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Claude CodeのAMD Skillsプラグインで5つのスキルを使い分ける

Claude CodeのAMD Skillsプラグインで5つのスキルを使い分ける

AMDのamd-skillsプラグインは、Ryzen AIでの画像・音声処理、Instinct GPUでのvLLM配信、トレース解析のスキルを束ねています。入れ方とスキルごとの前提、AGENTS.mdの落とし穴を示します。

amd-skillsは、AMDが公開しているClaude Code向けのプラグインです。Ryzen AI搭載PCで画像生成や音声処理を手元に寄せるスキルと、AMD Instinct GPUでLLMを配信するスキルが入っています。GPUカーネルやPyTorchのトレースを解析するスキルも含まれます。

どのスキルも、AMDのハードウェアかそのソフトウェアスタックがある環境が前提です。手元がAMD環境でなければ、入れても使いどころがありません。

amd-skillsプラグインとは何か

claude.comのマーケットプレイスでは、提供元は「Made by AMD」、説明は「AMD Agent Skills: Ryzen AI for images/audio, Instinct GPUs for LLMs via vLLM, GPU kernel & PyTorch trace analysis」と表示されます。導入数は92です。

中身はGitHubのamd/skillsリポジトリが元になっています。READMEによると、各スキルはAMD内のROCm、Ryzen AI、Lemonadeなど、製品ごとのチームが持つリポジトリから取り込まれます。amd/skillsはそれらを束ねるカタログという位置づけです。取り込みは夜間ワークフローで、変更があったスキルだけが別々のプルリクエストになります。

READMEは冒頭で、このカタログが公開しながら育てている段階だと断っています。スキルの一部はテクニカルプレビューで、状態は元の製品に依存します。

入れ方と、最初に確かめること

リポジトリには.claude-plugin/marketplace.jsonがあり、マーケットプレイス名もプラグイン名もamd-skillsです。Claude Codeのセッション内で次の2行を実行します。

/plugin marketplace add amd/skills
/plugin install amd-skills@amd-skills

公式ドキュメントでは、セッション内の/plugin installはすぐには入れず、プラグインの詳細パネルを開いてスコープを選ばせると説明されています。反映されないときは/reload-pluginsで読み込み直せます。入れたあとは/を押すと、スキルが/<plugin>:<skill>の形で並びます。このプラグインなら/amd-skills:local-ai-useのような名前です。

claude.comのマーケットプレイスのボタンから入れる場合は、ドキュメントによるとclaude plugin install <name>@claude-plugins-officialの形のコマンドがコピーされます。コピーされた文字列をそのまま使ってください。

READMEの記述とずれている点

READMEの「Manual installation」には、マーケットプレイス連携が入るまでは手動で入れる、と書かれています。一方でリポジトリにはmarketplace.jsonがあり、claude.comにも掲載ページがあります。READMEより掲載のほうが先に進んでいると見るのが自然です。上の2行が通らなければ、次の代替経路があります。

READMEが案内するスキル単位の導入です。

npx skills add amd/skills --list
npx skills add amd/skills --skill local-ai-use --agent claude-code

1行目で入れられるスキルの一覧を見て、2行目で1本だけを入れます。npxにはNode.jsが要ります。クローンしてskills/の中のフォルダを~/.claude/skills/か.claude/skills/へコピーする方法もあります。

チームで揃えるなら

プロジェクトスコープで入れると、有効化の記録が.claude/settings.jsonに書かれます。コミットしても同僚の手元にプラグインが落ちるわけではありません。各自がclaude plugin install amd-skills@amd-skills --scope projectを一度実行します。

プラグインに入っているスキルと、入っていないスキル

READMEのカタログには12本が並びますが、プラグインに束ねられるのはその一部です。リポジトリのmarketplace.jsonが列挙しているのは次の5本です。

スキル役割動かす場所
local-ai-use役割画像生成・音声合成・音声認識をローカルのLemonadeに回す動かす場所Ryzen AI搭載PCなど
local-ai-app-integration役割既存アプリにローカルAIを組み込む動かす場所開発者のPC
serving-llms-on-instinct役割InstinctでvLLMのエンドポイントを立てる動かす場所Instinct GPUのホスト
tracelens-analysis-orchestrator役割PyTorchプロファイラのトレースを解析する動かす場所トレースのある環境
hyperloom-workload-optimizer役割推論スループットを自律的に最適化する動かす場所Instinct GPUのホスト

