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Claudeでメニューのアレルゲン一覧表を作る手順 — 仕入れ変更の更新漏れまで検算

Claudeでメニューのアレルゲン一覧表を作る手順 — 仕入れ変更の更新漏れまで検算

レシピと原料の規格書から、料理×特定原材料9品目の一覧表をClaude for Excelで組みます。仕入れ先を変えたときに更新漏れを数式で拾う検算の作り方まで示します。

飲食店のアレルゲン一覧表で本当に怖いのは、最初に作るときの間違いより、仕入れ先やレシピを変えた後の更新漏れです。ドレッシングの銘柄を替えたのに、一覧表は前の原料のままだった。そういう食い違いは、表を作った担当者ほど気づきにくいものです。

この記事では、Claude for Excelを使って「料理×特定原材料9品目」の一覧表を組みます。表そのものより、更新漏れを数式で自動的に拾う仕組みに重きを置きます。

外食の一覧表は、何のための表か

食物アレルギーの表示を義務付ける制度は、容器包装された加工食品が対象です。消費者庁のアレルギー表示のページは、特定原材料を含む旨の表示を義務付ける対象を「容器包装された加工食品」と説明しています。

店内で作って出す料理は、この説明の外にあります。消費者庁は外食・中食を別のページ(外食・中食での食物アレルギーについて)で扱い、動画教材と事業者向けパンフレットを置いています。パンフレットの内容例には、取組の必要性、取組状況、誤食の事例、症状が並びます。

つまり外食の一覧表は、法令で様式が決まった表示ではありません。お客様に正しい情報を渡すために、店が自分で作る社内の台帳です。様式が決まっていないぶん、間違いを防ぐ設計は店の側に任されます。

加工食品のラベルを写真から点検する場合は、食品表示ラベルを写真からClaudeで点検する方法が入口になります。ここで扱うのは、ラベルのない「店の料理」を原料の側から組み上げる手順です。

表の列は特定原材料9品目からはじめる

列の物差しには、消費者庁が示す特定原材料の9品目を置きます。

特定原材料

一覧表の列にする9品目

  • 甲殻類

    えび、かに

  • 木の実と落花生

    カシューナッツ、くるみ、落花生(ピーナッツ)

  • 穀物・卵・乳

    小麦、そば、卵、乳

この9品目は、症例数や重篤度を踏まえて食品表示基準で表示が義務付けられているものです。カシューナッツは2026年4月1日に特定原材料へ加わりました。以前から使っている表が8品目のままなら、カシューナッツの列を足し、すべての原料を見直します。ナッツ入りのソースや焼き菓子の生地は、見落としが出やすい場所です。

特定原材料に準ずるものとして、表示が推奨される20品目もあります。自店のメニューで頻繁に使う品目があれば、その列を足しておく価値があります。品目表は消費者庁のページで最新版を開き、Claudeに渡す資料にも同じ版を使います。

3枚のシートに分けて作る

一覧表を1枚に手で書き込むと、料理と原料の関係が見えなくなります。次の3枚に分けると、更新漏れを数式で追えるようになります。

シート1行の意味主な列
原料1行の意味仕入れている原料1品主な列原料名、仕入先、規格書の日付、状態、9品目の有無
レシピ1行の意味料理と原料の1組主な列料理名、原料名
一覧1行の意味料理1品主な列9品目の印、未確認の原料数、原料表にない原料数

原料シートの「状態」は「確認済」か「未確認」のどちらかです。9品目の列には、規格書に含有の記載があれば1を入れます。

表に置く印は、次の4種類に分けて使います。この区分は店の運用上の取り決めで、制度上の区分ではありません。

印意味
●意味その料理の原料に含まれる
△意味原料には入らないが、同じ調理器具や油を共用する
空欄意味全原料の規格書を読み、含まれないと確認した
?意味規格書を読めていない原料がある

落とし穴

空欄と「確認していない」を同じ空欄にしない

空欄が「入っていない」と「調べていない」の両方を意味すると、表を見たお客様にも従業員にも区別がつきません。後者は「?」で出し、全原料が確認済みになるまで空欄に変えません。一覧表で最も事故につながりやすいのは、この混同です。

