Codex cloudとClaude Code on the webの違い — 環境・通信・課金を比較
Claude Code on the webとCodex cloudを、環境の作り方、ネットワーク許可、課金の3軸で比べます。通信の既定値と、使用量の数え方の違いが選ぶ分かれ目です。
Claude Code on the webとCodex cloudは、どちらも手元のPCを閉じても動き続けるクラウド上のコーディングエージェントです。違いが出るのは、環境を誰が準備するか、通信をどこまで許すか、使用量をどの枠で数えるかの3点です。
Claude Codeは通信の既定が「許可リスト方式」で、Codex cloudは新旧で説明が分かれます。課金は両者とも専用のVM料金を取らず、契約プランの使用枠で数える設計です。
3軸で並べるとどこが違うか
| 軸 | Claude Code on the web | Codex cloud |
|---|---|---|
| 入口 | Claude Code on the webclaude.ai/code、モバイルのCodeタブ、デスクトップ、claude --cloud | Codex cloudChatGPTのweb・モバイル・デスクトップ、CLI |
| 環境の作り方 | Claude Code on the web名前・通信レベル・環境変数・セットアップスクリプトを設定 | Codex cloudリポジトリを選び、Codexが準備、確認して公開(Publish) |
| 通信の既定 | Claude Code on the webTrusted(許可リストのドメインだけ) | Codex cloud現行の画面例はPackage managersプリセット |
| 秘密情報 | Claude Code on the webネットワークシークレットでサンドボックスの外に置く | Codex cloudネットワークシークレットで許可ドメインに紐づく |
| 課金 | Claude Code on the webVM料金なし、プランの使用上限に合算 | Codex cloudChatGPTプランの使用枠をローカルと共有 |
環境の作り方は「設定する」か「準備させる」か
Claude Code on the webでは、すべてのクラウドセッションがクラウド環境の中で動きます。環境がまだ無ければ、オンボーディングでDefault環境が作られます。ProとMaxのWebオンボーディングは自動作成で、TeamとEnterpriseは作成フォームが出る場合があります。Defaultは環境変数もセットアップスクリプトも持たず、あらかじめ入っているツールだけで始まります。
設定を足すのはあなたの仕事です。通信レベル、環境変数、セットアップスクリプトを環境ダイアログで決めます。リポジトリへの接続はClaude GitHub Appか、ターミナルの/web-setupで行います。
Codex cloudの流れは逆向きです。環境を作るときにGitHubリポジトリを選んで「Get started」を押すと、Codexがリポジトリを調べ、依存関係とツールを入れ、ワークフローを試します。足りないアクセスや情報があれば聞かれます。結果を確認して保存し、Publishすると「Environment published」になり、そこからタスクを始められます。
この違いは、最初の1時間の使い心地に出ます。
- 依存が標準的なリポジトリ: Codex cloudの自動準備のほうが手数は少ない構成です
- 独自のDockerイメージや社内レジストリを使う: Claude側はセットアップスクリプトで書き下せます
- 設定を全員で揃えたい: Claude側は、Ownerが組織共有環境を作る手段があります
Claude側のVMは、セッションごとにUbuntu 24.04 (x86_64)の新しいマシンで、リポジトリがクローン済みです。Python、Node.js 20・21・22、Java 21、Go、Rust、Docker、PostgreSQL 16、Redis 7.0などが最初から入っています。上限は目安として4 vCPU、16 GB RAM、30 GBディスクです。Codex cloudの現行ページには、標準イメージの仕様やリソース上限の数字が載っていません。
通信の既定値は何が違うか
通信は両者の差がもっとも大きい軸です。ただし、読むページで話が変わります。
Claude Code on the webの4段階
環境ごとにアクセスレベルを1つ選びます。
| レベル | 外に出られる範囲 |
|---|---|
| None | 外に出られる範囲セッションのネットワーク経由では出られない |
| Trusted(既定) | 外に出られる範囲パッケージレジストリ、GitHub、クラウドSDKなどの許可リストのドメインだけ |
| Full | 外に出られる範囲すべてのドメイン |
| Custom | 外に出られる範囲自分の許可リスト。既定リストを含めるかも選べる |
どのレベルでも通る経路が4つあります。GitHubの専用プロキシ、有効にしたMCPコネクタ、ネットワークシークレットに登録したホスト、そしてClaude CodeからAnthropic APIへの通信です。Noneでも「完全に外へ出られない」わけではありません。詳しい切り分けはクラウド環境のネットワークアクセス設定にまとめています。
許可ドメインを足すときは、Customを選んで1行に1ドメインを書きます。
api.example.com
*.internal.example.com
registry.example.com先頭の*.は全サブドメインに一致します。設定を変えると、既存のセッションにも約1分で反映されます。
Codex cloudの画面例と旧版の挙動
現行ページの画面例では、環境設定に「Internet access」のスイッチ、プリセット(例ではPackage managers)、追加の許可ドメイン、ネットワークシークレット、環境変数があります。ネットワークシークレットは、保存するとそのドメインへのアクセスも許可される作りです。OIDCとVPNの欄もありますが、例ではどちらも未設定です。
