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Claudeで保険の満期管理 — Excelの契約者一覧から3か月前の連絡リストを作る

Claudeで保険の満期管理 — Excelの契約者一覧から3か月前の連絡リストを作る

契約者一覧に連絡開始日の列を足し、満期の3か月前に当たる契約だけを連絡リストに抜き出して案内文の素案まで作る手順を、Claude for Excelの使い方と人が確かめる箇所つきで示します。

保険代理店の満期管理は、契約者一覧の「満期日」を見て、3か月前になった契約から順に連絡していく作業です。件数が増えると、日付の計算、対象の抜き出し、案内文の作成、連絡済みの記録が別々の手作業になり、抜けが出ます。

この記事では、Claude for Excelに「連絡開始日の列」と「連絡リスト」を作らせ、案内文の素案まで進める手順を書きます。日付の計算と抽出はExcelの機能で確実に処理し、Claudeには表の組み立てと文面の下書きを任せる分担です。数値や契約者はすべて架空で、顧客番号だけを使います。

満期3か月前の連絡リストは、4つの作業に分けると任せやすい

満期管理を1回の依頼で丸ごと頼むと、どこで間違えたかが追えません。次の4つに分け、1つずつ結果を見ます。

手順

満期連絡の準備を4段に分ける

  1. 1

    連絡開始日の列を足す

    満期日の3か月前の日付を、契約ごとに出します。

  2. 2

    連絡リストを別シートに抜き出す

    連絡開始日が近く、まだ案内していない契約だけを並べます。

  3. 3

    案内文の雛形を作る

    文面は1回だけ下書きし、人が直します。

  4. 4

    契約ごとの文面を数式で差し込む

    保険料や満期日は、文章の生成ではなく数式で入れます。

最後の段を数式にするのが、この手順のいちばんの工夫です。金額や日付をClaudeに文章として書き直させると、1つの桁違いが顧客への案内に載ります。数式で参照すれば、元の表と必ず一致します。

使える環境と、契約者情報を入れる前の線引き

Claude for Excelは、Pro、Max、Team、Enterpriseの各プランで使えるExcelのアドインです。対応する環境は、Excel on the web、Microsoft 365契約のWindows版(ビルド16.0.13127.20296以降)、Mac版(バージョン16.46以降)です。Excel 2016・2019の買い切り版、iPad、Androidでは動きません。

使えない機能も押さえておきます。マクロとVBAの操作、データテーブルは対象外です。ボタン一つで案内文をメールに流し込むようなマクロは、このアドインでは組めません。メール送信は人が行う前提で、手順を組みます。

契約者の情報を扱うので、データの扱いも先に見ます。

  • 入力と出力は、バックエンドで受け取りまたは生成から30日以内に削除される(例外あり)
  • チャット履歴はブラウザー内に保存され、Anthropicのサーバーには保存されない
  • 組織が設定したデータ保持の設定は引き継がれず、Enterpriseの監査ログにも活動は含まれない
  • 顧客への最終成果物を人の確認なしで出すこと、高い機密性のある・規制対象のデータを適切な統制なしで扱うことは推奨されていない

最後の項目が、保険の実務では効いてきます。契約者の氏名や住所、健康に関わる情報は、社内の規程と保険会社との取り決めで扱いが決まっているはずです。この記事の手順は、顧客番号・種目・満期日・保険料だけの一覧で動かす設計にしています。氏名や連絡先は、案内文を差し込む最後の段階で、人が手元のファイルに足します。

もう1つ、外から届いたファイルの扱いがあります。保険会社から送られた契約一覧や、他の担当者が作った表には、Claudeへの隠れた指示が仕込まれている可能性があります。信頼できるファイルだけで使い、元の表のコピーで試してから本番の表に移します。Claudeが危険な操作を提案したときは確認を求められるので、外部由来のファイルでは特に中身を読んで承認します。

契約者一覧の列を決める

列の設計が、後の手順の成否を決めます。数式で扱えるよう、日付は日付型で入れ、「4月10日」のような文字では持ちません。

列項目例
A項目顧客番号例A-001
B項目種目例火災
C項目保険会社例会社甲
D項目満期日例2027/4/10
E項目年間保険料例82,000
F項目担当者例担当1
G項目連絡状況例未連絡
H項目連絡開始日例(手順1で作る)

連絡状況は「未連絡・案内済み・更改済み・解約」の4つに固定します。自由に書ける欄だと「連絡した」「案内ずみ」のような表記のゆれが出て、後で抽出の条件に引っかからなくなります。

