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Claudeのmetrics-reviewで週次・月次の指標レビューを回す手順

Claudeのmetrics-reviewで週次・月次の指標レビューを回す手順

product-managementプラグインのmetrics-reviewスキルで、指標のスコアカード作成、急増急減の調査、週次・月次レビューの回し方を整理。入力の渡し方と使いどころの限界も扱います。

metrics-reviewは、Anthropicのknowledge-work-pluginsにあるproduct-managementプラグインのスキルです。期間か注目指標を渡すと、プロダクト指標のスコアカード、トレンドの読み解き、次に打つ手までを1つのレビューにまとめます。

使い方は単純ですが、結果の質は「何を渡すか」でほぼ決まります。ここでは導入、データの渡し方、週次・月次での回し方、急増急減の調査、読むときの注意点を順に説明します。プラグイン全体の概観はClaude部門別プラグインの使い方にあります。

metrics-reviewは何を返すスキルか

SKILL.mdの説明文は、週次・月次・四半期のレビュー、急な増減の調査、目標との比較、数字を推奨アクション付きのスコアカードにすることを対象に挙げています。引数のヒントは<time period or metric focus>、つまり期間か指標の絞り込みです。

出力は6つの塊で定義されています。

塊中身
Summary中身2〜3文で製品の健康状態と目立つ変化
Metric Scorecard中身指標・現在値・前期間・変化率・目標・状態の表
Trend Analysis中身変化の大きさ、考えられる要因、一過性か継続かの見立て
Bright Spots中身目標を上回った指標や強い区分
Areas of Concern中身目標未達、悪化傾向、見えていない指標
Recommended Actions中身調査・実験・投資・アラートの4種類の次の一手

末尾にContext and Caveatsとして、データ品質の問題や比較を歪める出来事(障害・祝日・ローンチ)も書かせる設計です。スコアカードの状態欄はOn track / At risk / Missの3段階で、0〜100の点数ではありません。

導入と呼び出し

プラグインの導入はREADMEのとおり2コマンドです。

claude plugin marketplace add anthropics/knowledge-work-plugins
claude plugin install product-management@knowledge-work-plugins

導入経路の選び方はclaude plugin installの導入経路に詳しくあります。Claude.aiやCoworkで使う場合の考え方はClaude.aiのプラグイン機能が扱っています。

Claude Codeではプラグインのスキルに/プラグイン名:スキル名の名前空間が付くので、呼び出しは次の形です。SKILL.md自身は/metrics-review $ARGUMENTSと書いていますが、Claude Codeの公式docsは「プラグインのスキルは/plugin-name:skill-nameとして使える」と定めています。

/product-management:metrics-review 先週(10/20〜10/26)。North Starと獲得・定着を中心に

スキルは説明文に基づいて自動で呼ばれることもあります。「先月の指標をレビューして」と普通に頼めば、Claudeがこのスキルを選ぶ場合があります。

最初に決まる分岐 — 分析ツールがつながっているか

SKILL.mdの手順1は、分岐から始まります。

  • ~~product analyticsが接続されていれば、対象期間の主要指標、比較データ(前期間・前年同期・目標)、あればセグメント別の内訳を自分で取りにいく
  • 接続されていなければ、ユーザーに指標と値、比較データ、直近の出来事を出してもらう

~~product analyticsはツール名ではなく「プロダクト分析」というカテゴリの仮置きです。CONNECTORS.mdでは、同梱のサーバーとしてAmplitudeとPendoが、別の選択肢としてMixpanel・Heap・FullStoryが挙がっています。同梱の.mcp.jsonにはAmplitudeの米国版とEU版、Pendoの接続先が入っています。

接続がなくても動きます。むしろ、最初の試運転は接続なしのほうが挙動を追いやすい構成です。CSVの貼り付けやスクリーンショットで足ります。AmplitudeをClaudeにつないだ場合の見え方はAmplitudeコネクタで利用が落ちた契約を洗う手順が実例になります。

聞き返される4項目を先に渡す

スキルはユーザーに対して、期間、注目する指標(全体か絞るか)、目標値、既知の出来事(ローンチ・障害・キャンペーン・季節要因)の4つを確認するよう書かれています。最初の依頼に含めておくと、往復が減ります。

