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Claude Codeのaws-startup-advisorプラグインでスタートアップのAWS構成を相談する

Claude Codeのaws-startup-advisorプラグインでスタートアップのAWS構成を相談する

AWSが公開するaws-startup-advisorの導入手順、12個のskillの役割分担、フックが何をするか、配布元の移転とあわせて入れる前に知っておく点をまとめます。

aws-startup-advisorは、AWSのスタートアップ支援チームが公開しているプラグインです。入れると、Claude Codeが「資金とチームの規模に合わせた最小のAWS構成」を提案し、必要なら構成をプロジェクトに書き出し、GCPやHerokuからの移行や、Bedrockへのモデル呼び出しの載せ替えまで進めます。

この記事では、導入前に押さえる配布元の移転、同梱される12個のskillの使い分け、フックが裏で何をしているか、手元の環境に合わせた相談の仕方を順に扱います。

配布元は移転済み: awslabs/startupsではなくagent-toolkit-for-awsから入れる

Claudeのマーケットプレイスのページは、このプラグインを「Amazon Web Servicesが作った、スタートアップ向けの構築・移行ガイダンス」と紹介しています。ページから辿れるawslabs/startupsリポジトリは、READMEの冒頭で非推奨と明記されています。プラグインはaws/agent-toolkit-for-awsへ移りました。

項目awslabs/startups(旧)aws/agent-toolkit-for-aws(現)
状態awslabs/startups(旧)非推奨。以後の更新は一切なしaws/agent-toolkit-for-aws(現)開発が続く側
aws-startup-advisorawslabs/startups(旧)「移転済み」と表示aws/agent-toolkit-for-aws(現)12個のskillを収録
migration-to-awsawslabs/startups(旧)「移転済み」と表示aws/agent-toolkit-for-aws(現)aws-startup-advisorに統合
既存インストールawslabs/startups(旧)動き続けるが、機能追加も修正もないaws/agent-toolkit-for-aws(現)—

旧リポジトリには、移転先に置き換えのないaws-startups-solution-architectureだけが残っています。マルチテナントの分離などを扱うプラグインで、必要ならこちらは旧マーケットプレイスのまま使います。

移転の影響は、旧リポジトリの構成図にも出ています。図に載るskillは5つですが、移転先のREADMEは12個を列挙します。旧図は参考にせず、移転先の一覧を基準にしてください。

migration-to-awsを単独で入れていた場合の事情は、migration-to-awsプラグインの記事で扱っています。いまはaws-startup-advisorを1つ入れれば、移行系のskillも付いてきます。

導入手順: マーケットプレイスを足して、プラグインを入れる

移転先のマーケットプレイスを追加してから入れます。

/plugin marketplace add aws/agent-toolkit-for-aws
/plugin install aws-startup-advisor@agent-toolkit-for-aws
/reload-plugins

aws-coreなどのプラグインはClaude Codeに最初から入っているclaude-plugins-officialから入れられますが、aws-startup-advisorのREADMEが示す入れ方は上の2行です。aws-coreとの違いはaws-coreプラグインの記事で比べられます。

旧マーケットプレイスから入れていた場合

旧リポジトリから入れたままだと、同じskillが2系統並びます。先に外します。

/plugin uninstall aws-startup-advisor@startups-for-aws
/plugin uninstall migration-to-aws@startups-for-aws
/plugin marketplace remove startups-for-aws

aws-startups-solution-architectureも使っているなら、marketplace removeは実行せず、旧マーケットプレイスを残してそのプラグインだけ入れ直す形になります。

手元に必要なもの

動かすのに要る前提は、READMEにまとまっています。

  • AWSアカウントと、手元のAWS認証情報(スキルが環境を調べたり作ったりする場合)
  • uv(同梱のMCPサーバーaws-mcpをuvxで起動する。このサーバーはAWSのドキュメント検索、リージョンごとの提供状況、認証済みのAPI呼び出しなどに使われ、ほかのMCPサーバーは要りません)
  • Python 3(同梱の検証スクリプト用)
  • Git(llm-to-bedrockが書き換え結果をブランチで渡す)
  • Terraform(生成したTerraformにfmtやvalidateをかけるときだけ)
  • Heroku CLI、Azure CLI、gcloud CLI(各移行skillでライブの環境を調べるときだけ。認証済みであること)

ドキュメント検索、リージョン別の提供状況の確認、リファレンス系のskillにはAWS認証が要りません。認証が要るのは、アカウント内のリソースを調べる・作る段階からです。

uv --version
python3 --version
export AWS_DEFAULT_REGION=us-east-1
aws sts get-caller-identity

