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派遣の抵触日をExcelで管理する — 事業所単位と個人単位の3年をClaudeと組む

派遣の抵触日をExcelで管理する — 事業所単位と個人単位の3年をClaudeと組む

派遣の抵触日には事業所単位と個人単位の2本の3年があります。法40条の2と35条の3に沿った管理表の列設計、EDATEの計算式、意見聴取の期限、Claudeへの点検の頼み方をまとめます。

派遣の抵触日は、事業所単位と個人単位の2つがあり、どちらも3年で区切られます。派遣先の総務・人事なら、Excelの管理表に2本の期限を並べ、日付の計算とアラートをClaudeに点検させる使い方が現実的です。

この記事は、法40条の2(事業所単位)と法35条の3(個人単位)の条文を管理表の列に落とし、EDATE関数で期限を出し、意見聴取の期限と書面の保存までを1枚のシートで追える形にします。台帳の記載事項と3年保存はClaudeで派遣先管理台帳を点検する手順で扱っています。

抵触日とは何で、2本の3年はどこが違うのか

抵触日は、派遣可能期間の上限に「抵触することとなる最初の日」です。法40条の2第1項は、派遣先が事業所その他派遣就業の場所ごとの業務について、派遣可能期間を超えて継続して派遣を受けることを禁じています。同条2項で、この派遣可能期間は3年と定められています。

もう1本は派遣労働者の側にかかる3年です。法35条の3は、派遣元事業主が、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、3年を超えて同一の派遣労働者を派遣することを禁じています。

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事業所単位と個人単位の違い

法40条の2

事業所単位の期間制限

事業所その他派遣就業の場所ごとの業務が対象です。誰が派遣されていても、派遣の受け入れが続く限り同じ期限が進みます。

法35条の3

個人単位の期間制限

組織単位ごとの業務で、同一の派遣労働者が3年を超えて派遣されることが対象です。人が替われば、その人の分は新しく数え始めます。

管理表で最初に決めるのは、1行の単位です。事業所単位の期限は「事業所(または派遣就業の場所)の業務」に1本、個人単位の期限は「組織単位 × 派遣労働者」に1本ずつ付きます。1つのシートに混ぜず、事業所シートと個人シートに分けると、後で数式が壊れにくくなります。

3年の例外は管理表に入れるか

法40条の2第1項の各号に当たる派遣は、期間制限の対象から外れます。条文が挙げるのは次の5つです。

  • 無期雇用の派遣労働者に係る派遣
  • 雇用の機会の確保が特に困難で、雇用の継続等を図る必要があると省令で定める者に係る派遣
  • 事業の開始・転換・拡大・縮小・廃止のための業務で、一定の期間内に完了することが予定されているもの
  • 1か月に行われる日数が、派遣先の通常の労働者の所定労働日数に比べて相当程度少なく、厚生労働大臣の定める日数以下である業務
  • 産前産後休業・育児休業・介護休業などをする労働者の業務に係る派遣

2号の省令は、施行規則で「60歳以上の者」と定められています。管理表には「例外区分」の列を1つ置き、該当なしなら空欄、該当するなら号を書く形にしておくと、例外の派遣を誤って期限アラートに載せずに済みます。例外区分の判断そのものは、契約書と派遣元からの通知を見て人が決めます。

抵触日を管理表のどの列に持つか

必要な列は多くありません。派遣先が自分で持つべき日付は次の通りです。

列内容入力or計算
事業所名内容派遣就業の場所入力or計算入力
組織単位内容課・グループなど入力or計算入力
派遣開始日内容当該業務の派遣の役務提供が開始された日入力or計算入力
例外区分内容法40条の2第1項の号(なしは空欄)入力or計算入力
延長回数内容意見聴取による延長の回数入力or計算入力
事業所単位の抵触日内容現在の派遣可能期間の次の日入力or計算計算
意見聴取の期限内容抵触日の1か月前の日入力or計算計算

