Claude Projects完全ガイド — 使い方・容量上限からArtifactsの公開・埋め込みまで
Claude Projectsの作成手順・ナレッジ容量の上限・共有権限と、Artifactsの公開・埋め込みまでを1記事で確認できます。両機能を組み合わせる実務パターン5選と、公開時に迷いやすいポイントも整理しています。
Claude Projectsとは、Claude.aiの会話に前提知識(Project knowledge)と常時指示(Project instructions)を持たせられる、自己完結型のワークスペース機能です。もう一方のArtifactsは、会話から切り出した成果物を独立したキャンバスで編集し、そのままリンクとして外部公開までできる機能です。両者は別々の機能として説明されることが多いものの、実務で効くのは「Projectsで前提を固定し、Artifactsで成果物を外に出す」という組み合わせの流れになります。
本記事では、Projectsの作成手順・ナレッジ容量の上限・共有権限、Artifactsの生成条件・公開・埋め込み、そして両者を組み合わせる実務パターンまでをまとめます。Claude.ai自体の全体像から知りたい場合は、Claude完全ガイドを先に読むと位置付けがつかみやすくなります。
Claude Projectsとは — 会話に前提を固定するワークスペース
Claude Projectsは、専用のチャット履歴とナレッジベースを持つワークスペースを作り、その中のすべての会話に同じ前提知識と指示を適用する機能です。「プロンプトの冒頭に毎回貼り付けていた仕様書や用語集」を一度だけ登録すれば、以降の会話すべてで参照されるようになります。
1つのプロジェクトは、次の3要素で構成されます。
| 構成要素 | 役割 | 向いている中身 |
|---|---|---|
| Project knowledge | 役割参照用ドキュメント置き場 | 向いている中身仕様書、FAQ、用語集、コード、過去ログ |
| Project instructions | 役割常時適用される指示 | 向いている中身文体、出力形式、役割、NG事項 |
| チャット履歴 | 役割プロジェクト内の会話ログ | 向いている中身継続案件、試行錯誤の記録 |
Projectsは無料プランを含む全プランで利用でき、無料プランで作成できるのは最大5個までです。Pro / Max / Team / Enterpriseの有料プランでは、後述するRAG(検索拡張)によってナレッジ容量が大きく広がります。プランごとの違いはClaudeの料金プラン比較で確認できます。
押さえておきたい仕様がもう1つあります。同じプロジェクト内でも、会話同士は文脈を共有しません。会話Aで決めた方針を会話Bでも使いたい場合は、その内容をProject knowledgeに追加する必要があります。「プロジェクトに入れたのに前の会話の続きにならない」と感じたら、この仕様が原因です。
Projectsの作成と基本操作
プロジェクトの作成は数クリックで完了します。手順は次のとおりです。
- Claude.aiの左サイドバーから「Projects」(または
claude.ai/projects)を開く - 「+ New Project」をクリックし、プロジェクト名と説明を入力する
- プロジェクトページ右側のknowledgeパネルから、ドキュメント・テキスト・コードを追加する
- 「Set project instructions」からClaudeへの常時指示を設定する
作成後の管理操作も一通り揃っています。よく使うプロジェクトはスターを付けるとプロジェクト一覧・チャット一覧からすぐ呼び出せるようになり、プロジェクト外で始めた会話は個別または一括でプロジェクト内へ移動できます。使わなくなったプロジェクトはアーカイブで一覧の下部へ送れます。アーカイブ済みのプロジェクトを削除する場合は、先にアーカイブを解除してから削除を確定します。
Project knowledgeの容量上限 — 1ファイル30MB、有料プランでRAGが自動有効化
Project knowledgeに追加できるファイルは1ファイルあたり30MBまでで、ファイル数自体に上限はありません。ただし、登録した内容の合計はClaudeのコンテキストウィンドウに収まる必要があります。通常のチャット添付とは上限の体系が次のように異なります。
| 項目 | チャット添付 | Project knowledge |
|---|---|---|
| 1ファイルの上限 | チャット添付500MB | Project knowledge30MB |
| ファイル数 | チャット添付1チャットに20ファイルまで | Project knowledge無制限(合計はコンテキスト内) |
| 参照範囲 | チャット添付その会話のみ | Project knowledgeプロジェクト内の全会話 |
対応する文書形式はPDF / DOCX / CSV / TXT / HTML / ODT / RTF / EPUB / JSONで、コード実行機能を有効にすればXLSXも扱えます。PDFは100ページ未満ならテキストと図表の両方を解析し、1,000ページを超えるとテキストのみの処理になります。
