Google Play年齢レーティングの質問票をClaudeでApp Store審査と照合する
ゲームの仕様書から暴力・課金・UGC・広告の事実を拾い、Google Playの質問票の回答案とApp Store審査ガイドラインの該当条文を1枚の表にそろえる手順です。
ゲームを両ストアに出すとき、年齢の申告は2回やることになります。Google Playでは、Play Consoleの質問票に答えて年齢レーティングを受け取ります。App Storeでは、App Store Connectの年齢レーティングの質問に答え、さらに審査ガイドラインの各条文に照らして見られます。
この2つを仕様書から別々に埋めると、同じ機能に片方では「あり」、もう片方では「なし」と答える食い違いが出ます。Claudeに任せられるのは、仕様書の記述を「申告に効く事実」に分けて、両ストアの根拠と並べた表にするところまでです。回答の送信は人が行います。
Claudeに頼む範囲と、人が決める範囲
先に分担を決めておくと、作業が崩れません。
作業の分担
Claudeに頼む
仕様書から暴力・課金・UGC・広告などの事実を拾い、質問ごとの回答案と、Appleの該当条文を並べた表を作ります。
人が決める
質問票への最終回答、レーティングへの異議申し立て、ガイドラインの解釈で迷う箇所の判断です。
画面から貼る
質問の文言そのものです。Play ConsoleとApp Store Connectの画面から、人がコピーしてClaudeに渡します。
3つ目が大切です。Google Playの年齢レーティングの説明ページには、質問票の手順と認定機関ごとの年齢区分は載っていますが、個々の質問文は載っていません。App Store審査ガイドラインも、年齢レーティングの質問は列挙しておらず、2.3.6で「正直に答える」ことを求めるだけです。質問の文言はClaudeの記憶に頼らず、画面から貼って渡します。
Google Play側で、申告に効く事実
Google Playのページから、質問票の回答に影響する点を先に挙げます。
- 質問票は新しいアプリだけでなく、レーティングのない既存アプリにも必要です。内容や機能が変わって回答に響く更新でも、改めて答えます
- 回答に基づいて、複数の認定機関が別々にレーティングを付けます。同じアプリでも地域によって区分が変わり得ます
- Summaryページの計算結果は、Google Play上で利用者に見える区分と一致するとは限りません
- 内容を偽って申告すると、アプリの削除や停止につながり得ます
- 提出前なら、Start new questionnaireで質問票をやり直せます。下書きは1アプリにつき1つです
- 広告も、アプリのレーティングに合ったものでなければなりません
最後の点は、仕様書に書き漏れやすい箇所です。広告SDKの設定は仕様書ではなく実装側にあるので、後の手順で別に集めます。
あわせて、対象年齢の選択でも追加の方針が変わります。13歳未満が主な対象のアプリは、Familiesポリシーを満たし、広告にはFamilies自己認定の広告SDKだけを使う必要があります。子どもを含む年齢層を1つでも選んだ場合も同じです。
食い違いやすい点を1枚の表にする
ゲームで申告が割れやすい要素を、両ストアの根拠と並べます。Google側の欄は、年齢区分の説明ページに書かれた記述だけを使っています。ページに記述がない項目は、質問票の画面で確かめる前提にします。
| 要素 | Google Play側 | App Store側 | 仕様書で拾う事実 |
|---|---|---|---|
| 暴力描写 | Google Play側ESRBのTeenは暴力と少量の流血、Matureは強い暴力と流血・残虐描写。PEGI 18は無動機の殺害や無防備なキャラクターへの暴力 | App Store側1.1.2で、人や動物が殺される・傷つけられる写実的な描写を不可とする。ゲーム内の「敵」が特定の人種や実在の団体だけを狙う設計も不可 | 仕様書で拾う事実描写の写実度、流血表現の有無、敵の設定、被害者が無防備かどうか |
| ユーザー生成コンテンツ | Google Play側このページに項目の説明はない。質問票の画面で確認 | App Store側1.2で、不適切な投稿のフィルタ、通報の仕組みと迅速な対応、悪質なユーザーのブロック、連絡先の公開を求める | 仕様書で拾う事実チャット・投稿・名前入力の有無、通報とブロックの機能、連絡窓口 |