期間: 2026年10月(前月比)
指標: 新規登録数、アクティベーション率、D7継続率、有料転換率、週次アクティブ
目標: アクティベーション率 45%、D7継続率 30%
出来事: 10/8にオンボーディング画面を変更、10/15〜16に決済障害
データ: 以下のCSVを貼ります(列: 指標, 9月, 10月)

これは入力の一例で、書式にきまりはありません。ポイントは、目標と出来事を数字と同じ場所に置くことです。SKILL.mdのTipsは「文脈のない絶対値は役に立たない」と明言しており、前期間や目標と並べて初めてStatusが決まります。

週次レビューと月次レビューの違い

SKILL.mdにはレビューの頻度ごとの設計が書かれています。同じスキルでも、頼み方を変えると見る範囲が変わります。

頻度時間の目安見るもの終わり方
週次時間の目安15〜30分見るものNorth Starの前週比、L1の目立つ動き、実験の結果と有意性、異常値、アラート終わり方おかしければ調査、そうでなければ記録して進む
月次時間の目安30〜60分見るものL1スコアカード全体の前月比、四半期OKRの進捗、コホート分析、直近ローンチの採用状況、セグメント間の乖離終わり方調べるか投資する領域を1〜3つ選ぶ
四半期時間の目安60〜90分見るものOKRの採点、前年比、競合の動き、うまくいった点と悪かった点終わり方次四半期のOKRを決める

週次は「異常がないか」、月次は「どこに時間を使うか」を決める場です。依頼文にもこの違いを書いておくと、出力の粒度が合います。

週次チェックとして見て。North Starの前週比、L1で大きく動いた指標、実験の結果だけ。
異常がなければ「異常なし」の1行で構いません。
月次レビューとして、L1全体のスコアカードと、コホート別の継続率の差を出して。
最後に、来月調べる領域を最大3つに絞って。

指標の階層をスキルに渡す

手順2は、指標をNorth Star、L1、L2の3層に整理するよう求めます。ユーザーが階層を定義していなければ、まずNorth Starと主要なL1を一緒に決めてから進めるとあります。

  • North Star: 製品の価値を最もよく表す1つの指標。例として、開発者ツールなら「ツールを使った週次デプロイ数」が挙げられています
  • L1: 5〜7個の健康指標。獲得・アクティベーション・エンゲージメント・継続・収益化・満足度の各段階に対応する
  • L2: L1が動いた理由を調べる診断用の指標(ファネルの各段、機能別利用、プラン別・地域別の内訳、エラー率やレイテンシ)

この定義は、毎回貼るより一度ファイルに置いたほうが安定します。たとえば、プロジェクトのCLAUDE.mdに次のように書いておけば、毎回の依頼で階層の説明を省けます。

## プロダクト指標の定義(metrics-reviewで参照)
- North Star: 週次でコアワークフローを完了したアクティブチーム数
- L1: 新規登録数 / アクティベーション率(初回プロジェクト作成まで) / D7・D30継続率 / 有料転換率 / NPS
- 目標(2026年Q4): アクティベーション率45%、D7継続率30%
- 集計の注意: 決済障害のあった日(10/15〜16)は比較から除外して併記する

CLAUDE.mdに置いた内容は、スキルの外から渡す前提情報としてClaudeが読みます。スキル自体に書き込むわけではない点だけ押さえてください。

急増・急減の調べ方

SKILL.mdの「Analyze Trends」は、指標ごとに5点を埋めるよう求めています。現在値、前期間比のトレンド、目標との差、変化率の加速か減速か、異常値の有無です。そのうえで相関も探します。ある指標の動きが別の指標と連動しているか、先行指標が遅行指標を予測しているか、集計値の動きが特定のコホートに由来していないかという3つの問いです。

急減の調査を頼むときは、この構造に乗せると答えが具体的になります。

10月のアクティベーション率が9月の48%から39%に落ちた。
次の順で調べて、各段階で分かったことと不明な点を分けて。
1. 10/8のオンボーディング変更の前後で分けて比較
2. 流入チャネル別・プラン別の内訳
3. 同時に動いた指標(登録数、初回ログインまでの時間)

