Claude Codeの機能比較 — Bedrock・Vertex・Foundry別対応表
Claude Codeの機能は認証経路(サブスクリプション・Console・Bedrock・AWS Platform・Google Cloud・Foundry)で対応範囲が違います。公式の対応表をもとに違いを比較します。
Claude Codeは6つの認証経路で機能が変わる
Claude Code自体はどの経路で認証しても同じCLIが動きます。しかし裏側でどのAPIに接続するかによって、使える機能の範囲が変わります。認証経路は6つに分かれます。
| 経路 | 認証方法 |
|---|---|
| Claudeサブスクリプション | 認証方法Pro/Max/Team/Enterpriseのclaude.aiアカウントでサインイン |
| Anthropic Console | 認証方法Anthropic APIキーで認証 |
| Amazon Bedrock | 認証方法Bedrockのモデルカタログを使いCLAUDE_CODE_USE_BEDROCKを設定 |
| Claude Platform on AWS | 認証方法AWS Marketplace経由で購入しAnthropic APIを直接呼ぶ。CLAUDE_CODE_USE_ANTHROPIC_AWSを設定 |
| Google Cloud's Agent Platform(旧Vertex AI) | 認証方法Google運用のプラットフォーム。CLAUDE_CODE_USE_VERTEXを設定 |
| Microsoft Foundry | 認証方法Anthropic運用のプラットフォーム。CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRYを設定 |
ローカルで完結する機能、つまりCLI本体・エディタ拡張・フック・スキル・CLAUDE.md・チェックポイント・サンドボックス・Workflowsは、この6経路のどれでも同じように動きます。ただしMCPサーバー・サブエージェント・一部コマンドの3つはプロバイダー差があります。MCPは、claude.aiコネクタがclaude.ai認証時にしか使えず、ツール検索は非first-partyのBASE_URLでは既定オフのうえ、Claude 4.5世代未満のモデルではGoogle Cloud's Agent PlatformとAzureホストのMicrosoft Foundryで非対応です。サブエージェントは、Exploreの継承モデルに上限があるプロバイダーがあります。コマンドは/design-sync・/import・/voiceがクラウドプロバイダー側で非対応です。差が出るのは、これらに加えてサーバー側のAnthropic以外の基盤能力に依存する機能と、組織向けの管理・分析機能です。
BedrockとClaude Platform on AWSは何が違うか
名前が似ているため混同されがちですが、この2つは別物です。Amazon BedrockはAWSが運用するモデルカタログの1つとしてClaudeを提供し、認証・課金・インフラすべてAWS側の管轄です。対してClaude Platform on AWSは、AWS Marketplace経由で購入しつつも、実際に叩くのはAnthropicが運用するClaude APIそのもので、認証にAWSのIAMアクセス制御を使う構成です。
この違いは機能の対応表にも表れます。たとえばWeb検索は、BedrockではCLIから使えませんが、Claude Platform on AWSでは使えます。逆にGitHub Actionsは、Claude Platform on AWSでは使えず、Bedrockでは使えます。「AWS経由だから同じ」と考えると、この2つの逆転に足をすくわれます。両方のセットアップの実務的な手順はClaude Code Bedrockセットアップを、料金体系の違いはBedrockのClaude料金は直接APIとどう違うかを参照してください。
サブスクリプション限定の機能はどこまで広がるか
claude.aiアカウントでの認証が前提の機能は、Console APIキーやクラウドプロバイダーの認証情報だけでは一切届きません。次の機能がこれに該当します。
- Claude Code on the web、モバイル版Claude Code、Claude Code in Slack
- Claude Code Desktop
- Routines(
/schedule) - Ultrareview
- Code Review(Team・Enterpriseプラン)
- Remote Control
- Chrome拡張機能
- Computer use(Pro・Maxプラン)
- Artifacts(Pro・Max・Team・Enterpriseプラン)
- 音声入力
