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Anthropic商標ガイドラインとは — プラグイン名に「Claude」を付けてよいか

Anthropic商標ガイドラインとは — プラグイン名に「Claude」を付けてよいか

AnthropicのTrademark Guidelinesは、名称・ロゴの使用を事前承認済みの範囲に限ります。プラグインやMCPサーバーの名前に「Claude」を入れる場面と、Claude Code側の命名制限を扱います。

Anthropic Trademark Guidelinesは、Anthropicの名称・ロゴ・ブランド要素を第三者が使うときの条件を定めた文書です。プラグインやMCPサーバーの名前に「Claude」を含めてよいかを直接答える条文はありません。読み取れるのは、使ってよいのは「Anthropicが個別に許可し、事前に承認した資料」の範囲だけ、という原則です。

この記事では、ガイドライン本文が何を求めているかを確認し、プラグイン・MCPサーバー開発者が迷う場面に当てはめます。あわせて、Claude Code側がマーケットプレイス名に課している技術的な制限も取り上げます。こちらは商標とは別の仕組みですが、名前の付け方に直接効きます。

ガイドラインは何を定めているか

対象は、Anthropic, PBCとその関連会社が持つ商標すべてです。ガイドラインは商標を「名称、ロゴ、ブランド要素、商品・サービスを識別するために使うすべてのもの」と定義しています。製品名の「Claude」も、社名の「Anthropic」も、この範囲に入ります。

2024年8月1日施行の版で、条件は次のとおりです。

条件内容
許可の範囲内容Anthropicが個別に許可した使い方だけ。承認済みの資料に限る
許可の撤回内容Anthropicはいつでも許可を終了できる
最新版への準拠内容随時更新される最新のガイドラインに従う
ロゴ・画像内容Anthropicが画像を提供し、サイズ・ピクセル・余白の要件を指定する。色・フォント・比率などの改変は不可
後援・提携の示唆内容明示的に認められた場合を除き、後援・推奨・提携関係を暗示する使い方は不可
評判の毀損内容Anthropicの評判や商標の信用を損なうおそれのある使い方は不可(判断はAnthropicの裁量)
表示の作法内容可読性を妨げる背景に置かない。周囲の要素との間に適度な余白を取る。商標記号(TMなど)は付けない
権利の帰属内容使用によって生じる信用はAnthropicに帰属する

最初の2行が要です。「許可されていない限り使えない」という書き方なので、使ってよい範囲を自分で広げて解釈する余地はほとんどありません。

「Claude」を名前に入れてよいのか

ガイドライン本文には、「Claude」を第三者の製品名の一部に使ってよいか、という個別の記述がありません。「Claude対応」「for Claude」のように、互換性を説明するために名称を文中で言及する場合の扱いも書かれていません。

文面から確実に言えるのは、次の3点です。

  • 名称を許可なく使える、とは書かれていない。原則は事前承認である
  • 後援・推奨・提携を暗示する使い方は、明示的な許可がなければ不可
  • 許可はいつでも撤回されることがある

したがって、claude-super-tools のようにブランド名の先頭に置く命名や、Anthropic製に見える名前は、上の2番目の条件に当たりやすい形です。逆に、READMEの説明文で「Claude Codeで動くプラグインです」と事実を述べる場合が許されるのか、どこまでが言及でどこからが使用なのかは、ガイドラインだけでは決まりません。ガイドラインの文面だけで白黒をつけず、Anthropicに確認するのが確実です。

問い合わせ先として本文に書かれているのは、marketing@anthropic.com です。ただし対象は「Anthropicと既存の取引関係があり、プレスリリースや自社サイトなどで商標を使いたい」場合と明記されています。取引関係のない個人開発者がこの窓口の対象なのかは、本文からは読み取れません。

開発者が迷う4つの場面

プラグイン名・リポジトリ名

Claude Codeのプラグインは、.claude-plugin/plugin.json の name で識別されます。この名前はスキルのコマンド名にも入ります。my-plugin というプラグインのスキル review は /my-plugin:review として呼び出されます。名前が利用者の目に何度も触れる位置に入るわけです。

