Claude CodeとJunie CLIの違い — BYOK・プランモード・IDE統合
JetBrains製のJunie CLIはモデルを選べるBYOK型で、Claudeの各モデルも使えます。Claude Codeとのプランモード、承認の仕組み、IDE統合の違いを並べます。
Junie CLIはモデルを選べるJetBrains製のターミナルエージェント
Junie CLIは、JetBrainsが出しているターミナル型のコーディングエージェントです。junieコマンドで対話画面を開き、コードの読み書きを任せる点はClaude Codeと同じ形をしています。最大の違いは、モデルの持ち方です。Junie CLIはOpenAI、Anthropic、Google、xAI、OpenRouter、GitHub Copilotの自前キーでモデルを選べるBYOK(Bring Your Own Key)型で、Claude Codeが動かすのはClaudeのモデルです。
JetBrainsの製品ページには、対応モデルとしてClaude Opus 5.5、Claude Sonnet 5.5、Claude Fable 5.1が並びます。Gemini、GPT、Grokも同じ一覧に載っています。つまり「Claudeを使うか」ではなく、「Claudeを使う入れ物としてどちらを選ぶか」という比較になります。
この記事は、Claude Codeを使っている開発者がJunie CLIを検討するときの判断材料を、モデル選択、プランモード、承認、IDE統合、拡張面、指示ファイルの順に並べます。
入れ物の考え方が違う
Claude Code
Claudeのモデルを前提に、ゲートウェイやクラウド経由で提供経路を変える設計です。
Junie CLI
複数プロバイダーの自前キーを接続し、/modelで切り替える設計です。
比較表 — 主な観点で違いを見る
| 観点 | Claude Code | Junie CLI |
|---|---|---|
| モデル | Claude CodeClaudeのモデル。--modelや/modelで切り替え | Junie CLIBYOKで10以上のモデル。/modelで切り替え |
| プランモード | Claude CodeShift+Tabで持続、/plan <依頼>は1回分、--permission-mode plan | Junie CLIShift+Tabか/plan、--plan(いずれも次の1プロンプト分) |
| 承認の仕組み | Claude Code権限モード(default / acceptEdits / plan / autoなど) | Junie CLIBrave mode(Off / Auto / On)とAction Allowlist |
| IDE統合 | Claude CodeJetBrainsプラグイン。差分表示と選択範囲の共有 | Junie CLIAir in IDEsで複数プロジェクトを横断 |
| 非対話実行 | Claude Codeclaude -p "<依頼>"。--output-formatで出力形式を選び、CIでは--bareを勧める | Junie CLIjunie --auth="$JUNIE_API_KEY" "<依頼>"。--reviewで直近コミットのレビュー |
| サブエージェント | Claude Code.claude/agents/のMarkdown。/agentsや--agentsでも定義 | Junie CLI.junie/agents/のMarkdown。自動委任のみで手動起動は不可 |
| 指示ファイル | Claude CodeCLAUDE.md。AGENTS.mdだけの構成も読める | Junie CLIAGENTS.mdが基本。他のエージェントの指示も取り込める |
どの行も「どちらが上か」ではなく、設計の置き場所の違いです。以降で行ごとに掘ります。
BYOKでClaudeを使うとき、課金はどこに載るか
Junie CLIの認証画面には、選べる入口が複数あります。JetBrainsアカウントでサブスクリプション内として使う、Junie APIキーで従量課金にする、自前のAPIキーを使う、カスタムやセルフホストのエンドポイントにつなぐ、の4種類です。
Claudeを使うなら、自前のAnthropic APIキーを/accountから登録します。
curl -fsSL https://junie.jetbrains.com/install.sh | bash
cd /path/to/your/project
junie起動後の画面で「Use your own API key」を選び、プロバイダー一覧からAnthropicを選んでキーを貼ります。接続できたら/modelで使えるモデルを確認できます。
課金の扱いには決まりがあります。BYOKとJetBrainsアカウントを併用していて、同じモデルが両方で使えるときは、BYOKのキーが優先されます。請求はプロバイダーに直接届き、JetBrainsのクレジットは減りません。製品ページの料金欄にも、BYOKはプロバイダー価格のまま上乗せなしと書かれています。
Claude Code側では、Anthropic APIの直接利用とサブスクリプション、BedrockなどのクラウドAPI経由が選べます。経路は広いものの、動くのはClaudeのモデルです。
Junie CLIの/modelには、推論の強さを選ぶ/effortもあります。ただしドキュメントは、既定のモデルと強さのまま使うことを勧めています。強さを上げると費用も応答時間も増えるからです。
プランモードの違い — 計画を保存するか、承認で進めるか
2つのツールとも、コードを書く前に計画を出すプランモードを持っています。起動の手順はほぼ同じです。
| 操作 | Claude Code | Junie CLI |
|---|---|---|
| 切り替え | Claude CodeShift+Tabで持続。/plan <依頼>はそのプロンプト1回分 | Junie CLIShift+Tabか/plan(次の1プロンプト分) |