カタログにあってこの5本に含まれないのは、rocm-doctor、lemonade-router-builder、quark-install、quark-torch-llm-ptq、serving-llms-on-epyc、magpie-kernel-evaluator、rocprofiler-pc-samplingの7本です。ROCmの不具合診断やGPUカーネルの評価が目的なら、プラグインを入れても出てきません。npx skills add amd/skills --skill rocm-doctor --agent claude-codeのようにスキル単位で入れるのが、READMEに載っている経路です。

マーケットプレイスのページの説明文は、Hyperloomに触れず「GPU kernel & PyTorch trace analysis」と書いています。manifestはmainブランチのものなので、掲載ページとリポジトリで入るスキルが食い違うことがあります。入れたあとに/で出てくる一覧を、実際の中身として見てください。

Ryzen AIで画像・音声を手元に寄せる(local-ai-use)

local-ai-useは「一度だけ走らせる設定用のスキル」です。実行すると、以後の画像生成、音声合成、音声認識の依頼を、クラウドAPIではなく手元のLemonade Serverへ回すルールが書き込まれます。チャットの文章生成は、これまでどおりClaude Codeのモデルが担当します。

スキルの前提は次のとおりです。

  • OSはWindows 11 x64、Ubuntu/Debian x64、macOS(ベータ)
  • Lemonadeはv10.1.0以降。無ければセットアップスクリプトが入れる(Windowsはwinget、UbuntuはPPA、macOSはHomebrewのcask)
  • Linuxでの導入にはsudoが要る。入れたくなければ--no-installを付ける
  • 空きディスクは約8GB。既定モデルは画像のSD-Turbo(約5GB)、音声合成のkokoro-v1、音声認識のWhisper-Tiny

モデルはセットアップ時に落とさず、その種類の依頼が最初に来たときに取得されます。初回の画像生成だけ、数GBの待ちが出ます。Whisper-Large-v3-Turboなど別のモデルに変えるときは、--image-model、--tts-model、--stt-modelでIDを渡します。

Claude Codeには、次のように頼みます。

AMD Skillsのlocal-ai-useで、このワークスペースの画像生成をローカルに切り替えて

AGENTS.mdに書かれるルールがClaude Codeで効くか

このスキルはルールを作業フォルダのAGENTS.mdに追記します。スキルの説明は「CursorとClaude Codeは毎ターンAGENTS.mdを読む」としています。Claude Codeの公式ドキュメントでは、AGENTS.mdだけがあってCLAUDE.mdが作業ディレクトリ以上のどこにも無いときに、AGENTS.mdが読まれると説明されています。CLAUDE.mdがあるプロジェクトでは、既定でCLAUDE.mdだけが読まれます。AGENTS.mdの直接読み込みにはv2.1.277以降が必要です。

つまり、すでにCLAUDE.mdを置いているリポジトリでスキルを走らせても、書き込まれたルールは次のセッションで読まれない可能性があります。対処は2つあります。

  1. CLAUDE.mdから@AGENTS.mdで取り込む
  2. スキルの説明にある代替どおり、同じブロックをCLAUDE.mdへ写す

ルールは<!-- BEGIN amd-skills:local-ai-use -->と<!-- END amd-skills:local-ai-use -->で囲まれています。写すときもこのマーカーを残すと、スクリプトを再実行したときにブロックが二重にならず置き換わります。

クラウドへの切り戻しにも決まりがあります。ルールは、ローカルで1回失敗し、かつ利用者に失敗を伝えたあとにだけクラウドAPIへ落とすよう指示しています。黙って切り替えることはしません。

local-ai-app-integrationとの違い

エージェント自身の画像生成を手元に寄せたいならlocal-ai-useです。自分が作っているアプリにローカルAIを組み込むのは、local-ai-app-integrationの担当です。後者はlemondを子プロセスとして同梱し、既存のHTTPクライアントのbase_url、api_key、120秒のタイムアウトの3点を書き換えます。両方の説明文に「相手には使わない」と書かれているので、依頼文で用途を言い分けると取り違えを防げます。

