Claude CodeのAlliumプラグインでブロックチェーンデータにSQLを投げる
Alliumプラグインの導入、初回のサインイン、/allium-queryの動き、クレジットと行数の上限までを順に説明します。チェーン数の表記ゆれも扱います。
Claude Codeからブロックチェーンのデータにクエリを投げるなら、Allium Labsの allium プラグインを入れるのが近道です。入れるコマンドは2行で、同梱のMCPサーバー、11個のスキル、4つのエージェント、/allium-query コマンドが一度に入ります。
このプラグインはAllium自身が提供しています。マーケットプレイスのページには「Anthropic verified」の表示があり、ライセンスはMITです。残るのは、Alliumのアカウントでサインインすることと、SQLの実行にクレジットがかかる点の理解です。
2行で入れて、初回にサインインする
導入は、プラグインのリポジトリをマーケットプレイスとして登録し、そこからプラグインを入れる流れです。
/plugin marketplace add allium-labs/allium-claude-plugin
/plugin install allium@allium-labs/plugin install はセッション内ではすぐに入れず、/plugin パネルでプラグインの詳細を開きます。スコープを選んで確定すると、反映のために /reload-plugins が実行されます。シェルから入れたいときは claude plugin marketplace add と claude plugin install が同じ引数を取ります。
導入から最初のクエリまで
- 1
マーケットプレイスを登録する
/plugin marketplace add allium-labs/allium-claude-pluginを実行します。 - 2
プラグインを入れる
/plugin install allium@allium-labsを実行し、スコープを選んで確定します。 - 3
サインインする
初回の利用時にサインインを求められます。Alliumのアカウントがなければ、先に
app.allium.soで登録します。 - 4
質問を投げる
/allium-queryに質問文を渡します。
プラグインが接続するのは、Allium運営のホスト型MCPサーバー https://mcp.allium.so です。同梱の .mcp.json には、種別が http でURLだけを書いたエントリーが1つ入っています。認証はOAuthで、READMEは初回の利用時にサインインを求められると説明しています。ログイン画面はAlliumのもので、Google、SSO、メールのいずれかで入れます。
APIキーで使う道もあります。READMEは Authorization: Bearer <api_key> の形で送ると書いています。CIや自律エージェントのようにブラウザでサインインできない環境では、こちらが向きます。キーの保管と更新は利用者の側の仕事です。
同梱物は「データに届く道具」と「正しく聞くための手順」に分かれる
プラグインの中身は、MCPサーバーが提供するツールと、Claudeに使い方を教えるスキルです。役割が違うので分けて見ます。
MCPサーバーのツール
READMEが挙げるツールの用途は7つです。
- スキーマとドキュメントの検索
- SQLの実行と結果の取得
- Explorerのクエリ、ビジュアル、ダッシュボードの作成・読み取り・更新
- Explorerクエリの定期更新のスケジュール
- メトリクスカタログの読み取り(プランに含まれる場合)
- 公開されているTerminalダッシュボードの閲覧
- リアルタイムの価格、残高、ポジション、トランザクションの取得
SQLの実行は非同期です。run_sql_query は結果の行ではなく run_id を返し、行は get_query_run_results で取りにいきます。poll_timeout_seconds を渡すと完了まで待て、上限は1回あたり180秒です。この2つの呼び出しがセットだと知らないと、エージェントを自前で組むときに結果が見えません。
スキルとエージェント
スキルは11個です。
| スキル | 役割 |
|---|---|
sql-optimization | 役割SQLの性能パターンとチェーン固有の落とし穴。SQLを書く前に必須 |
product-guide | 役割Explorer、Realtime API、Datastreams、Datasharesと、対応チェーン一覧 |
dashboard-design | 役割set_dashboard のモデル、要素カタログ、レイアウト規則 |
explorer-visuals | 役割Explorerのビジュアルのチャート種別、スキーマ、配色 |
allium-investigation | 役割ソースを選び、方法を組み、検証して、根拠付きで主張する手順 |
data-matching | 役割質問に合うスキーマとソースを、SQLの前に選ぶ |
dex-analysis | 役割DEX・AMMの出来高、流動性、価格。二重計上の罠を含む |
stablecoin-analysis | 役割ステーブルコインの供給、移転、保有者 |
rwa-analysis | 役割トークン化された現実資産の供給、保有者、フロー |