| ガチャ・確率課金 | Google Play側このページに項目の説明はない。質問票の画面で確認 | App Store側3.1.1で、ランダムなアイテムを売るなら購入前に各アイテムの出現確率を開示する | 仕様書で拾う事実確率の有無、開示画面、有償通貨の扱い |
| 疑似ギャンブル | Google Play側ESRBのTeenとIARCの12+が、疑似的な賭けを含み得る区分として挙がる | App Store側5.3は実際の金銭を賭けるものが中心。5.3.3で、実金銭ゲームに使う通貨をアプリ内課金で買わせることを禁じる | 仕様書で拾う事実実金銭と交換できるか、景品や換金の有無、カジノ風の演出 |
| 実金銭の賭博 | Google Play側ESRBのAdults Onlyに、実際の通貨を賭ける内容が含まれる | App Store側5.3.4で、ライセンスと許可、提供地域の制限、App Store上の無料提供を求める | 仕様書で拾う事実実金銭の入出金、提供国、運営者の免許 |
| 広告 | Google Play側広告もアプリのレーティングに合わせる。広告サービス側の設定も確認する | App Store側2.5.18で、広告はアプリの年齢レーティングに合うこと、不適切な広告を報告できる手段を求める | 仕様書で拾う事実広告SDKの名前、広告カテゴリの絞り込み設定、報告ボタン |
| 子ども向け | Google Play側対象年齢の選択でFamiliesポリシーが加わる | App Store側1.3のKidsカテゴリは、外部リンクや購入を保護者ゲートの内側に置く。5.1.4は子どもの個人情報を扱う | 仕様書で拾う事実対象年齢、外部リンク、アプリ内課金の導線、分析SDK |
表の読み方は2つあります。まず、疑似ギャンブルと実金銭の賭博は、Google側では区分を分ける軸で、Apple側では提供の可否を分ける軸です。同じ「ギャンブル要素」でも、片方では年齢が上がるだけで済み、もう片方では出せなくなります。次に、UGCとガチャは、Google側の根拠をこのページから引けません。ここを推測で埋めると、質問票の画面とずれます。
仕様書から事実を拾わせる
Claudeには、まず申告に関わる事実だけを抜き出させます。回答案を急がせると、仕様書に書かれていないことを補って答える恐れがあります。
次の指示をプロジェクトの指示に入れると、毎回貼り直さずに済みます。
あなたはゲームの年齢レーティング申告の下調べ担当です。
- 仕様書に書かれている事実だけを使う。書かれていない項目は「記載なし」とし、推測で埋めない
- 項目は、暴力・性的表現・賭博要素・ランダム課金・UGC・広告・子ども向けの設計の7つ
- 各項目で、仕様書の該当箇所を節番号付きで引用し、事実を1文で書く
- 判断が分かれる表現は、断定せず「要確認」として理由を書く仕様書と一緒に、画面から貼った質問票の文言を渡します。続けて、事実の一覧を作らせます。
添付の仕様書から、上の7項目の事実カードを作ってください。
形式は「項目 / 事実 / 引用した節 / 記載なし or 要確認」の表です。返ってきた表で、「記載なし」と「要確認」の行を企画担当に戻します。ここで埋まらない行を、回答案の段階で埋めさせないことが要点です。仕様書の突き合わせを1行ずつ行う進め方は、Merchant Center商品データ不承認をClaudeで直す手順でも使っています。
質問ごとの回答案とAppleの条文を並べる
事実カードがそろったら、画面から貼った質問を1問ずつ回答案にします。
次の質問票(Play Consoleからコピー)に、事実カードだけを根拠に回答案を作ってください。
各質問について「回答案 / 根拠の事実カード / 迷う点」を書き、
根拠が無い質問は「仕様書に記載なし」とだけ書いてください。
そのうえで、上の対応表のApple側の条文(1.1.2, 1.2, 3.1.1, 5.3, 2.5.18, 1.3)と
矛盾しそうな行を別表にしてください。別表を作らせる理由は、申告の整合です。たとえばGoogle側でUGCを「なし」と答えたのに、仕様書にフレンド同士のチャットがあれば、Apple側では1.2の4要件が必要になります。回答案の「迷う点」の列に、この種の矛盾が出ているかを確かめます。Claudeの表は下書きで、条文と画面の文言は人が原文で見直します。
広告と、メタデータの落とし穴
広告は仕様書の外にあります。ビルド設定の広告SDK一覧と、広告ネットワーク側のカテゴリ設定をClaudeに渡して、次の2つを調べさせます。