ここに claude- や anthropic- を付けるかどうかが、最初の判断点です。付けた名前が「Anthropic製」と受け取られる可能性があるなら、ガイドラインの提携暗示の条件が問題になります。ブランドとして独立した名前を付け、Claude Codeで動くことは説明文で述べる形なら、この論点を避けられます。

MCPサーバー名

プラグインが同梱するMCPサーバーは、ツール名にプラグイン名とサーバー名を含めて登録されます。サーバー名の付け方は、プラグインに同梱されたMCPサーバーの仕組みとツール名の付け方で扱っています。

ここでも、Claude Code側に予約名があります。workspace・claude-in-chrome・computer-use・Claude Preview・Claude Browser は組み込みサーバー用で、同じ名前を付けたサーバーは読み込み時にスキップされます。商標とは別の理由ですが、「Claude」を含む名前が衝突しやすいことは覚えておく価値があります。

READMEとストア掲載文

README、ランディングページ、ディレクトリの掲載文では、名称の言及とロゴの使用が問題になります。ロゴについてはガイドラインが明確です。Anthropicが提供した画像だけを、指定された要件どおりに使い、改変しません。スクリーンショットからロゴを切り出して使う、色を変えて並べる、といった使い方は条件に反します。

Claudeの機能を紹介するだけなら、ロゴは不要です。名称をテキストで言及するだけにとどめれば、ロゴ関連の条件は関わりません。

商標記号と表記

意外な条件が、商標記号を付けないことです。「Claude™」や「Claude®」と書くと条件に反します。他社の商標には記号を付けるものだ、という慣習に従うと逆になるので、READMEやLPの校正で見落としやすい点です。

Claude Code側の命名制限は別物

商標ガイドラインは法的・契約的な条件で、Claude Code自体が機械的にチェックするものではありません。一方、Claude Codeには技術的な命名制限があります。マーケットプレイスの名前です。

marketplace.json の name に付けられない名前は、次のとおりです。

  • Anthropic用の予約名(claude-plugins-official、claude-code-marketplace、anthropic-marketplace、anthropic-plugins など14個)
  • コミュニティ名(claude-community、claude-plugins-community、healthcare)
  • プラグインディレクトリ名(anthropic-plugin-directory、claude-plugin-directory)
  • Anthropicの名前を装う名前(official-claude-plugins、claude-plugins-v2 など)と、非ASCII文字を含む名前
  • 予約名の別表記(末尾のドット、ハイフンの代わりの記号。claude.code.plugins は claude-code-plugins と同じ扱い)
  • claudeai- で始まる名前

予約名の一部は、github.com/anthropics/ のリポジトリから追加する場合に限り使えます。第三者のマーケットプレイスがAnthropic運営を名乗れないようにするための仕組みです。

検証コマンドで確認する

claude plugin validate は、Anthropicの名前を装う形をエラーとして報告します。ドキュメントの例は claude-official です。

claude plugin validate .

marketplace.json は次のような形です。名前が予約名や装った名前に当たると、検証で止まります。

{
  "name": "acme-tools",
  "owner": { "name": "Acme Inc." },
  "plugins": [
    { "name": "acme-review", "source": "./plugins/acme-review" }
  ]
}

このマーケットプレイス名は、ユーザーがインストール時に @ の後ろに入力します。acme-review@acme-tools のような形です。

すでに公開済みの名前が引っかかったとき

以前は使えた名前が、後から予約されることがあります。その場合、Claude Codeはマーケットプレイスとそこから入れたプラグインを読み込まなくなります。エラーは Marketplace "<name>" is registered from an untrusted source や Claude Code refuses the marketplace name "<name>" の形です。

対処は名前の変更です。マーケットプレイスを削除すると、そこから入れたプラグインも削除され、保存データも消えます。利用者には、新しい名前で追加し直してもらう必要があります。

商標ガイドラインと命名制限の対応

観点商標ガイドラインClaude Codeの命名制限
性質商標ガイドラインAnthropicとの契約・権利上の条件Claude Codeの命名制限ツールが機械的に検査する仕様
対象商標ガイドライン名称・ロゴ・ブランド要素すべてClaude Codeの命名制限マーケットプレイス名(と一部の予約サーバー名)
違反したとき商標ガイドラインAnthropicが許可を終了できるClaude Codeの命名制限追加・読み込みが拒否される
通っても安心か商標ガイドライン通る、という概念がない。個別許可が原則Claude Codeの命名制限検証を通っても商標の許可にはならない

