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Claude SaaS連携ガイド — 情シス部門が把握すべき対応表

Claude SaaS連携ガイド — 情シス部門が把握すべき対応表

情シスが最初に押さえるべきは、部門別のSaaS接続状況とEnterprise管理機能の全体像です。connectorの対応状況と組織の管理レバーをたどります。

情シスがClaudeの導入で最初に整理すべきことは2つです。どのSaaSにConnectorが用意されているか、そして組織全体をどこまで一元管理できるか。この2つが分かれば、部門ごとの申請を個別に判断する手間が大きく減ります。

ConnectorsはMCP(Model Context Protocol)を基盤にした仕組みです。Claude.ai、Claude Desktop、Claude Mobile、Claude Code、Coworkのすべてで共通のカタログを使います。1つのSaaSを接続すれば、利用できるプラットフォームを情シス側で個別設定し直す必要はありません。

部門別に見るConnectorの対応状況

まず結論です。GoogleDrive・Gmail・GoogleCalendar・GitHub・Slack・Microsoft 365は、追加設定なしで認証だけで使えるプリビルド統合として提供されています。Notion・Linear・HubSpot・Box・ServiceNowはConnectorsディレクトリ経由で追加するタイプで、権限は接続先の設定に従います。

一方でSalesforce・Workday・SAP・Jira・Zendeskには、Connectorのページが見つかりません。これらのSaaSを使う部門は、コミュニティ製のMCPサーバーか自作のMCPサーバーで接続することになります。この違いを情シスが把握していないと、「Claudeで全部つながる」という誤解が現場で先行してしまいます。

部門主なSaaSConnector対応権限の型
情報共有・文書主なSaaSGoogleDriveConnector対応あり(プリビルド)権限の型読み取り/書き込み
情報共有・文書主なSaaSNotionConnector対応あり(ディレクトリ経由)権限の型読み取り/書き込み
情報共有・文書主なSaaSMicrosoft 365Connector対応あり(プリビルド)権限の型読み取り
コミュニケーション主なSaaSSlackConnector対応あり(プリビルド)権限の型インタラクティブ
コミュニケーション・スケジュール主なSaaSGmail、GoogleCalendarConnector対応あり(プリビルド)権限の型読み取り/書き込み
開発主なSaaSGitHubConnector対応あり(プリビルド)権限の型読み取り/書き込み
開発(課題管理)主なSaaSLinearConnector対応あり(ディレクトリ経由)権限の型読み取り/書き込み
営業・マーケ主なSaaSHubSpotConnector対応あり(ディレクトリ経由・読み取りのみ)権限の型読み取り
コンテンツ管理主なSaaSBoxConnector対応あり(ディレクトリ経由)権限の型インタラクティブ
IT運用・全社ワークフロー主なSaaSServiceNowConnector対応あり(ディレクトリ経由)権限の型読み取り/書き込み
営業(CRM)主なSaaSSalesforceConnector対応未対応(コミュニティ/自作)権限の型
人事主なSaaSWorkdayConnector対応未対応(コミュニティ/自作)権限の型
基幹システム主なSaaSSAPConnector対応未対応(コミュニティ/自作)権限の型
開発(課題管理)主なSaaSJiraConnector対応未対応(コミュニティ/自作)権限の型
カスタマーサポート主なSaaSZendeskConnector対応未対応(コミュニティ/自作)権限の型

Airtable、Asana、Atlassian、Canva、Figma、GoogleCalendar、Miro、SmartsheetもConnector一覧に含まれます。個別の設定手順はClaude Connectorsとは、Cowork側の一覧はCoworkのConnectors一覧にまとまっているので、部門からの個別申請が来たときはまずここを確認すると早いです。

ServiceNowは「Read & write」区分で、IT・人事・カスタマーサービス・セキュリティ・リスクといった部門横断のワークフローを対象にしています。ドメイン別のMCPサーバーがServiceNow側で用意されており、既存のServiceNow権限設定をそのまま踏襲する形です。Boxは「Interactive」区分で、ファイルの検索・要約に加え、Box独自のセキュリティ・アクセスポリシーを維持したままメタデータの抽出やコンテンツの作成・更新にも対応します。どちらも接続直後から書き込み系の操作が可能な点は、情シスとして把握しておく価値があります。

未対応SaaSはどう扱うか

Salesforce・Workday・SAP・Jira・Zendeskのように、Connectorが用意されていないSaaSもあります。これらはREST APIを自作のMCPサーバーでラップするか、GitHub上で公開されているコミュニティ製MCPサーバーを使うことになります。どちらの経路も、開発元がAnthropicではないため、権限スコープの設計とデータの扱いの精査は自社側の責任です。

現場から「Zendeskとも繋げられますよね」という要望が来ることがあります。そのときに情シスが最初に答えるべきは、Connectorディレクトリには無いので自作かコミュニティ製サーバーを使うことになり、レビューの手間が変わる、という一言です。この一言があるかどうかで、後工程の見積もりが大きく変わります。

情シスが握るべき3つの管理レバー

TeamプランとEnterpriseプランでは、OwnerまたはPrimary Ownerが組織単位でConnectorを制御できます。個々のメンバーが自分の判断で無制限に接続を増やす構造にはなっていません。管理レバーは大きく3つに分かれます。

