト型の環境は、この制約の外にあります。

まとめ

動く場所だけで選ぶと、判断を誤ります。並列で何本投げたいか、組織で権限を統制する必要があるか、結果をGitHub以外のリモートへ戻すか。この3点に当てはめると、選ぶ側が絞れます。

参照した一次ソース

この記事の記述は、次の一次ソースと照合しています。更新時に参照先が変わった場合は一覧も更新します。

  1. jules.google/
  2. jules.google/docs/faq
  3. jules.google/docs/usage-limits
  4. jules.google/docs/cli/reference
  5. jules.google/docs/running-tasks
  6. jules.google/docs/tasks-repos
  7. jules.google/docs/integrations
  8. jules.google/docs/environment
  9. jules.google/docs/review-plan
  10. code.claude.com/docs/en/permissions
  11. code.claude.com/docs/en/permission-modes
  12. code.claude.com/docs/en/claude-code-on-the-web
ほか 4 件を表示
  1. code.claude.com/docs/en/cloud-environments
  2. code.claude.com/docs/en/settings
  3. github.com/anthropics/claude-code-action/blob/main/action.yml
  4. claude.com/pricing
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