Claude Media
Claudeプライバシー — 会話を誰が閲覧し、いつ学習に使われるか

Claudeプライバシー — 会話を誰が閲覧し、いつ学習に使われるか

Claudeとの会話を誰が見られるかを公式情報にもとづき解説します。学習利用の条件、匿名化の仕組み、安全性審査の例外、機密情報の扱いをまとめます。

Claudeとの会話を人が見ることはあるか

結論から言うと、条件付きで見られます。Claudeの個人向けプラン(Free / Pro / Max、およびそれらのアカウントでClaude Codeを使う場合)では、会話やコーディングセッションは、利用者がモデル改善への利用を許可した場合に、モデルの学習・改善に使われます。この設定はSettingsのPrivacyセクションにあり、学習利用をオフにすると通常の会話は対象から外れます。ただし、後述する安全性審査などの例外だけは、オフにしていても別扱いです。ここまでは、自分で共有していない会話の扱いです。自分から会話を第三者へ見せたい場合はリンク共有という別の手段があり、含まれる範囲や共有解除の手順はClaudeのチャット共有と共有解除のやり方にまとめています。

Team / Enterpriseプランはこの規定の対象外です。企業向け契約は別のデータ処理条件で運用されており、本記事が扱う個人向けの規定をそのまま当てはめることはできません。プライバシーポリシーの本文も、対象をウェブサイトやclaude.aiなど消費者向けサービスに限定しており、企業向けオファリングの利用者に代わって処理するコンテンツは対象外です。企業契約でのデータの扱いはClaude Enterpriseとはで個別に確認してください。

学習に使われる会話は、どう匿名化されて誰が見るのか

学習利用の対象になった会話は、そのままの形で人の目に触れるわけではありません。学習に利用する前に、複数の保護が入ります。

まず、会話データはメールアドレスなどのユーザーIDから機械的に切り離されます。この処理をデリンクと呼び、レビューの前に必ず行われます。切り離した後にレビューへアクセスできるのは、モデルの学習に携わる少数の担当者に限られます。

加えて、プライバシー保護分析ツールの研究成果を使い、機密性の高い情報をフィルタリングまたは難読化する処理も入ります。学習後の後処理技術によって、Claudeの出力に個人データがそのまま現れる量を減らす工夫もしています。集めたデータの使い道も限定されており、個人への連絡、個人のプロファイル作成、本人への販売や勧誘には使わず、情報そのものを第三者に販売することもないとされています。

学習に使われる会話の範囲にも線引きがあります。チャットやコーディングセッションでモデル改善に使われるのは、関連する会話全体とカスタムスタイル・会話の好み設定、Claude for Chrome利用時に収集されるデータまでです。Google Driveなどのコネクタや、リモート・ローカルのMCPサーバーから読み込んだ生データはこの対象に含まれません。ただし、そのコンテンツを会話に直接コピーした場合は、その部分が会話の一部として学習対象になり得ます。

安全性審査に引っかかった会話は、設定に関わらず使われることがある

モデル改善への利用を許可していなくても、例外が2つあります。ひとつは、会話が安全性の分類システムによってフラグ付けされた場合です。有害コンテンツの検出精度を上げたり、利用ポリシーを執行したり、安全性に関する研究を進めたりする目的で、社内の信頼性・安全性モデルの学習に使われる可能性があります。もうひとつは、フィードバック機能などを通じて利用者自身がその会話を明示的に報告した場合です。この2つは、学習利用のトグルをオフにしていても適用対象から外れません。

これとは別に、Trusted Tester Programのような明示的なオプトインプログラムに参加した場合も、その会話は学習に使われる対象になります。

一方、インコグニートモードで行った会話は別扱いです。モデル改善の設定を有効にしていても、インコグニートチャットは学習に使われません。インコグニートは一時的な会話で、チャット履歴やClaudeのメモリーには保存されません。ただし保持がなくなるわけではなく、既定で30日間(組織の保持設定がより長ければその期間)は残ります。組織のアカウントでは、インコグニートチャットもOwnerが取得できる組織データのエクスポートに含まれ、EnterpriseではCompliance APIの対象にもなります。特定のやり取りだけ学習対象から外したい場合はこちらを使う方法があります。使い方や制約はClaudeインコグニートチャットの使い方と制限にまとめています。