Tipsには、帰属に慎重であること(相関は因果ではない)、全体が横ばいでも一部のセグメントが伸びて別が縮んでいる可能性、小さな揺れはノイズであることが書かれています。出力に「原因はこれです」と断定が出てきたら、根拠のデータが渡した資料の中にあるか確かめてください。

スキルが持っている指標の読み方

SKILL.mdの後半は、指標ごとの読み方のリファレンスになっています。レビューの出力はこの見方に沿って書かれるので、読む側も知っておくと解釈のずれが減ります。

  • DAU/WAU/MAU: 「アクティブ」の定義を先に決める。ログインか、画面表示か、コア操作かで数字が変わる。DAU/MAU比は、0.5超が毎日使う習慣、0.2未満が低頻度の目安とされている
  • 継続率: D1・D7・D30・D90で見る。コホート別の曲線で、初回の急落はアクティベーションの問題、緩やかな低下はエンゲージメントの問題、平らになれば安定した定着層ができた合図という読み分け
  • コンバージョン: ファネルの各段で測り、最も落ちる段を改善の優先候補にする。流入元・プラン・ユーザー種別で分けると、見え方が大きく変わる
  • アクティベーション: 継続したユーザーと離脱したユーザーの行動差から「価値を感じた瞬間」を定義する。初回プロジェクト作成、チーム招待、連携の接続などが例に挙がっている

数字の置き方でいちばん効くのは、目標の決め方です。SKILL.mdはベースライン、ベンチマーク、現在の傾向、投入する労力、達成の自信の5点を挙げています。すでに月5%で伸びている指標に6%の目標を置いても挑戦にならない、という例が添えられています。OKRなら、ストレッチ目標の達成度は70%を狙い、期末の採点は0.0〜0.3が未達、0.4〜0.6が前進、0.7〜1.0が達成という基準です。

レビュー後に頼める追加作業

手順5のFollow Upは、レビューを出したあとの追加依頼を4つ挙げています。

  1. 気になった指標の深掘り調査
  2. 継続監視用のダッシュボード仕様の作成
  3. 懸念領域に対する実験案の起草
  4. 定期レビュー用のテンプレート作成

4つ目が、毎週回す運用に直結します。初回のレビュー結果を見て「この構成を来週以降も使うテンプレートにして」と頼めば、次回からは数字を差し替えるだけの形にできます。ダッシュボード仕様には、「指標の数は5〜10個に絞る」「最重要の指標を最も目立たせる」「全指標に前期間・目標・傾向を添える」「全員向けの1枚にしない」といった原則が書かれています。アラートについては、通知は対処できるものに限ること、各アラートに担当者を置くこと、誤検知が多ければ見直すことが挙げられています。

週次を自動で回す

スキルは対話で動く前提のため、定期実行はClaude側のスケジュール機能と組み合わせます。Coworkのスケジュールタスクの組み方は、取引先ニュースの定期監視の記事が実例です。毎週月曜の朝に「先週分の指標をレビューする」依頼を走らせるなら、分析ツールの接続を済ませておくのが前提になります。貼り付け型の入力は、人が数字を貼る工程が残るためです。

使う前に知っておく限界

  • 数字を検証する仕組みはない: スキルは渡された値を整理・解釈します。集計の誤りやデータ欠損は、Context and Caveatsに自己申告させるしかありません
  • 目標が無いとStatusが付けにくい: On track / At risk / Missは目標との比較で決まる欄です。目標を渡さないと、判定が曖昧になります
  • 業界ベンチマークの出典はない: SKILL.mdには「DAU/MAUが0.5を超えると毎日使う習慣」などの目安が書かれていますが、出典は示されていません。自社の過去値と比べる材料として使うのが安全です
  • 接続先は拡張前提: 同梱の分析ツール以外を使う場合は、MCPサーバーを自分で追加します

回し方のまとめ

最初の1回は、分析ツールなしで、先月と今月の数字をCSVで貼るところから始めると、出力の型がつかめます。そのうえで指標の階層と目標をCLAUDE.mdに固定し、週次は「異常の有無」、月次は「次に調べる領域を3つ以内」と終わりの形まで依頼に書くと、毎回の出力がそろいます。

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