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Claude for Open Sourceとは — OSSメンテナへ無料Max20xを半年提供する条件

Claude for Open Sourceとは — OSSメンテナへ無料Max20xを半年提供する条件

AnthropicのClaude for Open Sourceは、条件を満たすOSSメンテナにClaude Max 20xを6ヶ月無料提供するプログラムです。対象基準と申請方法や承認後の注意点を解説します。

Claude for Open Sourceは、Anthropicがオープンソースの保守・貢献者向けに用意した優待プログラムです。条件を満たして承認されると、通常は月200ドル(税込220ドル)のClaude Max 20xを6ヶ月間無料で使えます。単純な割引クーポンではなく、GitHubアカウントでの申請と審査を通す必要があります。

申込ページに載っているのは対象基準の要約だけで、足切りに関わる条件は別立ての利用規約(Terms and Conditions)にあります。ページと規約を突き合わせると、読み落としやすい差が何か所かあります。この記事は、その差と、申請前に自分の数字を手元で確かめる方法を中心に扱います。法人のスタートアップ向けには、APIクレジット中心のAnthropic Startup Programの応募条件が別にあります。

自分は対象になるか — 基準は「いずれか1つ」と「全部」の二層

条件は二層に分かれています。基準(Maintainer Track)はいずれか1つを満たせば足りますが、その下に置かれた一般資格要件は全部を満たす必要があります。基準だけ満たして一般資格で落ちる人が、いちばん取りこぼしやすい層です。

基準:申込ページは5分類、規約は6項目

申込ページは基準を5つのグループで見せています。規約の2.1は同じ内容を6項目に並べ直していて、ページで1行にまとまっている「依存数」と「ダウンロード数」が、規約では別項目です。

ページの分類具体的なしきい値
メンテナ・ライブラリ作者具体的なしきい値依存リポジトリが合計500以上、依存パッケージが合計100以上、または月間ダウンロードが合計20万以上(npm・PyPI・crates.io・RubyGems等)
コア貢献者具体的なしきい値CPython・Rustチーム・Node.js TSC・Apache PMC・CNCF・Kubernetes・Linuxカーネル・Django・Railsなど、認知された財団や言語プロジェクトの登録コミッター・メンテナ
アクティブな貢献者具体的なしきい値過去12ヶ月に、自分が所有しないリポジトリへ100件以上のプルリクエストをマージ
コミュニティビルダー具体的なしきい値保守するリポジトリのいずれかで、過去12ヶ月に20人以上の外部貢献者からマージ済みプルリクエストを受領
クリティカルインフラ具体的なしきい値保守するリポジトリのOpenSSFクリティカリティスコアが0.4以上

数字は申請時点で満たしている必要があります。規約は「申請した時点で(at the time you submitted)」の状態で判定すると書いています。

基準に当てはまらない場合の裁量枠

どれにも当てはまらなくても、Ecosystem Impact Trackという裁量枠があります。エコシステムが実質的に依存している基盤ライブラリや開発ツールを保守しているなら、申請文でその重要性を説明すれば審査対象になります。判断材料は下流の依存数・利用の広さ・機能の重要性・申請者の役割です。申込ページも「エコシステムが静かに依存しているものを保守しているなら、とにかく申請して教えてほしい」と呼びかけています。

一般資格要件は7項目すべてが必要

規約の2.3は、上の基準に加えて次の7項目をすべて求めています。

  • 法人ではなく個人(自然人)であること
  • 18歳以上、または居住地の成年年齢のいずれか高い方に達していること
  • Claude.aiが提供されている国・地域の居住者で、米国の輸出管理・制裁の対象者でないこと
  • 良好な状態のGitHubアカウントを2年以上保有していること
  • 申請の直前90日以内に、公開のOSS貢献(コミット・プルリクエスト・レビュー・リリースのいずれか)があること
  • MIT・Apache 2.0・BSD・GPLなどOSI承認のライセンスで公開されたプロジェクトを1つ以上保守・貢献していること
  • Anthropicまたは関連会社の従業員・契約者・代理人、およびその家族・同居人ではないこと

GitHubアカウントの年数と直近90日の活動は、申込ページの本文に出てきません。作って間もないアカウントや、長く止まっているアカウントは、基準を満たしていても対象外です。