アクション制限は、Connector単位で「読み取り専用ツール」と「書き込み/削除ツール」を分け、それぞれに「常に許可」「承認が必要」「ブロック」を設定できる機能です。組織全体に一律で効き、個々のユーザーが上書きすることはできません。たとえばGoogleDriveの読み取りは許可し、ファイル作成・編集はブロックする、といった設定が可能です。

Enterprise管理認証を使うと、通常はメンバーが各Connectorに個別サインインする必要があるところを、IDプロバイダー経由で組織全体に1回だけConnectorを認可し、メンバーは初回ログイン時にアクセスを自動継承する形に変えられます。ベータ版で、対応IdPはOktaが先行しています。対応ConnectorはAsana・Atlassian・Canva・Figma・Granola・Linear・Supabaseなど順次拡大中です。

検証済みドメインConnectorの制限は、Enterpriseプランで少なくとも1つの検証済みドメインを持つ組織が対象の機能です。オンにすると、個人のClaudeアカウントが会社ドメインのメールアドレスでGmailやSlackなどのConnectorに接続することを防げます。私用アカウントに業務データが流れ込む経路を1つ塞ぐ設定です。ただし逆方向(組織アカウントから個人のGmailへの接続)は制限されず、データ損失防止の代替にもなりません。

管理レバー対象プラン何を防げるか
アクション制限対象プランTeam / Enterprise何を防げるか書き込み・削除の暴発
Enterprise管理認証(ベータ)対象プラン何を防げるか個別認証の運用負荷
検証済みドメイン制限対象プランEnterprise何を防げるか私用アカウントへの業務データ流出

監査ログとCompliance APIで何が見えるか

Enterpriseプランでは、組織設定の「データとプライバシー」からOwnerが監査ログをエクスポートできます。対象は過去180日分で、サインイン方法や組織内の操作イベントが記録されます。ただしチャットやプロジェクトの本文はエクスポート対象に含まれず、記録されるのは識別子までです。

より広い可視化が必要な場合はCompliance APIを使います。公共部門を除くEnterpriseプランとClaude Platform顧客向けに一般提供されており、アクティビティフィードイベント・チャットデータ・ファイル内容をプログラムで取得できます。CoworkとClaude Code(CLIおよびデスクトップ経由)への対応はベータ段階です。監査ログとCompliance APIは別物で、後者のほうが取得できる情報の粒度が細かい、と理解しておくと部門からの問い合わせに答えやすくなります。

よくある質問

個人のPro・Maxプランでも同じ管理はできますか

いいえ。アクション制限・Enterprise管理認証・検証済みドメイン制限はいずれもTeam以上のプラン管理者向けの機能です。個人プランでは、自分が使う個々のConnectorのツール権限を自分で「ブロック」に変更することはできますが、組織全体への強制力はありません。

Verifiedラベルが付いていれば安全ですか

Verifiedは品質と互換性のレビューを通過した印であり、セキュリティ監査の保証ではありません。接続後の権限や動作範囲はConnectorの開発者側が管理しており、Verified・Communityにかかわらず、接続を許可した時点で付与した権限はそのまま有効になります。

Connectorが無いSaaSはあきらめるしかありませんか

あきらめる必要はありません。REST APIをMCPサーバーでラップして自作する、もしくはコミュニティ製のMCPサーバーを使う経路が残っています。ただし開発元以外が作ったサーバーなので、権限スコープの確認とデータの扱いの精査は自社側の責任になります。

ServiceNowとBoxはどのプランから使えますか

いずれもConnectorsディレクトリから追加できるConnectorです。プラン別の可否は公式ドキュメントで明示されていないため、導入前に自社のプランで有効化できるかを管理画面またはサポートに確認してください。

部門から新しいSaaSの接続申請が来たら、まず何を確認すればいいですか

このガイドの対応表でConnectorの有無を確認し、あれば認証だけで済むこと、無ければ自作かコミュニティ製サーバーの精査が必要になることを現場に伝えます。次に、書き込みが必要な業務かどうかをヒアリングし、アクション制限の設計に反映します。

Enterprise管理認証を使えば個々のメンバーの認証は不要になりますか

初回ログイン時の自動継承は実現しますが、認証そのものがなくなるわけではありません。管理者がIDプロバイダー経由でConnectorへのアクセスを事前にプロビジョニングし、メンバー側の個別サインイン操作を省く仕組みです。

まとめ

情シスの最初の仕事は、部門から上がってくる「Claudeを◯◯と繋ぎたい」という要望を、Connectorの有無で仕分けることです。ConnectorがあるSaaSは認証だけで済みますが、無いSaaSは自作かコミュニティ製サーバーの精査が必要になります。管理レバーはアクション制限・Enterprise管理認証・検証済みドメイン制限の3つで、可視化には監査ログとCompliance APIを使い分けます。まずはTeam・Enterprise管理者権限で組織設定のConnectors画面を開き、現状すでに何が有効になっているかを確認するところから始めるのが近道です。個々のConnectorのセキュリティ設計をさらに詰めたい場合はMCPセキュリティガイドも合わせて参照してください。

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