Claude Media
Development Partner Programとは — Claude Codeのデータ提供条件

Development Partner Programとは — Claude Codeのデータ提供条件

AnthropicのDevelopment Partner Programの参加条件・データの扱い・対象外になるケースを一次情報から解説します。

Development Partner Programとは何か

Development Partner Programは、組織がClaude Codeのセッションを自社の判断でAnthropicに提供し、モデル改善に使わせるための任意プログラムです。強制ではなく、あくまでオプトインで動きます。

Anthropicの商用プラン(Claude Enterprise、Claude APIなど)は、既定ではユーザーが生成したデータをモデル学習に使いません。この既定ポリシーは変わらず、Development Partner Programはその上に乗る例外的な同意の窓口です。

公式サポート記事は、このプログラムを「データへのコントロールを保ちながらAIの発展に貢献する、透明性のある手段」と説明しています。裏を返せば、参加しない限りは何も変わらず、これまで通りデータは学習に使われません。

何のデータが対象になり、どう扱われるか

対象になるのはClaude Codeのセッションだけです。範囲は次の3点に限定されています。

  • 対象はAnthropicのfirst-party API経由のClaude Codeの入出力トークンのみで、Claude appsや他の用途のAPI呼び出しは含まれません。
  • 提供されたデータは最長2年間保管され、学習に使う際は他の顧客情報と紐付けられません。
  • 設定は組織単位で適用され、加入すると組織内の全メンバーに通知されます。

この2年という数字は、Anthropicのデータ保持ポリシー全体の中では例外的に長い部類に入ります。商用プラン(Team・Enterprise・API)の標準的な保存期間は30日で、個人プラン(Free・Pro・Max)はモデル改善へのデータ利用を許可すると5年・許可しなければ30日です。Development Partner Programに参加すると、提供したClaude Codeの入出力はこれらの標準期間を超えて最長2年間保持されます。

離脱はいつでも可能ですが、離脱前にすでに提供したデータは、そこから最長2年間保持され続けます。遡って削除される仕組みではありません。この保持期間の非遡及性は、加入前に確認しておく価値がある条件です。

参加できない組織・利用形態

参加資格には明確な除外条件があります。

ゼロデータリテンション(ZDR)契約のアカウントは対象外です。ZDR契約は入出力を保持しないことが前提のため、学習用に2年間保持するDevelopment Partner Programとは両立しません。ZDR契約のアカウントには、設定画面にプログラムへの参加オプション自体が表示されません。

もう一つの制約は利用経路です。Anthropicの公式ドキュメント(data-usage)は、このプログラムがAnthropicのfirst-party APIでのみ利用可能で、Amazon BedrockやGoogle CloudのAgent Platform経由でClaude Codeを使う組織は対象外だと明記しています。クラウド経由でClaude Codeを導入している組織は、参加を検討する前にこの制約を確認する必要があります。

参加・離脱の手順は請求方法で異なる

手順は、組織の請求方法(prepaid billingかinvoice billingか)によって分かれます。

prepaid billingの組織(自己サービスで契約しているケース)は、組織を代表して契約に同意する権限を持つ管理者が、次の手順で自分で操作できます。一般メンバーの権限では操作できない想定です。

  1. Claude Consoleにログインし、Settings > Privacy controlsを開く
  2. Development Partner Programのセクションを探す
  3. 「Join」をクリックし、Development Partner Program向けのService Specific Termsに同意する

離脱したい場合は、同じ画面で「Leave」をクリックするだけです。契約への同意や解約申請といった追加の手続きは不要ですが、前述のとおり過去提供分のデータは残ります。

invoice billingの組織(請求書払いで契約している大口顧客など)は、この設定画面自体を持ちません。参加を検討する場合は、Anthropicのアカウント担当者に直接連絡し、対象かどうかを確認する流れになります。自己サービスでの加入・離脱はできません。

個人プランの学習設定とは別物

Development Partner Programを、Claude Free・Pro・Maxの「モデル改善のためのデータ利用」設定と混同しないよう注意が必要です。両者は対象プランも仕組みも異なります。

個人プラン(Free・Pro・Max)では、ユーザー自身が設定でオン・オフを切り替えられる「Claudeの改善にデータ利用を許可する」トグルがあり、オンにすると個人アカウントでの利用データ(これらのアカウントからClaude Codeを使った場合も含む)が新しいモデルの学習に使われます。個人向けはアカウント単位の任意設定です。

一方、Development Partner ProgramはTeam・Enterprise・API・Claude Govといった商用プラン専用の枠組みで、組織単位で管理者が加入を決めます。商用プランでは、Development Partner Programのような明示的な合意がない限り、通常の利用データが学習に使われることはありません。ただし、/feedback・/bug・/shareコマンドで自分から送信した会話記録は、商用プランでも5年間保持され製品改善に使われることがある別枠の仕組みで、この既定ポリシーの対象外です。「商用契約だから安全」「個人プランだから危険」という単純な二分法ではなく、どちらのプランでも学習に使われるかどうかは利用者側の明示的な選択に委ねられている、という点が共通しています。

