ClaudeとNew Relic MCPを連携する手順 — 接続と認証の選び方
New Relic MCPをClaude Code / Claude Desktop / VS Codeに接続する手順と、OAuthかAPIキーかの選び方。NRQLやアラート調査を自然言語で扱えます。
ClaudeとNew Relicの連携で何ができるか
ClaudeでNew Relicを使うには、公式のNew Relic MCPサーバーを登録し、OAuthで認証します。Claude Codeならclaude mcp addとclaude mcp loginの2コマンドです。
New Relicはmcp.newrelic.comへのリモート接続で使えるMCPサーバーを公式提供しています。ローカルにサーバーをインストールする必要はありません。接続すると、NRQLクエリの実行、アラートポリシーの調査、デプロイの影響分析、エラーやログの傾向の把握を自然言語の依頼で扱えます。
対応クライアントは、Claude Code・Claude Desktop・VS Code・Antigravity CLI・Kiro CLIです。セットアップ手順にはCodexもあります。
この連携には落とし穴が2つあります。1つは、接続の前にNew Relicの管理者側で済ませる設定があること。もう1つは、認証にAPIキーを選ぶと使えなくなる主力ツールがあることです。以降はこの2点を軸に、Claude Codeでの接続から障害調査までを順に追います。
接続の前に、管理者側で必要になる設定
Claude側のコマンドを打つ前に、New Relicの管理者が済ませておくことが2つあります。
接続できるようになるまでの流れ
- 1
Feature control managerでMCPを有効にする
「New Relic MCP Server」がメイントグルで、これが有効でないとMCPそのものが使えません。ローカルのクライアント(Claude Code・Claude Desktop・VS Code・Kiro)を使うには「Local Clients」も必要です。この2つは初期状態で有効です。「API Keys」「Preview Tools」「Atlassian」「AWS」の各サブトグルは初期状態で無効で、必要に応じて管理者が有効にします。
- 2
利用者の所属グループにロールを付ける
デフォルトの組織ロール(Organization Read Only / Organization Manager / Organization Product Admin)のいずれか、またはMCPサーバーの読み取り権限を含む組織スコープのカスタムロールが、所属グループに割り当てられている必要があります。
- 3
クライアントにMCPサーバーを登録する
Claude Codeなら
claude mcp addで登録します。手順は次の節で示します。 - 4
ブラウザでOAuth認証を完了する
New Relicのログイン画面で認証します。APIキーのようにヘッダー値として設定に書かない方式です。
Node.jsのインストール(一部の認証方式で必要)も前提です。アカウントの種別によって使えるツールが変わります。全データ・CCU(Core Compute Unit)ユーザーはコアツール、aCCU(Advanced Compute Capacity Unit)ユーザーは高度なツールを含む全ツールを使えます。
接続先のリージョンとエンドポイント
New Relicはリージョンごとに異なるMCPエンドポイントを用意しています。
| リージョン | エンドポイント |
|---|---|
| US(既定) | エンドポイントhttps://mcp.newrelic.com/mcp/ |
| EU | エンドポイントhttps://mcp.eu.newrelic.com/mcp/ |
| JP | エンドポイントhttps://mcp.jp.newrelic.com/mcp/ |
サーバー本体はHTTPトランスポートのリモート接続で、stdio型のようにローカルでプロセスを起動する方式ではありません。ただしClaude Desktopだけは、mcp-remoteをローカルプロキシとして起動します。手元でバイナリやDockerイメージを管理せずに済みます。一方でNew Relicのデータが外部サービス経由で流れるため、権限設計は接続前に決める必要があります。
セットアップ例はすべてUSリージョンのURLで書かれており、別リージョンのアカウントは設定ファイルとコマンド引数の両方でURLを置き換えます。
Claude Codeで接続する
Claude Codeのclaude mcp addとclaude mcp loginで、登録と認証が済みます。
claude mcp add --transport http --scope user newrelic https://mcp.newrelic.com/mcp/
claude mcp login newrelic--scopeはlocal(既定)・user・projectから選べます(v2.1.285のclaude mcp add --helpで確認)。New Relicの手順はuserを指定しており、設定は~/.claude.jsonに入ります。同じ内容を直接書くと次の形です。
{
"mcpServers": {
"newrelic": {
"type": "http",
"url": "https://mcp.newrelic.com/mcp/"
