Claude Codeの/powerupコマンドでインタラクティブに新機能を学ぶ
/powerupはアニメーション付きの対話レッスンでClaude Codeの機能を学べるコマンドです。他の学習手段との使い分けと、いつ実行すると効果的かをまとめます。
/powerupは、Claude Codeの機能をアニメーション付きの対話レッスンで学べるコマンドです。実行すると短いレッスンが始まり、実際の画面デモを見ながら機能の使い方を理解できます。v2.1.90(2026年4月1日)で追加されました。設定を変更したり状態を表示したりする通常のコマンドとは違い、実行そのものが学習体験になっています。
/powerupが他のコマンドと違う点
Claude Codeのスラッシュコマンドの大半は、何かを実行する・状態を表示する・設定を変えるといった単発の操作です。/permissionsはルールを編集し、/modelはモデルを切り替え、/resumeはセッションを再開します。実行してすぐ結果が返り、それで完結します。
/powerupはこの型に当てはまりません。コマンド一覧では「短い対話レッスンとアニメーションデモで機能を見つけるためのコマンド」と説明されています。結果を返すのではなく、学習のセッションそのものを提供するのが役割です。
追加時の週次ダイジェストには、狙いがはっきり書かれています。Claude Codeは頻繁にリリースされ、先月なら働き方を変えたはずの機能も見逃されがちなので、/powerupを一度実行すれば何があるかが分かる、という趣旨です。
学習の入り口は5種類ある
新機能を把握する手段は/powerupのほかにもあります。役割は重なって見えますが、得られるものは違います。
| 手段 | 得られるもの | 向く場面 |
|---|---|---|
/powerup | 得られるものアニメーションデモ付きの対話レッスン | 向く場面機能を体験しながら理解したいとき |
/help | 得られるもの利用可能なコマンドの一覧 | 向く場面コマンド名や存在を確認したいとき |
/doctor | 得られるものインストール診断、未使用skill/MCP/pluginの検出、新バージョン確認 | 向く場面環境の状態と使っていない機能を見たいとき |
| 週次ダイジェスト | 得られるものコードスニペット・デモ・注目機能の背景解説 | 向く場面週ごとの注目機能を追いたいとき |
| CHANGELOG | 得られるものバージョンごとの全変更点(バグ修正含む) | 向く場面特定バージョンで何が変わったか正確に知りたいとき |
週次ダイジェストは「働き方を変えそうな機能」だけを抜粋し、CHANGELOGはバグ修正や細かい改善まで漏れなく記録します。流し読みならダイジェスト、特定バージョンの挙動の確認ならCHANGELOGという向き先の違いです。/powerupはどちらでもなく、読むのではなく触って理解する手段として並びます。
バージョンごとの変更点をターミナルの中で読みたいときは、/release-notesが使えます。対話式のバージョン選択画面が開き、選んだ版のノートがトランスクリプトに表示されます。このやり取りはClaudeに渡る会話には入らないので、読んだ内容でコンテキストを消費する心配はありません。
機能追加のペースが学習ニーズを生んでいる
/powerupが意味を持つ背景は、機能追加の速さです。追加された週からの3週間だけでも、公式の週次ダイジェストには次の機能が並びます。
/powerupが入った週からの3週間に入った機能
- Week 14(3月30日〜4月3日)/powerupとComputer use
ターミナルからネイティブアプリを操作するComputer useのリサーチプレビュー、
/powerup、ちらつきを抑えるalt-screenレンダリングが入りました。 - Week 15(4月6日〜10日)UltraplanとMonitorツール
クラウドで計画を練るUltraplanの早期プレビュー、バックグラウンドイベントを会話に流し込むMonitorツール、間隔指定を省略すると自走ペースを調整する
/loop、/team-onboardingが登場しました。 - Week 16(4月13日〜17日)Opus 4.7とRoutines
Max・Team Premiumの新既定モデルとなったOpus 4.7、
xhighエフォートレベルと/effortスライダー、クラウド上でスケジュール実行するRoutines、CLIのネイティブバイナリ化が加わりました。
公式docsを1ページずつ読んで追いつくのは現実的ではなく、/powerupはその速さへの学習側の答えとして同じ週に用意されました。しかもこの流れは続いています。週次ダイジェストは追加時のWeek 14からWeek 37(9月7日〜11日、v2.1.263〜v2.1.269)まで積み上がりました。
レッスンの中身も固定ではありません。v2.1.232(2026年8月13日)のCHANGELOGには、カスタムサブエージェントの作成を勧める起動時のヒントと、それに対応する/powerupツアー内の案内を削除した、という項目があります。レッスンの案内も版によって変わります。
更新のあとにどの順で使うか
更新直後は、CHANGELOGを1件ずつ読む代わりに、次の流れで進める方法があります。
更新直後の確認の流れ
- 1
claude updateで更新する
claude update(別名claude upgrade)は、更新を確認して、あれば入れます。claude --versionで結果を確かめます。セッション内では/statusのStatusタブにもバージョンが出ます。 - 2
/doctorで使っていない機能を見つける
未使用のskill・MCPサーバー・pluginが、コンテキストコストと並べて出ます。
- 3
/powerupでレッスンを受ける
見つかった機能や、更新で増えた機能の使い方を、画面デモで確かめます。
- 4
細部は/helpかCHANGELOGで引く
特定のコマンドの引数やフラグ、ある版の挙動を正確に知りたいときは、レッスンより一覧のほうが早く着きます。
チームに新しいメンバーが加わったときも、ドキュメントを渡す前に一通り触ってもらう使い方があります。手順書の読み込みに入る前に、何ができるかの地図を持った状態で始められます。
/doctorと/powerupは何が違うか
