Claude CodeでTogether AIのスキルを使う手順と領域の振り分け
Together AI公式のスキルをClaude Codeに入れる3つの方法と、15領域のガイドへ振り分けられる仕組みをまとめます。埋め込みが使えない点や課金リソースの扱いなど、先に知っておきたい注意も載せます。
Together AIのスキルを入れると、Claude Codeが推論、画像生成、音声、ファインチューニングなどのコードを、Together AIのSDKに合った書き方で出せるようになります。公式リポジトリはtogethercomputer/skillsで、MITライセンスです。
スキルの数は1つです。その中に15の領域別ガイドが入っていて、依頼に合うものだけが読み込まれます。この記事では、導入の3つの方法、読み込みの仕組み、使う前に知っておきたい制約を順に説明します。
このリポジトリのスキルは1つで、中に15の案内がある
READMEのタイトルは「Together AI Skills for Coding Agents」ですが、中身はskills/together-aiディレクトリにある単一のスキルです。README自身が「A single agent skill」と説明しています。
構造は段階的です。常に読み込まれるのはSKILL.md冒頭の説明文だけです。依頼が来ると、SKILL.mdが案内役となって領域別ガイドを1つ選びます。ガイドの末尾にある「Open next」の表が、詳細リファレンスと実行できるスクリプトの場所を示します。
領域別ガイドは次の15本です。
| ガイド | 扱う内容 |
|---|---|
chat-completions | 扱う内容テキスト生成、ストリーミング、ツール呼び出し、構造化出力 |
images | 扱う内容画像生成と画像編集 |
video | 扱う内容テキストや画像からの動画生成 |
audio | 扱う内容音声合成、文字起こし、翻訳、話者分離 |
embeddings | 扱う内容埋め込みと再ランク(後述の制約あり) |
batch-inference | 扱う内容JSONLによる非同期の大量推論 |
evaluations | 扱う内容LLMを審査役にした評価ジョブ |
fine-tuning | 扱う内容LoRA、フル、DPOなどの追加学習 |
sandboxes | 扱う内容状態を持つリモートのPython実行 |
dedicated-model-inference | 扱う内容専有GPUでのモデル提供 |
dedicated-containers | 扱う内容自前のDockerイメージを推論ワーカーにする |
gpu-clusters | 扱う内容KubernetesやSlurmのGPUクラスター |
kueue | 扱う内容クラスター上のジョブキュー |
volcano | 扱う内容同時起動が必要なジョブのスケジューラー |
togetherlink | 扱う内容既存のコーディングエージェントをTogetherのモデルで動かす |
READMEの冒頭は推論から音声、画像までを列挙していますが、一覧で見ると半分近くは運用寄りです。コードを書く場面だけでなく、クラスターやデプロイの操作までClaude Codeに任せる前提で作られています。
Claude Codeへの入れ方は3通り
READMEが示す方法のうち、Claude Codeに関係するのは次の3つです。
導入方法の選び方
- 1
npxで入れる
npx skills add togethercomputer/skillsを実行します。READMEはこれを「Quick Install (Any Agent)」と呼び、Claude Code、Cursor、Codexなど、Agent Skills仕様に対応するエージェント向けとしています。 - 2
ディレクトリをコピーする
リポジトリを取得して、
skills/together-*を.claude/skills/にコピーします。全プロジェクトで使うなら~/.claude/skills/です。 - 3
プラグインとして入れる
リポジトリには
.claude-pluginディレクトリがあります。ただしREADMEは「Marketplace plugin coming soon」とだけ書いていて、マーケットプレイスからの導入手順は載っていません。
手を動かすなら、コピー方式が分かりやすい選択です。
git clone https://github.com/togethercomputer/skills.git
mkdir -p .claude/skills
cp -r skills/skills/together-* .claude/skills/クローンした直下のskills/にスキルが入っているため、パスがskills/skills/together-*と二重になります。READMEのcp -r skills/together-*は、リポジトリのルートで実行する前提の書き方です。
READMEは導入の確認方法も書いています。.claude/skills/together-*/SKILL.mdが見つかれば配置は成功です。
ls .claude/skills/together-*/SKILL.md置き場所でどこまで効くか
