Claude CodeのCrowdStrike FoundryプラグインでFalconアプリを作る
CrowdStrikeのFalcon Foundryプラグインを入れると、Okta連携やFusionワークフロー、UI拡張を持つFalconアプリを自然文から作ってデプロイできます。前提、スキル、フックを解説します。
CrowdStrike Falcon Foundryのプラグイン(crowdstrike-falcon-foundry)は、Falconプラットフォームを拡張するアプリをClaude Codeから作るためのプラグインです。作りたいアプリを自然文で説明すると、Foundry CLIで雛形を作り、機能ごとにスキルへ実装を任せ、マニフェストを検証してFalconコンソールへデプロイするところまで進みます。
この記事では、導入前に揃えるもの、インストール、最初のプロンプト、スキルの構成、フックの働き、つまずきやすい点を順に扱います。
導入前に用意するもの
プラグインを入れただけでは動きません。Foundry CLIとFalconのアカウントが先に必要です。
- Foundry CLI: macOSとLinuxは
brew tap crowdstrike/foundry-cli && brew install crowdstrike/foundry-cli/foundry。Windowsはダウンロード版を使う - CrowdStrikeアカウント: Falcon Foundryにアクセスできるもの
- 認証:
foundry loginを実行して済ませる
認証の状態は foundry profile active で見られます。プロファイルが複数あるときは foundry profile list で一覧できます。
プラグインの本体は次の1行で入ります。
/plugin install crowdstrike-falcon-foundryマーケットプレイスの追加やプラグインの扱い全般はClaude Codeのプラグインとマーケットプレイスの解説にまとめています。
最初のプロンプトで何が起きるか
提供元のREADMEが勧める最初のプロンプトは、API連携、ワークフロー、UIの3種類をまとめて試す内容です。
Create a Falcon Foundry app for me that has an Okta API integration with openapi. Share its listusers endpoint with Falcon Fusion SOAR. Then, create a workflow that can be run on-demand to email or print the list of users. Finally, create a UI extension that calls the listusers endpoint and displays the results.
マーケットページの説明によると、Claudeはこの依頼を機能(capability)に分け、Foundry CLIで1つずつ雛形を作ります。実装は担当のスキルに委ね、マニフェストを検証してからFalconコンソールにデプロイします。各スキルには、CrowdStrikeのオープンソースのサンプルアプリに由来する参照実装が入っています。
プロンプトからデプロイまでの流れ
- 1
要件を機能に分解する
オーケストレーター役のスキルが依頼を読み、API連携・ワークフロー・UIなどの機能に切り分けます。
- 2
Foundry CLIで雛形を作る
foundry apps createやfoundry api-integrations createなどで、機能ごとの土台を作ります。 - 3
担当スキルが実装する
OpenAPI仕様の取り込み、YAMLワークフロー、サーバーレス関数、UIページを、それぞれのスキルが書きます。
- 4
検証してデプロイする
マニフェストを検証し、
foundry apps deployでFalconコンソールへ送ります。
READMEには、Claude Code、Codex、Copilot CLI、Cursor、Antigravity CLIの5つで、ローカルのクローンからこの例のプロンプトを使い、実際のFalcon Foundryテナントへアプリを構築・デプロイするところまで確かめたと書かれています。
13のスキルはハブとスポークで動く
スキルは、development-workflow を中心にした放射状の構成です。development-workflow が要件を読み、CLIで雛形を作り、機能ごとの実装を下位のスキルに渡します。security-patterns と debugging-workflows は、どの実装スキルからも呼び出される共通の脇役です。
| スキル | 役割 |
|---|---|
development-workflow | 役割アプリ全体の工程をまとめる司令塔 |
api-integrations | 役割OpenAPI仕様の取り込み、認証方式、SOARへの共有 |
functions-falcon-api | 役割関数からFalcon APIを呼ぶ(OAuth、SDK) |
workflows-development | 役割YAMLワークフローとFusion SOARのアクション・トリガー |
ui-development | 役割ReactまたはVueのUIページ(Shoelaceとテーマ) |
functions-development | 役割GoまたはPythonのサーバーレス関数 |
collections-development | 役割JSON Schemaによるデータモデルと読み書き |
ai-agents-development | 役割AIエージェントとナレッジベース、ツール公開 |
security-patterns | 役割OAuthスコープ、入力検証、コンテンツセキュリティ |
debugging-workflows | 役割CLI・マニフェスト・デプロイの切り分け |
e2e-testing | 役割@crowdstrike/foundry-playwright によるE2Eテスト |
app-upgrades | 役割テンプレートから入れたアプリを新しい版へ更新 |
fusion-redirect | 役割単独のFusionワークフロー依頼を別プラグインへ案内 |
数字にはずれがあります。マーケットページは「Ten specialized skills」と書いていますが、READMEのスキル表は上の13行です。どの数が現行かはREADMEにもマーケットページにも書かれていません。導入後に実際に読み込まれるスキルは、手元の環境で確かめるのが確実です。
フックが失敗を先回りで止める
このプラグインは、スキルだけでなくフックも持っています。マーケットページは「ドキュメントだけでは覚えにくいプラットフォーム固有の作法を強制する」ためと説明しています。READMEのフックは次の3つです。
| フック | きっかけ | 動き |
|---|---|---|
UserPromptSubmit | きっかけ「create a foundry app」のように、動詞とFoundryの名詞が並んだ入力 | 動きFoundryの意図を検出する。CLIコマンドやスキル名の明示でも反応する |
PreToolUse | きっかけFoundryの意図を検出した後のツール呼び出し | 動きFoundryのワークフロースキルを使うよう促す、ブロックしない助言を差し込む |