容量面で大きいのが、有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)のRAG(検索拡張生成)です。ナレッジの合計がコンテキスト上限に近づくと自動でRAGモードに切り替わり、応答品質を保ったままナレッジ容量を最大10倍まで拡張できます。書籍数冊分の資料や大きめのコードベース抜粋を載せたい場合、無料プランとの実質的な差はこの拡張幅に表れます。
Project instructionsの設計 — 何を書くと効くか
Project instructionsは、そのプロジェクト内のすべての会話に適用されるシステム指示です。毎回のプロンプトで繰り返し書いていた内容を、ここへ移すのが基本方針になります。効果が出やすいのは次の4種類です。
- 役割と視点: 「あなたは社内規程に詳しい人事担当として答える」のような立場の固定
- 出力形式: 回答の構成、文体(敬体・常体)、長さ、表の使い方
- 参照ルール: 「回答には必ずknowledge内の出典ファイル名を添える」のような根拠の要求
- NG事項: 「不明な点は推測せず『要確認』と返す」のようなガードレール
たとえば社内FAQ用プロジェクトなら、次のような指示が下敷きになります。
あなたは当社の社内規程に基づいて答えるアシスタントです。
- 回答は必ずProject knowledge内の規程文書を根拠とし、文書名と該当条項を明記する
- knowledge内に根拠がない質問には、推測せず「規程に記載がないため担当部署に確認してください」と返す
- 回答は結論を先に、補足を後に書く指示は何度でも編集でき、変更は以降の会話から反映されます。ナレッジ(参照する事実)と指示(振る舞いの固定)を分けて設計すると、後からの差し替えが楽になります。
Team / Enterpriseでの共有と権限管理
Team / Enterpriseプランでは、プロジェクトを組織のメンバーと共有できます。公開範囲はPrivate(自分と招待したメンバーのみ)とOrganization(組織の全員が閲覧・利用可)の2択です。共有方法も個別招待・メールアドレスの一括指定・組織全体への公開と複数用意されており、共有されたプロジェクトは専用タブにまとまり、招待時にはメール通知が届きます。
メンバーに割り当てられる権限は2種類です。
| 権限 | できること |
|---|---|
| Can use | できることプロジェクトの閲覧とチャット利用 |
| Can edit | できること上記に加え、instructionsとknowledgeの編集、メンバー設定の変更 |
「編集は数名に絞り、利用は組織全員に開放する」というガバナンスを組めるため、社内ナレッジボットの下地として実用的な構成が取れます。前述のとおりアーカイブで共有権限はリセットされるので、共有中プロジェクトの整理は権限の再付与とセットで計画します。
Artifactsとは — 成果物を独立キャンバスで扱う機能
Artifactsは、会話の返答とは別に「独立して扱うべき成果物」を専用ウィンドウへ切り出す機能です。生成の目安は「およそ15行を超える、自己完結したまとまりのあるコンテンツ」で、会話の外で編集・再利用しそうなものが対象になります。チャット本文は解説、Artifact側は編集可能な成果物という二層構造です。
Artifactとして扱えるコンテンツは次のとおりです。
- ドキュメント(Markdown / プレーンテキスト)
- コードスニペット
- 単一ページのHTMLサイト
- SVG画像
- 図(フローチャート・ダイアグラム)
- インタラクティブなReactコンポーネント
会話を進めるとArtifactは版として積み重なり、バージョンを切り替えて前の状態に戻せます。過去のチャットメッセージを編集して別方向の案を試す、という分岐も可能です。HTMLやReactはプレビューとしてレンダリングされるため、動くものを見ながら指示を重ねられます。作成したArtifactはサイドバーの専用スペースに集約され、Anthropic製のサンプルを眺めて作り方の参考にすることもできます。
Artifacts自体は無料プランを含む全プランで使えます。一方、MCP連携や永続ストレージ(データを保存できるArtifact)のような高度な機能はPro / Max / Team / Enterpriseの有料プランが必要です。
Artifactの公開・共有・埋め込みの手順
作成したArtifactは、クリック数回でそのまま動くリンクとして外部公開できます。プランによって公開の意味合いが変わる点が最初の分かれ道です。
| プラン | 方式 | 閲覧できる人 |
|---|---|---|
| Free / Pro / Max | 方式Publish(一般公開) | 閲覧できる人リンクを知る誰でも(Claude非ユーザー含む) |