申請前に手元で確かめる — GitHubの公開データで数える

Anthropicは、GitHubのプロフィール・公開レジストリのデータ・依存関係グラフ・OpenSSFクリティカリティスコアを取得して資格を確認すると規約に書いています。同じ種類のデータは申請者側からも見られるので、出してから後悔しないように、先に自分の数字を当てておく手があります。以下は申請者自身のアカウントが対象の読み取りだけで、認証も要りません。

# 過去12ヶ月に、自分が所有しないリポジトリへマージされたPRの件数(アクティブな貢献者の基準)
curl -s "https://api.github.com/search/issues?q=type:pr+is:merged+author:USERNAME+-user:USERNAME+merged:>=2025-10-02&per_page=1" | grep total_count
 
# GitHubアカウントの作成日(一般資格の「2年以上」)
curl -s https://api.github.com/users/USERNAME | grep created_at

USERNAMEを自分のGitHubユーザー名に、merged:>=の日付を申請日の1年前に置き換えます。公開アカウントで試したところ、1つ目はtotal_countに件数が、2つ目はcreated_atに作成日時が返りました。認証なしの検索APIは分あたりの回数制限が厳しいので、連続して叩くと失敗します。

この件数は目安にとどまります。-user:で除外されるのは自分名義のリポジトリだけで、所属組織のリポジトリへのマージも含まれます。規約の「所有していないリポジトリ」の数え方と一致する保証はありません。しきい値すれすれの件数なら、基準を別のものに切り替えて申請する方が安全です。

クリティカリティスコアは、OpenSSFのcriticality_scoreプロジェクトが算出する0(最も重要度が低い)から1(最も高い)の数値です。作成からの経過月数・直近の更新・コントリビューター数・参加組織数などをもとにした式で求めます。GitHubのリポジトリ画面にはこの数値の表示欄がありません。同プロジェクトの公開データは、2025年7月の算出が最後で、更新されていません。確かめるなら、ツール(criticality_score)を自分で動かします。GitHubのアクセストークンを環境変数GITHUB_AUTH_TOKENに設定して、自分のリポジトリを計算させます。Anthropicがどのデータを参照するかは、規約に書かれていません。

依存リポジトリの数は、リポジトリのInsightsからDependency graphのDependentsで見られます。ライブラリを公開しているなら、npmやPyPIのパッケージ画面の月間ダウンロード数もあわせて確認します。

申し込みから承認までの流れ

申請ページはclaude.com/contact-sales/claude-for-ossです。規約にはclaude.com/open-source-maxと書かれており、こちらにアクセスすると上の申込ページへ転送されます。どちらから入っても同じフォームです。

手順

申請から利用開始まで

  1. 1

    GitHubでサインインする

    OAuthでサインインします。資格の確認とアクティベーションリンクの送付先メールアドレスの取得に、このアカウントが使われます。

  2. 2

    用途と資格の説明を書く

    サブスクリプションの使い道を短く書きます。続けて、基準を満たす理由を500語以内で説明します。Ecosystem Impact Track申請者は、ここにプロジェクトの重要性を書きます。

  3. 3

    審査を待つ

    審査は随時です。期間の約束はなく、承認されたときだけメールが届きます。

  4. 4

    90日以内にアクティベートする

    メール内のリンクを使います。有効期限を過ぎるとリンクは失効し、権利も取り消されます。

基準を満たしても承認は保証されない

規約は、基準が「審査対象になる最低ライン」にすぎないと明記しています。判断では貢献の量だけでなく、質や実質性、しきい値に達した経緯、過去にAnthropicの利用規約に違反していないかまで見られます。トリビアルなもの、重複したもの、自動化されたものと判断された活動は、数字の上でしきい値を超えていても割り引かれたり、無視されたりします。

人の目での追加審査が入る場合があり、承認・不承認の判断は確定で、異議申し立てはできません。承認された後でも、資格の確認や追加書類への署名を求められることがあります。