}
}
}OAuthを使うには、Claude Code v2.1.186以降が必要です。それ以前のバージョンでは、claude mcp loginではなくClaude内の/mcpで認証します。
claude mcp loginにはSSHやヘッドレス向けの--no-browserがあります。認可URLを表示し、リダイレクト先のURLを貼り戻す方式で、ブラウザを開けないリモート端末でも人が操作できるなら認証を完了できます(v2.1.285のclaude mcp login --helpで確認)。ただし人の操作を挟むので、CIの無人実行には向きません。
APIキーで登録すると、設定ファイルに平文で残る
APIキー方式は、ヘッダーでキーを渡します。作業ディレクトリでダミー値を使って--scope projectで登録したところ、.mcp.jsonは次のようになりました(v2.1.285で確認)。
{
"mcpServers": {
"newrelic": {
"type": "http",
"url": "https://mcp.newrelic.com/mcp/",
"headers": {
"api-key": "NRAK-DUMMY"
}
}
}
}コマンド出力ではキーが[REDACTED]と伏せられますが、ファイルにはそのまま書かれます。projectスコープの.mcp.jsonはリポジトリで共有する前提の設定なので、実際のキーで登録してコミットすると漏れます。キーを使うなら、既定のlocalかuserスコープを選び、.mcp.jsonにはキーを入れない運用が安全です。
同じディレクトリでclaude mcp get newrelicを実行すると、共有設定のサーバーは承認前として表示されます。
newrelic:
Scope: Project config (shared via .mcp.json)
Status: ⏸ Pending approval (run `claude` to approve)
Type: http
URL: https://mcp.newrelic.com/mcp/
Headers:
api-key: NRAK-DUMMYなお、この確認ではNew Relicへの接続も認証もしていません。
Claude Desktop / VS Codeで接続する
Claude Desktopはmcp-remoteをローカルプロキシとして使い、OAuthのブラウザフローをリモートMCPサーバーへ橋渡しします。設定後はClaude Desktopの再起動が必要です。
{
"mcpServers": {
"new-relic-mcp": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "mcp-remote", "https://mcp.newrelic.com/mcp/"]
}
}
}設定ファイルの場所はmacOSが~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json、Windowsが%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.jsonです。
VS Code(1.91以降)は、ワークスペースの.vscode/mcp.jsonにHTTP接続を直接書きます。
{
"servers": {
"new-relic-mcp": {
"url": "https://mcp.newrelic.com/mcp/",
"type": "http"
}
}
}mcp.jsonを開くと設定の上にCodeLensのリンクが出るので、それを押してサーバーを起動します。
OAuthかAPIキーか — 使えるツールが変わる
セットアップ手順は、Antigravity CLIを除いてOAuthだけを前提にしています。「APIキーでの設定は、このドキュメントの説明どおりには動かない」とも書かれています。APIキーのヘッダー設定を載せているのはAntigravity CLIの手順だけです。
そのうえで、APIキーとOAuthでは使えるツールが違います。
認証方式で変わること
OAuth
すべてのツールを使えます。ただしAI分析系はAdvanced Computeアドオン、プレビューツールは「Preview Tools」サブトグルが前提です。AI分析系の4ツール(natural_language_to_nrql_query・generate_alert_insights_report・generate_user_impact_report・analyze_deployment_impact)と、プレビューツールはOAuth専用です。ブラウザ認証が要るため、人がいない実行環境には向きません。
ユーザーAPIキー
NRAK-で始まるキーをヘッダーで渡します。上の専用ツールは使えず、NRQLの直接実行(execute_nrql_query)などの基本ツールが中心です。管理者が「API Keys」サブトグルを有効にしていない組織では、接続自体が通りません。
つまり「CIではAPIキー」と単純には決められません。CIで自動化したい処理が「デプロイ影響分析」なら、その中核のanalyze_deployment_impactがAPIキーでは呼べないからです。CIから使う場合は、execute_nrql_queryとlist_change_eventsなどの基本ツールで組み立てられる範囲に絞ることになります。