唯一の部分的な例外がDesktopです。ゲートウェイルーティングをアプリ内または管理者側で設定でき、Enterpriseの導入ではDesktopをGoogle Cloud's Agent Platformやゲートウェイプロバイダーへ振り向けられます。サードパーティ版のDesktopはCodeタブをBedrock・Google Cloud's Agent Platform・Microsoft Foundry・自前運用のLLMゲートウェイのいずれかで動かせます。この一覧の機能を業務フローに組み込む予定があるなら、プロバイダー選定より先にプラン(claude.aiアカウントの有無)を固める必要があります。
CLI機能でプロバイダーごとに差が出るもの
ローカルCLIの機能自体は全プロバイダーで動きますが、サーバー側の能力に依存する一部の機能は対応が割れます。
AWS系の2プロバイダーとGoogle・Microsoft系の2プロバイダーでは、対応の傾向自体が異なります。まずAWS系から見ます。
サブスクリプション・Console・AWS系2プロバイダー
| 機能 | サブスクリプション | Console | Bedrock | Claude Platform on AWS |
|---|---|---|---|---|
| Web検索 | サブスクリプション✓ | Console✓ | Bedrock✗ | Claude Platform on AWS✓ |
| Fast mode | サブスクリプション✓(Owner有効化) | Console✓(プロビジョニング組織) | Bedrock✗ | Claude Platform on AWS✗ |
| Auto mode | サブスクリプション✓ | Console✓ | Bedrock一部モデルのみ | Claude Platform on AWS✓ |
| Advisor | サブスクリプション✓ | Console✓ | Bedrock✗ | Claude Platform on AWS✗ |
| Channels | サブスクリプション✓ | Console✓ | Bedrock✗ | Claude Platform on AWS✗ |
サブスクリプション・Console・Google/Microsoft系2プロバイダー
| 機能 | サブスクリプション | Console | Google Cloud's Agent Platform | Microsoft Foundry |
|---|---|---|---|---|
| Web検索 | サブスクリプション✓ | Console✓ | Google Cloud's Agent Platform一部モデルのみ | Microsoft FoundryAnthropicホスト版のみ |
| Fast mode | サブスクリプション✓(Owner有効化) | Console✓(プロビジョニング組織) | Google Cloud's Agent Platform✗ | Microsoft Foundry✗ |
| Auto mode | サブスクリプション✓ | Console✓ | Google Cloud's Agent Platform一部モデルのみ | Microsoft Foundry一部モデルのみ |
| Advisor | サブスクリプション✓ | Console✓ | Google Cloud's Agent Platform✗ | Microsoft Foundry✗ |
| Channels | サブスクリプション✓ | Console✓ | Google Cloud's Agent Platform✗ | Microsoft Foundry✗ |
CI/CD連携は4プロバイダーの間で対応が入り組んでいます。
| CI/CD | Bedrock | Claude Platform on AWS | Google Cloud's Agent Platform | Microsoft Foundry |
|---|---|---|---|---|
| GitHub Actions | Bedrock✓ | Claude Platform on AWS✗ | Google Cloud's Agent Platform✓ | Microsoft Foundry✓ |
| GitLab CI/CD | Bedrock✓ | Claude Platform on AWS✓ | Google Cloud's Agent Platform✓ | Microsoft Foundry✗ |
サブスクリプションとConsoleでは、GitHub Actions・GitLab CI/CDともに使えます。
Auto modeの「一部モデルのみ」は、Bedrock・Google Cloud's Agent Platform・Microsoft FoundryではSonnet 5、Opus 4.7以降、Fable 5に限定されるという意味です。加えてこの3プロバイダーでは、Auto modeを使わないセッションの既定の開始権限モードもManualになり、サブスクリプション経由の既定値とは異なります。v2.1.158からv2.1.206の間はさらにCLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODE=1という環境変数の明示が必要でしたが、v2.1.207でこの要件は撤廃されました。Google Cloud's Agent Platform側のセットアップ手順はClaude Code Vertex AIセットアップにまとめています。
