Coworkがクラウド実行かローカル実行か見分ける方法
Coworkは既定でクラウド実行です。いま動いているセッションがクラウドかローカルかは、設定画面の有無、ラップトップを閉じたときの挙動、タスク上部の注記から見分けられます。
Coworkのセッションは、いまはクラウド実行が既定です。デスクトップアプリからタスクを始めても、既定ではAnthropicのサーバー上で動きます。ローカル実行が残るのは既存のデスクトップ導入だけです。
厄介なのは、どちらで動いているかを示す常設の表示が、ヘルプセンターの記述から確認できないことです。そのため、設定画面・タスクの見た目・端末を閉じたときの挙動といった手がかりを組み合わせて判断します。Coworkの全体像はClaude Cowork(クロードコワーク)とはにあります。ここでは実行場所の識別と、取り違えたときに起きることを扱います。
自分のタスクはどちらか、どの順に確かめるか
確かめる順は、始めた画面、設定、タスクの注記、端末を閉じたときの動きです。
実行場所を絞り込む順序
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始めた画面を確かめる
Webやモバイル、Chromeのサイドパネルから始めたセッションはクラウドです。ローカルという選択肢は、デスクトップアプリにしかありません。
Pro・Maxでは、ChatとCoworkが1つのClaudeに統合される展開が段階的に進んでいます。メッセージ欄に「Chat」「Cowork」の選択肢が出ない場合は新しい画面に切り替わっており、以下の手順の一部は見え方が異なることがあります。
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デスクトップなら設定を見る
Pro・Maxプランなら、Settings > Generalに「Only on your computer」が残っているかを確認します。TeamやEnterpriseの組織は、管理者が組織設定でクラウド実行のオンオフを決めています。クラウドだけをオフにして、ローカルのデスクトップCoworkを残すこともできます。
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タスク上部の注記を探す
10月6日以降に残る旧来のローカルタスクには、上部に注記とトランスクリプトのダウンロードボタンが出ます。この注記があれば、そのタスクはローカルで始まったものです。
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端末を閉じて試す
クラウドなら、ラップトップを閉じてもClaudeは作業を続けます。ローカル実行は手元のデバイス上でエージェントループが動く構造です。公式ページは、クラウド側だけを「端末を閉じても続く」と説明しています。
3つ目の注記は、2026年10月6日のPro・Maxプランの変更で出るものです。
Pro・Maxプランでのローカル実行の扱い
- 2026年10月6日より前設定で選べる
前述の設定で、ローカル実行とクラウド実行を選べます。
- 2026年10月6日新規タスクはクラウドのみ
新しく始めるタスクはクラウドで動き、上のオプションは画面から消えます。準備の操作は要りません。
- 移行後の既存タスク元の場所で完了まで続く
手元で始めたタスクはそのまま作業を続けられます。上部の注記から、トランスクリプトをClaude Codeへ持ち出せます。アプリ内の通知からは、Coworkの履歴全体もダウンロードできます。
移行後にローカルで動かしたい作業が出たときの行き先も、同じページに書かれています。デスクトップアプリのClaude Codeは手元のマシン上で動き、フォルダーと履歴もそこに残ります。ただしCoworkのプロジェクトとスケジュールタスクは、Claude Codeには引き継がれません。
端末を閉じたときの挙動から見分ける
設定画面が見られない状況では、挙動で判断します。クラウド実行では、ラップトップを閉じてもClaudeが作業を続けます。スケジュールタスクもクラウドで動くので、端末がオンラインである必要はありません。
ここに落とし穴があります。クラウドセッションが手元のファイルやブラウザーに触れるときは、デスクトップアプリを経由します。アプリが開いていてオンラインのあいだだけ、接続済みのフォルダーに届きます。アプリを閉じると、セッション自体は動き続けても、ローカルのファイルには触れなくなります。この経路を使うツールの一つがfile_uploadで、Windows版で起きていた不具合の切り分けはClaude in Chromeのファイルアップロードが失敗する原因と対処法にまとめています。
つまり「端末を閉じても進捗が止まらない」だけでは、そのセッションが手元のファイルを使えているかまでは分かりません。手元のフォルダーを使うスケジュールタスクも同じ条件で、デスクトップアプリを開いておく必要があります。
デスクトップから始めたクラウドセッションは、WebやモバイルからでもClaudeの進捗確認や指示ができます。その場合もデスクトップアプリは開いたままにしておきます。
Web・モバイル発のセッションは、手元のファイルを扱う経路がない代わりに、アカウントに保存されたファイルとコネクターで動きます。ブラウザー操作は別で、デスクトップアプリがオンラインなら、内蔵ブラウザーはWebやモバイル発のCoworkでも使えます。
見分けを誤ると何が起きるか
前提が食い違いやすい場面は3つあります。まず両者の前提を対にします。