APIキーを使うときは、最小権限のユーザーで発行します。キーで動くツールは、そのユーザーが持つ権限の範囲でしかデータを返せません。
使えるツールとタグ
New Relic MCPのツールは、discovery・data-access・alerting・incident-response・performance-analytics・advanced-analysisの6タグに分類されています。主なものを並べます。
| タグ | 主なツール | できること |
|---|---|---|
discovery | 主なツールget_entity / search_entity_with_tag / list_dashboards | できることGUIDや名前・タグでのエンティティ検索、ダッシュボード一覧 |
data-access | 主なツールexecute_nrql_query / natural_language_to_nrql_query | できることNRQLの直接実行、自然言語からNRQLへの変換と実行 |
alerting | 主なツールlist_alert_policies / search_incident / list_recent_issues | できることポリシー一覧、開閉両方のアラートイベント検索、開いているIssue |
incident-response | 主なツールanalyze_deployment_impact / list_change_events / list_entity_error_groups | できることデプロイ影響分析、変更イベント履歴、エラーインボックス |
performance-analytics | 主なツールanalyze_transactions / analyze_entity_logs / list_recent_logs | できること遅い・エラーの多いトランザクションの分析、ログの異常パターン |
advanced-analysis | 主なツールgenerate_alert_insights_report / generate_user_impact_report | できること特定のIssueに対するアラート分析とユーザー影響のレポート |
表に載せた以外にも、Synthetic監視のlist_synthetic_monitorsとget_synthetic_check_statistics、analyze_golden_metrics、get_error_statisticsとsearch_errorsがあります。
analyze_transactionsはP95・P99のレイテンシー(遅い側5%・1%の応答時間の境目)を含めて、遅いトランザクションとエラーの多いトランザクションを特定します。generate_alert_insights_reportとgenerate_user_impact_reportは、どちらも特定のIssueを指定して使うツールです。「先月どのポリシーが最も多く鳴ったか」のような期間集計は、これらのレポートの守備範囲ではありません。そうした振り返りは、search_incidentの結果やexecute_nrql_queryで自分で集計する形になります。
natural_language_to_nrql_queryは、自然言語の依頼文をNRQLに変換し、実行して結果まで返すツールです。
include-tagsでツールを絞る
ツールの数が多いと、モデルが選ぶ候補も増えます。include-tagsというHTTPヘッダーでツールを絞ると、ツール数が減り、精度と効率が上がるとされています。VS Codeの設定なら次のようになります。
{
"servers": {
"new-relic-mcp-server": {
"url": "https://mcp.newrelic.com/mcp/",
"type": "http",
"headers": {
"include-tags": "discovery,alerting"
}
}
}
}この設定では、discoveryとalertingのツールだけがモデルに見えます。調査専用のエージェントに、NRQL実行やレポート生成を持たせたくないときの制限としても使えます。
呼び出し回数と課金の枠
ツール利用の枠
呼び出し上限
2,000回/時
ユーザーごと。上限の引き上げはNew Relicのサポートへ
AI分析ツール
4つ
aCCUで課金。Advanced Computeアドオンが必要
プレビューツール
3つ
search_traces / analyze_trace_anomaly / analyze_service_dependencies
AI分析以外の多くのツールは、契約中のCore Computeの枠から消費するCCUとして計上されます。aCCUの対象になる4ツールは、OAuth専用の4ツールと同じ顔ぶれです。プレビューツールは読み取り専用で、価格は正式提供(GA)後に決まると書かれています。
障害調査で呼ばれうるツール
デプロイ後にアラートが鳴ったときの一次調査を例にします。どのツールを使うかは、AIエージェントが依頼文から自動で選びます。以下は依頼文と、その答えに使われうるツールの対応です。
デプロイ後のアラート調査の流れ
- 1
開いているインシデントを確認する
「直近1時間で開いているインシデントを見せて」と聞くと、
search_incidentやlist_recent_issuesが使われえます。 - 2