| 起動時に指定 | Claude Codeclaude --permission-mode plan | Junie CLIjunie --plan |
| 計画の確認後 | Claude Code承認の選択肢から進む | Junie CLIConfirm and implementを選ぶ |
claude --permission-mode plan
junie --prompt "Refactor the commands module" --plan差が出るのは計画の扱いです。Junie CLIの計画は、要件、技術設計、テスト、実装手順の複数タブに分かれる設計文書として出ます。Ctrl+Pで専用のビューを開き、Markdownの計画ファイルとして保存して実装せずに終えることもできます。製品ページによれば、計画は.junie/plansに置かれ、編集やコミットができます。計画と実装で別のモデルを使えるのも特徴です。強いモデルで計画し、速いモデルで実装する使い方が例に挙がっています。
Claude Codeの計画は、読み取りと調査をしたうえで提示され、承認するまで編集がブロックされます。承認時には、auto modeで進める、編集を1つずつ確認する、計画を続ける、のいずれかを選びます。Ctrl+Gで計画をテキストエディタで直接編集してから進めることもできます。
持続のしかたも違います。Junie CLIの計画モードが効くのは次に送るプロンプト1回分で、送信後は通常モードに戻ります。続けて計画したいときは、Shift+Tabか/planをもう一度使います。Claude Codeでも/planを前置きしたプロンプトは1回分ですが、Shift+Tabで入ったプランモードは、計画を承認するまで続きます。連続して設計の議論をするなら、Claude CodeはShift+Tab、Junie CLIは毎回の切り替えが要る、という差になります。
承認の仕組み — Brave modeと権限モード
操作の承認は、両者で設計が分かれます。
Junie CLIは、ターミナルコマンドの実行、プロジェクト外のファイル編集、MCPツールの呼び出しといった敏感な操作で承認を求めます。承認時に「Always allow」を選ぶと、そのコマンドがAction Allowlistに入り、~/.junie/allowlist.jsonに保存されます。次回以降は確認なしで通ります。
承認の強さを切り替えるのがBrave modeです。/braveかCtrl+Bで循環します。
- Off:許可リストにない敏感な操作をすべて確認する
- Auto:安全確認で安全と判断したコマンドは自動承認し、危険なものや未知のものは確認する
- On:すべての敏感な操作を確認なしで実行する
さらに、Junie CLIにはOSレベルのサンドボックスがあります。ターミナルコマンドをsandbox-runtimeで包み、書き込みをプロジェクトディレクトリや一時ディレクトリなどに限ります。ただし、ドキュメントによればこの機能はdevelopment、nightly、experimentalのビルドにだけあり、EAPと通常のリリースビルドには--sandboxも/sandboxもありません。Windowsも対象外です。対象はターミナルコマンドだけで、ファイル編集、MCPサーバー、フック、gitの操作は包まれません。
Claude Codeは、権限モードで同じ問題を扱います。Shift+Tabでdefault、acceptEdits、plan、autoと切り替えます。v2.1.283以降は、対話的なターミナルとVS Codeでauto modeが標準の開始モードです。Junie CLIのBrave modeのAutoと、Claude Codeのauto modeは、どちらも安全と判断したものを通し、危ないものは止める点で似ています。判定基準は別物です。
IDE統合の違い — プラグインで寄り添うか、IDEの知能を借りるか
IDE統合は、2つのツールで出発点が逆です。
Claude Codeは、ターミナルのエージェントにJetBrainsプラグインをつなぐ形です。プラグインはclaudeコマンドをIDEの統合ターミナルで動かし、差分をIDEの差分ビューアで開き、選択範囲や開いているタブを共有します。IDEの診断(lintや構文エラー)もgetDiagnosticsツールで読めます。外部ターミナルから/ideでIDEにつなぐ方法もあります。導入の手順はClaude Code JetBrainsプラグインの導入と設定にまとまっています。
Junie CLIは、製品ページでIntelliJ IDEAのエンジンを土台にしたエージェントだと説明されています。複数プロジェクトでJunieを動かし、IDEのコードインテリジェンスを使う「Air in IDEs」という実行面があり、GitHub ActionとGitLab CI/CDからも呼べます。デバッグモードでは、接続したJetBrains IDEのライブのデバッガーセッションに対して、ブレークポイントの管理や実行時状態の確認ができます。JetBrains製のIDEを使う人に寄せた機能です。
JetBrains IDEの中でClaudeを動かす経路は、Junie以外にもあります。AI Assistant内のClaude Agentと、Claude Codeプラグインは別物で、認証も.aiignoreの効き方も違います。その違いはJetBrainsのClaude AgentとClaude Codeプラグインの違いで比べています。
拡張面の違い — MCP・サブエージェント・非対話実行
MCP(外部ツール接続)は、どちらも使えます。Claude Codeはclaude mcp add --transport http <名前> <URL>でサーバーを足し、プロジェクト共有の設定は.mcp.jsonに置きます。Junie CLIは、プロジェクト共有の設定を.junie/mcp/mcp.json、自分だけの設定を~/.junie/mcp/mcp.jsonに置き、/mcpでサーバーの追加や状態の確認ができます。書式はmcpServersの下にcommandとargs、またはリモート用のurlとheadersを並べる形です。MCPツールの呼び出しは承認の対象で、先に述べたサンドボックスの外にあります。