クロスセッションメッセージング(/list-agentsや/peersを含む)は全プロバイダーで使えますが、API経由の認証やクラウドプロバイダー経由では同一マシン内に限定されます。他マシンのセッションを見つけるには、Remote Controlに接続したセッションからしか届きません。バージョン要件も細かく分かれていて、macOS・Linux(WSL 2内のLinuxを含む)はv2.1.224以降、ネイティブWindowsはv2.1.234以降が必要です。クラウドプロバイダー経由の同一マシン内メッセージングには、さらにv2.1.248以降が必要になります。
管理・分析機能の対応表
組織向けの管理・分析機能は、サブスクリプションとConsole以外のプロバイダーでは軒並み使えません。
| 機能 | サブスクリプション | Console | Bedrock / AWS Platform / Vertex系 / Foundry |
|---|---|---|---|
| アナリティクスダッシュボード・API | サブスクリプション✓(ダッシュボード: Team・Enterprise、API: Enterprise) | Console✓(ダッシュボードとAPIのみ、コントリビューションメトリクスは別途claude.ai Team/Enterprise組織が必要) | Bedrock / AWS Platform / Vertex系 / Foundry✗ |
| サーバー管理設定 | サブスクリプション✓(Team・Enterprise) | Console✓(Team・Enterprise) | Bedrock / AWS Platform / Vertex系 / Foundry✗ |
| ゼロデータ保持 | サブスクリプション✓(適格なEnterpriseアカウント) | Console✓(適格なアカウント) | Bedrock / AWS Platform / Vertex系 / Foundryクラウド側の契約次第 |
この表が示すのは、組織横断の可視化・強制のインフラが実質的にサブスクリプションとConsoleの2経路にしか存在しないという事実です。Bedrock・Claude Platform on AWS・Google Cloud's Agent Platform・Microsoft Foundryのいずれを選んでも、この2つの管理面には届きません。届かせたいなら、自前運用のClaude apps gatewayを間に挟む以外に道はありません。組織導入全体でこの管理面の設計をどう位置づけるかはClaude Code組織導入の意思決定マップにまとめています。
ゼロデータ保持だけは扱いが少し違います。クラウドプロバイダー経由でも「クラウド側の契約次第」で対応の余地が残っていて、AWS・Google Cloud・Azureそれぞれとの契約次第でZDR相当の扱いが可能です。Anthropicとの直接契約に紐づく機能ではなく、クラウド事業者との契約に紐づく機能だという点を区別しておく必要があります。
サブスクリプションプラン別の対応表
Bedrock・Google Cloud's Agent Platform・Microsoft Foundry・Console APIキーで認証している場合、この節は関係ありません。claude.aiアカウントでサインインしている場合にだけ、プランが機能を左右します。
| 機能 | Pro | Max | Team | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| Claude Code on the web | Pro✓ | Max✓ | Team✓ | Enterprise✓(条件あり) |
| Remote Control | Pro✓ | Max✓ | Team管理者が有効化 | Enterprise管理者が有効化 |
| Code Review | Pro✗ | Max✗ | Team✓ | Enterprise✓ |
| アナリティクスダッシュボード | Pro✗ | Max✗ | Team✓ | Enterprise✓ |
| Enterprise Analytics API | Pro✗ | Max✗ | Team✗ | Enterprise✓ |
| サーバー管理設定 | Pro✗ | Max✗ | Team✓ | Enterprise✓ |
| SSO / SCIM | Pro✗ | Max✗ | TeamSSOのみ | Enterprise両方 |
| ゼロデータ保持 | Pro✗ | Max✗ | Team✗ | Enterprise✓(別途有効化) |
個人プラン(Pro・Max)は組織向けの管理・分析機能を一切持ちません。この一線はTeamプランへの移行を検討する最大の分岐点になります。逆にComputer useとDispatch(Desktopのセッション起動)はPro・Max限定で、Team・Enterpriseでは使えません。組織向けの機能を増やすほど、個人向けの一部機能が失われるという非対称な関係になっています。
プロバイダー別まとめ — 何を選ぶと何を諦めることになるか
