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Browser Use Toolの料金とトークン消費を実測値で読む

Browser Use Toolの料金とトークン消費を実測値で読む

Browser Use Toolはツールセット定義だけで約6,600入力トークンを消費し、オプション4メンバーの有効化で880トークンが加わります。公式の実測値とスクリーンショット課金の仕組みをまとめます。

Browser Use Toolのトークン課金は「標準のtool use課金」に乗る

Browser Use Toolとは、Claudeにブラウザ操作をさせるためのAnthropic定義のclient toolsetです。toolsパラメータにbrowser_toolset_20260801という1エントリを追加するだけで、navigateleft_clickscreenshotといった27個のメンバーツールがデフォルトで有効になります。

公式ドキュメントは、Browser Use Toolの課金は標準のtool use課金にそのまま従うと明記しています。追加の従量課金軸(Web検索の検索件数課金やコード実行の時間課金のような仕組み)は無く、コストは次の3つの発生源から決まります。

  1. toolsパラメータの定義そのもの(ツール名・description・input_schemaの合計)
  2. 会話に登場するtool_useブロックとtool_resultブロック
  3. 出力トークン

Browser Use Toolはクライアントサイドツールです。実際のブラウザ操作はアプリ側の環境で実行され、Anthropic側では何も動きません。そのため、他の通常のAPIリクエストと同じ単価で課金されます。この3つのうち見落としやすいのは、ツールセット定義そのものの固定コストと、screenshot・page読み取りが積み増す本体側コストです。

curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
  -H "content-type: application/json" \
  -H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
  -H "anthropic-version: 2023-06-01" \
  -d '{
    "model": "claude-opus-5",
    "max_tokens": 2048,
    "tools": [{"type": "browser_toolset_20260801"}],
    "messages": [{"role": "user", "content": "example.comを開いて要約して"}]
  }'

ツールセット定義だけで約6,600入力トークンが毎リクエスト固定費になる

browser_toolset_20260801をデフォルトのメンバー構成のまま宣言すると、27個のメンバーツール定義とtool use用のsystem promptを合わせて、約6,600入力トークンがリクエストごとに加算されます。公式ドキュメントはモデル別の実測値を次のように公開しています。

モデルツールセット定義の固定コスト
Claude Fable 5 / Mythos 5 / Opus 5 / Opus 4.8ツールセット定義の固定コスト約6,610トークン
Claude Sonnet 5ツールセット定義の固定コスト約6,670トークン

対応モデル一覧にはClaude Fable 5.1・Claude Mythos 5.1も含まれますが、この2モデルの個別の実測値は公式ページに明記されていません。

金額に換算すると、Opus 5(入力$5/MTok)では1リクエストあたり約0.033ドル、Sonnet 5(入力$2/MTok)では約0.013ドルがツールセット定義だけで発生する計算です。会話1往復ごとに課金されるわけではなく、tools配列にbrowser_toolset_20260801を含めたリクエスト1回ごとに発生する固定費である点に注意してください。

オプション4メンバーを有効にすると880トークンが積み増しになる

browser_toolset_20260801は合計31個のメンバーツールを宣言できますが、そのうち4つ(javascript_execfile_uploadread_consoleread_network)はデフォルトで無効です。この4つすべてを有効にすると、約880トークンが先述の固定コストに加算されます。

無効がデフォルトになっている理由は、機能ごとに異なります。

  • javascript_execfile_upload: 操作されたページがClaudeにさせられる行動の幅を広げるため
  • read_consoleread_network: すべてのブラウザ自動化スタックがこれらのログを取得できるわけではなく、かつページ制御下のコンテンツがClaudeに届く経路を広げるため

configsで必要なメンバーだけを個別に有効・無効にできます。逆に、既定で有効な27個のうち使わないものを無効にすれば、6,600トークンの基準値をさらに削れます。

{
  "type": "browser_toolset_20260801",
  "configs": {
    "read_console": { "enabled": true },
    "left_mouse_down": { "enabled": false },
    "left_mouse_up": { "enabled": false },
    "hold_key": { "enabled": false }
  }
}

スクリーンショットとページ本文は「トークン課金」のもう一つの本体

ツールセット定義の固定コストとは別に、screenshotzoomが返すimageブロックはVision pricingに従って課金されます。Claudeは画像を28×28ピクセルのパッチ単位(視覚トークン)で見るため、トークン数は⌈width / 28⌉ × ⌈height / 28⌉で決まります。