設定を変えたあと、会話はいつまで・どこまで残るか

トグルを切り替えた瞬間に、過去の会話まで学習から消えるわけではありません。保存期間は状況ごとに別々に決まっています。

数字

会話データの保存期間(個人向けプラン)

  • 自分で削除した会話

    30日以内

    履歴からは即時に消え、バックエンドからは30日以内に削除

  • 学習利用を許可した会話

    最大5年

    匿名化した形で学習パイプラインに保持

  • ポリシー違反でフラグ付けされた会話

    入出力2年

    分類スコアは最大7年

  • フィードバックで送信した会話

    5年

    親指ボタンやバグ報告に紐づくデータ

学習を許可した場合の「最大5年」は、許可した後に始めた新しい会話と、再開した会話にだけ適用されます。オフに切り替えると、それ以前の会話も含めて、以後の学習には使われません。一方で、すでに始まっている学習の実行や、訓練済みのモデルには、そのデータが含まれたまま残ります。会話を削除した場合も同じで、以降の学習には使われませんが、進行中の実行や訓練済みモデルからは取り除かれません。

安全性審査に関わる保持は、トグルとは無関係に決まります。ポリシー違反として自動検知された会話は、入出力が最大2年、信頼性・安全性の分類スコアが最大7年保持されます。フィードバックとして送った会話はユーザーIDから切り離して使われ、他の会話とは結合されません。加えて、法令上の要請、紛争の解決、利用ポリシー違反への対処に必要な場合は、上の期間にかかわらず会話を保持することがあります。

設定の切り替えはパソコンでもスマホでも同じ画面にあります。

手順

学習利用をオフにする手順

  1. 1

    Settingsを開く

    画面上の自分の名前(設定メニュー)からSettingsを選びます。

  2. 2

    Privacyを選ぶ

    Settingsの中のPrivacyを開きます。

  3. 3

    トグルを切り替える

    Help improve our AI modelsの項目のボタンをオフにします。画面の英語表記は、Privacy Centerの手順に従っています。

Anthropic以外の第三者が会話データに触れることはあるか

ここまでは社内での扱いでしたが、プライバシーポリシー全体を見ると、第三者が関わる場面も別に定められています。ホスティングやデータ処理、業界標準への準拠、監査、不正利用の調査といった業務目的で、サービスプロバイダーやビジネスパートナーに個人データを開示・受領することがあります。関連会社やコーポレートパートナーも開示先の列挙に含まれます。

もう一つ、法令や規制に基づく開示です。適用法令や法的手続きへの対応、深刻な危害の防止、不正行為の検知、利用規約の執行といった正当な理由があると判断した場合、政府機関や法執行機関を含む第三者に個人データを開示することがあります。企業の合併や事業譲渡などの重大なコーポレートイベントが起きた場合も、事業資産の一部として個人データが移転する可能性があります。

勤務先など組織が所有するメールアドレスでアカウントを作った場合は、そのアカウントが組織のエンタープライズアカウントに紐づくことがあります。この場合は組織とその管理者も、個人データの行き先に加わります。入力前にどの一次資料を確認すべきかはClaudeに個人情報を入力する前に確認する一次資料はどれか — PPC・プライバシーセンター・利用規約にまとめています。

