Claude CodeをIntelliJの複数プロジェクトで使うとメモリが膨らむ件
IntelliJ IDEAを2ウィンドウ開き、それぞれでClaude Codeを動かすとメモリ警告が出る報告があります。どこまで分かっているかと、食っているのが誰かを切り分ける手順をまとめます。
IntelliJ IDEAで2つのプロジェクトを別ウィンドウで開き、両方でClaude Codeを動かすと動作が重くなり、IDEが「メモリ不足」の警告を出す。この報告はGitHubのissue #12940にあります。原因の特定には至っておらず、直った版もありません。
ここでは、報告に書かれていることと書かれていないことを分けたうえで、手元で「誰がメモリを食っているのか」を切り分ける手順を並べます。
issue #12940に書かれていること
報告者の環境は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS / ハード | 内容macOS 26.1、MacBook Pro M4 |
| IDE | 内容IntelliJ IDEA 2025.2.5(Ultimate) |
| Claude Code | 内容2.0.57 |
| モデル | 内容Sonnet(既定) |
| 起動場所 | 内容IntelliJ IDEAのターミナル |
再現手順は3行です。別々のIntelliJウィンドウで2つのプロジェクトを開き、両方でClaude Codeを起動し、それぞれで使います。すると動作が遅くなり、IDEに次の警告が出ます。
The IDE is running low on memory and this might affect performance. Please consider increasing the heap size.issueのラベルは bug / has repro / platform:macos / area:ide / memory / perf:memory です。
コメントは4件ありました。
- 2025年12月3日: 重複候補として3件のissueを挙げる自動コメント
- 同日: Anthropicの担当者が、最近の回帰か、IDEの外でも同じ高いメモリ使用量を再現できるかを質問
- 2026年1月12日: 30日間動きがないという自動コメント
- 2026年1月29日: 別のユーザーが「Still occuring」と1行
担当者の質問への返信はコメントに残っていません。つまり、IDEの外でも起きるのか、IDEとの組み合わせで起きるのかは、このissueの中では決着していません。
落とし穴
「メモリ警告」の主語はIDEのヒープ
警告文にあるheap sizeは、IntelliJ IDEAを動かすJVM(Javaの実行環境)のヒープです。Claude Code本体のメモリ使用量そのものを指す数字ではありません。issueはどちらが膨らんだのかを測っておらず、「2つ動かしたら警告が出た」という事実だけを述べています。
重複候補のissueから分かること
自動コメントが挙げた3件は、状態も中身もばらばらです。
| issue | 内容 | 状態 |
|---|---|---|
| #9658 | 内容複数のClaude Codeインスタンスが立ち上がり、ターミナルがちらつきCPUを消費(v2.0.14以降) | 状態closed(not planned) |
| #8968 | 内容v2.0.8以降、1インスタンスが2.5〜3GB、多いときは8GBを使う | 状態closed(not planned) |
| #12685 | 内容IntelliJプラグインの「Open Claude in Terminal」がEDTを453msブロック | 状態closed(not planned) |
#8968はIDEを使わず、macOSのTerminal.appで起動しただけでActivity Monitorに大きな値が出るという報告です。IDEの有無にかかわらずメモリを使うケースがあることは分かりますが、#12940の原因だとは言えません。#12685は別の症状(UIスレッドの停止)で、メモリの話ではありません。
重複候補は自動判定です。同じ原因の根拠として読むのは避け、「近い報告がある」程度に留めるのが安全です。
切り分け: 食っているのはIDEか、claudeか
原因が確定していない以上、読者の環境でどちらが重いのかを自分で測るのが先です。順番は次のとおりです。
メモリの出どころを見分ける順番
- 1
IDEのメモリインジケーターを出す
IntelliJ IDEAのステータスバーを右クリックし、Memory Indicatorを選びます。ヒープの使用量が見えるようになります。
- 2
claudeを動かす前後で比べる
プロジェクトAだけ、次にAとBの両方でClaude Codeを動かし、インジケーターの値を見ます。IDE側のヒープが大きく動くなら、IDEの設定を疑う材料になります。
- 3
OSの画面で claude のプロセスを見る
macOSならActivity Monitor、Windowsならタスクマネージャーで
claudeを探します。IDEのヒープが静かで、claudeのプロセスだけが大きいなら、IDEの設定を触っても効きません。 - 4
IDEの外で同じ作業を試す
同じプロジェクトを外部ターミナルで動かして使用量を比べます。担当者がissueで尋ねたのも、この点です。
ステップ3で claude が大きかった場合は、Claude Code側の公式トラブルシューティングが使えます。これはIDE連携とは無関係な、一般のメモリ対処です。
claude側が大きいときの手当て
