Claude CodeがPyCharmで表示崩れする症状と回避策(WebStormも同系統)
PyCharm・WebStormの統合ターミナルでClaude Codeを動かすと、/usageのバーが消える、カーソルが反転する、diffに描画ゴミが出る症状が報告されています。原因の切り分けと回避策を扱います。
PyCharm・WebStormの統合ターミナルで報告されている3つの表示崩れ
PyCharmやWebStormの統合ターミナルで claude を起動すると、システムのターミナルでは起きない描画の乱れが出ることがあります。GitHubのissueで確認できる症状は次の3つです。いずれもissueはopenのままで、修正版は確認できていません。
| 症状 | issue | 確認された環境 |
|---|---|---|
/usage の進捗バーが約1秒で消える | issue#97863 | 確認された環境Ubuntu 24.04、Claude Code 2.1.283 |
| 入力中のカーソルが見えず、止まると点滅する(挙動が反転) | issue#97148 | 確認された環境Windows、Claude Code 2.1.281 |
| diff表示中に巨大なカーソルや赤いハイライトの染み出しが出る | issue#81885 | 確認された環境Windows 11、Claude Code 2.1.220 |
3件とも報告者のOSが異なり、症状も別物です。共通するのは「PyCharmのターミナルで起き、システムのターミナルでは起きない(または比較されていない)」点だけです。原因が1つに決まったわけではないため、この記事では症状ごとに切り分けの手順を並べます。
なお、プラグインの導入手順や /ide の使い方はClaude Code JetBrainsプラグインの導入と設定で扱っています。ここでは、プラグインを入れたかどうかにかかわらず、統合ターミナルで描画が崩れたときの話に絞ります。
/usageの進捗バーが1秒で消える(#97863)
/usage を実行すると進捗バーが約1秒だけ表示され、その後消えてしまう症状です。同じマシン、同じバージョンのClaude CodeをGNOME Terminalで動かすと正常に表示されます。
報告者は次の点を確かめています。
- PyCharmのターミナルエンジンはClassicとReworkedのどちらでも再現する
- ターミナルのツールウィンドウを最大化しても再現する
- PyCharm 2026.2.3(最新版)でも再現する
- プラグインのボタンからではなく、ターミナルで
claudeを手動で起動しても再現する
ツールウィンドウを最大化しても直らないため、/usage の内容が縦に長くて画面に収まらない問題とは別物です。その問題は#61685で取り上げられていて、小さなウィンドウではバーが画面外に押し出されるというものでした。#97863はバーが一度描かれてから消えるので、原因の系統が違います。
同じ症状は、VS Codeのターミナルでも報告がありました。Claude Code 2.1.109で「統計が一瞬表示されてから壊れる」というissue(#48801)は、#51616の重複として閉じられ、2.1.119で修正されています。JetBrains側の症状が同じ原因かどうかは、issueの時点では確認されていません。
カーソルの点滅が反転して見える(#97148)
PyCharm・WebStormの統合ターミナルで、入力中や移動中にカーソルが表示されず、止まると点滅する、という報告です。通常のカーソルは、入力中は点灯したままで、止まると点滅します。Claude Codeでは、その逆になっています。
報告はWindows版の2.1.281で、拡張機能ではなくターミナルで起動した場合のものです。
カーソルの描き方は、Claude Code側の環境変数で変えられます。CLAUDE_CODE_NATIVE_CURSOR=1 を設定すると、Claude Codeが描くブロックカーソルではなく、ターミナル自身のカーソルを入力位置に表示します。公式の説明では、この場合のカーソルはターミナルの点滅・形状・フォーカスの設定に従います。仕組みの詳細はCLAUDE_CODE_NATIVE_CURSORとはにまとめています。
CLAUDE_CODE_NATIVE_CURSOR=1 claudeただし、この変数がPyCharmの反転症状を解消するかどうかは、issueには書かれていません。試す価値のある切り分けですが、直る保証があるわけではありません。逆に、変数を入れたことでカーソルが消える場合は、その症状もissueに追記する価値があります。
diff表示に描画ゴミが出る(#81885)
Claude Codeがファイルを編集し、ターミナルにdiffを描いている最中に、次の症状が同時に出たという報告です。
- 大きなI-beamカーソルが画面の途中に浮かび、コードに重なる
- 赤いdiffハイライトが複数行にわたって染み出す
- diff領域全体の表示が壊れる
Windows 11のPowerShell 7で、Claude Code 2.1.220、auto modeでの編集中でした。報告者自身が書いているとおり、毎回は起きず、1回だけ発生しています。再現手順が確立していないため、この症状は「起きうる」と知っておく程度に留めるのが実態に近いでしょう。
一つ対処の見込みがあるのは、diffの表示先を変えることです。JetBrainsプラグインを入れて接続している場合、Claude Codeはコードの変更をターミナルではなくIDEのdiffビューアで開けます。表示先は /config のDiff toolで選びます。auto にするとdiffをIDE側に表示し、terminal にするとターミナルに残します。このエントリはClaude CodeがIDEに接続しているときだけ /config に現れるため、JetBrainsのターミナルから claude を起動するか、外部ターミナルなら先に /ide を実行します。
リサイズで文字が重複・欠落する症状(#82916)
もう1件、関連するissueがあります。#82916は、JetBrainsのプラグインが提供するターミナルで、出力が欠けたりスクロールバックで復元できなかったり、リサイズ後にテキストが重複したりする報告です。コメントには次の2点がありました。
- ウィンドウをリサイズするとSIGWINCHが発火し、描画位置の追跡がずれて重なる・消える、という推測(コメント投稿者の見立てで、検証済みの原因ではありません)
