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Coworkがクラウド実行かローカル実行か見分ける方法

Coworkがクラウド実行かローカル実行か見分ける方法

Coworkは既定でクラウド実行に切り替わっています。いま動いているセッションがクラウドかローカルかは、ラップトップを閉じたときの挙動やスケジュールタスクの動き方から見分けられます。

Coworkのセッションは、いまはクラウド実行が既定です。デスクトップアプリからタスクを始めても、その中身はAnthropicのサーバー上で動いていることが大半になりました。ローカル実行が残るのは既存のデスクトップ導入だけで、新規に始めたセッションのほとんどはクラウド側で動きます。どちらで動いているかは、画面のどこかに常時表示されるわけではありません。ラップトップを閉じたときの挙動やスケジュールタスクの動き方など、いくつかのサインから見分けます。Coworkの全体像はClaude Cowork(クロードコワーク)とはにまとめています。ここではクラウド実行とローカル実行の違いを、識別方法に絞って掘り下げます。

なぜ見分ける必要があるか

見た目上、クラウドセッションもローカルセッションも同じチャット画面で進みます。裏側の実行場所が違うと、実務で効いてくる点がいくつも変わります。

デバイスをオフラインにしてもタスクが続くかどうかは、実行場所そのものに左右されます。監査担当がEDR(エンドポイント検知)ツールでCoworkの挙動を追えるかどうかも、クラウドかローカルかで答えが変わります。データがどの場所で処理されるか、削除保護がどの層で効くかも同様です。「いま動いているこのタスクはどちらなのか」を判断できないと、これらの前提を取り違えたまま運用することになります。導入判断やセキュリティレビューの入口として、まずこの識別を済ませておく価値があります。

取り違えが実害につながる典型が、「ローカル実行のつもりで機微なフォルダを接続した」ケースです。デスクトップアプリを使っているからローカルで完結すると思い込んだまま、実際にはクラウド実行が既定になっていて、フォルダの中身がAnthropicのサーバー側で処理されていた、という状況が起こり得ます。逆に、クラウド実行だと思って組織のCompliance API経由の監査を期待していたら、実は例外的にローカル実行の設定が残っていて記録が取れなかった、という逆方向の取り違えも同じ根から起きます。

実行場所を見分ける3つのサイン

公式ドキュメントは実行場所を示すバッジやアイコンを明記していません。代わりに、挙動の違いから逆算して判断します。

サインクラウド実行ローカル実行
ラップトップを閉じたらクラウド実行タスクは止まらず続くローカル実行セッションが中断する
スケジュールタスクの実行クラウド実行デバイスがオフラインでも動くローカル実行デバイスの起動が前提
別デバイスからの再開クラウド実行デスクトップ・Web・モバイルのどこからでも再開できるローカル実行開始したデバイスに縛られる

最も分かりやすいのは1つ目です。ラップトップを閉じてもClaudeが作業を続けているなら、そのセッションはクラウドで動いています。閉じた瞬間に進捗が止まるなら、ローカル実行です。

スケジュールタスクも判断材料になります。スケジュールタスクはクラウドでの実行が前提になっていて、デバイスが起動していなくても走ります。ローカル実行のセッションではこの挙動は起きません。もう一つの手がかりが、セッションを別のデバイスから開けるかどうかです。デスクトップで始めたタスクをスマホの通知から開いて進捗を確認できるなら、それはクラウドセッションです。ローカル実行は開始したデバイスに縛られるため、この乗り換えができません。

そもそも見分けが必要になるのはデスクトップアプリだけです。Web・モバイルから始めたCoworkセッションは、この区別に関係なく常にAnthropicのクラウドで動きます。ローカル実行という選択肢自体が、デスクトップアプリ経由のセッションにしか存在しません。判断に迷ったら、まず「デスクトップから始めたタスクかどうか」を確認すると絞り込みが早くなります。

デスクトップアプリでも大半はクラウド実行になっている

「デスクトップアプリを使っているからローカル実行のはず」という判断は、いまは成立しません。デスクトップは「Coworkの完全な実行環境」と説明されていますが、これはローカルファイルとブラウザに直接アクセスできるという意味であって、実行場所そのものを指しているわけではありません。組織の「Run Cowork in the cloud」設定がオンになっていれば、デスクトップアプリから始めたセッションもクラウドで動きます。ローカル実行が使われるのは、既存のデスクトップ導入を維持している組織や、この設定が明示的にオフの環境に限られます。

