Claudeパーソナライズ機能の使い分け方 — 指示・プロジェクト設定・Skills
Claudeのパーソナライズは組織・アカウント・プロジェクト・Skillsの4か所に指示を置けます。公式ページ同士の食い違いと、指示が衝突したときの優先順位も確認します。
Claudeのパーソナライズ機能は、指示を置ける場所が複数あり、それぞれ効く範囲が違います。基本は全会話に効く「Instructions for Claude」、特定プロジェクトだけに効く「Project instructions」、Claudeが必要に応じて読み込む「Skills」の3つです。Team・Enterpriseプランには、Ownerが組織全員に効かせる「Organization instructions」もあります。指示が反映されないと感じたときは、たいてい書いた場所が意図と合っていません。
公式ヘルプセンターの説明ページには、プロジェクトの対象プランについて食い違う記述もあります。
指示を置ける4つの場所
どこで設定するか
Organization instructions
Team・EnterpriseのOwnerが「Organization settings > Organization and access」で設定します。
Instructions for Claude
各ユーザーが左下のイニシャルから「Settings」を開き、「Instructions for Claude」に書きます。
Project instructions
プロジェクトごとに設定する指示です。そのプロジェクト内のチャットだけに効きます。
Skills
「Customize > Skills」でオン・オフを切り替えます。指示を書くのではなく、フォルダ形式の能力パックを有効にします。
全会話に効かせたい好みはInstructionsに書く
Instructionsはアカウント単位の設定で、書いた内容がそのアカウントのすべての会話に適用されます。次のような内容を書く用途が想定されています。
- 自分が好む進め方や方法論
- よく使う専門用語や概念
- 典型的に遭遇する場面
- 全般的なコミュニケーションの指示
「毎回関西弁で返してほしい」「回答は必ず箇条書きにしてほしい」のような、プロジェクトを問わず常に効かせたい好みが向いています。
Claude Coworkで「Global instructions」を使っていた場合、新しいClaudeの画面では内容が「Instructions for Claude」に統合されます。統合後は設定欄を開いて、中身が意図どおりか確認しておくと安心です。
案件ごとの前提はProject instructionsに切り出す
Project instructionsは、特定のプロジェクト内のチャットにだけ適用されます。プロジェクトの外の会話には影響しません。想定される用途は、プロジェクト固有の文脈、特定のワークフローのガイドライン、一連のタスクの要件、プロジェクト内でClaudeに担わせる役割や視点です。
体調や器具などの前提を指示欄に登録し、毎回書き直さずに済ませる例はClaudeに筋トレとダイエットの週間メニューを作らせる型で扱っています。作成手順やナレッジ容量の上限はClaude Projects完全ガイドにまとめています。
公式ページ同士の食い違い: 無料プランで使えるのか
対象プランについて、ヘルプセンターの記述は3か所で内容が割れています。
- 「Understanding Claude's personalization features」のProject instructionsの節: プロジェクトは無料アカウントを含む全ユーザーが使え、無料は最大5個まで
- 同じページ末尾の「Choosing the right feature」: project instructionsは「paid plans only」
- 「What are projects?」: 全ユーザーが使え、無料は最大5個まで
3か所のうち2か所が無料利用を認めており、末尾の「paid plans only」だけが浮いています。無料でinstructions欄が実際に使えるかは、文面からは断定できません。無料アカウントで使いたい場合は、プロジェクトを作ってinstructions欄が出るかを自分の画面で確かめるのが確実です。
SkillsはClaudeが選んで読み込む
Skillsは、指示文とは仕組みが違います。説明によると、Skillsは指示・スクリプト・リソースをまとめたフォルダで、Claudeが依頼内容に合わせて利用可能なSkillsを見渡し、関連するものを読み込みます。
つまり、会話ごとに呼び出す必要はありません。Customize > Skillsでオンにしたものは、依頼に関係するときにClaudeが自動で使います。名前を挙げて明示的に使わせることもできます。Excel・Word・PowerPoint・PDFのAnthropic製Skillも、明示せず自動で使われます。
公式の比較では、カスタム指示は全会話に広く効き、Skillsはタスク固有で関係するときだけ読み込まれます。プロジェクトは常に読み込まれる静的な背景知識で、Skillsはプロジェクトをまたいでどこでも使えます。
使う前提は「コード実行とファイル作成」のオンです。無料・Pro・Maxの個人アカウントでは「Settings > Capabilities」で有効にします。Teamは組織側で既定でオンです。Enterpriseは「Organization settings > Plugins & skills」の「Policy」タブで、Ownerが「コード実行とファイル作成」と「Skills」の両方を有効にしておく必要があります。
独自Skillの作り方と有効化はClaude Skillsとは・使い方、料金への影響はClaude Skills料金で扱っています。