Development Partner Programはどんな組織に向くか

公式ページを読む限り、Development Partner Programには金銭的な割引や優先サポートといった直接的な見返りは明記されていません。書かれているのは「AI技術の発展への貢献」「実際の開発ワークフローに基づくモデル改善への協力」という説明だけです。

ここは誤解しやすいポイントです。プログラム名から「パートナー特典」のような優遇措置を連想しがちですが、支援や優先アクセスを謳う記述は一次情報のどこにもありません。参加の動機を経済的なメリットに求めて検討すると、期待とずれます。

一方で、実務上意味のある条件は明確です。対象データがClaude Codeの入出力に限定され、他の顧客情報と紐付けずに学習へ使われる点、組織内の全メンバーに通知される透明性の設計になっている点は、データガバナンスの観点から評価しやすい設計です。社内でAI活用のフィードバックループを重視し、かつ機密性の高いプロジェクトをClaude Codeに持ち込まない体制がある組織であれば、参加の判断材料は揃っています。

逆に、BedrockやGoogle CloudのAgent Platform経由でClaude Codeを運用している組織や、ZDR契約を結んでいる組織は、そもそも選択肢に入りません。この2つの除外条件に当たると、参加の選択肢自体が設定画面に表示されません。

Anthropicは、こうした条件付きの参加プログラムをDevelopment Partner Programだけに限らず複数運用しています。たとえばOSSメンテナ向けにClaude for Open Sourceという無償提供の枠組みがあり、生命科学領域向けの認証プログラムやAnthropic Scienceのように分野を絞った取り組みも別に存在します。プログラムごとに対象・条件・得られるものが異なるため、名称だけで内容を推測せず、都度一次情報を確認する必要があります。

既定ポリシーとの違い早見表

項目既定(商用プラン)Development Partner Program参加時
モデル学習への利用既定(商用プラン)原則利用されないDevelopment Partner Program参加時Claude Codeの入出力を学習に利用可
対象データ範囲既定(商用プラン)該当なしDevelopment Partner Program参加時first-party API経由のClaude Codeの入出力のみ
他顧客情報との紐付け既定(商用プラン)該当なしDevelopment Partner Program参加時紐付けずに学習へ利用
保存期間既定(商用プラン)標準30日Development Partner Program参加時最長2年(離脱後の既提供分も同様)
ZDR契約既定(商用プラン)契約内容どおり利用可能Development Partner Program参加時対象外
Bedrock/Google CloudのAgent Platform経由既定(商用プラン)通常どおり利用可能Development Partner Program参加時対象外(first-party APIのみ)

よくある質問

/feedbackコマンドで送信したデータはDevelopment Partner Programの対象になりますか

いいえ、別の仕組みです。/feedback・/bug・/shareで送った会話記録は、送信を選んだ利用者自身のアクションによって5年間保持され、製品改善に使われることがあります。Development Partner Programはこれとは別に、組織の管理者がfirst-party API経由のClaude Codeセッション全体を学習対象として提供する仕組みで、対象データも合意の主体も異なります。

個人プランの5年保持とDevelopment Partner Programの2年保持はどう違いますか

対象になるプランとデータの範囲が異なります。個人プラン(Free・Pro・Max)でモデル改善への利用を許可した場合の5年保持は、そのアカウントでのClaude利用データ全般が対象です。一方Development Partner Programの最長2年保持は、Team・Enterprise・APIなど商用プランの組織がfirst-party API経由で提供したClaude Codeの入出力に限られ、保持の起点も参加期間中に提供したデータごとに区切られます。

まとめ

Development Partner Programは、Claude Codeのセッションを任意でAnthropicのモデル改善に提供する仕組みで、既定のデータ非学習ポリシーを変えるものではなく、その例外を組織の意思で選び取る窓口です。対象データはfirst-party API経由のClaude Codeの入出力に限られ、商用プランの標準30日を超えて最長2年保存され、組織単位・全メンバー通知で運用されます。ZDR契約とBedrock/Google CloudのAgent Platform経由の利用に当たる組織は、この2点で参加の選択肢自体が表示されません。参加手順はprepaid billingならConsoleのSettings > Privacy controlsから自己サービスで完結し、invoice billingならアカウント担当者への問い合わせが必要になります。金銭的特典を伴わない協力プログラムである点を踏まえたうえで、社内のデータガバナンス方針と照らして判断するのが実務的な進め方です。

この記事を共有:XはてブLinkedIn