△の列は調理場の実態から決めるため、規格書では埋まりません。ここは人が書き、Claudeには任せません。

規格書から原料シートを埋める

仕入れ原料の規格書は、取引先ごとに書式が違います。Claude for Excelのサイドバーには、PDFや文書を落とし込んで開いているブックと並べて読ませられる機能があります。規格書のアレルゲン欄を読み、原料シートの行に起こす作業に向いています。

最初のプロンプトは、書き起こしに絞ります。

添付は仕入れ原料の規格書(PDF)です。
原料シートの末尾に、1原料につき1行を追加してください。
- 原料名、仕入先、規格書の日付を転記する
- アレルゲン欄に書かれた品目だけ、該当列に1を入れる
- 記載がない列は空欄のままにし、推測で埋めない
- 読み取れない箇所は「判読不能」とセルのコメントに書く
- 状態の列は、すべて「未確認」にしておく

状態を最初から「未確認」にするのが要です。人が規格書を見比べてから、1行ずつ「確認済」に変えます。Claudeが書き起こした行をそのまま確認済みにしない運用なら、読み間違いが一覧表まで届きません。

複合原材料のたれやルウは、規格書に内訳が書かれているかを見ます。内訳がなければ、含有の有無を判断できません。「アレルゲン欄の記載なし」と「含まれない」は別の事実なので、判断できない行は「未確認」のまま残します。

ほかの原料が混ざった加工品を仕入れる店では、ラベル写真を撮るより規格書を取り寄せるほうが確実です。ラベルの見方は、上で触れた写真点検の記事にあります。

数式でアレルゲン一覧表を自動生成する

一覧シートは、レシピと原料の関係から数式で出します。手で印を打たないことが、更新漏れ対策の核心です。

Claude for Excelは、既存の数式の関係を保ちながら値を更新したり、複数タブにまたがる数式を組んだりできます。次のように頼みます。

一覧シートのB2:J2に、料理ごとの9品目の印を出す数式を入れてください。
レシピシートで料理名が一致する原料を探し、原料シートの該当列が1なら「●」。
それ以外で、K列(未確認の原料数)かL列(原料表にない原料数)が0でないときは「?」、
どちらも0なら空欄にします。K列とL列の数式は別に入れます。

作られる数式の形は、例えば次のようになります。実際の列の並びに合わせて、Excelで試してから使います。

=IF(SUMPRODUCT((レシピ!$A$2:$A$500=$A2)*
 COUNTIFS(原料!$A$2:$A$300,レシピ!$B$2:$B$500,
 原料!E$2:E$300,1))>0,"●",
 IF(OR($K2>0,$L2>0),"?",""))

一覧シートの料理名はA列、9品目はB〜J列、原料シートの9品目はE〜M列に置く想定です。式を右にコピーすると、参照する列が1つずつ進みます。確認していない原料がある料理は、●が付かない品目も「?」になり、空欄にはなりません。

K列には、状態が「未確認」の原料を何件使っているかを出します。

=SUMPRODUCT((レシピ!$A$2:$A$500=$A2)*
 COUNTIFS(原料!$A$2:$A$300,レシピ!$B$2:$B$500,
 原料!$D$2:$D$300,"未確認"))

L列は、この記事で最も大事な検算です。レシピに書いた原料名が原料シートに見つからない件数を出します。

=SUMPRODUCT((レシピ!$A$2:$A$500=$A2)*
 (COUNTIF(原料!$A$2:$A$300,レシピ!$B$2:$B$500)=0))

表記ゆれ(「バター」と「無塩バター」など)があると、原料名が突き合わず、その原料の含有が、エラーも出ずに一覧表から落ちます。L列が0でない料理は、B〜J列の式が空欄でなく「?」を出すので、原料名を直すまで印を信用しない決まりにします。

仕入れを変えたときの更新手順

仕入先や銘柄を変えたとき、原料シートの1行を書き換えるだけで、その原料を使う料理の印が変わります。更新漏れが起きるのは、書き換えを忘れたときです。次の順で作業すると、忘れても数式が拾います。