旧版(Legacy)のページには、より細かい説明があります。
- エージェントの実行中は、既定でインターネットが遮断される
- セットアップスクリプトの段階だけは、依存関係のインストール用に通信できる
- 有効にするとOffとOnを選べ、Onならプリセット(None、Common dependencies、All)を選べる
- 追加で許可HTTPメソッドをGET・HEAD・OPTIONSに絞れる
CodexのCloud environmentsページ(Legacy表記)には、HTTPメソッド単位で絞る設定の記載がありません。リスクの見方は共通で、Codex旧版は「プロンプトインジェクション、コードや秘密の持ち出し、マルウェアや脆弱な依存の取り込み」を挙げています。
実行環境の再利用と寿命
どちらもセットアップ結果をキャッシュして、次のタスクの立ち上がりを早くします。数字の持ち方が違います。
| 項目 | Claude Code on the web | Codex cloud(旧版ページ) |
|---|---|---|
| キャッシュの条件 | Claude Code on the webセットアップがおよそ5分以内に終わる | Codex cloud(旧版ページ)セットアップ後のコンテナ状態を保存 |
| 保持期間 | Claude Code on the web約7日で期限切れ。スクリプトか許可ホストを変えると再構築 | Codex cloud(旧版ページ)最大12時間 |
| 無効化 | Claude Code on the web設定変更で再実行 | Codex cloud(旧版ページ)スクリプト・環境変数・シークレットの変更で自動無効化。「Reset cache」もある |
| アイドル時 | Claude Code on the web数分無活動でVMが一時停止し、後で回収されうる | Codex cloud(旧版ページ)記載なし |
Claude側のセッションは無活動が続くとVMが回収され、Environment expiredになります。会話履歴は復元されますが、動いていたサブエージェントやシェルコマンドは戻りません。セッションのしくみはClaude Code Webのクラウド環境の仕組みで掘り下げています。
課金は「VM代」でなく「使用枠」の取り合い
Claude Code on the webには、クラウドVMの別料金がありません。クラウドセッションはプランの使用上限に、ほかのClaudeやClaude Codeの利用と合算されます。複数タスクを並列で回すと、比例して上限を速く使います。
Codex cloudもChatGPTのFree、Go、Plus、Pro、Business、Edu、Enterpriseの各プランに含まれる形です。価格ページの説明では、ローカルのメッセージとクラウドのチャットが同じ使用枠を共有します。クラウドタスクはローカルのメッセージより多く消費することがある、とも書かれています。
見落としやすい差は次の3点です。
- Codexは、APIキーで使うCodexにはクラウド機能(GitHubコードレビュー、Slackなど)が含まれません
- PlusとBusinessは月額が表に載っていて、Plusは月20ドル、Businessは2ユーザー以上・年払いで1ユーザー月20ドルです
- BusinessにはクラウドチャットのためのVMが大きくなる記載があります。Claude側の同等の記載は、ページ内の上限値(4 vCPUなど)だけです
どちらも「何回できるか」は固定の回数でなく、タスクの重さで変わります。CLI同士の料金差はClaude CodeとCodex CLIの料金比較で整理しています。
ターミナルからクラウドに投げる
Claude側は、ターミナルから次のように新しいクラウドセッションを作れます。
claude --cloud "認証まわりのバグを直して"クラウドのVMがクローンするのは、手元のチェックアウトでなく、GitHubのリモートの現在のブランチです。ローカルにコミットがあれば先にpushします。クラウドで始めたセッションは--teleportで手元に引き取れますが、手元のセッションをCLIからクラウドに押し出すことはできません。
Codex cloudのページにも「CLIからクラウドの作業を始める、最近のクラウドチャットを一覧して状況を見る」という項目があります。コマンド名と引数は、このページには載っていません。
どちらを選ぶか
迷う場合は、次の順で当てはめます。
- ChatGPTの有料プランで使用枠に余裕がある: Codex cloudは追加契約なしで試せます
- 通信を許可リストで細かく管理したい: Claude Code on the webのCustomが合います。GitHub・MCP・シークレットが別経路なので、設計図を描きやすい構成です
- 環境を自動で組ませたい: Codex cloud。スクリプトで固定したい: Claude Code on the web
リポジトリのホスト先も確認点です。Claude側は、クローンとPR作成にGitHubが必要で、GitLabやBitbucketはCCR_FORCE_BUNDLE=1でローカルバンドルとして送れますが、結果を元のリモートへpushできません。Codex cloudの手順は、GitHubリポジトリを選ぶ形で書かれています。
クラウド実行そのものの考え方(並列セッションなど)はClaude Codeのクラウドセッションを並列で回すを、サンドボックスの層の違いはAIコーディングエージェントのサンドボックス実装比較を参照してください。
まとめ
環境は、Claude Codeが「設定して固定する」、Codex cloudが「準備させて公開する」流れです。通信はClaude側が4段階で、Codex側は旧版と現行で説明が違うため、使う面のページを選んで読む必要があります。課金は両者とも専用VM料金がなく、既存プランの使用枠を食います。判断は、いま余裕のある契約枠と、通信を設計したい度合いで決まります。