PreToolUse(CLIガード) | きっかけシェルコマンド | 動き--no-prompt の付け忘れと、アプリ構造を手作りするディレクトリ作成を指摘する |
CLIガードが防ぐ失敗は2つです。1つ目は --no-prompt の欠落で、対話待ちになって Error: EOF で止まります。2つ目はディレクトリの手作成で、不正な manifest.yml の原因になります。どちらも助言として差し込まれるだけで、操作は止まりません。見えるのは問題に当たったときだけです。
例外が1つあります。OpenAPI仕様をFalcon Foundry向けに調整できないとき、foundry api-integrations create だけはブロックされます。
Claude Codeでは、superpowers:brainstorming が呼ばれたときにも働きます。作業がFoundryアプリなら、Foundryのワークフロースキルへ切り替えるよう助言します。READMEは、フックがプロンプトとツールの入出力をキーワード照合に使うだけで、データはセッションの外に出ないと書いています。フックそのものの仕組みはClaude Code hooksの解説を参照してください。
Foundry CLIの主なコマンド
スキルが裏で呼ぶのは、次のようなコマンドです。READMEのクイックリファレンスから、主要なものを抜き出します。
foundry login
foundry apps create --name "My App" --no-prompt --no-git
foundry api-integrations create --name "X" \
--spec /tmp/spec.json --no-prompt
foundry ui pages create --name "X" \
--from-template React --no-prompt
foundry functions create --name "X" --language python --no-prompt
foundry workflows create --name "X" \
--spec /tmp/workflow.yaml --no-prompt
foundry apps deploy --change-type Patch \
--change-log "msg" --no-prompt
foundry apps releaseほぼ全てのコマンドに --no-prompt が付いている点が、CLIガードの存在理由です。人が打つときは対話で補えますが、エージェントが打つと入力待ちで止まります。手で補助的にコマンドを足すときも、同じ癖を持ち込むと安全です。
foundry apps deploy はFalconコンソールへのデプロイ、foundry apps release はカタログへのリリースです。この2つは用途が別なので、取り違えないようにします。
つまずいたときの切り分け
READMEの「Troubleshooting」には3つの型があります。
スキルが使われないとき
プロンプトに動詞とFoundryの名詞を入れます。「create a foundry app」「fix the foundry function」のような形です。途中からでも「Use Foundry skills」と言えば誘導できます。フックが働かない環境では、ルーターが働かないぶん、この明示が効きます。
認証が切れたとき
foundry profile active で今のプロファイルを見て、必要なら foundry login をやり直します。
デプロイが失敗するとき
foundry api-integrations createの直後にfoundry apps validate --no-promptを走らせる。Foundryのサーバー側のOpenAPIパーサーはredocly lintより厳しく、大きなベンダー仕様を弾くことがあるfoundry apps deployはプロジェクトのルートで実行する- 解決しないときは
debugging-workflowsスキルに切り分けさせる
OpenAPI仕様を取り込むアプリでは、1つ目が最も当たりやすい罠です。Lintを通した仕様でも、Foundry側では通らないことがあるためです。
Superpowersとの組み合わせ
READMEはobra/superpowersを併用の相手として挙げています。Foundryのスキルが固有のCLIとプラットフォームの知識を、Superpowersが計画・TDD・コードレビューの流れを担当する分担です。
ただし注意書きがあります。Superpowersなしの経路のほうが結果は安定する、という説明です。Superpowersのブレインストーミングが先に読み込まれ、Foundryのスキルが読まれる前に計画を作ってしまうため、Foundry固有の作法から外れやすくなります。併用するかどうかは、最初にFoundryのスキルを渡したいか、計画の型を優先したいかで決まります。
単独のFusionワークフローは別プラグイン
トリガーと既存のアクションだけで足りる単独のFusionワークフローは、アプリを作る必要がありません。この場合は姉妹プラグイン crowdstrike-falcon-fusion を使います。
/plugin install crowdstrike-falcon-fusion2つのプラグインは互いを検出し、適切なほうへ案内します。どちらも相手を必要としません。アプリ全体の工程ならFoundry、ライブのアクション探索を伴う単独ワークフローならFusionという使い分けです。fusion-redirect スキルがFoundry側で依頼を断り、Fusionプラグインを指すのはこのためです。
ローカルのクローンで試す
プラグインのスキルを改良したい、あるいはブランチを試したいときは、リポジトリをクローンして読み込めます。
git clone https://github.com/CrowdStrike/foundry-skills.git
claude --plugin-dir /path/to/foundry-skillsマーケットプレイスやこの --plugin-dir の経由では、スキルが crowdstrike-falcon-foundry:<skill> の名前空間で読み込まれます。変更を反映する条件はplugin-dirの再読み込みで解説しています。
READMEには、使い終わりに改善を提案させる運用も書かれています。セッションの最後に「このセッションで学んだことをスキルに反映して、ブランチを切ってPRを作って」と頼む流れです。つまずいた箇所が次の利用者の手間を減らします。
まとめ
このプラグインの価値は、Foundryの作法をスキルとフックに閉じ込めた点にあります。CLIの癖と、マニフェストの手作成という落とし穴を、人が覚えなくて済むようにしています。
向く場面ははっきりしています。Falconにアプリを足す作業で、API連携・ワークフロー・UIを横断して作りたいときです。単独のワークフローだけなら、Fusionプラグインで足ります。導入前に必要なのはFoundry CLIとアカウントで、ここが揃っていなければ何も始まりません。
セキュリティ製品のテナントへデプロイする操作を含むため、最初は検証用のテナントや小さなアプリで流れを確かめてから、本番に近い環境へ広げる進め方が現実的です。