bridge-analysis | 役割クロスチェーンブリッジの出来高とフロー |
lending-analysis | 役割レンディングの預入、借入、清算 |
dashboard-design と explorer-visuals の中身は、使う時点で get_skill が取りにいきます。スキーマがライブAPIのモデルから生成されるためです。つまり、この2つはプラグインのファイルに手順が入っていません。
エージェントは4つです。sql-expert はJOIN、CTE、ウィンドウ関数を使うクエリの作成と最適化、docs-expert はデータモデルとスキーマの質問、dashboard-builder は既存のExplorerクエリからのダッシュボード作成、realtime-expert は価格、残高、損益、Hyperliquidのデータを担当します。
/allium-queryは「スキルを読んでから、7日窓で撃つ」手順
コマンドは /allium-query の1つだけです。定義ファイルを読むと、手順は5つに固定されています。
get_skill(name="sql-optimization")を呼ぶsearch_schemasでテーブルを探す- 質問が別の期間を示さない限り、
block_timestampの7日窓でクエリを書く run_sql_queryで実行し、get_query_run_resultsで行を取る- クエリと、答えの根拠になった行数を添えて報告する
READMEの例に沿うと、次のように使います。
/allium-query Baseの先週のDEX出来高はいくら?READMEによれば、Claudeは該当する dex スキーマを探し、事前集計のメトリクステーブルがないかを確かめ、block_timestamp の窓でクエリを書いて実行します。報告には、数字と一緒に行数と期間が付きます。これは「例えば次のような流れになる」という公式の説明で、実行結果そのものではありません。
自然文で聞いてもスキルは働きます。READMEの例には、次のような質問が並んでいます。
- 「ERC-20の転送にUSD金額が付いたテーブルはどれか」(場所を探す)
- 「Monadに対応しているか。合計で何チェーンか」(対応範囲の確認)
- 「自分のUniswap出来高が公開ダッシュボードの約2倍になる」(数字の突き合わせ)
- 「ステーブルコインのクエリをダッシュボードにして」(ダッシュボード作成)
- 「このウォレットが動いている全チェーンのUSDC残高は」(ライブデータ)
突き合わせの例では、マルチホップのスワップでの二重計上、プロトコル単位とプロジェクト単位の集計の違い、手数料レッグの再構成を、この順で疑います。出来高が合わないときに、クエリを書き直す前に原因を順番に潰す手順です。
チェーン数は「135以上」と「85以上」の2つが並ぶ
プラグインのページとREADMEは、どちらも「135以上のチェーン」と書いています。一方でAlliumのMCPドキュメントは、概要ページとSQLのページで「85以上のチェーン」、ドキュメント全体の紹介文でも「85以上のブロックチェーン」と書いています。リアルタイムAPIのほうは「13以上のチェーン」です。
数え方の違いの説明はどちらにも載っていません。対応しているかどうかが大事な場面では、数字ではなく名前で確かめます。READMEの例にある通り、product-guide スキルには日付付きの対応チェーン一覧が入っていて、Claudeはモデルの記憶ではなくこの一覧を読んで答えます。
使う前に知っておく上限とクレジット
AlliumのMCPツールは、AlliumのExplorer UnitとDeveloper Unitの枠から差し引かれます。ツールごとの扱いは次のとおりです。
| ツール | 消費するもの |
|---|---|
run_sql_query、create_explorer_query、run_explorer_query | 消費するものExplorer Unit(ウェアハウスと実行時間で決まる) |
| リアルタイムとHyperliquid系 | 消費するものDeveloper Unit(エンドポイントごとに固定) |
update_explorer_query、delete_explorer_query | 消費するものツール呼び出しとして計上(クエリの計算は発生しない) |
スキーマ検索、ドキュメント検索、スキル取得、get_query_run_results など | 消費するもの無料 |
リアルタイム系は1回あたり20から60のDeveloper Unitで、get_realtime_token_latest_price に10件のペイロードを渡せば10倍です。さらに、課金対象のMCPツールは実行前にExplorer Unitの枠も確認されます。リアルタイムの呼び出しが、Explorer側の枠切れで断られることがあります。上限エラーが出たら両方の残高を見ます。
結果の行数にも三重の上限があります。
行数の上限
run_sql_query の1回の実行
1,000行
一時的なクエリ
保存したクエリの実行
10,000行
既定値。組織ごとに変更可
エージェントに返る行
50行
既定値。row_limit で変更
50行という既定値は、広い結果でエージェントのコンテキストを埋めないための数字です。1,000行を超える集計が必要なら、行を運ぶのではなくSQLの GROUP BY で縮めるほうが安く済むと、ドキュメントは書いています。
二重課金を避けるクエリの流し方