Claude Codeのトラブルシューティングには、高いCPUやメモリへの対処として次の項目があります。
/compactを定期的に実行してコンテキストを小さくする- 大きな作業の合間にClaude Codeを閉じて起動し直す
- 大きなビルド出力のディレクトリを
.gitignoreに入れる claude --safe-modeで起動し、プラグイン・MCPサーバー・hookのどれかが原因かを確かめる
セッションのヒープが2.5GBを超えると、メモリ使用量が危険水準にあるという警告が出ます。対処は、Claude Codeを終了して claude --continue で会話を新しいプロセスに引き継ぐことです。
# 重いセッションを閉じたあと、会話を引き継いで新しいプロセスで再開
claude --continue
# プラグイン・MCP・hookの影響を外して使用量を比べる
claude --safe-modeそれでも高止まりするときは、セッション内で /heapdump を実行します。~/Desktop に <session-id>.heapsnapshot と <session-id>-diagnostics.json が書き出され、要約には「メモリがJSヒープにあるのか、ネイティブメモリにあるのか」も出ます。
IDE側が重いときの手当て
インジケーターが逼迫している場合は、IDEのヒープ上限を上げます。JetBrainsのドキュメントにある手順は次のとおりです。
- メインメニューのHelp | Change Memory Settingsを開く
- 割り当てるメモリ量を入れ、Save and Restartを押す
これはIDEを動かすJVMの -Xmx オプションを書き換える操作です。再起動して初めて反映されます。IDEは、GC後の空きヒープが最大ヒープの5%を切ると警告を出す仕組みで、警告のAdjust memory optionsからも同じ画面に入れます。値に迷うときは、IDEが提示する値を使うよう案内されています。
Toolbox Appで入れている場合は、インスタンスの設定にあるConfigurationのMaximum heap sizeでも指定できます。
運用で起動数を減らす
issueの条件は「別ウィンドウ2つ × それぞれにClaude Code」です。そこで、起動の数を絞る運用が考えられます。以下はドキュメントの記述から導ける組み立てで、メモリが減ると確認された方法ではありません。
起動数を減らす選択肢
使うウィンドウを決める
Claude Codeを動かすのは、いま作業しているプロジェクトのウィンドウだけにします。もう一方では、使い終わったセッションを閉じておきます。
外部ターミナルから /ide でつなぐ
JetBrainsプラグインのドキュメントでは、外部ターミナルで
claudeを起動し/ideを実行すれば、IDE連携の機能が有効になります。claudeがIDEのターミナルの外で動くので、IDEのウィンドウごとに1つずつ増える形を避けられます。IDEのヒープを上げておく
2つ開く運用を変えられないなら、先に上限を上げておけば警告は出にくくなります。ただし、claude側が重い場合の解決にはなりません。
外部ターミナルで動かす場合、IDEのプロジェクトルートと同じディレクトリで起動してください。ドキュメントによれば、そうするとClaudeがIDEと同じファイルを見ます。/ide が接続先を選べない、IDEを検出しないといった問題は、JetBrainsプラグインの導入と設定の切り分け節にまとめています。
報告の空欄から読めること
issueのフォームには、回帰かどうか(Is this a regression?)の欄があります。報告者の回答は「I don't know」で、最後に動いていた版(Last Working Version)は未記入です。2.0.57で初めて気づいた問題なのか、以前からあった問題なのかは、報告からは分かりません。
ラベルに platform:macos が付いていて、WindowsやLinuxで同じことが起きるかも未確認です。対して #8968は、同じmacOSでIDEを使わずに起きた別の報告でした。IDEとの組み合わせ固有の問題だと決めるには材料が足りません。
数字で確かめたいとき
メモリの話は体感で語りやすいので、記録を残すのが近道です。次の3点を控えておくと、issueに書くときも自分で比較するときも使えます。
- Claude Codeのバージョン(
claude --version)とIDEのバージョン - ウィンドウ数と、claudeを動かしたウィンドウの数
- IDEのヒープ(インジケーター)と、
claudeプロセスのメモリ(OSの画面)
#12940の報告はClaude Code 2.0.57、IntelliJ IDEA 2025.2.5での観察です。最近のバージョンで同じ構成を試した値があれば、issueに追記する価値があります。その際は、前述の -diagnostics.json だけを添えます。
まとめ
#12940は、2つのIntelliJプロジェクトでClaude Codeを同時に動かしたときのメモリ警告の報告で、原因も修正版も示されていません。確かなのは、警告がIDEのヒープに関するものだという点です。まずIDEとclaudeのどちらが大きいかを測り、IDEなら上限を上げ、claudeなら /compact や --safe-mode で絞る、という順で動くと無駄がありません。
システム全体のメモリが足りないという別の問題は、Claude Codeのシステム要件で扱っています。Windowsで claude.exe が溜まる場合は、claude.exeが溜まる原因と掃除の手順を見てください。