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Claude Codeのスラッシュコマンド補完が途中で出ない問題は2.1.283で修正

Claude Codeのスラッシュコマンド補完が途中で出ない問題は2.1.283で修正

入力欄の途中で「/」を打っても候補一覧が出ない不具合を、報告の時系列と原因調査、修正版の確認方法までまとめます。

スラッシュコマンドの補完が途中で出ない不具合とは

Claude Codeの入力欄は、/をメッセージの先頭に打つとスキルやコマンドの候補一覧がポップアップします。この不具合は、/を先頭以外の位置に打ったときに候補が出なくなる回帰です。2026年8月末から複数のGitHub issueで報告され、9月27日にクローズされたissueで修正が確認されました。ターミナルCLIは2.1.283、デスクトップアプリは2.9939.2で直っていることが報告者の検証で示されています。

症状の中心は「発見のしづらさ」であって「実行できない」ではありません。/qa-gateのようなスキル名を最後まで打ち切れば、候補が出ていなくてもコマンド自体は実行されます。壊れていたのは、途中まで打って候補から選ぶという入力補助だけでした。

症状が出る条件と影響を受けた面

再現条件はissue #91094の報告が具体的です。入力欄にplease run と書いてから/qaと打っても候補は出ません。入力欄を空にして/qaから書き始めると、候補は正常に表示されます。issue #90102には、複数のスキルを/skill-a /skill-bのように連続で書こうとしたとき、2つ目のスキル名を打つ位置でも候補が出ないという報告があります。スキルの連続呼び出し自体はv2.1.199以降サポートされている機能で、その2つ目のスキル名を打つ位置でも同じく候補が出なくなっていました。

影響を受けた面は報告によって食い違います。issue #91094(8月31日、CLI 2.1.252)は「ターミナルCLIは影響を受けない」と明記していました。一方、issue #91337(9月1日、CLI 2.1.257)は「デスクトップアプリとターミナルCLIの両方で再現した」と報告しています。issue #95735の調査者は、この食い違いを整理したうえで「ターミナルが影響を受けるかどうかは、この2つの報告だけでは確定できない」として、自分の報告をデスクトップアプリの挙動に絞っています。macOS・Windowsの両方で報告があり、OS依存の問題ではありません。

不具合の間も@によるファイルメンションは入力欄のどの位置でも機能し続けていました。issue #89771は「@はどこでも動くのに/だけ動かない」という非対称さを指摘しています。issue #89720の報告者は、50個以上のスキルを入れている環境では正確な名前やハイフンの位置を覚えていられないため、候補一覧が唯一の発見手段になっていると説明し、単なる利便性の欠如ではなく実用上の支障だと主張していました。

いつ壊れて、いつ直ったか

この機能自体はv2.1.0で追加されたもので、目新しい要望ではありません。issue #89771・#90102・#95735はいずれも、changelogの該当行を根拠として引用しています。

バージョン記載・出来事(出典)
v2.1.0記載・出来事(出典)「/が入力のどこにあっても候補を出す機能を追加」
v2.1.20記載・出来事(出典)「スラッシュコマンドを途中入力中のゴーストテキストのちらつきを修正」
v2.1.110記載・出来事(出典)「disable-model-invocation: trueのスキルが途中入力の/<skill>から呼べない問題を修正」
v2.1.136記載・出来事(出典)「最初のスラッシュコマンドの後、途中入力の補完が効かなくなる問題を修正」
v2.1.246〜247記載・出来事(出典)issue #91337が回帰の境界と推定するバージョン
v2.1.265記載・出来事(出典)「途中入力のスラッシュコマンドの一致候補を単一候補ではなく一覧表示に改善」
v2.1.283記載・出来事(出典)issue #91337でterminal CLIの修正が確認された版

v2.1.20からv2.1.265まで、途中入力の補完はリリースのたびに手を入れられてきた機能であることが読み取れます。それでも回帰が始まった時期の特定は割れています。issue #91337の報告者は、デスクトップアプリのログから「2.1.246までは動き、2.1.247を境に壊れた」とバージョンを絞り込みました。issue #89720の報告者はこれより早い時期の症状を報告しており、最終動作バージョンをデスクトップアプリ1.34493.1、症状が出始めた版を1.37937.1としています。デスクトップアプリとターミナルCLIはバージョン体系が別物のため、この2つの絞り込みを同じ時系列上でそのまま比較することはできません。いつ壊れたかという問い自体が、報告者ごとに違う答えを持っています。issue #95735の調査者は同じchangelogを読み直し、2.1.246の該当行(/--で始まるプロンプトの誤判定修正)が位置依存の原因になる根拠は見当たらないと指摘し、「機能が削除された、または位置依存になったと明記するchangelogの行は1つもない」としています。どのバージョンのどの変更が引き金だったかは、changelogの記述だけからは確定していません。