Instinct GPUでLLMを配信する(serving-llms-on-instinct)

serving-llms-on-instinctは、MI300X、MI325X、MI350X、MI355XなどのInstinct GPUでvLLMのエンドポイントを立てるスキルです。流れは次のとおりです。

手順

serving-llms-on-instinctの流れ

  1. 1

    GPUを検出する

    scripts/detect.pyがgfx_version、VRAM、GPU数、ROCmのバージョンをJSONで返します。

  2. 2

    環境を検証する

    scripts/validate.py --auto-fixで確認します。readyがfalseなら先へ進みません。

  3. 3

    レシピを更新し、Dockerコマンドを組む

    vllm-project/recipesから取り込んだレシピを使い、キャッシュが24時間より古ければsync_recipes.pyで更新します。

  4. 4

    利用者に確認する

    モデルID、精度、重みのメモリ、TP、コンテキスト長、ポートをまとめて見せ、了承を待ちます。

  5. 5

    起動して健全性を確認する

    /healthが通るまで待ちます。ロード中の503は正常です。

前提は、GPUホストにROCmドライバとamd-smi、動作するDocker、/dev/kfdと/dev/driがあることです。ゲートモデルにはHugging Faceのトークンが要り、さらにそのアカウントでモデルのライセンスに同意している必要があります。同意が無いと、原因が見えにくい「Engine core initialization failed」で落ちます。トークン無しで動かすなら、既定のQwen3.5-9Bが使えます。

スキルの説明は、NVIDIA GPU、RXなどの消費者向けAMD GPU、Ryzen AI、NPU、MI250X、MI100には使わないと明記しています。手元のRadeonで試す用途には向きません。

注意点として、スキル本文のGotchasにある症状を挙げておきます。

  • CUDA_VISIBLE_DEVICESを空文字にすると、ROCmでは全GPUが見えなくなる。台数を絞るときは0,1のように指定する
  • gfx942(MI300X)ではVLLM_ROCM_USE_AITER_FP4BMMを0にする必要がある
  • グラフキャプチャ中のOOMは--enforce-eagerで避けられるが、デコードの遅延はわずかに増える
  • /dev/kfdの権限エラーはvideoとrenderグループへの追加で直る(再ログインが要る)

リモートのGPUホストを使うときは、パスワード無しでSSHできる鍵設定が前提です。

トレース解析と最適化(tracelens・hyperloom)

tracelens-analysis-orchestratorは、PyTorchプロファイラのトレースをTraceLensで解析します。システム側の分析と計算カーネルの分析を、サブエージェントで並列に走らせて、優先順位付きのanalysis.mdにまとめます。手順の詳細は、同梱のreference.mdにあります。

hyperloom-workload-optimizerは、モデル、フレームワーク、ワークロード、目的、時間の予算を渡すと、設定やカーネルの変更を試して、効果があった組み合わせを報告するスキルです。入口の役割で、Hyperloomのwheelを入れて/hyperloom-setupを実行し、あとは各専用のスキルに任せます。通常のモデル配信を立てたいだけの用途や、壊れたROCmの診断には使わないと明記されています。

導入前のチェックリスト

最後に、依頼の種類ごとの入口を並べます。

やりたいこと使うもの先に確認すること
画像・音声のAPI費用を減らしたい使うものlocal-ai-use先に確認することOSとLemonade v10.1.0以降、約8GBの空き、CLAUDE.mdとの関係
アプリにローカルAIを組み込みたい使うものlocal-ai-app-integration先に確認すること既存アプリがクラウドAIをHTTPで呼んでいること、Windows/Linux x64
Instinctで推論サーバーを立てたい使うものserving-llms-on-instinct先に確認することROCm、Docker、/dev/kfd、HFトークン
トレースのボトルネックを知りたい使うものtracelens-analysis-orchestrator先に確認すること解析するトレースファイルがあること
ROCmが動かない原因を調べたい使うものrocm-doctor(プラグイン外)先に確認することnpx skills addで個別に入れる

同じマーケットプレイス形式の導入はDuckDBのスキルプラグインの記事と同じ流れです。ベンダー製スキルの束としてはhuggingface-skillsプラグインやaws-coreプラグインも同型で、前提の確かめ方を比べられます。

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