| Team / Enterprise | 方式Share(組織内共有) | 閲覧できる人同じ組織アカウントで認証済みのメンバー |
Publishの手順は次の4ステップです。
- 公開したいArtifactを開く
- 公開したいバージョンが表示されていることを確認する
- 「Publish」ボタンをクリックする
- 生成された公開リンクをコピーして配布する
公開されたArtifactは、Claudeアカウントを持たない人でもそのまま閲覧・操作できます。閲覧者が「Customize」から自分用に改変する場合はClaudeアカウントが必要で、その場合も元のArtifactは変更されず、コピーを使った新しい会話が始まる仕組みです。
公開後は埋め込みコードを取得して、外部サイトにiframeとして設置できます。このとき必須なのが「Allowed domains」フィールドで、埋め込みを許可するドメインをカンマ区切りで指定します。指定のないドメインに貼っても表示されないため、社内ポータル限定・キャンペーンサイト限定といった配信先の制御にそのまま使えます。
AIを組み込んだArtifactの課金 — 利用枠を消費するのは閲覧者側
Artifactsには、Claudeの応答機能そのものを組み込んだアプリ(AIを使うArtifact)を作る使い方があります。たとえば「入力文を特定フォーマットに変換するツール」や「クイズを出題するアプリ」のように、利用者の操作に応じてClaudeが応答する成果物を、コードを書かずに配布できます。
このとき押さえておきたいのが課金の向きです。公開されたAI入りArtifactを誰かが使うと、その利用はアカウント認証した閲覧者自身のサブスクリプション利用枠にカウントされ、作成者側には課金されません。何人に使われても作成者の負担が増えない設計のため、ツール配布のハードルが低くなっています。
データを保存するArtifactには、1 Artifactあたり20MBの永続ストレージが使えます。保存できるのはテキストのみで、画像・ファイル・バイナリーデータは扱えません。この永続ストレージとMCP連携は有料プラン向けの機能です。
ProjectsとArtifactsを組み合わせる実務パターン5選
両機能の本質的な価値は、「Projectsで前提を固定し、Artifactsで成果物を外に出す」流れを作れることにあります。利用シーン別の実務パターンを5つに絞って並べます。仕様書の前提知識をProjectsに集約し、Artifactsでロードマップを可視化するPM向けの実務パターンはClaudeで仕様書とロードマップを書くPM実務パターンで扱っています。
1. 学習ノートのハブ化
書籍や論文を章ごとに分割してProject knowledgeに入れ、instructionsに「質問には出典の章番号を添えて答える」と指定します。以降の会話は「その本を理解した家庭教師」と話すのに近い体験になり、復習ノートをArtifactでMarkdown化して手元に残せます。
2. 業務マニュアルとQ&Aボットの下地
社内ルール・用語集・FAQをknowledgeに載せ、instructionsで「社外秘は共有しない」「不明点は推測せず確認に回す」といったガードを明文化します。Teamプランなら「Can use」権限で配布し、実質的な社内Q&Aワークスペースとして運用できます。
3. コードベース相談室
特定プロダクトのREADME・主要ファイル・設計メモをknowledgeに入れ、「Can edit」はリード開発者だけに付与します。改修議論はArtifactにパッチ案として出力し、プルリクエストの草案までを一会話で詰める運用が作れます。本格的にリポジトリ全体を扱うなら、チャットではなくClaude Codeに役割を渡す判断軸も持っておくと迷いません。
4. 提案書・LPの即時プロトタイプ
営業資料やLP案をArtifactでHTML / Reactとして出力し、Publishで顧客にURLを送ります。反応を見てからFigmaや実装に起こすかを判断でき、初回プロトタイプの共有までのリードタイムを分単位に圧縮できます。
5. キャンペーン資産の埋め込み配信
Artifactの埋め込み機能で生成したインタラクティブ要素を、自社メディアの特集ページへ限定ドメインで配置します。公開と取り下げが同じ画面で完結するため、公開期間が決まった施策の運用に向きます。
利用シーン × 活用パターン早見表
| シーン | Projectsの使い方 | Artifactsの使い方 | 外部公開 |
|---|---|---|---|
| 学習 | Projectsの使い方書籍・論文をknowledge化 | Artifactsの使い方要約・暗記カードを成果物化 | 外部公開基本なし |
| 業務(社内) | Projectsの使い方マニュアルをknowledge + 権限配布 | Artifactsの使い方議事録・提案書のドラフト | 外部公開Shareで社内のみ |
| 業務(社外) | Projectsの使い方顧客案件ごとにプロジェクト分離 | Artifactsの使い方提案書・LP・プロトタイプ | 外部公開Publish + 埋め込み |