- 申告するレーティングに合わない広告が出る設定になっていないか(Google側の求め、Apple側は2.5.18)
- 子どもを含む対象年齢を選ぶなら、広告SDKがFamilies向けに自己認定されているか
Googleのページは、広告サービスの提供元に確認することと、AdMobならブロック設定とコンテンツレーティングの設定を見ることを案内しています。設定画面そのものはClaudeには見えないので、スクリーンショットか設定値の書き出しを渡します。
落とし穴
年齢が高いゲームでも、ストアの画像は4+に合わせる
App Storeでは2.3.8で、アプリ名・アイコン・スクリーンショット・プレビューが、アプリ自体の年齢が高くても4+の基準に合うことを求めています。暴力のあるゲームなら、残酷な死や特定のキャラクターに向けた銃を載せない画像を選びます。仕様書だけを照合していると、申告は通っても、掲載用の画像で引っかかる点です。
もう1つ、2.3.8には「For Kids」「For Children」などの語はKidsカテゴリ専用という定めがあります。ゲームの説明文や名前にそうした語を入れていないかも、Claudeにメタデータ全文を渡して見つけさせられます。
届いたレーティングの読み方
質問票を送ると、地域ごとの認定機関の区分が届きます。Googleのページが挙げる認定機関は、米州のESRB、欧州・中東のPEGI、ドイツのUSK、ブラジルのClassInd、韓国のGRACです。どれにも当たらない地域には、IARC Genericの区分(3+、7+、12+、16+、18+)が付きます。韓国のアプリ(ゲームを除く)にはGoogle Play Ratingという別の区分が使われ、GRACの区分はゲームだけに出ます。
Apple側の審査と照らすときは、区分の名前ではなく、区分の説明文に書かれた内容を見ます。たとえばIARC Genericの12+には非写実的な暴力と疑似ギャンブルが入り、16+には写実的な暴力やたばこ・薬物の使用が入ります。仕様書にある描写が、どの区分の説明文に入るのかをClaudeに表にさせ、Apple側の1.1.2や1.1.3に触れる描写がないかを重ねて見ます。
認定機関が区分を上書きすることもあります。その場合は、回答を直したうえで質問票を取り直す必要があります。一部の地域では、認定機関が分類自体を拒否し、その地域でだけアプリが配信から外れる場合もあります。通知はIARCから届くメールで来るので、そのメールを受け取れるアドレスを質問票に登録しておきます。
更新のたびに差分だけを見直す
Googleのページが書くとおり、内容や機能が変わる更新では質問票に答え直します。ガチャの追加、チャットの解放、広告ネットワークの変更のような更新が、これに当たります。
更新のたびに全部を作り直すのは手間なので、前回の事実カードを残しておき、新しい仕様書との差分だけをClaudeに出させます。
前回の事実カード(添付)と、今回の仕様書(添付)を比べ、
事実が変わった項目だけを「項目 / 前回 / 今回 / 質問票の回答が変わる可能性」で表にしてください。変わった項目がなければ、更新の申告は前回のままで足ります。その判断も、人が最終的に行います。
つまずきやすい点
- 計算されたレーティングを、そのまま公開される区分と思い込まない: GoogleのSummaryページの結果は、Google Play上の表示と異なる場合があります
- レーティングが気に入らないからと、回答を変えて通そうとしない: 内容と回答が食い違うと、削除や停止の対象になり得ます。異議があるなら、認定機関の案内に沿って申し立てます
- 英語のレーティング名を日本語に直して書かない: ESRBのTeenやPEGI 12のような区分名は、認定機関ごとの固有の名前です。Claudeに要約させるときも原語で残させます
- Appleの質問の文言を記憶から再現させない: ガイドラインにない項目は、App Store Connectの画面から貼ります
まとめ
Claudeが得意なのは、仕様書の長い記述を事実カードに分け、ストアごとの根拠と並べることです。申告の正しさを保証するのは、画面の質問文と、各ストアの原文です。
先に事実カードを作り、その後で回答案と条文を並べる順にすると、仕様書に書かれていないことをClaudeが補ってしまう場面を減らせます。ストアレビューの分析はClaudeでアプリのレビューを分析する手順、広告の不承認への対応はClaudeでGoogle広告の不承認を修正し再審査に出す手順にまとめています。