Coworkのvfpextエラー(Missing HCS services)を解消する方法
Coworkタブが「Missing HCS services: vfpext」で押せないときの、サポート記事の手順と、直らない人向けの報告ベースの切り分けです。
Windows版のClaude Desktopで、Coworkタブが灰色のまま押せず、ツールチップに「Missing HCS services: vfpext」と出ることがあります。サポート記事の手順はVirtual Machine Platformの再有効化と、Restartによる再起動です。GitHubのissue #74649では、この手順だけで直らなかった人たちが、86件のコメントで別の経路をいくつも報告しています。WSLの更新、Containers機能の有効化、vfpextサービスの状態確認などです。この記事は、サポート記事の手順と、報告から見えた切り分けの順番を並べます。
「Missing HCS services: vfpext」の意味
HCSはHost Compute Serviceの略で、Hyper-V上でコンテナーや仮想マシン(VM)を動かす基盤です。Coworkのローカルセッションはコード実行にVMを使うため、起動前の事前チェックで必要なサービスを探します。見つからないとCoworkタブが無効になります。
vfpextはVirtual Filtering Platform(VFP)の拡張ドライバーです。vmcomputeはVMの実行基盤、HNSは仮想スイッチとネットワークを担うHost Network Serviceです。サポート記事は表示例を「HNS, vmcompute, vfpext」と3つ並べています。issueでも、3つとも出る人と、HNSとvmcomputeは動いているのにvfpextだけが出る人の両方がいます。
出るのはセッションを始める前の段階です。タブ自体が押せないので、タスクの途中で止まるエラーとは区別できます。
まず試す対処 — Virtual Machine Platformの再有効化
サポート記事は、このエラーを「Virtual Machine Platformのサービス群がそのマシンに登録されていない状態」と説明しています。Claude Desktop自体は問題なくインストールできていても起こります。まず機能とサービスの状態を確認します。
Get-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName VirtualMachinePlatform
Get-Service vmcompute, hns機能が無効、またはサービスが見つからないときは、管理者権限のPowerShellで有効化し直します。
Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName VirtualMachinePlatform -All再起動は「再起動」を選びます。シャットダウンして電源を入れ直す操作は避けてください。高速スタートアップが有効だと、シャットダウンのサイクルでは仮想化サービスが初期化されないまま残ることがあるためです。
サポート記事の要件欄には、-NoRestartを付けたVirtualMachinePlatformの有効化コマンドが載っています。有効化と再起動は別の操作なので、コマンドが成功しても、再起動の方法から見直す価値があります。
どのチェックに失敗しているかは、Claude Desktopの「ヘルプ」→「トラブルシューティング」→「ログを表示」からsupported-features-info.jsonを開くと確認できます。ツールチップの1行だけで判断せず、ここで項目を見ておくと切り分けが速くなります。
導入方法が原因のこともあります。個別インストールでは管理者権限が必要で、権限のない利用者がインストールしても、デスクトップのCoworkは使えません。組織管理の端末では、ユーザー単位のAdd-AppxPackageで入れると、Coworkの仮想化サービスが登録されないまま「インストール済み」に見えることがあります。IntuneのLOB配布もユーザーコンテキストで動きます。サポート記事の対処は、Add-AppxProvisionedPackageでマシン全体に導入し直すことです。コマンドの選び方はClaude DesktopをWindowsで一括導入する手順(MSIX)で扱っています。
直らないときに報告されている6つの原因
#74649は2026年7月6日に立ち、9月12日にstaleラベルの付いた状態で、実施予定なしとして自動クローズされました。86件のコメントの投稿者には、GitHub上で組織のメンバーと表示される人がいません。したがって以下はすべて利用者の報告で、効果は環境次第です。読んだ範囲では、環境を書いた人の多くがWindows 11 Pro 25H2(ビルド26200台)で、Claude Desktopのバージョンは1.19367や1.20186などが挙がっています。起票者は、以前の版では動いていたと書いています。
報告された原因と直し方
WSLのコンポーネントが古い・欠けている
wsl --update、wsl --shutdown、再起動で直ったという報告が最も多く集まっています。ある報告では、wsl --updateがVirtualMachinePlatformを依存として入れ、再起動後にvfpextサービスが動き始めました。Containers機能が無効
Hyper-VをすべてEnabledにしても直らなかった2人が、Containers機能を有効にして再起動し、直しています。ある人は、vfpextを登録するのはHyper-Vでなくこの機能だと書いています。