| 開発 | Projectsの使い方リポジトリ抜粋と設計メモ | Artifactsの使い方コード・パッチ・スキーマ | 外部公開必要時のみ限定Publish |
メモリー機能とProjectsの関係 — プロジェクト単位で記憶が分かれる
Claudeのメモリー機能(過去の会話を踏まえて応答する機能)は、Projectsと組み合わさったときの挙動が特徴的です。各プロジェクトは独立したメモリー空間と専用のサマリーを持ち、プロジェクト内の文脈は他のプロジェクトやプロジェクト外の会話と混ざりません。クライアントAの案件情報がクライアントBの会話に漏れ出さない、という分離が機能の仕様として担保されています。
メモリー機能自体は無料プランを含む全プランで、Web・デスクトップ・モバイルの各アプリから利用できます。設定の「Capabilities」からメモリーの一時停止やリセットができますが、リセットはプロジェクトのメモリーも含めて完全削除となり、元に戻せません。アプリ形態ごとの違いはClaudeアプリ完全ガイドで扱っています。
よくあるつまずき
- knowledgeに入れたのに参照されない: Project knowledgeが効くのは「そのプロジェクト内の会話」だけです。プロジェクト外の会話や、別プロジェクトへ移した会話では参照されません。
- 前の会話の続きにならない: 同一プロジェクト内でも会話同士は文脈を共有しません。引き継ぎたい結論はknowledgeに追記します。
- Unpublishしたらリンクを戻せない: 公開停止後の再公開はできず、永続ストレージのデータも消えます。URLを固定したい場合は取り下げ前の確認をフロー化します。
- 埋め込みが表示されない: Allowed domainsに掲載先ドメインが入っていないケースがほとんどです。サブドメインや
wwwの有無も含めて正確に指定します。 - Teamで共有したのに見えないメンバーがいる: ArtifactのShareは組織アカウントでの認証が前提です。個人アカウントでアクセスしていると閲覧できません。プロジェクト由来のArtifactでは、プロジェクト自体へのアクセス権も必要になります。
- アーカイブしたら共有が消えた: アーカイブ時に共有権限はプライベートへリセットされる仕様です。一時停止のつもりの操作で、復帰後に再付与の手間が発生します。
よくある質問
Claude Projectsは無料プランでも使えますか?
使えます。無料プランでは最大5個までプロジェクトを作成でき、knowledgeとinstructionsの基本機能も利用できます。有料プランとの主な違いは、RAGによるナレッジ容量の拡張(最大10倍)が無料プランでは使えない点です。
プロジェクト内の会話同士で文脈は共有されますか?
されません。同じプロジェクト内でも各会話は独立しており、共有されるのはProject knowledgeとProject instructionsだけです。会話をまたいで使いたい情報は、knowledgeへ明示的に追加する必要があります。
公開したArtifactを見るのにClaudeアカウントは必要ですか?
閲覧と基本的な操作だけならアカウント不要です。リンクを知っていれば誰でもブラウザーで開けます。Artifactを自分用に改変(Customize)したり、AIを使うArtifactの応答機能を利用したりする場合は、Claudeアカウントでのログインが必要になります。
AIを使うArtifactを公開すると、作成者に料金がかかりますか?
かかりません。公開したArtifactを他のユーザーが使った場合、その利用は閲覧者自身のサブスクリプション利用枠にカウントされます。何人に共有しても作成者側の追加負担はありません。
Unpublishした後、同じArtifactをもう一度公開できますか?
できません。一度Unpublishした同じArtifactの再公開は不可で、公開し直すには新しいArtifactとして作り直す必要があります。元のURLは引き継げず、永続ストレージのデータも削除されるため、取り下げは不可逆な操作として扱うのが安全です。
まとめ
Claude Projectsは「会話にknowledgeと常時指示を持たせる容器」、Artifactsは「成果物を独立キャンバスで扱い、そのまま外部に出せる仕組み」です。仕様として押さえるべき数字は、無料プランのプロジェクト5個上限、knowledge 1ファイル30MB、有料プランのRAGで容量最大10倍、永続ストレージ20MBあたりに集約されます。運用で躓きやすいのは、会話間で文脈が共有されない仕様、Unpublishの不可逆性、埋め込みのAllowed domains、アーカイブ時の権限リセットの4点です。
この4点を先に押さえておけば、Claude.aiは単なる対話ツールではなく、ナレッジベースと配信先を持つ軽量なコンテンツ基盤として使えます。プラン選びから検討する場合はClaudeの料金プラン比較を、Claude.ai全体の機能から把握したい場合はClaude完全ガイドを参照してください。