3行目のリージョンは例です。最後のコマンドが通れば、Claude Codeから見える認証情報が有効だと分かります。READMEは、調査・助言・見積もりの段階では読み取り専用の認証情報から始め、書き込み権限は実際に使うリソースに絞るよう案内しています。

12個のskillは、相談・構築・移行・運用の4系統に分かれる

プラグインに入るのは12個のskillと、それを支えるサブエージェント7つです。READMEは「12個をまとめて入れる」ことを求めています。agent-advisorがgcp-to-awsに処理を渡すなど、skill同士が依存しているためです。

構成

12個のskillの系統

  • 相談(助言のみ)

    architect-for-startupsは、非エージェントのワークロードについて、ステージ・チーム・資金に合う構成を助言します。コードは書きません。

  • 構築(コードを書く)

    start-building-for-startupsが、対話で要件を聞き出し、コードベースを調べたうえで、AWSの足場と実装をプロジェクトに書き込みます。AIエージェントを作る場合はagent-advisorが受けます。

  • 移行

    azure-to-aws、gcp-to-aws、heroku-to-aws、llm-to-bedrock、Terraformの規約を担うtf-best-practicesです。

  • 運用と参照

    operate-on-awsが障害調査を、knowledge-base-for-startupsとprompt-library-for-startupsが参照用の資料を担当します。contextual-offers-for-startupsは、他のskillの回答が確定したあとで特典を添える役です。

聞き方に応じて、働くskillと手元への影響は次のように変わります。

聞き方の例働くskill手元のファイルを書き換えるか
「プレシードでエンジニア2人。AWS構成はどうする」働くskillarchitect-for-startups手元のファイルを書き換えるか書き換えない(助言のみ)
「新規アプリのバックエンドをAWSで作って」働くskillstart-building-for-startups手元のファイルを書き換えるかプロジェクトに書き込む
「このエージェントのランタイムはどれがいい」働くskillagent-advisor手元のファイルを書き換えるか実行できるPoCまで作る
「Google Cloudから移りたい、いくらかかる」働くskillgcp-to-aws手元のファイルを書き換えるか生成段階は任意。選んだときだけ成果物を出す
「デプロイ後にAPIが502を返す」働くskilloperate-on-aws手元のファイルを書き換えるか提案のみ。承認なしでは変更しない
「Activateクレジットの対象か知りたい」働くskillknowledge-base-for-startups手元のファイルを書き換えるか参照のみ

一覧で目を引くのは、ほとんどの入口が「まず助言か調査で止まる」作りになっている点です。書き込みが前提なのはstart-building-for-startupsだけで、移行系は生成段階が任意、運用系は変更の前に承認を挟みます。

最初の相談では、ステージ・予算・人数・クレジットを聞かれる

architect-for-startupsのSKILL.mdは、助言の前に事業の文脈をそろえる手順を定めています。ステージは次の4つで判断します。

ステージ目安優先される制約
プレ収益目安ユーザーなし、創業者1〜2人でMVP優先される制約速度
シード目安初期ユーザー1,000人未満、2〜5人優先される制約コスト
シリーズA目安1,000〜10万ユーザー、エンジニア5〜15人優先される制約過剰設計をしない信頼性
シリーズB以降目安15人超、収益あり優先される制約一般的なベストプラクティス

文脈をそろえる質問は6つです。

  1. 月のAWS予算の上限はいくらか
  2. インフラに触るエンジニアは何人か
  3. チームの技術的な背景は何か
  4. AWSクレジットはいくらで、いつ期限が切れるか
  5. 現在と12か月後のトラフィック・データ量はどれほどか
  6. これが壊れたら会社が終わる、という1点はどこか

SKILL.mdには「会話や記憶から推測できるなら聞かない。2つ以上欠けているときは、構成の提案の前に聞く」とあります。毎回6問に答えるのは手間なので、CLAUDE.mdに答えを書いておくと聞き返しが減ります。次は書き方の一例です。

## AWS構成の前提(スタートアップ向け助言用)
- ステージ: シード。エンジニア2名、インフラは兼任
- 月のAWS予算の上限: 500ドル
- AWSクレジット: 5,000ドル、期限は2027年3月
- 現在のトラフィック: 1日2,000リクエスト。12か月後は20倍を想定
- 止まると会社が終わる箇所: 決済Webhookの受信
- 認証は現行のAuth0を継続する(AWS側へ移さない)