Ctrl+Lで画面を再描画すれば直るが、過去の応答が失われることはある、という回避策- 別のコメントでは、IntelliJ IDEAを2026.2.0.1(2026年7月22日ビルド)に更新したら解消した、という報告
#97863の報告者は、このIDE更新は自分の症状には効かなかったと書いています。IDEの更新で直る症状もあれば、直らない症状もある、ということです。
回避策を効果の見込みが高い順に試す
症状が出たとき、Claude Code側とIDE側で試せる手段を挙げます。上から順に、副作用が小さいものです。
画面を再描画する
公式ドキュメントによると、フルスクリーンレンダリングで表示が乱れたり部分的に空白になったりしたときは、Ctrl+L で画面を再描画できます。会話と入力中の内容は残ります。リサイズ後の重複や、バーが消えたままになるような症状で、最初に試す価値があります。
レンダラーを切り替える
Claude Codeには、フルスクリーンレンダリング(代替スクリーンバッファ)と従来のレンダラーがあります。公式ドキュメントはフルスクリーンを研究プレビューと位置づけ、一般的なターミナルエミュレーターでは試験済みだが、あまり使われない端末や特殊な構成では描画の問題が出うる、としています。
今どちらで動いているかは、引数なしの /tui で確認できます。切り替えは次のとおりです。
/tui
/tui default
/tui fullscreen/tui default で従来のレンダラーに戻り、/tui fullscreen でフルスクリーンに入ります。保存済みの設定を無視して常に従来のレンダラーにしたい場合は、環境変数を使います。
CLAUDE_CODE_DISABLE_ALTERNATE_SCREEN=1 claudeこの変数は tui 設定と CLAUDE_CODE_NO_FLICKER より優先されます。従来のレンダラーでは会話がターミナル標準のスクロールバックに残ります。切り替えの仕組みと制約はClaude CodeのTUI(フルスクリーン)とはにあります。
どちらのレンダラーのほうが#97863や#97148の症状を避けられるのかは、issueでは検証されていません。手元で両方試し、見た目の差を確かめるのが確実です。
ターミナルのカーソル表示に任せる
先に書いたとおり、CLAUDE_CODE_NATIVE_CURSOR=1 は#97148の切り分けに使えます。効果は保証されないので、症状が変わらなければ元に戻して構いません。
diffの表示先をIDEに寄せる
/config のDiff toolを auto にすると、diffはIDEのビューアで開きます。ターミナルでのdiff描画に起きる崩れ(#81885)を避けられる可能性があります。ただし、JetBrainsに接続していることが条件です。
システムのターミナルから使う
最も確実なのは、描画がPyCharmの統合ターミナルに依存しない形にすることです。システムのターミナルで claude を起動し、/ide を実行してJetBrains IDEに接続します。接続後は、IDEのdiffビューアなど連携機能が有効になります。
claude/ide#97863の報告者も、GNOME Terminalなら /usage が正常に表示されると確認しています。統合ターミナルの便利さと引き換えに、描画の安定を取る選択です。
IDEを更新する
#82916のコメントでは、IDEの更新で解消した例があります。症状によっては効かない例(#97863)もあるため、更新は「試す価値のある一手」に留まります。
ESCキーが効かないときは別の設定を見る
表示崩れではありませんが、JetBrainsの統合ターミナルでは、ESCキーでClaude Codeの処理を中断できないことがあります。公式ドキュメントの手順は次のとおりです。
- Settings → Tools → Terminalを開く
- 「Move focus to the editor with Escape」のチェックを外す。または「Configure terminal keybindings」で「Switch focus to Editor」のショートカットを削除する
- 変更を適用する
改行の入力にも、JetBrainsのターミナルには制約があります。公式の表では、PyCharmなどのJetBrains IDEはShift+Enterが使えず、代わりに Ctrl+J か、\ のあとにEnterを使います。詳しくはShift+Enterで改行できないときの設定を参照してください。
issueに報告するときに添える情報
3件のissueで書かれていた環境情報は、次の項目でした。同じ症状に当たったときは、これらを添えるとissueの突き合わせがしやすくなります。
| 項目 | 例(#97863の場合) |
|---|---|
| Claude Codeのバージョン | 例(#97863の場合)2.1.283 |
| IDEとビルド | 例(#97863の場合)PyCharm 2026.2.3 |
| ターミナルエンジン | 例(#97863の場合)ClassicとReworkedの両方で確認 |
| OSとシェル | 例(#97863の場合)Ubuntu 24.04.4 LTS、bash |
| プラグインの有無 | 例(#97863の場合)プラグイン0.1.14-betaが入っていても、手動起動で再現 |
| システムのターミナルでの結果 | 例(#97863の場合)GNOME Terminalでは正常 |
システムのターミナルで再現するかどうかは、とくに大きな手がかりです。再現しなければ、症状はJetBrains側のターミナルに固有だと分かります。
まとめ
PyCharm・WebStormの統合ターミナルでは、/usage のバー消失、カーソルの点滅の反転、diffの描画ゴミが、別々のissueとして報告されています。3件ともopenで、原因は特定されていません。
まず Ctrl+L、次に /tui でレンダラーの切り替え、カーソルなら CLAUDE_CODE_NATIVE_CURSOR=1、diffならDiff toolの切り替えを試します。それでも直らなければ、システムのターミナルから claude を起動して /ide で接続する構成が、描画をPyCharmに任せない最も確実な形です。スクロールバックが消える症状はClaude Codeでスクロールバックが消える問題も参考になります。