個人向けプランと企業向けプランでは適用ルールが違う

同じClaudeブランドでも、契約の形態によってプライバシーの扱いは別物になります。

項目個人(Free / Pro / Max)Team / Enterprise
適用される規定個人(Free / Pro / Max)本記事が参照するプライバシーポリシーTeam / Enterprise顧客との契約(DPA等)
学習利用の既定個人(Free / Pro / Max)利用者がモデル改善への利用を許可した場合に学習対象Team / Enterprise既定では学習に使わない(フィードバック送信時を除く)
会話の保存期間個人(Free / Pro / Max)上記のとおり(削除30日・学習許可で最大5年など)Team / Enterprise契約や組織の設定に基づく
組織側からの閲覧個人(Free / Pro / Max)勤務先のメールアドレスだと、組織のエンタープライズアカウントに紐づく場合があるTeam / EnterpriseアカウントOwnerがデータエクスポートで会話を取得できる(インコグニートも含む)。EnterpriseはCompliance APIも対象

既定で学習に使わない商用製品には、Claude for Workのほか、Anthropic APIやClaude Govなども含まれます。これらの商用製品は、入力と出力を既定ではモデルの学習に使いません。例外は、thumbs up/downのフィードバックボタンなどで内容を報告した場合で、そのチャットやコーディングセッションが学習に使われることがあります。個人向けとは既定値の向きが逆です。

企業契約のデータ管理についてはClaude Enterpriseとはで、料金やセキュリティ面と合わせて扱っています。自治体職員が庁内文書の下書きに使う場合の線引きは自治体職員の生成AI利用と総務省ガイドラインで扱っています。

機密情報の入力はどこまで避けるべきか

複数の保護策があるとはいえ、特定の種類の情報については慎重な扱いが推奨されています。具体的に挙げられているのは、社会保障番号やクレジットカード番号、銀行口座情報などの金融情報、健康記録や医療情報、パスワードや非公開のログイン認証情報、機密性の高い業務文書や個人文書の4つです。

これらの情報を絶対に入力してはいけないという規定ではありません。ただし、プライバシー設定によって学習からは守られても、法令や規制当局からの正当な要請があった場合には情報の開示が必要になる場面がある、という一般的なプライバシーポリシーの規定は個人向けプランにも適用されます。入力する前に、その情報が漏れた場合の影響を自分で見積もっておく価値はあります。

プライバシー設定が実際に守るのは「学習」であって「閲覧」の全てではない

Claudeのプライバシー設計は、利用者が選べる軸と選べない軸に分かれています。

くらべる

設定で決まる経路と、設定に関わらない経路

学習利用の軸

利用者が選べる

学習利用のトグルとインコグニートチャットです。オフにすれば、以後の通常の会話は学習に使われません。

アクセス制御の軸

利用者が選べない

安全性審査でのフラグ付け、明示的な報告、法令に基づく開示、委託先での処理です。設定画面の外側で運用されています。

トグルは「学習データにするかどうかを選ぶスイッチ」で、会話を完全に非公開にするものではありません。機密情報の入力に慎重さが求められるのは、選べない側の経路が設定でゼロにならないからです。

よくある質問

インコグニートチャットなら、安全性審査の対象からも外れますか

明記されているのは、インコグニートチャットが学習に使われないという点だけです。安全性の分類システムによる審査そのものを免れるとは書かれていません。学習利用と安全性審査は別の仕組みとして扱われています。

会話データが第三者に売られることはありますか

適用法令で定義される意味での「販売」はしないと、プライバシーポリシーに書かれています。第三者への開示があるのは、ホスティングやデータ処理の委託、法令に基づく開示要請、関連会社との共有、事業譲渡時の移転など、ポリシーに列挙された場面に限られます。

まとめ — 結局、何を基準に判断すればよいか

まず自分が個人向けと企業向けのどちらの契約かを確かめてください。個人向けなら、金融情報・医療情報・認証情報・機密文書の4種は、入力前に一度立ち止まる対象です。

自分のデータの開示を請求する方法はClaude個人情報の開示請求、アカウントの基本操作はClaudeログイン完全ガイドにあります。Claudeを使っていない第三者の側の扱いはNon-User Privacy Policyにあります。

この記事を共有:XはてブLinkedIn