サブエージェントは、Markdownにフロントマターを書く形が共通です。Claude Codeは.claude/agents/と~/.claude/agents/を読み、フロントマターでtools、model、mcpServers、maxTurnsなどを指定します。Junie CLIは.junie/agents/か.agents/を読み、.claude/agents/にあるファイルを見つけると.junie/agents/への取り込みを提案します。違いは起動で、Junie CLIのサブエージェントはスラッシュコマンドで手動起動できず、名前と説明に合う作業をエージェントが自動で委任する形に限られます。
非対話実行は、CIやスクリプトから呼ぶ場面で効きます。Claude Codeはclaude -pで一回実行し、--output-format jsonと--json-schemaで構造化した結果を受け取れます。Junie CLIは--authで認証しながら依頼を渡し、--reviewで直近コミットのレビューを走らせる例が概要ページにあります。
claude --bare -p "Summarize README.md" --allowedTools "Read"
junie --auth="$JUNIE_API_KEY" "Fix any failing tests"指示ファイルはAGENTS.mdで共用できる
どちらのツールも、プロジェクトの指示をMarkdownファイルで受け取ります。
Junie CLIは.junie/AGENTS.md、次にプロジェクトルートのAGENTS.md(.junie/playbook.mdと.junie/rules/*.mdがあれば結合)の順に探します。旧形式の.junie/guidelines.mdも使えます。~/.junie/AGENTS.mdでグローバルな指示も置けます。プロジェクトを初めて開くと、他のエージェント用の指示ファイルを検出して.junie/AGENTS.mdへの取り込みを提案します。
Claude Codeは、AGENTS.mdだけがありCLAUDE.mdが無いリポジトリなら、AGENTS.mdを読みます。両方あるとCLAUDE.mdだけが読まれます。両方を使いたいときは、CLAUDE.mdからAGENTS.mdをインポートします。
@AGENTS.md
## Claude Code固有の指示
- 変更前に/planで計画を出すこの形にしておけば、共通の規約はAGENTS.mdに1本化したまま、Claude Code側の追加指示だけをCLAUDE.mdに足せます。同じリポジトリでJunie CLIとClaude Codeを並べて試すなら、規約を二重管理せずに済む点が現実的な利点です。CLAUDE.mdの規約の書き方はClaude CodeにpytestのCLAUDE.md規約を教えるが具体例になります。
使い分けの目安
選ぶ基準は、モデルの縛りをどこまで嫌うかです。
| 状況 | 向く選択 |
|---|---|
| Claudeのモデルだけで足り、権限モードやフックなどの周辺機能を使い込みたい | 向く選択Claude Code |
| 計画はClaude、実装は別プロバイダーの速いモデル、と分けたい | 向く選択Junie CLI(BYOK) |
| IDEのコード解析を中心にJetBrains IDEで使いたい | 向く選択Junie CLI(Air in IDEs) |
| 既にClaudeのサブスクリプションがあり、追加の鍵を増やしたくない | 向く選択Claude Code |
| CIでGitHubやGitLabのissueからエージェントを動かしたい | 向く選択両者とも選択肢。Junie CLIはGitHub ActionとGitLab CI/CDを製品ページに載せている |
同じ土俵の別ツールとの比較はClaude CodeとKiroを比較した記事とGitHub Copilot CLIとClaude Codeの違いにあります。CLIエージェント全般の設計についてはAIコーディングエージェントCLI設計の理由で扱っています。
料金面では、Junie CLIにJunie Liteという無料のモデルがあり、JetBrains AI ProとUltimateの契約にはAIクレジットが付きます。製品ページの表示では、AI Proが30日あたり10クレジット、AI Ultimateが35クレジットで、Ultimateが「Junieを定期的に使う人向け」とされています。BYOKだけで使うなら、JetBrains側の契約は不要です。
よくある質問
Junie CLIでClaudeを使うと、Claude Codeと同じ結果になりますか
同じモデルでも、同じ結果になるとは言えません。システムプロンプト、ツール群、計画の進め方がそれぞれ別です。作業の質を比べるなら、同じ課題を両方で走らせ、差分で判断します。
Claude Codeのスキルや拡張はJunie CLIでも使えますか
Junie CLIにも、Agent Skillsのパッケージとカスタムスラッシュコマンドがあります。製品ページによれば、スラッシュコマンドはCLIとIDEでACP経由で共有されます。Junie CLIの概要ページの「Extend Junie CLI」の節には、Claude Code用プラグインの読み込みは載っていません。並ぶのはMCP、Agent skills、サブエージェント、カスタムスラッシュコマンド、ガイドラインとメモリー、非対話モードです。移行の手順は、製品ページの「Hassle-Free Migration」の節に簡単な言及があるだけです。
従量課金と定額のどちらで試すのが手軽ですか
Junie CLIは、無料のJunie Liteで操作感を見てから、手元のAnthropicキーをBYOKで足せます。Claude Code側は、手元のClaudeサブスクリプションでそのまま使い始められます。