手順

仕入れ変更から一覧表の更新まで

  1. 1

    変更前の一覧を値で保存する

    一覧シートを「前回」シートへ値のみ貼り付けます。変更の影響を後で比べる基準にします。

  2. 2

    原料の行を新しい仕入れ品に書き換える

    9品目の列を空にし、状態を「未確認」に戻します。規格書の日付も新しい日付に直します。

  3. 3

    影響する料理を一覧のK列で見る

    K列の値が前回シートより増えた料理が、この原料を使う料理です。逆引きの検索を手でやる必要はありません。

  4. 4

    新しい規格書を読み、確認済みにする

    プロンプトで書き起こしてから、人が規格書と見比べて、状態を「確認済」に変えます。

  5. 5

    前回との差分を出す

    変わった印のある料理だけを拾い、メニューの掲示や口頭案内を直す対象にします。

差分は、次のようにClaudeへ頼むと一覧になります。

一覧シートと前回シートを料理名で突き合わせ、
9品目の印が変わった料理を、変わった品目と一緒に表にしてください。
増えた品目と減った品目を分けて出してください。

増えた品目(たとえば新しいソースで卵が加わった)が出た料理は、最優先で掲示を直す対象です。減った品目は、お客様に「入っていません」と案内してよいかを、規格書で再確認してから変えます。

日々の運用で見る列

運用では、次の列を毎朝または週に1回見ます。

  • K列(未確認の原料数)が0でない料理は、B〜J列の式が自動で「?」を出す。規格書を確認して、状態を「確認済」に変えるまで残る
  • L列(原料表にない原料数)が0でない料理は、表記ゆれを直す
  • 原料シートの規格書の日付が古い原料に、条件付き書式で色をつける

日付の色づけは、Excelの標準機能である条件付き書式でできます。Claude for Excelは、ソートや絞り込み、条件付き書式、入力規則のプルダウン作成といった操作を直接頼めます。「規格書の日付が1年以上前の行を黄色に」といった指示でかけられます。何か月で古いと見なすかは、店ごとの運用で決めます。

メニューの原価計算とレシピ表を同じブックで管理している店は、レシピシートをそのまま使い回せます。原価の組み方はClaudeでHACCP衛生管理計画とメニュー原価計算を下書きする方法にあります。

Claudeに任せない範囲と、使う前の条件

Claude for Excelの案内は、最終的な成果物を人の確認なしで出すことや、検証なしの重要な計算を任せることには向かないとしています。アレルゲンの台帳はこれに当たります。次の3点は人が持ちます。

  • 規格書の記載の最新性。仕入先が配合を変えたかどうかは、ブックの中からは分かりません
  • 調理場でのコンタミネーション(△の列)。調理器具、油、保管の実態は、現場の人しか知りません
  • お客様に出す前の最終確認。印を口頭で伝える前に、担当者が規格書に戻って見ます

外部から届いたファイルには、Claudeを操作しようとする隠れた指示が入っていることがあるとも案内されています。仕入先から届いた規格書や価格表は、そのままブックに取り込まず、内容を自社のブックへ値だけ書き起こして使う運用が安全です。大きく編集を頼む前に、元のブックのコピーを取っておく運用も勧められています。購買単価のブックの扱いは、購買単価のばらつきを品目別に出す手順にも同じ注意があります。

動作環境は次のとおりです。

項目内容
対応プラン内容Pro、Max、Team、Enterprise
対応するExcel内容Web版、Windows版(Microsoft 365、ビルド16.0.13127.20296以降)、Mac版(16.46以降)
使えない環境内容Excel 2016・2019の永続ライセンス版、iPad、Android
使えない機能内容データテーブル、マクロ・VBA

入出力はバックエンドで受領または生成から30日以内に削除されます。チャット履歴はブラウザ内に保存され、Anthropicのサーバーには保存されません。

飲食店を新しく始める段階で、営業許可の施設基準を見直したい場合は、飲食店の営業許可申請書と施設基準をClaudeで点検する方法が別の入口です。

まとめ

外食のアレルゲン一覧表は、法令で様式が決まった表示とは別に、店が自分で持つ台帳です。だからこそ、更新漏れを人の注意力に頼らず、数式で拾う設計に価値があります。

要点は3つです。料理と原料を別のシートに分けて、印を数式で出すこと。空欄と「?」を区別すること。レシピの原料名が原料シートに見つからない件数を、毎回検算すること。この3つがそろえば、仕入れを変えたときの影響範囲は、K列とL列から読み取れます。

消費者庁の事業者向けパンフレットが取り上げる誤食の事例や症状への対応は、一覧表では補えません。一覧表は、そうした対応の前提となる情報を正しく保つための道具です。

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