Organization instructionsと個人の指示が衝突したら
Team・Enterpriseでは、Ownerが組織の指示を設定できます。
組織の指示と個人の指示
Organization instructions
組織の全メンバーの全会話に効きます。閲覧・編集できるのはOwner以上だけです。上限は3,000文字で、保存後に各製品へ反映されるまで最大1時間かかります。
個人のInstructions
その人の会話にだけ効きます。本人だけが見て編集できます。組織の指示が触れていない部分には、引き続き適用されます。
両方が設定されていて直接矛盾する場合、Claudeは組織の指示を優先します。例として、組織が「常に正式な英語で」、個人が「くだけた口調で」と書いていれば、Claudeは正式な口調で答えます。
ただしこの優先順位は、プロンプトレベルの指示に依存し、直接矛盾する指示では、まれに挙動が変わることがあると注記されています。組織の指示同士が矛盾している場合は、どちらにも確実には従わないことがあります。保存したら新しい会話で確かめます。組織の指示は全メンバーの全メッセージに含まれるため、短く具体的に書くほど効率的だとも書かれています。
一方、個人の指示とProject instructionsが矛盾した場合にどちらが優先されるかは、確認したページには書かれていません。矛盾させない書き分けが前提になります。
指示が効かないときの確認順
反映されないときに見る順番
- 1
書いた場所が効く範囲に入っているか
Project instructionsに書いた内容は、そのプロジェクトの外の会話には効きません。プロジェクトをまたいで効かせたいなら、Instructionsに書き直します。
- 2
Skillsが有効になっているか
「コード実行とファイル作成」がオフだと、Skillsは使えません。個人アカウントは「Settings > Capabilities」、Enterpriseは、OwnerのPolicy設定でコード実行とSkillsの両方がオンかを見ます。
- 3
別の層と矛盾していないか
組織の指示は個人の指示に優先します。プロジェクトと個人の指示の優先順位は記載がないので、矛盾する記述を残さないようにします。
- 4
反映の遅延ではないか
組織の指示は、保存から各製品への反映まで最大1時間かかります。保存直後に効かなくても、まず時間を置いて新しい会話で試します。
実践例: 3つを組み合わせる
「ふだんは簡潔な回答を好むが、特定の案件では専門的な文体で、かつ議事録の形式は統一したい」という場面では、次のように分けられます。
- Instructionsに「回答は結論から簡潔に」という全体方針を書く
- 案件専用のProjectを作り、Project instructionsに背景知識と専門用語の定義を書く
- 議事録用のSkillをオンにして、出力フォーマットだけを統一する
すべてを1つの層に詰め込むと、別案件に移ったときに不要な前提が残ります。フォーマット指定が全会話に漏れ出す原因にもなります。長く効かせたい好みほどInstructions、案件が終われば不要になる前提ほどProject instructionsに置くと、見直しも楽です。
Skills・Instructionsとは別の「メモリー」
Claudeには、指示とは別に会話から自動で蓄積される「メモリー」もあります。ここまでの設定が利用者が明示的に書くものなのに対し、メモリーはClaudeが会話の中で内容を保存します。「remember this」と頼んで直接保存させることもできます。
メモリーの設定は「Settings > Memory」にあり、次のような性質があります。
- Free・Pro・Maxのweb・デスクトップ・モバイルでは既定でオン
- Team・Enterpriseでは既定でオフで、Ownerがオンにできる
- プロジェクトごとに独立したメモリー領域とサマリーを持つ
- 「Pause memory」は既存のメモリーを残したまま使用と新規保存を止め、「Reset memory」はプロジェクトのメモリーを含めて全削除して元に戻せない
メモリーとコンテキストウィンドウの違いはClaudeの記憶の仕組みで扱っています。
よくある質問
無料プランでも独自のSkillを作ってアップロードできますか
Skillsの利用方法のページは、Max・Pro・Freeの各プランで「例のSkillの有効化と、自分のSkillのアップロード」ができると案内しています。Skills自体が無料を含む全プランで使えることも、同じページに書かれています。前提は「コード実行とファイル作成」のオンです。
チーム・組織で指示を共有できますか
方法は2つあります。1つはOwnerが設定するOrganization instructionsで、全メンバーに強制的に効きます。もう1つはプロジェクトの共有です。Team・Enterpriseでは、共有先のメンバーが閲覧できる内容にProject knowledgeとProject instructionsが含まれます。「Can view」は編集不可、「Can edit」は指示とナレッジの編集やメンバー管理までできます。
Instructionsにプラン別の制限はありますか
Instructions for Claudeには、ヘルプセンター上でプラン別の制限が書かれていません。
まとめ
指示を書く場所は、効かせたい範囲と誰が決めるかで選びます。個人の好みはInstructions、案件の前提はProject instructions、組織の統一ルールはOwnerのOrganization instructionsです。Skillsは指示を書く場所ではなく、Claudeが必要に応じて使う能力パックです。