Claudeで簿記・FPなど資格試験を勉強する方法 — 証券外務員・秘書検定も
日商簿記・FP技能検定・外務員資格試験・秘書検定などビジネス系検定の勉強法。仕訳や計算問題は段階確認、秘書検定の敬語表現は対話形式で練習するプロンプト例をまとめます。
日商簿記・FP技能検定・外務員資格試験は、計算問題と法令知識の両方が出る検定です。リテールマーケティング(販売士)検定と秘書検定は、知識とマナーが中心になります。Claudeの使い方も二通りに分かれます。計算系は答えを一気に出させず、一段階ずつ確認します。知識・マナー系は、出題の範囲を指定した問題づくりと、対話形式の練習に使います。
試験内容が2027年度以降に変わる検定もあるため、プロンプトに渡す前提(適用される区分表・科目名・配点)も合わせて扱います。過去問をアップロードして類題を作らせ自己採点する汎用的な使い方は、Claudeで資格試験の過去問から問題を作らせて自己採点する使い方にまとめています。
検定ごとに出題の性質と受験方式が違う
出題の中心が計算か知識かで、Claudeに頼む練習の型が決まります。受験方式もあわせて見ると、練習量の組み立てを決めやすくなります。
| 検定 | 出題の中心 | 実施団体 | 受験方式 |
|---|---|---|---|
| 日商簿記 | 出題の中心仕訳・財務諸表作成などの計算問題 | 実施団体日本商工会議所 | 受験方式2級・3級は統一試験とネット試験 |
| FP技能検定 | 出題の中心計算問題と法令・制度の知識問題 | 実施団体日本FP協会・きんざい | 受験方式2級・3級はどちらの機関もCBT |
| 外務員資格試験 | 出題の中心法令・諸規則、商品業務、関連科目 | 実施団体日本証券業協会 | 受験方式解答はPC入力。一般の方の予約はプロメトリック。英語による試験は一般の方は受験できません |
| リテールマーケティング(販売士)検定 | 出題の中心小売・マーケティングの知識問題 | 実施団体日本商工会議所 | 受験方式CBT方式。インターネット申込なら随時受験 |
| 秘書検定 | 出題の中心職場常識・言葉遣い・マナーの知識問題 | 実施団体実務技能検定を行う協会 | 受験方式3級・2級はCBTあり。準1級・1級は筆記の後に面接 |
日商簿記と販売士は同じ日本商工会議所の検定で、2027年度に向けた変更が重なっています。練習に使う教材と、Claudeに渡すプロンプトの前提が新旧どちらかを揃えておくと、練習問題のずれを避けられます。
簿記と販売士で日付が決まっている変更
- 2026年7月31日2027年度適用の簿記出題区分表が確定
2027年4月1日から2028年3月31日までの試験(統一試験・団体試験・ネット試験)に適用されます。2026年度の試験には、2022年度版の区分表のままです。
- 2026年9月25日日商簿記3級の配点を公表
2027年4月1日以降の3級は、第1問45点・第2問25点・第3問30点の合計100点で、合格は70点以上です。2027年3月31日までは従来の配点です。1級・2級・初級・原価計算初級は変わりません。
- 2027年度から販売士の新科目体系が3級から始まる
3級、2級、1級の順に1年ずつ、2029年度までかけて切り替わります。
- 2028年度から販売士1級の科目合格制度が移行期に入る
新しい科目「マーチャンダイジング」の免除には、旧試験で「マーチャンダイジング」と「ストアオペレーション」の両方に科目合格している必要があります。
仕訳・計算問題を一気に解かせず、一段階ずつ確認させる
Anthropicは2025年4月2日に、教育機関向けのClaude for Educationで「Learning mode」を発表しました。答えを渡さず、「その結論を支える根拠は何か」のようなソクラテス式の問いかけで、学生自身の思考を促す機能です。高等教育機関向けのページでも、learning modeは「良い家庭教師のように、自分で答えを見つけられるよう質問する」機能として紹介されています。