SDN系の機能が無効
別の報告者は、Hyper-V関連はすべてEnabledなのに、5つの機能がDisabledのままでした。VirtualMachinePlatform、Containers、Containers-HNS、Containers-SDN、HypervisorPlatformです。VFPはSDN(ソフトウェア定義ネットワーク)のデータ経路なので、Hyper-Vだけでは入らないという見立てです。
vfpextが停止中のまま
ドライバーは存在するのにSTOPPEDで、HNSのネットワークが一度も作られていない、という報告です。WSL2のネットワークを作ると読み込まれ、解決しました。
Windows Sandbox機能が無効
Windows Sandbox(機能名
Containers-DisposableClientVM)を有効にして再起動したら直った、という報告が5件あります。ある人は、足りなかったのはHyper-Vでなくこの機能で、再起動後にvfpextが実在のサービスとして現れ、Coworkがすぐ動いたと書いています。システムファイルの破損に見えた例
WinSxSのvfpext.sysの先頭が実行ファイルの形式(MZ)になっておらず、起動時にエラー193になった、という報告があります。DISMでの修復や上書きインストールでは変わらず、Windowsの再インストールも考えたそうです。この人も、Windows Sandbox機能を有効にして直ったと追記しています。
ここから先は、各報告の共通点と注意点を確認します。
効いたと報告された順番に試す
どれも再起動を挟む操作です。1つ試すたびに再起動し、直ったら止めると、何が効いたのか分かります。
試す順番(報告ベース)
- 1
サポート記事の手順
VirtualMachinePlatformの有効化と、Restartによる再起動です。Get-Service vmcompute, hnsでサービスがそろうかを見ます。 - 2
WSLを更新する
wsl --update、wsl --shutdown、再起動の順です。Hyper-Vだけでなく、VirtualMachinePlatformの有効化と合わせて報告されることがあります。 - 3
Containersを有効にする
Containers機能の状態を見て、Disabledなら有効にして再起動します。コマンドは下に載せます。
- 4
Windows Sandbox機能を有効にする
Containers-DisposableClientVMの状態を見て、Disabledなら有効にして再起動します。コマンドは下に載せます。 - 5
サービスの登録状態を確かめる
sc.exe query vfpextでサービスの有無とSTATEを見ます。1060ならサービスがなく、STOPPEDなら登録はあります。
状態の確認には、次のコマンドが使えます。報告者が書いたものを、確認用にまとめました。
# 関連機能の状態を一覧する
Get-WindowsOptionalFeature -Online | Where-Object FeatureName -match 'Hyper-V|Container|VirtualMachine|Hypervisor' | Select-Object FeatureName, State
# vfpextサービスの有無(1060なら未登録、STOPPEDなら登録済みで停止中)
sc.exe query vfpext
# Containersを有効にする(Disabledだった場合)
Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName Containers -All -NoRestart
# Windows Sandboxを有効にする(Containersで直らなかった場合)
Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName Containers-DisposableClientVM -All -NoRestart
Restart-Computersc.exe query vfpextでSTOPPEDと出ること自体は異常と限りません。Containersで直した報告者は、直った後のvfpextは「Stopped」で、開始の種類はSystemだったと書いています。必要なときに読み込まれるドライバーなので、停止中の表示だけで失敗と決めつけないでください。
Containersの手順には逆向きの副作用の報告があります。別issueの#37068です。Windows 11 Pro 25H2とMSIX版Claude Desktopの組み合わせで、Containersを有効にするとHCSのエラー0x800701c0が出ました。Coworkは起動しませんでした。同じ構成でContainersを無効にしたPCでは動いています。回避策はdism /online /disable-feature /featurename:Containers /norestartと再起動です。Containersを有効にした後に0x800701c0が出たら、この変更を戻す選択肢があります。
vfpext.sysが見当たらないときの見立て
Test-Path C:\Windows\System32\drivers\vfpext.sysがFalseを返す報告は多くあります。ただし、ファイルの置き場所は2通りあり、報告でも見え方が分かれています。
- ドライバーストア(
System32\DriverStore\FileRepository)にもファイルがなく、DISMの修復後も変わらない、という報告があります。 - WinSxSにはファイルがあり、System32\driversに展開されていないだけ、という報告もあります。フォルダー名は