この不具合は今回が初めてでもありません。issue #89771は、ターミナル側で同種の回帰が過去に一度起きていたissue #44447(stale判定で自動クローズ・ロック済み)を引用し、「当時はデスクトップアプリの方はまだ途中入力の補完をサポートしていた、という記載がある」と指摘しています。今回の回帰は、その残っていた側であるデスクトップアプリにも同じ症状が広がった形です。

コミュニティが特定した原因

Anthropicから原因についての公式コメントはこのissueには付いていません。issue #91094は、デスクトップアプリのリリースノートにも入力欄や候補表示に関する記載が見当たらないと述べており、意図した変更だったとしても告知はされていなかったことになります。技術的な手がかりは、ユーザーがデスクトップアプリのJavaScriptバンドルを直接調べたことで見つかりました。issue #91337のコメントで、Charlie812氏とryangriffinau氏がそれぞれ別のビルド(1.46388.4、1.52386.3)を調べ、入力補完を制御する拡張機能の呼び出しにstartOfInputOnly:!0という値が固定で書き込まれていることを報告しています。拡張機能自体の既定値はfalseでしたが、デスクトップアプリの入力欄がこの拡張機能を呼び出す箇所だけtrueが固定されていたため、設定を変えても先頭以外では候補が出ない状態になっていました。

この固定値は最初から一貫していたわけではありません。ryangriffinau氏の調査では、同じビルドの中に候補表示を呼び出す箇所がもう2つ見つかっており、そちらは値を固定せず外部から渡す作りになっていて、既定ではfalse(先頭以外でも候補を出す側)に解決されていました。壊れていたのは入力欄の主要な呼び出し箇所1か所だけで、同じ拡張機能を使う他の呼び出し側は影響を受けていなかったことになります。

9月27日にクローズされたコメントでは、修正版のバンドルからこのstartOfInputOnlyという値そのものが消え、代わりにmidMessageNeedsNameという値に置き換わったことが確認されています。合わせて、候補を出す条件を判定する関数も書き換わりました。以前は「入力の最初の段落の先頭かどうか」を見ていたのに対し、修正後は「/の直前が空白か、入力の始まりかどうか」を見る単語境界の判定になっています。これはissue #89720が要望していた「/[\w-]*を、行頭か空白の直後にある場合にだけ候補として扱う」という挙動と一致します。

手元の環境で直っているか確認する

ターミナルCLIのバージョンは次のコマンドで確認できます。

claude --version

2.1.283以降であれば、issue #91337で確認された修正が入っています。npmで配布されている@anthropic-ai/claude-codeパッケージも、この修正を含む2.1.283が最新版として公開されています。デスクトップアプリの場合はアプリ内のバージョン表示を確認し、2.9939.2以降かどうかを見てください。修正後は、途中まで文章を書いてから/を打っても候補一覧が開くようになります。単語境界の判定に変わったことで、src/utilsやand/orのように単語の途中に/が来る書き方では候補は開きません。ファイルパスやURLを含む文章を書いていても、候補一覧が誤って割り込むことはない設計です。

補完のポップアップが出ない間も、コマンドの実行自体は影響を受けていませんでした。展開時に処理を挟むUserPromptExpansion hookが、スキルやカスタムコマンドの直接入力を捕まえる仕組みも今回の不具合の報告には登場せず、影響が及んだのは候補一覧のポップアップ表示だけだったとみられます。

デスクトップアプリでまだ再現する場合

デスクトップアプリはCLI本体と別スケジュールで配信されるため、ターミナルCLIが2.1.283に上がっていても、手元のデスクトップアプリのビルドがまだ更新されていない可能性があります。issue #95735は、Windows版デスクトップアプリ2.2553.1.0(9月20日に投稿されたビルド)でまだ症状が残っているという報告です。この報告はissue #91337で修正が確認される前に書かれたもので、修正後のビルドで再テストされたという記載はありません。まだ再現する場合は、アプリの更新を確認したうえで、症状が同じかどうかを既存のissueと照らし合わせるのが確実です。

同じ症状を訴えるissueが8件以上並行して立ちました。issue #95735は関連issueとして#89398・#89720・#89771・#90441・#90727・#91094・#91337・#91442の8件を挙げており、いずれも中身は同じ「先頭以外で/を打つと候補が出ない」という報告です。

補完が効かない間の回避策

修正版に上がる前や、まだ古いビルドが残っている環境では、/を必ず入力欄の先頭に置いてから続きを書くのが最も確実な回避策です。複数のスキルを組み合わせたい場合は、先に使うスキルを全部先頭側に並べてから本文を書く順番にすると、候補一覧に頼らずに済みます。スキル名を正確に覚えている場合は、スラッシュコマンド一覧で綴りを確認してから最後まで打ち切れば、候補が出なくても実行自体は成功します。

なお、Claude Codeでは/から始まる文字列はスキル・カスタムコマンドだけでなく、MCPサーバーが提供するプロンプトも同じ形式で扱われます。展開の仕組みはMCPのPrompts仕様を読み解く記事にまとめており、今回のissue群にMCPプロンプト固有の報告は見当たりませんでした。

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