Claude for Educationで案内された機能です。ここでは機能の有無に依らず、同じ進め方をプロンプトで指示します。日商簿記の仕訳なら、完成した仕訳を最初から出させません。勘定科目を選ぶ段階、金額を計算する段階、借方貸方を確定する段階に分け、一段階ごとに自分で答えてからClaudeに確認してもらいます。
日商簿記2級を想定した仕訳問題を1問出してください。
ただし答えは最後まで示さず、次の順番で一段階ずつ進めてください。
1. まず取引の内容を提示し、どの勘定科目を使うべきか私に答えさせる
2. 私が答えたら、合っているかを判定してから次の金額計算の段階に進む
3. 金額を私が計算したら、合っているかを判定してから借方・貸方の確定に進む
4. 全段階が終わったら、正しい仕訳と考え方の要点をまとめて示す
途中で私が間違えた場合は、正解を教える前に、
どこで考え方がずれたかを質問形式でもう一度確認してください。この進め方なら、勘定科目の判断で間違えたのか、計算で間違えたのかを段階ごとに切り分けられます。間違えた段階だけを抜き出して復習すれば、得意な段階を何度も解き直さずに済みます。語学検定での段階練習はClaudeで語学検定の勉強法にもまとめています。
大問ごとの配点を渡して得点率を出させる
手持ちの3級の模試を自己採点するときは、Timelineに載せた大問ごとの配点をプロンプトに入れておくと、どの大問が弱いかが数字で見えます。
日商簿記3級の模試を自己採点します。
配点は第1問45点、第2問25点、第3問30点で、合計100点、合格は70点以上です。
各大問の私の答案と正解を貼るので、
部分点は付けず、小問ごとに正誤を判定して、大問ごとの得点と得点率を表にしてください。
最後に、70点との差が最も大きく動く大問を1つ挙げてください。受験日が2027年4月1日の前後どちらに当たるかで配点が変わるため、先に確かめてからプロンプトの配点を書き換えます。Claudeの採点はあくまで目安です。
外務員資格試験は五肢選択に配点が偏る
外務員資格試験は、日本証券業協会が実施する試験です。出題科目は「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の3つに分かれ、一種ではデリバティブ取引も商品業務に入ります。二種でも、信用取引とデリバティブ取引の基礎知識は株式業務や債券業務などの科目に含めて出題されます。
形式は〇✕方式と五肢選択方式(語句選択・計算問題)で、解答はPCへの入力です。配点の組み立ては一種と二種で共通なので、先に数字を見ておきます。
一種と二種の問題数・満点・合格ライン
一種 問題数と満点
100問/440点
〇✕70問・五肢選択30問。2時間40分
一種 合格ライン
308点以上
440点満点の7割
二種 問題数と満点
70問/300点
〇✕50問・五肢選択20問。2時間
二種 合格ライン
210点以上
300点満点の7割
一種は〇✕70問で140点、五肢選択30問で300点です。二種は〇✕50問で100点、五肢選択20問で200点になります。どちらも満点の約3分の2を五肢選択が占めるため、計算問題と語句選択に練習時間を厚く配る理由になります。
五肢選択の計算問題には、簿記と同じ段階確認の型がそのまま使えます。式を立てる段階と、数値を代入して計算する段階を分けて確認させます。
外務員資格試験を想定して、単利計算による利回りを求める問題を1問出してください。
計算式を立てる段階と、数値を代入して計算する段階に分けて、
それぞれ私が答えるまで正解を示さないでください。
私が式を間違えた場合は、計算式そのものを再確認する質問を先にしてください。〇✕方式は、出題範囲の資料を渡して作問させる使い方に向きます。外務員資格試験の問題は直近の法令・諸規則等に基づいて出題され、出題範囲の目安は協会の外務員必携の目次に示されています。Claudeが自分の知識だけで作問すると、改正前の内容が混ざる余地が残ります。範囲を貼って、その中からだけ作らせると防げます。
以下に外務員必携の該当部分を貼ります。この範囲の記述だけを根拠に、