数字は例です。入れるのは、助言が変わる事実に絞ります。上の例の最終行は、後述のフックが「現在使っている認証基盤は移行先に勧めず、継続を先に示す」という指示を持つことと噛み合います。

単一サービスの選定(認証、決済、ベクトルDBなど)は、予算や人数が分からなくても結論が変わらない場合に限り、プレ収益段階と仮定して1ターンで答える決まりです。「Cognitoで足りるか」のような質問は、聞き返されずに答えが返ります。

構築と移行は、確認の関門を挟んで進む

start-building-for-startupsは、1ターンに1つ、選択式の質問を出します。コードベースから読み取れる情報(言語、フレームワーク、DBなど)は聞かない決まりです。質問の優先順は、コーディングの目的、規模と成熟度、要件と制約、好みの順で、3〜4回質問したあたりで「実装を始める」の選択肢を出すよう指示されています。

移行系の3つ(Azure、GCP、Heroku)は同じ6段階で進みます。

手順

移行skillの6段階

  1. 1

    Discover(探索)

    Terraform、アプリのコード、請求エクスポートなどから現行環境を洗い出します。gcloudなどのCLIでライブの環境を読む場合は、読み取り専用で、利用者の同意が前提です。

  2. 2

    Clarify(確認)

    可用性、コンプライアンス、データの所在、切り替えで許せる停止、チームの余力など、構成を変える要件を詰めます。これが終わるまで設計には進みません。

  3. 3

    Design(設計)

    対応表に沿って移行先を決めます。Cloud RunはFargate、GKEはEKS、Cloud SQLはRDS、HerokuのPostgresはRDSまたはAurora、といった具合です。

  4. 4

    Estimate(見積もり)

    同梱のレート表と計算手順で月額を出します。計画用の数字なので、予算の確定前にAWS料金計算ツールで確かめる前提です。

  5. 5

    Generate(生成)

    見積もりのあとの分岐で選んだときだけ、Terraformなどの成果物を出します。

  6. 6

    Feedback(振り返り)

    最後の段階です。READMEは6段階の名前を挙げるだけで、この段階の中身は説明していません。

押さえておきたい取り扱いが3つあります。

  • BigQueryは対応づけない: gcp-to-awsは検出した記録を残すだけで、AWSの分析サービスは選びません。専門家に回す扱いです
  • Terraformにはセキュリティの基準線が付く: 基盤の移行ルートでは、GuardDuty、CloudTrail、IMDSv2、EBSの暗号化、予算アラートを入れたbaseline.tfが出ます。SOC 2、PCI、HIPAA、FedRAMPを対象に含めると、AWS ConfigとSecurity Hubの管理策が加わります
  • 移行クレジットの案内がある: gcp-to-awsとheroku-to-awsは見積もりの終了時にplan.jsonを書き、最大1,500ドルのAWS移行クレジットの申請リンクを案内できます。azure-to-awsはまだ対応していません

AIの載せ替えを受け持つllm-to-bedrockは、OpenAI、Gemini、AnthropicのAPI呼び出しをAmazon Bedrockへ書き換え、ゴールデンプロンプトの集合で品質を評価し、ブランチで返します。注意するのは、完全な移行にはgcp-to-awsかazure-to-awsが同じ環境に要る点です。単独で入れると評価前の段階で止まります。モデルを指定してアクセス権だけを確認する「アクセスのみ」モードは、単独でも動きます。

モデルの対応は一対一の等価ではなく、互換性を目安にした案です。READMEは、本番の切り替え前にプロンプト、ツール呼び出しの挙動、評価指標を検証するよう求めています。

障害調査はAWS DevOps Agentに渡し、費用と権限を先に開示する

operate-on-awsは、専任のSREがいないチーム向けに、AWS DevOps Agentへ障害調査を渡すskillです。既存の接続があれば確認だけで調査に入ります。接続がない場合は、初回のセットアップに入る前に次を示します。

  • 新規顧客に2か月の無料トライアルがあること
  • 該当するAWS Activateクレジットの適用
  • 通常の料金と、発生しうる費用
  • 調査に必要な、アカウント全体への読み取り権限と診断用の権限

承認はコストとアクセスをまとめた1つのYes/Noで、Yesが返るまでリソースを作りません。セットアップはDirected Actionsや、インフラを直すための強い権限を有効にしません。見つかった原因と修正案は提案として表示されるだけで、アカウントは変更されません。

リリース前の確認(プルリクエストのレビュー)は、セットアップ後の別の選択肢です。SKILL.mdはこの機能がプレビューの段階で、機能と料金が変わりうると明記しています。