Claude Codeの公式ドキュメントでは、~/.claude/skills/は個人用、プロジェクトの.claude/skills/はそのリポジトリ用です。後者はコミットすればチームにも届きます。Together AIを使うのが特定のリポジトリだけなら、プロジェクト側に置くのが素直です。
注意点が1つあります。Cowork、クラウドセッション、クラウドの定期実行は、手元の~/.claude/skills/を読みません。手元にだけ置いたスキルは、そうした環境で「見つからない」と報告されます。クラウド側で使うなら、リポジトリの.claude/skills/へコミットするか、claude.aiアカウント側でスキルを有効にします。
導入したあとの確認には/skillsが使えます。スキルの一覧と、説明文が消費するトークン数を見られます。使い方は/skillsコマンドの解説にあります。
入れたあとは何も呼ばなくていい
READMEの「Usage」節は、導入後はエージェントが関連するタスクを検出して自動でスキルを使うため、明示的な呼び出しは不要だと書いています。
自動で選ばれる根拠は、SKILL.md冒頭の説明文です。このスキルの説明文は約1,000字あります。Claude Codeの公式ドキュメントによると、descriptionとwhen_to_useを合わせた文はスキル一覧で1,536字に切り詰められます。1,000字なら収まります。
説明文は製品領域を細かく列挙したうえで、「TOGETHER_API_KEY」「tg CLI」「api.together.ai」「Togetherのモデル名」が会話に出たときにも使うよう書かれています。
つまり、依頼文にTogetherの語が入っていれば、領域ごとの指定はいりません。READMEの例を見ると、振り分けの感覚をつかめます。
READMEが挙げる依頼と振り分け先
チャットボット
「Llama 3.3 70BでTogether AIのマルチターンチャットを作って」という依頼。READMEによれば
together-chat-completionsが使われ、v2 SDKの書き方、モデルID、ストリーミングが整います。関数呼び出し
天気や株価を調べるエージェントの依頼。READMEは、
chat-completionsガイドにある並列ツール呼び出しとtool_choiceの型に振り分けると説明しています。画像生成
「FLUXで画像を作ってPNGで保存して」という依頼。
imagesガイドが、モデルID、base64のデコード、ファイル保存を案内します。ファインチューニング
「Llama 3.1 8BをLoRAで追加学習して」という依頼。
fine-tuningガイドがデータ形式、学習パラメーター、監視、デプロイまでをつなぎます。
上の4つはREADMEの例です。Claude Codeがどんなコードを出すかは、モデルやプロジェクトの状態で変わります。
付属スクリプトを直接動かす
各ガイドには、そのまま動かせるPythonスクリプトが付いています。TypeScript版がある領域もあります。実行にはTogetherのPython SDK v2系とAPIキーが必要です。
uv pip install "together>=2.0.0"
export TOGETHER_API_KEY=your_key
python skills/together-ai/scripts/images/generate_image.pyTOGETHER_API_KEYはシェルの環境変数に置きます。settings.jsonやCLAUDE.mdにキーを書くと、リポジトリ経由で漏れる経路が増えます。
スクリプトはREADMEの表で領域ごとに分かれています。たとえばaudioならtts_generate.py、batch-inferenceならbatch_workflow.pyが入っています。画像の編集ならkontext_editing.pyで、生成した画像を編集モデルに渡す連鎖の例まであります。
使う前に知っておきたい制約
スキルの本文には、使えないものや失敗が確定しているものを先に知らせる注意書きが多く含まれています。Claude Codeに任せる前に目を通しておくと、無駄な試行を避けられます。
埋め込みと再ランクは現在使えない
README冒頭は埋め込みを機能の一つとして挙げています。ところがembeddingsガイドは、冒頭で「Together does not currently offer embedding or rerank models」と明言しています。
ガイドによれば、サーバーレスのカタログに埋め込みも再ランクのモデルもありません。intfloat/multilingual-e5-large-instructは2026-09-15に、再ランクのmixedbread-ai/Mxbai-Rerank-Large-V2は2026-03-06に提供終了と書かれています。
対処もガイドに指示があります。Claude Codeはパイプラインを作らずに止まり、使えないとユーザーに伝えます。専有エンドポイントに埋め込みモデルを持っている場合だけ、付属スクリプトが使えます。