この表の上に、別シート「前提」を作り、B1に基準日、B2に先行日数(連絡開始日の何日先まで見るか)を置きます。基準日はTODAY関数にもできますが、検算のあいだは固定の日付にしておくと、画面と記事の例が一致します。この記事の例では基準日を2027年1月15日、先行日数を30日とします。

架空の5件を、次のように入れたとします。

顧客番号種目満期日連絡状況
A-001種目火災満期日2027/4/10連絡状況未連絡
A-002種目自動車満期日2027/4/25連絡状況未連絡
A-003種目賠償責任満期日2027/5/12連絡状況未連絡
A-004種目傷害満期日2027/7/15連絡状況未連絡
A-005種目火災満期日2027/4/5連絡状況案内済み

手順1: 満期日の3か月前を、連絡開始日として出す

最初の依頼は、H列を作るだけに絞ります。

契約者一覧シートのH列に「連絡開始日」を作ってください。
満期日(D列)の3か月前の日付を、数式で入れます。
数式は日付型で返し、表示形式はyyyy/m/dにしてください。
値の貼り付けではなく、D列を参照する数式にしてください。

数式は、例えば次の形になります(Excelの標準関数を使った一例です)。

=EDATE(D2,-3)

3か月前という計算は、日数の引き算ではなく月の単位で戻します。90日前で計算すると、月の長さによって日付が1〜3日ずれるためです。

ここで必ず人が見るのは、月末の満期日の行です。5月31日の3か月前は2月に31日がなく、どの日付になるか、手元のExcelで結果を確かめてから運用に入ります。月末の行を1件テスト用に足しておくと、確認が一度で済みます。この記事の例では、満期が2027年4月10日の契約の連絡開始日は2027年1月10日になります。

Claude for Excelは、数式の意味を聞くと、参照先のセルをクリックで辿れる形で答えます。H列の式が想定どおりか不安なときは、「H2の値はどのセルからどう計算されているか」と聞きます。

手順2: 連絡リストを別シートに抜き出す

次に、基準日から先行日数以内に連絡開始日が来る契約を、別のシートに抜き出します。条件は3つです。

  • 連絡開始日が、基準日から先行日数(30日)以内、または基準日を過ぎている
  • 連絡状況が「未連絡」
  • 並び順は連絡開始日の早い順
新しいシート「連絡リスト」を作り、契約者一覧から次の条件の行を抜き出してください。
条件: 連絡状況が「未連絡」で、連絡開始日が「前提」シートのB1+B2以下。
並び順は連絡開始日の昇順。
列は顧客番号・種目・満期日・連絡開始日・担当者・連絡状況。
連絡開始日が基準日より前の行は「期限超過」と別の列に表示してください。

例の5件なら、リストには3件が残ります。

顧客番号連絡開始日基準日との関係
A-001連絡開始日2027/1/10基準日との関係5日超過
A-002連絡開始日2027/1/25基準日との関係あと10日
A-003連絡開始日2027/2/12基準日との関係あと28日

3件が並びました。A-004(連絡開始日は4月15日)は先行日数の外、A-005は案内済みなので外れます。A-003は28日先で、先行日数30日の内側です。

Claude for Excelは、並べ替え、フィルター、条件付き書式、データの入力規則によるドロップダウン作成といったExcelの標準操作を直接頼めます。この表では、次の2つを足すと運用が楽になります。

  • G列「連絡状況」に4択のドロップダウンを設定する(表記のゆれを防ぐ)
  • 「期限超過」の行を条件付き書式で赤系に塗る

ドロップダウンを入れる範囲は、後から行が増えても効くように、表全体の列で指定してもらいます。

既存のデータを上書きする操作では、Claudeが実行前に警告を出します。表の本体であるD列やE列に手を入れさせないよう、依頼文に「元の列は変更しない」と一言入れておくと、確認の回数も減ります。

手順3: 案内文の雛形は1回だけ作り、人が直す

案内文は、契約ごとに書かせず、雛形を1つ作ります。契約ごとに生成させると、文面の揺れが審査や確認のコストになります。

満期の案内文の雛形を、「文面」シートのA1に書いてください。
差し込む項目は【顧客番号】【種目】【満期日】【保険料】の4つで、
【】で囲んだ位置に入ります。
丁寧で簡潔な文体で、更改の勧誘は強くせず、
更改の意向をたずねる文末にしてください。
保険会社の商品名や補償内容の説明は書かないでください。