クラウドとローカルで前提が変わる点
クラウド実行
エージェントループもコード実行も、Anthropic管理のインフラ上の一時サンドボックスで動きます。手元のファイルを開いた場合も、その内容はサーバー側で処理されます。
ローカル実行
エージェントループはデバイス上でネイティブに動き、コード実行だけが分離された仮想マシン(VM)に入ります。VMはmacOSならApple Virtualization.framework、WindowsならHyper-Vで隔離されます。
1つ目は、機微なフォルダーを接続したときです。デスクトップアプリだからローカルで完結すると考えてフォルダーを接続すると、クラウド実行ならその内容がサーバー側で処理されます。移行後にクラウドでファイルが要る場面では、Claudeは必要なそのファイルのコピーだけを取得し、セッションを削除すると取得したコピーも消えます。
2つ目は、監査の期待です。管理者向けのFAQによると、Coworkの活動はClaude・Claude Desktop・Claude Mobileのいずれから始めた場合もCompliance APIに記録されます。TeamとEnterpriseの管理者はOpenTelemetryでも監視できます。
ただしCompliance APIは、実行場所でセッションの取得先を分けています。手元で動くデスクトップ分はローカル用、クラウド分はリモート用のエンドポイントです。セッションを取得するこれらのエンドポイントは、Enterpriseの組織だけが使えます。HIPAA readinessを有効にした組織のローカルセッションと、ZDR(ゼロデータリテンション)が適用されたローカルセッションは返りません。
ローカルセッションの取得には、もう一つ条件があります。対象になるのはEnterpriseアカウントでサインインしている間で、記録はClaude APIに届いたリクエストが元です。トランスクリプトに残るのは、Claudeに何を頼み、何が返ったかまでです。端末上で実際に起きた動きは、そこには載りません。実行場所が違えば取得の手順も、監査で見えない範囲も変わります。
3つ目はEDR(エンドポイント検知)ツールです。VMはホスト側のセキュリティツールから設計上隔離されており、クラウド実行はそもそもエンドポイントの外で完結します。ローカル実行ではVMの中のコード実行が、クラウド実行ではセッション全体が、ホスト側のEDRから見えません。端末の可視性を前提にしたコンプライアンス体制では、導入前にこの点を織り込んでおくことになります。詳しい相性はCoworkとEDR(エンドポイント検知)ツールの相性問題にあります。
デスクトップアプリでもクラウドで動く理由
「デスクトップアプリだからローカル」という推測は、クラウドが既定になったいまは成り立ちません。ヘルプセンターはデスクトップを「Coworkの完全な体験」と説明しますが、これはローカルファイルとブラウザーにClaudeが触れるという意味です。実行場所の話ではありません。
組織側にはクラウド実行を組織単位でオンオフする設定があり、ローカルのデスクトップCoworkを残したままクラウドだけを切ることもできます。Coworkの有効化そのものとクラウド実行のトグルの関係は、Coworkの有効化とクラウド実行は別トグルで確認手順まで書いています。
クラウドセッションの内側で何が起きているか
クラウドセッションでは、サンドボックスがセッション開始時に作られ、終了と同時に破棄されます。他のセッションや他組織とは状態を共有せず、Anthropicの企業・研究・モデル訓練の環境とも分離されています。
サンドボックスから出る通信は、必須のプロキシを経由します。プロキシはサンドボックス自身が再設定も迂回もできず、許可リストに載った送信先だけに絞られます。保持される認証情報は数時間で失効するセッション単位のトークンだけです。コネクターの認可トークンはサンドボックスに入らず、呼び出しはサーバー側で行われます。
既定ではネットワークの内側にも届きません。プライベート、社内、リンクローカル、クラウドメタデータの各アドレスには到達できず、ネットワークアクセスは既存のポリシーに従います。Enterpriseの組織では、既定が「ネットワークアクセスなし」です。
隔離とデータ到達は別の話
実行場所の識別で最も誤解されやすいのが、隔離をリスクの大小と結びつけることです。安全ガイドによると、隔離が制限するのはClaudeのコードがどこで動くかであり、Claudeが何を読み、何をするかではありません。
許可したフォルダー、コネクター、ブラウザーがあれば、クラウドでもローカルでも同じ範囲の情報にClaudeは触れます。「クラウドだから隔離されて安全」「ローカルだから手元に閉じて安全」というどちらの単純化も成立しません。組織管理下のPCでは、フォルダーを接続するとクラウドセッションから届く範囲が広がる点も、同じガイドが注意しています。
実行場所の識別は、リスクの大きさを決めるものではありません。EDRの可視性、データの処理場所、Compliance APIでの取得といった確認のどこから手を付けるかを決める、入口の作業です。
まとめ
デスクトップアプリかどうかは決め手になりません。TeamやEnterpriseでは「Only on your computer」もタスク上部の注記も前提にできないため、組織設定でクラウド実行がオンかを管理者に確かめるのが近道です。更新後にクラウド実行へ移り、ファイル編集が手元に届かなかったという報告はCowork自動アップデート後の編集がコピーに当たる報告にあります。