最終行が肝心です。claude plugin validate が通っても、その名前の使用がAnthropicに認められたことにはなりません。検証は「Anthropic運営を装っていないか」を見るもので、商標の許諾とは別の話です。

利用者から見た名前の信頼

利用者側のドキュメントも、名前とAnthropicとの関係を切り分けています。マーケットプレイスの名前は、運営者がAnthropicかどうかを示す目印として使われます。Claude Codeは、Anthropic用の名前とコミュニティ用の名前を、github.com/anthropics/ のリポジトリ由来のマーケットプレイスにしか認めません。それ以外はすべて第三者の扱いです。

ただし、名前が示すのは「誰がカタログを公開しているか」であって、個々のプラグインが何をするかではありません。プラグインはスキル・エージェント・フック・MCPサーバーなどを含み、Anthropicはそこに含まれるMCPサーバーやファイルを管理せず、動作や変更の有無も検証できないと明記しています。

第三者の開発者にとっては、次の含意があります。

  • 名前に「Claude」を含めても、Anthropicの検証済みという意味にはならない
  • 利用者は、名前ではなく /plugin の詳細画面の「Will install」欄で中身を確認するよう案内されている
  • 組織が導入判断をするとき、名前がAnthropic系に見えるかどうかは判断材料にならない

Anthropic自身が出しているプラグインの例は、Cowork公式プラグイン3種を試すで扱っています。Anthropic製とサードパーティ製が並ぶ画面では、名前の見分けがつかないと利用者が混乱します。ガイドラインが提携暗示を禁じる背景には、この混乱があると読めます。

ディレクトリ掲載を目指す場合

Anthropicのディレクトリにプラグインを掲載する場合は、提出物がAnthropic Software Directory TermsとSoftware Directory Policyの対象になります。審査は提出のたびに実施され、プラグインバンドルはバージョンごとに再確認されます。提出ポータルの流れは、Claudeプラグイン提出ポータルが公開で扱っています。

Software Directory Termsには、名称に関する条項が1つあります。掲載しても、Anthropicの名称・商標・知的財産を使う権利は与えられません。Anthropicの後援・推奨・提携を示唆する発言は、事前の書面承認がない限りできません。あわせて、Anthropicの商標ガイドラインを常に守ることも求められます。つまり、ディレクトリに載ることは「Claude」を名前に使う許可にならず、ここでも判断の基準は先ほどの商標ガイドラインに戻ります。

一方、Termsは掲載側の権利も定めています。開発者は、自分のソフトウェアの名称・商標・ロゴなどを、ディレクトリ内でその紹介と宣伝のために表示する許諾をAnthropicに与えます。

Software Directory Policyは、対象ソフトウェアの種類や動作の規則が中心で、商標・ロゴ・名称の付け方に関する条項は見当たりません。

判断の目安

ガイドライン本文が明示している範囲で、行動の線引きを表にします。

やりたいことガイドラインからの読み取り
READMEで「Claude Codeで動く」と述べるガイドラインからの読み取り明示的な記述はない。事実の言及に留め、提携を示唆しない書き方にする
プラグイン名に claude- を入れるガイドラインからの読み取り承認が原則。Anthropic製に見える名前は提携暗示に当たるおそれがある
Anthropicのロゴを掲載するガイドラインからの読み取り提供された画像を、指定要件どおり、無改変で。事前承認が必要
「Claude™」と表記するガイドラインからの読み取り商標記号を付けないのが条件
「Anthropic公認」と書くガイドラインからの読み取り明示的に許可された場合を除き不可

迷う場合の第一手は、名称そのものをブランド名から外すことです。独自の名前を付け、説明文で対応環境を述べる形なら、確認が必要な論点が最小になります。それでも「Claude」を名前に入れたい事情があるなら、Anthropicに問い合わせて許可を得てからにします。

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