amd64_microsoft-windows-hyper-v-vfpext_...で始まります。
後者の人は、WinSxSからファイルを手でコピーし、sc.exe createでサービスを登録して回避しました。ただし、公式の手順ではなく、ビルド番号が合うファイルを選ぶ必要があります。先頭が壊れて見えた報告者は、同じ操作でエラー193になりました。ただし、この人も後からWindows Sandbox機能の有効化で直っています。
Windows 11 Enterpriseの利用者は、Microsoft配布のマルチエディション用ISOをマウントしてvfpext.sysを検索しました。その結果、イメージ内にファイル自体が含まれていないと報告しています。メーカー製の小型PCで起きたと書く人もいます。これらは報告であって、Windows 11の一部のインストールメディアにvfpext.sysが入っていないという確認ではありません。
直らなかった側の報告も1件あります。DISMで機能を有効にすると成功と表示され、本物の再起動をしても、6つの機能がすべてDisabledに戻る、という症状です。高速スタートアップ、休止状態、グループポリシー、VPNは切り分け済みで、WSLの更新でも変わりませんでした。このタイプは、記事で挙げた対処の範囲では解決報告がありません。原因は特定されておらず、環境側で機能の有効化が巻き戻されている可能性が残ります。
Windows Homeでは動かないという主張は割れている
CoworkのトラブルでHomeエディションが話題になるのは、この問題に限りません。Cowork導入記事のドキュメント改善issue(#27906)で、投稿者がHomeにはHyper-V管理サービスのvmmsがなく、Coworkは動かないと主張しています。
Windows Homeをめぐる2つの見方
使えないという主張
Homeでvmmsが見つからず、vmcomputeだけが動いていた、という診断結果が根拠です。投稿者はサポートへのメールでも同趣旨の返答を受けたと書いています。
使えるという返信
「Windows 11 Homeはサポートされており、この症状はProにも同じように起きる別の問題として追跡されている」と返信され、#26554が示されました。コメントした人がAnthropicの所属かどうかは、表示されていません。
#26554は、ProでもHyper-Vが有効なのに仮想ファイルシステムのマウントが失敗する別症状で、2026年3月にクローズ済みです。Homeかどうかだけでは原因を決められません。vfpextのエラーはProでも起きているからです。#74649には、Windows 11 Home Single Languageでも「Missing HCS services: HNS, vmcompute, vfpext」が出た報告があります。この人はVirtualMachinePlatformを有効化できず、Containersも機能の一覧に見当たらなかったそうです。手元でGet-Service vmmsの有無を見ておくと、エディション名より確かな手がかりになります。
Hyper-Vが必要になるのはローカルセッションだけ
サポート記事は、Coworkのセッションをクラウドで実行する形(ベータ)も説明しています。クラウドのセッションはAnthropic側にサンドボックスが用意され、手元のパソコンにVMを作る必要がありません。一方、ローカルファイルへのアクセス、ブラウザ操作、コンピューター操作のようにパソコンに触れる機能は、クラウド実行でもアプリが必要です。Hyper-VやHCSサービスが問題になるのは、手元でVMを起動するローカルセッションです。
ProとMaxのプランには予告が出ています。2026年10月6日以降、新しいCoworkタスクはクラウドで実行され、設定の「Only on your computer」は廃止されます。すでに手元で始めたタスクはそのまま残ります。この予告はProとMaxに向けたもので、TeamやEnterpriseの扱いは同じ記述からは読み取れません。この日以降、ProとMaxで新しく始めるタスクにはvfpextのエラーが関わらなくなります。クラウドかローカルかの見分け方はCoworkがクラウド実行かローカル実行か見分ける方法で扱っています。
ローカルセッションでは、コードの実行に手元のVMを使います。Windowsでこのエラーが出るのは、そのVMを支えるサービスがそろっていないときです。
似た名前のエラーに「workspace unavailable」があります。こちらはタブが使える状態で、タスクの実行中にVMが落ちたときに出ます。対処はCoworkで「workspace unavailable」と出たときの対処法にまとめました。vfpextのエラーはタブが灰色のまま動かせない段階なので、出るタイミングで区別できます。
仮想マシンやVDIでは動かない
仮想マシンやVDIのうち、ネスト仮想化のない環境は非対応だと、サポート記事は明記しています。ここまでの手順をすべて試しても、そうした環境でローカルセッションは直りません。クラウドで実行するセッションなら、手元のVMは要りません。ローカルファイルを扱うにはアプリが必要です。
持ち帰る判断
まずサポート記事の手順とログのsupported-features-info.jsonで、どのチェックが落ちているかを特定します。直らなければ、wsl --update、Containers、Windows Sandbox、sc.exe query vfpextの順に1つずつ試します。Homeかどうか、仮想環境かどうかは、手順を回す前に確かめると無駄な再起動を減らせます。