RAGを作りたくてスキルを入れた場合、検索部分は別のプロバイダーが必要です。Togetherの出番は、取得したテキストを読ませる生成の部分になります。
モデルIDは古くなる前提で書かれている
スキルは、ガイドやスクリプトのモデルIDを「2026-10-07に確認した例」と位置づけています。Unable to access non-serverless modelやmodel_not_availableが出たら、記憶にある別のIDを試さずに、サーバーレスのカタログと非推奨ページで確認するよう指示しています。1トークンだけ返させるリクエストで、モデルが使えるかを1回で確かめる方法も書かれています。
再試行してはいけないエラーがある
スキルは、再試行してよいエラーを絞っています。429と5xxだけを、バックオフを挟んで数回までです。
400のサーバーレス非対応、401、402の残高不足、403、404は再試行しても成功しません。402はアカウント全体の問題で、別のモデルにしても解決しません。403のthird_party_data_sharing_blockedは、パートナーが提供するモデル(FLUX.2など)を使うために、組織側で第三者へのデータ共有を有効にする必要があるという意味です。
v1のSDKの名前は動かない
スキルはv2 SDK専用です。create_batchはbatches.createに、code_interpreter.runはcode_interpreter.executeに変わっています。v1の名前を使うとAttributeErrorになります。既存のコードがv1で書かれているなら、Claude Codeに書き換えを頼む前に、SDKの版を確認してください。
課金されるリソースは作らせない
専有エンドポイント、コンテナ、GPUクラスターは、動いている間ずっと課金されます。スキルは「頼まれたときだけ作る」「作ったら削除して、消えたことを確かめる」と書いています。自分で止まるのは、非アクティブ時間のタイムアウトを付けた専有デプロイだけです。
この指示はスキル側の約束で、守るかどうかはモデルの判断に左右されます。Claude Code側でも、操作を確認に回しておくと安心です。
課金操作は権限で確認に回す
スキルは、専有エンドポイントやクラスターを操作するときにtgコマンドを使います。tgはTogether AIのCLIで、uv tool install "together[cli]"で入ります。
Claude Codeの権限設定では、askルールに一致する呼び出しは、allowルールにも一致していても確認が出ます。tg全体を確認に回す例は次のとおりです。
{
"permissions": {
"ask": [
"Bash(tg *)"
]
}
}これを.claude/settings.jsonに置きます。*はサブコマンドの後ろに置くのが公式の書き方です。参照系まで毎回確認が出て煩わしい場合は、askの範囲をtg beta endpoints *のように狭めます。
APIだけで動く推論やバッチは、PythonスクリプトからSDKを呼ぶ形になり、Bashのpythonとして実行されます。こちらは課金が従量で小さく済む用途が多いので、確認を入れるかは使い方次第です。
TogetherLinkは別の話
togetherlinkガイドは、この記事の主題と向きが逆です。他のガイドは「Claude CodeがTogetherを使うコードを書く」ためのものです。TogetherLinkは「Claude CodeそのものをTogetherのモデルで動かす」ためのものです。
ガイドによると、TogetherLink(togetherlink、別名tlink、ベータ版)は、Claude Code、Codex、OpenCode、Claude Desktop、ChatGPT Desktopなどを、Togetherがホストするモデルで動かします。Claude Codeの起動はtclaudeです。
押さえておく点は3つです。
- セッションの既定は
autoで、モデルを固定するにはtogetherlink --main MODEL_IDを使う - Claude Code自身の
--modelでは固定できない。settings.jsonのmodelキーでも変わらない /costとJSON出力のtotal_cost_usdはAnthropicの価格で計算されるため、実際の支出はtogetherlink usageで確かめる
このスキルが前提にしているのは、あくまでAnthropicのモデルで動くClaude Codeです。TogetherLinkの経由は、スキルを入れていなくても使える別の機能です。
まとめ
Together AIのスキルは、導入が簡単で、依頼に合ったガイドだけを読む設計です。入れる手間よりも、制約の把握が効きます。
使い始める前の判断材料は3つです。埋め込みは使えない、モデルIDは確認が必要、課金リソースは確認に回す。この3つを押さえれば、Claude Codeに任せられる範囲が見えてきます。
外部サービスのスキルを入れる別の例は、StackHawkのスキル導入とFiftyOneのスキル導入にあります。スキルとコマンドの違いはバンドルスキルと組み込みコマンドの違いで整理しています。