/doctorが示すのは「使っていない機能がある」という気づき、/powerupが教えるのは機能の使い方です。2つは役割が重ならず、続けて使えます。/doctorは診断と確認つきの修正、/powerupは学習が、それぞれコマンド一覧にある役割です。
/doctorはv2.1.205で読み取り専用の診断画面から、問題を見つけて直すチェックアップに変わりました。経緯と検出項目は/doctorのチェックアップ解説にあります。見るのは、重複や残骸のインストール、PATHの問題、パースできない設定ファイル、動作の遅いhook、リリースチャンネル上の新バージョンです。auto modeを既定にする提案や、繰り返し拒否される読み取り専用コマンドの事前承認提案も含まれ、いずれも確認を取ってから動きます。CLAUDE.mdの記述を削る提案や、常時読み込みの内容をSkillやネストしたCLAUDE.mdへ移す提案も出ます。ローカルのCLAUDE.mdをチェックイン済みのものと突き合わせて重複を省く処理もあります。v2.1.205より前の/doctorは読み取り専用の診断画面で、fキーを押すとレポートがClaudeに送られる作りでした。このトリムチェックはv2.1.206以降が対象です。
ターミナルから使うclaude doctor
/doctorと同じ名前のコマンドが、ターミナル側にもあります。v2.1.287の出力は次のとおりです。
claude --version
claude doctor --help2.1.287 (Claude Code)
Usage: claude doctor [options]
Check the health of your Claude Code installation. Reads settings files in the
current directory without a trust prompt. For a full checkup that can also fix
issues, run /doctor in a session.
Options:
-h, --help Display help for commandclaude doctorを実際に実行すると、先頭にインストール方式とバージョンが並びます。
Claude Code doctor
Running: native (2.1.287)
Platform: darwin-arm64
Search: OK (bundled)
Auto-updates: enabled
Auto-update channel: latest続く項目には、Remote Controlの利用可否や組織ポリシーの取得状況もあります。claude.aiにサインインしていない環境では、未サインインのため取得できないと表示されます。セッションを開かずに状態を見るだけなので、更新直後の確認に向きます。修復まで進めたいときは、ヘルプにもあるようにセッション内で/doctorを実行します。
3つの診断系の入り口は、できることの深さが違います。
診断系の3つの入り口
claude doctor
ターミナルから実行する読み取り専用の診断です。セッションを開始しません。
/doctor(別名/checkup)
セッション内で動くチェックアップです。先に所見を報告し、変更の前に確認を求めます。
/doctor prompt-audit
CLAUDE.mdやskillsなどの指示ファイルに、古い記述や矛盾がないかをClaudeに点検させます。v2.1.283以降が対象で、パスを渡して対象を絞ることもできます。
skillに絞って見たいときは、/skill-doctorが専用です。skillごとのコンテキストコストと利用頻度が出ます。v2.1.252以降で使え、feature-flagの取得が前提です。Week 36(8月31日〜9月4日、v2.1.251〜v2.1.261)の週次ダイジェストで紹介された機能で、詳しくは/skill-doctor解説にあります。/powerupの追加後も、学習や診断の入り口は増え続けています。
目的がはっきりしているときは/powerupが遠回りになる
特定のコマンドの正確な引数やフラグを確認したいだけなら、/powerupは遠回りです。コマンド名が思い出せないだけなら/help、ある版の変更を探すなら/release-notesが近道です。
レッスン形式には、一覧性や検索性がありません。「/loopの間隔指定の書式」のような細部は、レッスンの中から探し出すものではなく、docsやCHANGELOGを引く場面です。逆に、何が増えたのか分からない状態からの出発点としては、一覧より画面デモのほうが目に留まります。
対話形式を採用した設計をどう見るか
テキストの一覧は網羅性に優れますが、読み手が探しにいかない限り目に入りません。
Claude Codeが対話レッスンを別コマンドとして用意したのは、機能追加の速い製品だからでしょう。
ただし、/powerupは既存の学習手段を置き換えるものではありません。「広く浅く機能を知る」入り口として、/helpやCHANGELOGと並列に存在しています。CHANGELOGを遡って読むには、機能がいつ入ったかの見当が要ります。その前提知識なしに機能単位で学べる点が、しばらく更新から離れていた人には効きます。
よくある質問
/powerupを実行すると設定ファイルが書き換わりますか
コマンド一覧の説明は「短い対話レッスンとアニメーションデモ」にとどまり、設定の変更には触れていません。変更前に確認を求める動作が明記されているのは/doctorのほうです。設定の書き換えを伴う作業が目的なら、/doctorを使います。
/team-onboardingも似たような学習コマンドですか
目的が違います。/team-onboardingは、自分の過去30日のセッション・コマンド・MCPサーバーの利用履歴から、チームメイトが最初のメッセージとして貼れる導入ガイドをMarkdownで作ります。/team-onboardingの解説にあるとおり、中身は自分の使い方の記録です。/powerupはClaude Code自体の機能を学ぶためのコマンドです。
まとめ
久しぶりにclaude updateをしたときほど、/powerupを開く価値があります。レッスンの案内は版ごとに変わり、CHANGELOGでは見落とす機能も画面デモなら目に入ります。細部の確認は/helpとCHANGELOGで足ります。