最後の2行の禁止が重要です。補償内容や商品の説明は、保険会社の資料と社内の規程で決まった文言を使う領域で、Claudeの言い換えを入れてはいけません。案内文に補償の説明を載せる場合の考え方は、意向把握・意向確認書面の下書きの手順にまとめています。更改でも補償を変える場合は、意向把握が絡むので、案内文だけで済ませず、書面の手順に移ります。

雛形の下書きが出たら、社内のひな形や保険会社の案内文と並べて読み、直します。直した版を雛形として確定させます。

手順4: 契約ごとの文面は、数式で差し込む

雛形が確定したら、「連絡リスト」シートに「案内文」列を足します。ここは文章の生成ではなく、セルの参照による組み立てにします。

連絡リストシートに「案内文」列を足してください。
「文面」シートA1の雛形の【顧客番号】【種目】【満期日】【保険料】を、
契約者一覧の該当行の値に置き換える数式にしてください。
満期日はyyyy年m月d日の表示、保険料は桁区切りで入れてください。
値の貼り付けにはしないでください。

数式は、置換関数を重ねたものか、文字をつなぐ演算子を使ったものになります。どちらでも、元の表が変われば文面も変わる状態です。これで、満期日や保険料を後から訂正したときに、案内文だけ古いままになる事故を避けられます。

氏名や宛名は、この段階では入れません。顧客番号のままのリストを社内の担当者に渡し、担当者が自分のファイルで氏名を足して、メールや郵送の様式に流し込みます。

人が確かめる4か所

Claude for Excelは、顧客への最終成果物を人の確認なしで出すことを推奨していません。この手順で人が見る箇所は次の4つです。

  1. 月末の満期日の行で、連絡開始日の日付が想定どおりか
  2. 連絡リストの件数が、契約者一覧から手で数えた件数と合うか(案内済みと更改済みが抜けているか)
  3. 案内文の雛形が、社内の規程と保険会社の指示に合っているか
  4. 差し込んだ保険料と満期日が、元の表と一致するか(数件を抜き取って照合)

2番目は、Excelの標準機能でも検算できます。連絡状況が「未連絡」で連絡開始日の条件を満たす行を、COUNTIFS関数で数え、リストの行数と見比べます。Claudeの抽出が正しいかを、別の方法で数えて確かめるわけです。

毎回の指示を、設定のInstructionsに固定する

サイドバーの設定にあるInstructionsの欄に書いた内容は、Excelでの全会話に適用されます。毎回「元の列は変更しない」と書くのは手間なので、ここに入れます。

- 契約者一覧の既存の列は、頼まれない限り変更しない
- 日付は日付型のまま扱い、文字列に変換しない
- 金額は桁区切りで、通貨記号は付けない
- 抽出や集計は、値の貼り付けではなく数式で作る
- 案内文には補償内容や商品の説明を書かない

このInstructionsはExcelだけに適用され、PowerPointやWordの設定とは別です。長い会話は自動的に新しい会話へ圧縮されるので、手順の途中で流れが切れたら、前提シートの基準日と列の構成をもう一度伝えると立て直せます。

満期管理でつまずきやすい場所

落とし穴

日付が文字のまま入っていて、3か月前が計算できない

他のシステムから出力した一覧は、日付が文字として入っていることがあります。見た目は同じでも、数式がエラーになるか、並び順が狂います。手順1の前に、D列が日付型かを確かめます。Claudeには「D列の値を日付型に変換して、変換できない行を一覧にして」と頼めます。

落とし穴

更改済みの契約が、連絡リストに残り続ける

連絡状況の更新を忘れると、案内済みの契約に二度目の案内が出ます。連絡リストを作るたびに、更新日を記録する列を足し、担当者が連絡の後に状況を書き換える運用にします。

落とし穴

満期日を訂正したのに、案内文の保険料が古い

案内文を値のまま貼り付けて保存すると、元の表の訂正が反映されません。手順4のように数式で組み、メールに流し込む段階で初めて値にします。

保険の見積書や証券そのものをClaudeに読ませる場面は、別の手順になります。自動車保険の見積書PDFを項目ごとに比べる考え方は見積書PDFの比較が、Excelの数式異常を洗い出す流れは準備金の検証が参考になります。

まとめ

満期3か月前の連絡リストは、連絡開始日の数式、条件を決めた抽出、雛形1つ、数式の差し込みの4段で組めます。Claudeに任せる範囲は、表の組み立てと雛形の下書きまでです。連絡日の計算を数式にして、案内文の数値を参照にすれば、確かめる点が絞れます。

最初に試すなら、契約者一覧のコピーに連絡開始日の列を足すところから始めます。月末満期の行を1件混ぜて日付を確かめれば、残りの手順に進めるかどうかがわかります。

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