〇✕方式の問題を10問作ってください。
各問に、根拠にした記述を引用で添えてください。
答えは私が全問回答してから、まとめて示してください。用語(利回り・単利・複利など)の説明は、Claudeは金融・医療・IT業界の専門用語をどこまで正確に理解できるかで扱っている業界特有の言い回しの精度も踏まえて、教材と突き合わせながら使います。
FP技能検定は実技の選択科目で実施機関が分かれる
FP技能検定は、きんざいと日本FP協会の2団体が実施します。公式には複数の指定試験機関による方式と呼ばれる仕組みです。どちらで受検しても、合格すれば取得できる国家資格は同じです。2級と3級は、両機関ともCBTで実施しています。学科試験は同一の試験問題で、試験実施日も1級実技を除いて同じです。
つまり学科の練習は、受検する機関を問わず同じ教材とプロンプトで進められます。違いが出るのは実技で、選択科目ごとに実施する機関が決まっています。
2級実技の選択科目と実施機関
日本FP協会
資産設計の提案業務を実施します。1級実技でも、資産設計の提案業務は日本FP協会の担当です。
きんざい
2級の実技は個人の資産相談業務、中小事業主の資産相談業務、生保顧客の資産相談業務、損保顧客の資産相談業務です。1級の実技は資産相談業務で、1級の学科試験もきんざいだけが実施します。
3級の実技も同じ分担です。日本FP協会が資産設計の提案業務を、きんざいが個人の資産相談業務と保険顧客の資産相談業務を実施します。2級・3級の合格証書は両機関の理事長の連名で発行され、1級は実技を受検した機関の側で発行されます。
実技の練習プロンプトでは、受検する機関の科目名を先に伝えます。科目名を伝えずに「FPの実技問題」と頼むと、どの科目の形式なのかがClaudeにも決まりません。
FP技能検定2級の実技(資産設計提案業務)を想定して、
家計の収入・支出から数値を求める問題を1問出してください。
収入・支出の項目を洗い出す段階と、数値を計算する段階に分けて、
それぞれ私が答えるまで正解を示さないでください。
数値がずれたときは、どの項目の見落としが原因かを質問で確認してください。販売士は科目名と配点の新旧を先に伝える
リテールマーケティング(販売士)検定は、1級・2級・3級の3区分です。新しい科目体系では、現行の5科目が全級で4科目に再編されます。科目名の対応は次のとおりです。
| 現行の科目 | 新体系の科目 |
|---|---|
| 小売業の類型 | 新体系の科目流通概論 |
| マーチャンダイジング + ストアオペレーション | 新体系の科目マーチャンダイジング |
| マーケティング | 新体系の科目マーケティング |
| 販売・経営管理 | 新体系の科目リテールマネジメント |
配点は、現行の500点満点(1科目20問×5点×5科目)から、400点満点(1科目25問×4点×4科目)に変わります。総問題数100問、試験時間(1級90分・2級70分・3級60分)、合格基準(2級・3級は平均70点以上かつ科目ごとに50点以上、1級は各科目70点以上)は変わりません。新体系の25問は、2級・3級が正誤13問・択一12問で、1級は択一と記述の配分になります。科目免除の制度では、2級・3級の「販売経営管理」の免除が「リテールマネジメント」の免除という名称に変わります。
Claudeに練習問題を頼むときは、教材がどちらの体系かを科目名で伝えます。範囲の指定には、教材の該当ページの本文を貼るのが確実です。
リテールマーケティング(販売士)検定3級の練習問題を作ります。
科目は「流通概論」(新体系の科目名)です。以下に教材の該当部分を貼ります。
この範囲だけから、正誤問題を13問、択一問題を12問作ってください。
解説は、私が全問答えてから、間違えた問題だけ示してください。新体系の3級が実施される前の学習には、現行体系の教材を使うことになります。その場合は、プロンプトの科目名も現行の5科目の名前に合わせます。
秘書検定は敬語・マナーの対話練習に向く