個人シートには「派遣労働者ID」「個人の就業開始日」「個人単位抵触日」を足します。氏名ではなく社員IDや派遣元の管理番号を使うと、Claudeに渡す表から個人を特定できる情報を減らせます。

EDATEで抵触日を出す

抵触日は、派遣開始日から3年が経過した日です。派遣開始日が2024年4月1日なら、2027年3月31日までが3年以内で、2027年4月1日が抵触日になります。EDATEで36か月後を取ると、この日付がそのまま出ます。

# F列: 事業所単位の抵触日(派遣開始日がC列、延長回数がE列)
=EDATE(C2, 36*(1+E2))
 
# G列: 意見聴取の期限(抵触日の1か月前の日)
=EDATE(F2, -1)
 
# 個人シート: 個人単位抵触日(個人の就業開始日がC列)
=EDATE(C2, 36)

延長のたびに3年ずつ加算する式です。法40条の2第3項は、延長できる期間を「3年を限り」としているため、延長回数が1なら抵触日は6年後になります。派遣開始日が月末のときの端数処理は、EDATEが月末に寄せる挙動と法的な日の数え方が一致するかを、派遣元の担当者に一度確認しておくと安全です。

意見聴取の期限と書面の保存を一緒に追う

事業所単位の期限は、過半数労働組合や過半数代表者への意見聴取を経れば3年を限りで延ばせます。法40条の2第3項は、延長の手続きを行える期間(意見聴取期間)を、派遣開始日(延長済みなら延長前の期間が経過した日)から、抵触日の1か月前の日までと定めています。管理表のG列がこの日です。

手続きの流れは条文では次の順です。

手順

事業所単位の延長手続き

  1. 1

    書面で通知する

    過半数労働組合または過半数代表者に、派遣可能期間を延長しようとする事業所等と延長しようとする期間を書面で通知します(施行規則33条の3第1項)。

  2. 2

    意見を聴く

    意見聴取期間のうちに、過半数労働組合や過半数代表者の意見を聴きます(法40条の2第4項)。

  3. 3

    異議があれば説明する

    異議が述べられたときは、延長前の派遣可能期間が経過する日の前日までに、延長の理由などを説明します(同条5項)。

  4. 4

    派遣元に抵触日を通知する

    延長したら速やかに、派遣元事業主へ新しい抵触日を通知します(同条7項)。

書面の保存期間にも期限があります。意見聴取の記録は、延長前の派遣可能期間が経過した日から3年間の保存が必要です(施行規則33条の3第3項)。異議があって説明をしたときの記録も、同じく延長前の派遣可能期間が経過した日から3年間です(施行規則33条の4第2項)。管理表に「記録の保存期限」列を足し、=EDATE(延長前の期間の経過日, 36) で出しておくと、廃棄の判断も同じシートで済みます。

意見聴取の記録は、記載事項を事業所の労働者に周知することも求められています(施行規則33条の3第4項)。掲示、書面の交付、常時確認できる電子機器の設置のいずれかです。周知した日と方法は、管理表の列にしておくと確認が早くなります。

派遣元との通知を日付で結ぶ

抵触日は派遣先だけで完結せず、派遣元との間でやり取りされます。管理表には次の3点を、通知した日・受け取った日として持つと、抜けが見えます。

  • 契約の締結前: 派遣先は、新しい労働者派遣契約を結ぶ前に、派遣元へ抵触日を通知します(法26条4項)。通知がなければ、派遣元は契約を締結してはなりません(同条5項)。
  • 派遣労働者への明示: 派遣元は、派遣をする前に、事業所単位の抵触日と、個人単位の抵触日を派遣労働者へ明示します(法34条1項3号・4号)。
  • 延長後の再明示: 派遣先から延長の通知を受けた派遣元は、遅滞なく、派遣労働者に新しい抵触日を明示します(法34条2項)。

派遣元は、派遣先が抵触日に達したときは、その日以降の派遣を続けてはなりません(法35条の2)。抵触日の直前に慌てないために、管理表では抵触日の半年前、3か月前、意見聴取の期限といった複数の目印を別々の列に持つ設計が向いています。