フックは何をするか: 特典の案内と、任意の利用データ収集

プラグインは、Claude Codeのフックを4種類登録しています。入れる前に中身を知っておくと、画面に出る表示の意味がわかります。

フック動作
SessionStart動作特典案内の方針を読み込み、利用データの同意状況を確認する
PostToolUse(Skill)動作skillの呼び出しごとに利用データ用のスクリプトを実行する
PostToolUse(Write・Edit・Bash)動作ファイル編集やコマンド実行のたびに、移行用のスクリプトを非同期で実行する
Stop・SessionEnd動作移行に関するスクリプトを、終了時にもう一度実行する

特典の案内は「助言のあと、1行だけ」

SessionStartで読み込まれる指示文には、特典の出し方の決まりが書かれています。

  • 推奨の中身は、プラグインのskillが示す構成が決める。提携先の製品は、利用者が名指しした場合か、プラグイン内のskillが導入できる場合を除いて推奨にならない
  • 助言が確定したあとで、AWS Activateの提携特典が本当に関係するときだけ、斜体の控えめな1行を添える。なければ何も添えず、特典の仕組みにも触れない
  • 1回の回答に1件まで。5メッセージに1件、1セッションに2件が上限。表示済み、申込済み、辞退済みの特典は出さない
  • 利用者が特典をミュートしていれば、一切出さない
  • すでに使っている認証基盤(Auth0、Clerkなど)を、AWS側のものへ移すことは勧めない。使っている製品と競合する特典も出さない
  • 移行の途中や、構築・見積もりのやり取りでは、この指示からは特典を出さない

案内に付くリンクは、特典ごとのURLに?source=ide-startupAdvisor-claudeを足した追跡付きの形です。指示文の中に書かれた仕様なので、URLの付き方で、特典リンクだと見分けられます。助言の中身は特典に左右されない、というのが指示文の設計です。

利用データの収集は同意するまで送られない

READMEは、利用データの収集が任意で、同意するまで何も送られず、どのskillも収集に依存しないと説明しています。設定は/usage-dataで確認と変更ができます。

/usage-data status
/usage-data opt-out

コマンドの仕様では、引数はstatus、opt-out、opt-in、showの4つです。設定は~/.aws-startup-advisor/plugin-telemetry.jsonに保存されます。opt-inは、通知文を表示したうえで確認を取り、同意した場合にだけ記録します。オプトアウトしても、機能は何も無効になりません。

入れる前に確認したい点

プラグインの紹介ページとリポジトリの記述を並べると、確認すべき点が見つかります。

落とし穴

クレジットの残高や申請状況は、プラグインからは見えない

knowledge-base-for-startupsとprompt-library-for-startupsは、AWSが整えた資料を答える役で、利用者のアカウント固有の情報は引けません。クレジットの残高、Activateの会員状態、申請の進み具合はAWS Startupsのサイトで確認します。クレジットの残りは、前述のCLAUDE.mdに自分で書いておく運用が確実です。

  • 紹介ページと実体の範囲が違う: マーケットプレイスのページは、移行元としてGCP、OpenAI、Geminiを挙げています。配布元のREADMEには、AzureとHerokuの移行skillも載っています。ページの文面だけで対象を判断しないでください
  • 見積もりは計画用: 同梱のレート表から出した数字なので、契約前にAWS料金計算ツールで確かめます
  • 運用系は有料機能に接続する: AWS DevOps Agentは従量制です。無料トライアルの条件と費用は、セットアップ前に開示されます
  • 旧マーケットプレイスの併存: 同じskillが2つ読み込まれて挙動が重なる原因になります。入れ替えたら/pluginの一覧で重複がないか確かめます

Anthropic自身のスタートアップ支援は別の制度です。Claude側の特典はClaude Startupsの特典の記事にあり、AWS Activateのクレジットとは申し込み先も対象も別になります。

AWSの個別領域に絞って使いたい場合は、デプロイのDeploy on AWSプラグインや、Lambda中心のaws-serverlessプラグインのほうが、範囲が狭く扱いやすい場面もあります。

まとめ

aws-startup-advisorは、助言から入る作りです。ステージ、予算、人数、クレジットをCLAUDE.mdに書いておけば、最初の聞き返しが減り、構成の提案が手元の事情に寄ります。書き込みや移行の生成は、各skillが定めた関門を通ったあとに始まります。

入れるときは、旧リポジトリではなくaws/agent-toolkit-for-awsのマーケットプレイスを使います。特典の1行と利用データの収集がフックで動く点は、導入前に頭に置いておくと戸惑いません。

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