ここまでの対応表を、プロバイダー選定の実務判断に落とし込みます。
| プロバイダー | 主に失うもの | 代替手段 |
|---|---|---|
| Amazon Bedrock | 主に失うものサブスク限定機能全部、Web検索、Fast mode、Advisor、Channels、アナリティクス、/design-sync・/import | 代替手段スケジュールは/loop、クラウドセッションはGitHub ActionsかGitLab CI/CD、Web参照はWebFetchツール |
| Claude Platform on AWS | 主に失うものサブスク限定機能全部、Fast mode、Advisor、Channels、GitHub Actions、アナリティクス、/design-sync・/import | 代替手段スケジュールは/loop、クラウドセッションはGitLab CI/CD |
| Google Cloud's Agent Platform | 主に失うものサブスク限定機能全部、Fast mode、Advisor、Channels、アナリティクス、/design-sync・/import | 代替手段スケジュールは/loop、クラウドセッションはGitHub ActionsかGitLab CI/CD |
| Microsoft Foundry | 主に失うものサブスク限定機能全部、Fast mode、Advisor、Channels、GitLab CI/CD、アナリティクス、/design-sync・/import | 代替手段スケジュールは/loop、クラウドセッションはGitHub Actions |
| Anthropic Console | 主に失うものサブスク限定機能全部 | 代替手段Fast modeはプロビジョニング組織のみ、Team・Enterprise組織のAPIキーならサーバー管理設定も利用可 |
この表から読み取れるのは、4つのクラウドプロバイダーがほぼ同じ制約セット(サブスク限定機能・Fast mode・Advisor・Channels・アナリティクス)を共有しているという構図です。差が付くのはWeb検索・Auto mode対応モデル・CI/CD連携の3点だけで、ここが実質的な選定基準になります。既存のAWS・GCP・Azureのコンプライアンス体制を継承したいという動機でプロバイダーを選ぶ組織は、この3点のうちどれが自組織のワークフローに効くかで最終判断をすることになります。
LLMゲートウェイ経由で認証している場合は、また別のルールが適用されます。機能の対応範囲はゲートウェイが転送する先の基盤プロバイダーに準じますが、ANTHROPIC_BASE_URLがapi.anthropic.com以外を指している時点で、Remote Controlやサーバー管理設定のようにClaude Code自身が無効化する機能があります。ゲートウェイがリクエストをそのままAnthropic APIへ転送している場合に限り、Advisorのような一部のAnthropic専用機能が動きます。
まとめ
プロバイダー選定は「どのクラウドの請求ラインに乗せるか」だけの問題ではありません。Web検索・Fast mode・アナリティクス・サーバー管理設定のような、組織運営に直結する機能の到達可否まで含めて決める意思決定です。とくにBedrockとClaude Platform on AWSは名前が近いために混同されやすく、Web検索とGitHub Actionsの対応が逆転している点は選定前に必ず確認する価値があります。プラン(Pro/Max/Team/Enterprise)とプロバイダーは独立した軸なので、両方を掛け合わせて初めて自組織が使える機能の全体像が見えます。
よくある質問
BedrockとClaude Platform on AWSはどちらもAWS経由なのに何が違うか
BedrockはAWSが運用するモデルカタログとしてClaudeを提供し、Claude Platform on AWSはAWS Marketplace経由で購入しつつ実際にはAnthropicが運用するAPIを直接呼びます。認証方式も異なり、Claude Platform on AWSはAWSのIAMアクセス制御を使います。
Google Cloud's Agent PlatformとVertex AIは同じものか
同じ基盤の名称変更です。環境変数CLAUDE_CODE_USE_VERTEXは変わっていませんが、公式ドキュメント上の呼称はGoogle Cloud's Agent Platformに統一されています。
プロバイダーを途中で切り替えることはできるか
技術的には認証用の環境変数を切り替えるだけで可能です。ただしアナリティクスの履歴やサーバー管理設定のようにプロバイダーに紐づく機能は、切り替え後にゼロから作り直すことになる点に注意が必要です。
LLMゲートウェイ経由なら全プロバイダーの制約を回避できるか
回避できません。ゲートウェイの機能対応は転送先の基盤プロバイダーに準じるうえ、ANTHROPIC_BASE_URLがapi.anthropic.com以外を指す時点でRemote Controlやサーバー管理設定のようにClaude Code自身が無効化する機能もあります。