Claudeに何を頼み、どこまで任せるか

管理表を作ったあとの点検をClaudeに任せます。Claude for Excelは、Pro、Max、Team、Enterpriseのプランで使えるExcelのアドインで、開いているブックについての質問にセル単位の引用つきで答えます。数式の関係を保ったまま前提を変える使い方もできます。

頼み方の例を挙げます。プロンプトは、条文の根拠を伝えたうえで、判断を求めずに照合だけを求める形です。

このブックの「事業所」シートで、F列の抵触日が
=EDATE(派遣開始日, 36*(1+延長回数)) になっていない行を
行番号つきで挙げてください。数式は直さず、一覧だけ出してください。
 
次に、G列の意見聴取の期限が過ぎているのに
延長回数が増えていない行を挙げてください。
例外区分が空欄でない行は対象外にしてください。

この種の依頼なら、Claudeは数式と値の照合を行番号つきで返せます。確認したいのは、延長手続きの完了そのものではなく、表の日付の整合です。「この派遣は例外に当たるか」「意見聴取は有効だったか」は、契約書や書面を持つ人が決めることです。

個人単位で気を付けること

個人単位の3年は、同一の組織単位で同一の派遣労働者が続く限り数え続けます。派遣元の変更や契約更新の切れ目、課の再編などで「連続しているか」が問題になる場面があります。条文は「継続して」と書くだけなので、切れ目が何か月空けば継続が切れるかなどの運用の細部は、派遣先が講ずべき措置に関する指針や厚生労働省の解説で確かめます。厚生労働省の労働者派遣事業の法令ページには、法令、施行規則、派遣先が講ずべき措置に関する指針、疑義応答集が並んでいます。

組織単位を変えて同じ人に続けて働いてもらう運用を考えるときは、事業所単位の期限は消えないという点も押さえます。個人の3年が新しく数え直されても、事業所単位の抵触日は別の列で進みます。管理表を2本立てにする意味はここにあります。

提出してよいデータを絞る

派遣労働者の氏名や評価は、ブック全体をClaudeに読ませる前に落としておきます。点検に必要なのは、IDと日付と区分だけです。Claude for Excelの案内では、重要な成果物は人の確認なしに使わず、変更は確定前に見直すよう注意されています。日付の修正案をClaudeが示したときも、原本の契約書と照らしてから反映する運用にします。

よくある詰まりどころ

つまずきやすい点は、次の4つです。

  • 派遣開始日の取り違え: 3年の起点は、当該業務で派遣の役務提供が開始された日です。契約の締結日や、派遣元の雇入れ日ではありません。
  • 延長済みの抵触日の見落とし: 延長しても、延長前の抵触日が残ったままの表は、アラートを誤って出します。延長回数の列で式を切り替えます。
  • 意見聴取の期限を抵触日と同じに置く: 手続きを行える期限は、抵触日の1か月前の日までです。抵触日そのものではありません。
  • 例外の派遣を混ぜる: 無期雇用派遣や60歳以上の派遣労働者は、期間制限の対象外です。例外区分の空欄と未入力が区別できない表は、後で見直しの手間が増えます。

派遣元側の許可と台帳は別の表で見る

この表は、派遣先が期限を追うためのものです。派遣元事業主として許可の更新に備えるなら、必要書類の点検は労働者派遣事業の許可更新に必要な書類をClaudeで点検する方法の手順が別にあります。また、派遣社員の年次有給休暇の取得状況まで同じ表に混ぜると、列が膨らみます。年休は年次有給休暇の5日取得義務をClaude for Excelで点検する手順のように、別の管理表で持つほうが追いやすい構成です。

抵触日の管理は、日付の計算より、起点の決め方と通知の記録が支えています。EDATEで出した期限が間違っていないかをClaudeに照合させ、例外の判断と書面の保存は人が持つ。この分担にすると、2本の3年を1枚のシートで追えます。

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