承認後に何が起きるか — 既存アカウントの扱いが分かれる

アクティベートした日から6ヶ月間(Benefit Period)が始まります。すでに持っているアカウントの状態で、6ヶ月間の扱いが変わります。

くらべる

アクティベート時のアカウント状態で変わること

課金を一時停止

有料サブスクリプションあり

6ヶ月間は課金が止まり、終了時に元のプラン・料金で再開します。再開させたくなければ、更新前にキャンセルします。再開の30日以上前にメールで通知されます。

権利を適用

無料アカウント

そのアカウントにMax 20xの権利が適用され、6ヶ月後は無料プランに戻ります。

無料になるのは基本料金だけです。使用量の上限を超えた分は、Anthropicの標準の超過料金(overage pricing)で課金される場合があります。税務上の扱いは案内がなく、規約は判断を申請者自身に委ねています。Maxプランの使用量枠や週次上限の仕組みは、Claude Maxプランとはで個別に解説しています。

金額の目安

Claude Max 20xの定価は月200ドルで、日本からの契約では消費税10%が加わり税込220ドルです。6ヶ月分は税抜1,200ドル、税込1,320ドルに相当します。

終了のお知らせは、来なくても期限は来る

申込ページは「終了前にメールを送る」と案内しています。規約は「事前通知を送る予定だが、期限の到来は通知の受信を条件としない」と書いています。通知が届かなくても、6ヶ月が過ぎれば無料の権利は終わります。終了日はアクティベート日から数えて自分で控えておくと確実です。

6ヶ月後は自動更新されず、延長や更新はAnthropicの裁量です。募集が続いていれば再申請できますが、その時点の基準・規約で審査されるため、前回の承認は次回の承認を保証しません。

上限・変更・取り消しの条件

承認者数の上限は10,000人で、Anthropicが引き上げる可能性があります。1人が同時に持てる有効な権利は1つだけです。別のメールアドレスやアカウントでの申請は重複として無視されます。

Anthropicは、募集期間の終了、基準の変更、特典の変更、プログラムの停止・終了を、理由を問わず、事前の通知なしにいつでも行えます。募集が終わった時点で審査待ちの申請は、検討されないことがあります。承認済みの受給者に不利な規約変更をするときは、登録メールへの通知に努めるとされていますが、通知を欠いても責任は生じないと規約は書いています。

次のいずれかにあたると判断されると、申請の却下や、付与済みの権利の取り消しの対象になります。

  • 申請内容に虚偽や誤解を招く記載がある
  • 依存数・ダウンロード数・貢献数・レビュー数・コントリビューター数を、自動化・購入したエンゲージメント・交換スキーム・ボットアカウント・コントリビューショングラフの水増しで膨らませている
  • 複数のアカウントや身元で2つ以上の権利を得ようとしている
  • Anthropicの利用規約やUsage Policyに違反している
  • プログラムの趣旨に反する有害・不正な行為をしている
  • 参加を続けると法的・評判上・運用上のリスクがAnthropicに生じる

最後の2項目は、具体的な違反行為がなくてもAnthropicの合理的な判断で適用されます。権利は個人専用・譲渡不可で、現金や他の対価と交換できません。ログイン情報を共有すると、即時に取り消される場合があります。

公表への同意とメールの扱い

権利を受け取ると、名前・GitHubユーザー名・保守しているOSSプロジェクトを挙げて、受給者として公に紹介されることに同意したことになります。任意の共同マーケティング活動の案内が届くことがあり、参加は任意です。一方、申請を理由にマーケティングメールのリストへ登録されることはなく、届くのは申請状況やアクティベーションに関する取引メールです。

所属ではなくGitHubの実績で審査される

Claude for Open Sourceは、Anthropicが属性別に用意する施策の1つです。教員向けのClaude for Teachersは認定教員という身分の確認で無料開放します。こちらは所属や資格を問わず、GitHub上の依存数・PR数・コミッター権限といった実績データで審査します。小規模事業者向けのClaude for Small Businessがコネクタとワークフローのパッケージ提供を中心にするのとも、狙いが異なります。組織単位でデータ提供への同意を求めるDevelopment Partner Programのように、個人ではなく組織を対象にした枠組みも別にあります。Claude Max全体の料金体系は、Claude料金プラン完全ガイドにあります。

まとめ

数字だけでなく、2年以上のGitHubアカウントと直近90日の活動という足切りを先に確かめてから申請すると、審査で足踏みしにくくなります。承認されたら、アクティベートの期限(受信後90日)と、アクティベート日から数える6ヶ月の終了日を手元に控えておくと、課金の再開や権利の失効に不意を突かれません。

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