ドキュメントが警告として挙げているのが、同じSQLを run_sql_query で流したあとに create_explorer_query で保存すると、計算が2回課金される点です。結果を使い回しそうなら、最初から create_explorer_query に run_on_creation=true を付けます。
この使い分けは、プロジェクトの CLAUDE.md に書いておくとClaudeに伝わります。次のような短い断片で足ります。
## Allium(ブロックチェーンデータ)
- 試し打ちや行の確認は run_sql_query を使う
- 結果を共有・再利用しそうな集計は、最初から
create_explorer_query(run_on_creation=true) で作る
- 1,000行を超えそうなときは SQL 側で GROUP BY して縮める
- リアルタイム系ツールの前に get_realtime_supported_chains を1回呼ぶ組織によって見えるツールが違う点にも注意が要ります。ドキュメントによると、有効化されていない機能のツールは、エージェントに届く前に落とされます。メトリクスカタログのように、プランに含まれる場合だけのツールが一覧に出ないのは、故障ではなく仕様です。認証に失敗したときも、制限付きのツールは隠れる側に倒れます。期待したツールがなければ、まずAPIキーが有効かを見ます。
プラグインを使わずに入れる別ルート
MCPサーバーだけが欲しければ、プラグインを経由しない方法もあります。Allium側のドキュメントは、次の2つを案内しています。
# 公式インストーラー(サインインはブラウザで行う)
npx @allium-labs/mcp install --client claude-code --yes
# 手で登録する場合
claude mcp add --scope user --transport http allium https://mcp.allium.so登録後は /mcp を開いて allium を選び、ブラウザでサインインします。読み込むツールを絞りたい場合は、URLに toolsets を付けます。core、docs、explorer、dashboards、terminal、catalog、realtime の7種類があり、たとえば "https://mcp.allium.so?toolsets=core,realtime" のようにURLごと引用符で囲んで登録します。コンテキストに余裕がないときは core から始め、足りなければ足す進め方を、ドキュメントが勧めています。
プラグイン版は、同梱の .mcp.json が全ツールを読み込む設定です。ツールを絞りたい人や、スキルは自分のものを使いたい人には、手で登録するルートのほうが調整の余地があります。逆に、スキルとエージェントと /allium-query が揃った状態をすぐに試したいなら、プラグインです。プラグインの .mcp.json と手動登録は同じ https://mcp.allium.so を指すので、両方を残す必要はありません。どちらか一方の登録にそろえます。
別のリポジトリ allium-labs/skills には、allium-analyst と allium-agent という2つのプラグインがあります。allium-analyst は分析の手順をまとめたスキル群で、data-matching、allium-investigation の2つの手順スキルと、5つのセクター別スキルで構成されます。こちらはMCPを先に設定してから入れる前提で、/plugin marketplace add allium-labs/skills のあとに /plugin install allium-analyst@allium-labs を実行します。本記事の allium プラグインとはリポジトリが別で、同梱物の構成も違います。
使うときの見分け方
場面ごとの道具の選び方を表にします。
| 状況 | 向く道具 |
|---|---|
| 過去のオンチェーンデータを集計したい | 向く道具/allium-query と履歴SQL |
| 数字が公開ダッシュボードと合わない | 向く道具allium-investigation と各セクタースキル |
| いまの価格や残高を取りたい | 向く道具realtime-expert(SQLは使わない) |
| 結果を共有したい、グラフにしたい | 向く道具create_explorer_query と dashboard-builder |
| ツールを絞りたい、スキルを持ち込みたい | 向く道具claude mcp add と toolsets |
READMEには「アプリにサブ秒の遅延で残高を載せたい。ExplorerとRealtimeのどちらか」という質問例もあり、遅延と配信方式の違いから製品を選ぶ話になります。
データベースにつなぐ別のプラグインとの違いも押さえておきます。AlloyDBプラグインの導入記事やCloud SQL for PostgreSQLプラグインの記事は、自分のデータベースに接続する話です。Alliumは自分のデータではなく、Allium側が持つ公開チェーンのデータに、ホスト型のMCP経由でSQLを投げます。接続情報を用意する代わりに、アカウントとクレジットを用意する形です。
チーム全員に同じプラグインを配る設定は、プラグインマーケットプレイスの必須化の記事にまとめています。