秘書検定は、実務技能検定を行う協会(公益財団法人)が主催する検定です。3級は基本的な職場常識、2級は少し複雑な場面設定での優先順位の判断、準1級は判断力と対応力が問われる級です。検定を主催する協会は、筆記試験で学んだことを面接試験で表現する流れを案内しています。
Claudeに来客役や上司役を演じさせ、自分が受付や部下として応対する形が向いています。
秘書検定の敬語練習をします。あなたは来客役(取引先の部長)を演じてください。
私は受付担当として応対します。
会話の中で私が誤った敬語(二重敬語や謙譲語と尊敬語の混同など)を使ったら、
その場で会話を止めずに一度受け流し、
会話が一区切りついたところで、どこがどう不自然だったかをまとめて指摘してください。
最初の一言をあなたから話しかけてください。会話を止めずに一区切りしてから指摘してもらうと、実際の応対に近い緊張感を保てます。指摘のタイミングは毎回変えられるので、「1文ごとに」「最後にまとめて」のように練習段階に合わせて調整します。
準1級・1級は面接が別にある
準1級からは、筆記試験に合格すると二次試験の面接があります。形式はロールプレーイングです。準1級の面接は、次の流れで進みます。
準1級の面接試験の流れ
- 1
報告の課題を覚える
面接室に移動する前に、報告の課題を2分間で覚えます。
- 2
3人一組で面接室に入る
課題は「あいさつ」(面接番号と名前を言う)から始まります。
- 3
報告する
覚えた課題を審査員に報告します。
- 4
状況対応を2問こなす
その場で提示された課題を、来客に言う適切な言葉に直し、審査員を来客として応対します。
- 5
アドバイスシートを受け取る
終了時に、ロールプレーイングアドバイスシートが渡されます。
1級は、報告(1〜2分)と応対(1〜2分)の2課題で、課題は5分間で覚え、2人一組で受けます。この形は、Claudeに審査員と来客の役を振る練習にそのまま当てはめられます。状況対応では、公開されている過去の課題例に「山田部長が世話になった」という来客の発言を「山田がお世話になりました」と言い直す場面があります。社内の人を社外の人に話すときの呼び方が、言い直しの中心になります。
秘書検定準1級の面接の「状況対応」を練習します。
あなたは来客役です。取引先の人として、私の上司(山田部長)について一言話しかけてください。
私は受付の秘書として、来客に言う適切な言葉に直して応対します。
私の返答が終わったら、敬語の誤りと、社内の人の呼び方を指摘してください。
指摘のあと、別の場面で最初からやり直します。
次に「報告」の練習をします。
2〜3文のニュース記事風の短い課題を出し、
私が2分間読んでから隠すので、記憶だけで私が報告したあと、抜けと順序のずれを指摘してください。文字のやり取りで練習できるのは、言葉の選び方と敬語の部分です。面接の審査対象には、体全体の構え、動作、表情、話し方の張りも入っています。姿勢や声の出し方は、チャット画面では確かめられません。
よくあるつまずき
- Claudeが段階を指定しても一度に正解まで進めてしまうことがあります。短い取引の仕訳では特に、勘定科目と金額を同時に答えがちです。「段階1が終わるまで段階2の内容を書かないでください」のように、段階の区切りを明示すると改善します。
- 計算過程の途中式は鵜呑みにせず検算します。端数処理・税率の適用・日数計算(うるう年や月末処理)に誤りが紛れやすいので、答え合わせの前に自分でも計算し直します。
- Claudeに作らせた簿記の問題は、出題区分表に載っている項目の範囲内かを、答え合わせの前に区分表と見比べます。範囲外の論点が混ざっていたら、その問題は練習から外します。
- 段階分けの指示は、長い会話の途中で崩れることがあります。やり取りが長くなったら、「ここまでの段階分けのルールを守れていますか」と一度確認を挟むと、指示から外れにくくなります。
まとめ
受験日が2027年4月1日の前か後かで、簿記3級の配点や販売士の科目名、練習に使う区分表が変わります。プロンプトには、受験する回に適用される前提を書いてから渡します。勉強法全般の型はClaude勉強法にまとめています。