判断を急がず確認したい場合は、まず組織の設定状態を見ます。Teamプランはこのトグルが既定でオン、Enterpriseプランは既定でオフという逆向きの初期値になっているため、自組織がどちらの設定かを管理者に確認するのが確実な近道です。この2つのトグルの関係と、確認・切り替えの手順はCoworkの有効化とクラウド実行は別トグルにまとめています。

クラウドとローカルでアーキテクチャがどう違うか

クラウドセッションでは、エージェントループとコード実行の両方がAnthropicのインフラ上の一時的なサンドボックスで動きます。サンドボックスはセッション開始時に作られ、終了と同時に破棄され、他のセッションや他組織とは状態を共有しません。この基盤は、Anthropicの企業・研究・モデル訓練環境からも分離されています。

サンドボックスから出る通信は、すべて必須のプロキシを経由します。このプロキシはサンドボックス自身が再設定も迂回もできず、許可リストに載った送信先だけに絞られます。保持される認証情報も限定的です。サンドボックスが持つのは数時間で失効する短命トークンだけで、コネクタの認証トークンはサンドボックスの内部に入らず、呼び出しはサーバー側で処理されます。保存されるレコードはすべて組織・アカウント単位でスコープされ、テナントをまたいだ参照はできません。

ローカルセッションの構造はこれとは別物です。エージェントループ自体はユーザーのデバイス上でネイティブに動き、会話処理・接続済みフォルダでのファイル読み書き・Web fetch・プラグイン同梱のローカルMCPサーバー呼び出しを担います。コード実行だけが分離された仮想マシン(VM)の中で走ります。VMはホストのオペレーティングシステムから隔離され、macOSはApple Virtualization.framework、WindowsはHyper-Vが使われます。VM自体もネットワーク送信の制御・システムコールの制限・セッションごとのユーザー分離を独自に持っています。

クラウドセッションがローカルのファイルやブラウザに触れる場合は、その端末上のClaude Desktopアプリを経由します。接続済みのフォルダに限られ、各ローカルツール呼び出しはメンバーの権限と照合されてから実行されます。デスクトップアプリがオフラインなら、クラウドセッションはその端末に届きません。

この違いが実務で問われる場面

セキュリティ監査や導入判断の場面では、クラウドかローカルかを先に確定させないと、後続の確認がすべて的外れになります。

EDRツールの可視性はその典型です。VMはホスト側のセキュリティツールから設計上隔離されているため、ローカル実行であってもEDRからはVM内部の挙動が見えません。クラウド実行はそもそもエンドポイントの外で完結するので、EDRの守備範囲そのものに入りません。どちらの実行方式でも、エンドポイントの可視性を前提にしたコンプライアンス体制には同じ盲点が残ります。詳しい相性問題はCoworkとEDR(エンドポイント検知)ツールの相性問題で扱っています。

もう一つの分岐点はデータの保存場所です。クラウドセッションが扱うデータは、ローカルファイルを開いた場合も含めてAnthropicのサーバー上で処理されます。ローカルセッションの会話履歴はユーザーのPCに残り、Anthropicの標準的なデータ保持ポリシーの対象外です。組織として管理・エクスポートする手段もローカル実行には用意されていません。プランごと・実行方式ごとのデータの取り扱いはCoworkセキュリティ — データはどこに置かれ誰が触れるかで詳しく整理しています。

見分けを軽視できないもう一つの理由が、隔離とデータ到達が別問題だという点です。VMやサンドボックスの隔離が制限するのは、コードがどこで実行されるかであって、Claudeが何を読み書きするかではありません。接続を許可したフォルダやコネクタがあれば、クラウドセッションでもローカルセッションでも同じ範囲の情報にClaudeは触れられます。「クラウド実行だから隔離されていて安全」「ローカル実行だから手元に閉じていて安全」という単純な図式は成立しません。実行場所の識別は、それ自体がリスクの大小を決めるのではなく、EDRの可視性・データの保存先・監査ログの取得可否といった、その先の確認をどこから始めるかを決める入口です。

まとめ

Coworkはクラウド実行が既定になり、ローカル実行は既存のデスクトップ導入向けの選択肢として残っています。画面上に実行場所を示す表示はないため、ラップトップを閉じたときの挙動・スケジュールタスクが動くかどうか・別デバイスから再開できるかの3点で見分けます。デスクトップアプリを使っていること自体はローカル実行の証拠にならない点も見落としやすいところです。EDRの可視性やデータの保存場所といった実務判断は、この見分けを先に済ませてから進めます。

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