直前のデプロイと突き合わせる
「このサービスの直近のデプロイと、その後のパフォーマンス変化を教えて」と聞くと、
list_change_eventsで変更履歴を取り、analyze_deployment_impactで影響を分析できます。後者はOAuth専用のAI分析ツールです。 - 3
エラーの中身を掘る
「エラーインボックスの中身を見せて、パターンがあれば教えて」と聞くと、
list_entity_error_groupsやanalyze_entity_logsが候補になります。
NRQLを手で書かずに、会話で調査を進められます。根本原因の判断と対処の実行は、調査結果を材料にチーム側で決めます。
つまずいたときの切り分け
New Relicのトラブルシューティングにある症状と対処を、原因ごとに表にしました。
| 症状・エラー文言 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
Missing required capabilities to access MCP server. Please ensure you have the necessary permissions. | 原因カスタムグループに組織スコープのロールが無い | 対処Authentication Domain Managerの権限を持つ管理者が、対象ロールをグループに付けるか、認可済みのグループに追加する |
Your organization has disabled the API Key sub-toggle under the New Relic MCP Server feature control. | 原因「API Keys」サブトグルが無効 | 対処Administration → Feature control → New Relic MCP Serverで有効にする |
Your organization has disabled New Relic MCP Server feature control. | 原因メイントグルが無効 | 対処管理者に有効化を依頼する |
| OAuthが始まらない | 原因ブラウザがlocalhostに届かない、ファイアウォール、OAuth URLへの到達不可 | 対処ブラウザのlocalhost接続、ファイアウォール、oauth2.service.newrelic.comへの到達性を確認する |
| Claude Codeで原因不明の接続エラー | 原因保存済みの認証情報が壊れている | 対処新しいターミナルでclaude mcp logout newrelicを実行してから再接続する |
| APIキーが効かない | 原因NRAK-形式でない、権限不足、期限切れのいずれか | 対処キーの形式・発行ユーザーの権限・有効期限を確認する |
mcp-remote経由で接続できない | 原因Node.jsが無い、npxからmcp-remoteに届かない | 対処Node.jsのインストールと、npxでmcp-remoteを取得できるかを確認する |
Invalid client / Time.UnmarshalJSON | 原因OAuth設定の問題 | 対処mcp-remoteプロキシを使う |
| MCPサーバーが検出されない | 原因管理者の設定、JSON構文、アプリの再起動漏れ | 対処Feature controlのサブトグル、JSON構文、パスと権限を確認し、アプリを完全に再起動する |
Claude Desktopでログアウトしても接続エラーが続くときは、複数の保存場所に古いOAuth情報が残っている可能性があります。New Relicのトラブルシューティングには、Claudeに保存場所を洗い出させるための依頼文が載っています。その依頼文は、変更の前に該当する保存場所を見せさせ、設定ファイルをバックアップしてから消すよう指示する作りです。
リージョンの取り違えも定番です。アカウントが別リージョンにある場合は、設定ファイルとコマンド引数のすべてでURLを該当リージョンのものに置き換えます。
権限設計は、読み取り専用から
New Relicは、AIがユーザーに代わってアカウント内で操作することを明記し、RBACと最小権限の原則で作ったアカウントを使うよう案内しています。ツールが返せるデータは、OAuthのユーザー(Antigravity CLIではAPIキー)に付いた権限の範囲に限られます。権限が足りない操作は、権限エラーで失敗します。
Organization Read Onlyのロールは、MCP接続に必要なデフォルトロール3種の1つです。調査だけの用途なら、書き込み権限を持たないロールから始める選択肢があります。設定変更まで任せるときにロールを広げても、遅くはありません。
まとめ
CIからの自動化を考えているなら、先にanalyze_deployment_impactなどのOAuth専用ツールが要るかを確かめます。要るなら人の操作を挟む対話利用が前提になり、要らないならexecute_nrql_query中心のAPIキー運用が現実的です。接続前には、管理者側のFeature controlとロールの設定も済ませておきます。
同じ監視・運用系の連携では、PrometheusのMCPサーバーがメトリクス基盤への自然言語クエリを担います。設定の一般的な流れはClaude Codeの完全ガイド、AWS側の操作はAWS CLI MCPサーバーで扱っています。