モデルには2つの解像度ティアがあり、Claude 4.7以降のモデルは高解像度ティア(長辺2576px・最大4784視覚トークン)、それ以外は標準ティア(長辺1568px・最大1568視覚トークン)です。1920×1080pxのスクリーンショット1枚なら、標準ティアで約1,560トークン、高解像度ティアで約2,691トークンかかります。

画像以外にも、read_pageが返すアクセシビリティツリー(最大50,000文字でキャップ)、get_page_textのページ本文、read_consoleread_networkのログは、通常のテキストと同じ入力トークンとして加算されます。長いページを何度もread_pageで読ませるワークフローでは、こちらの累積コストがツールセット定義の固定費を上回ることも珍しくありません。

他のツールの固定コストと比べるとどれくらい重いか

Claudeのtool use全般では、toolsを1つでも渡すと数百トークン程度のsystem prompt加算が発生します。Claudeのツール利用で増えるトークン数をモデル別に見るで扱ったとおり、この加算はモデルとtool_choiceの組み合わせで286〜804トークンの範囲に収まります。

Browser Use Toolの約6,600トークンは、この一般的なtool use加算の8〜23倍規模です。理由は単純で、通常のツール1つ分の定義ではなく、27〜31個分のメンバーツール定義をまとめて1エントリで宣言しているためです。Computer Useツールを自前実装する最小構成で扱うcomputer use toolも同様にAnthropic定義のツールセットで、固定コストは別途そちらのページに記載されています。両方を同時に使う構成では、それぞれの固定コストが両方乗ることになります。

プロンプトキャッシュでツールセット定義のコストを抑えられるか

tools配列はプロンプトキャッシュの先頭階層に位置します。同じbrowser_toolset_20260801の構成(configsを含む)を変更せずに繰り返しリクエストを送る場合、2回目以降はこの約6,600トークン分がキャッシュ読み取り単価で処理されます。Opus 5ならキャッシュ読み取りは$0.50/MTokで、通常の入力単価$5/MTokの10分の1です。

逆に、リクエストごとにconfigsで有効なメンバーを切り替えると、ツール定義自体が変わるためtoolsより後段のキャッシュもすべて無効になります。メンバー構成は実行時に動かさず、アプリの起動時に固定しておくほうがキャッシュヒット率を保ちやすくなります。

defer_loadingでツールセット全体をtool search側に遅延させることもできますが、有効なメンバー全員で同じ値に揃える必要があります。個々のツールを自由にdefer_loadingできるカスタムツールとは異なり、Browser Use Toolでは「27個まとめて遅延させるか、まとめて即時読み込みするか」の二択です。多数のツール定義がコンテキストを圧迫する仕組み全般はMCPのツール定義はなぜコンテキストを圧迫するのかで扱っています。

使えるモデルとプラットフォームが限られる

Browser Use Toolを使う前に、可用性の制約を確認しておく必要があります。対応モデルはClaude Fable 5.1・Claude Mythos 5.1・Claude Fable 5・Claude Mythos 5・Claude Opus 5・Claude Sonnet 5・Claude Opus 4.8の7つです。

提供プラットフォームはClaude APIとGoogle Cloudに限られ、Amazon Bedrock・Microsoft Foundry・Claude Platform on AWSでは利用できません。ZDR(Zero Data Retention)には対象モデルを除いて適格です。

データの扱いにも注意点があります。ブラウザセッション自体・ダウンロードファイル・アップロードファイルはアプリ側の実行環境に留まり、Anthropicには送られません。一方でスクリーンショット・ページテキスト・タブ状態はAPIリクエストの内容としてAnthropicに送信され、標準の保持ポリシー、またはZDR契約があればその条件に従います。

まとめ

Browser Use Toolのトークン消費は、デフォルト構成のツールセット定義だけで約6,600トークン、オプション4メンバーを全部有効にすると約7,490〜7,550トークンが毎リクエストの固定費になります。これは一般的なtool use加算(286〜804トークン)の8〜23倍規模です。

これに加えて、screenshotzoomの画像はVision pricingで、read_pageget_page_textのテキストは通常の入力トークンとして加算されます。ツールセット定義自体はconfigsを変えなければプロンプトキャッシュの対象になるため、メンバー構成をリクエストごとに切り替えない運用が、キャッシュヒット率と請求額の両面で効いてきます。利用できるのはClaude APIとGoogle Cloudの2プラットフォームのみで、対応モデルも7つに限られます。

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