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Claudeでステップメールを設計する手順 — 各通の役割と止める条件を表にする

Claudeでステップメールを設計する手順 — 各通の役割と止める条件を表にする

登録後の日数ごとに、通の目的・誘導先・止める条件を1枚の設計表にまとめ、Projectsに置いて各通の本文づくりに使い回す手順です。配信停止まわりの法的な前提もあわせて説明します。

ステップメールは、登録をきっかけに決まった間隔で複数通が届くメールです。1通ずつ書き始めると、2通目と3通目の内容が重なったり、最後まで読者に何をしてほしいのかが曖昧になったりします。先に決めておくのは文面ではなく、全体の設計です。

Claudeは、この設計の段階で使うと効きます。登録後の日数ごとに「その通の目的」「読者を連れていく先」「その通で止める条件」を表にし、Projectsの知識ベースに置いておけば、各通の本文づくりでも同じ設計を何度でも参照できます。この記事では、設計表のつくり方、Claudeへの依頼文、止める条件の決め方を順に説明します。

ステップメールの設計表に入れる6つの項目

設計表は、1行が1通に対応する表です。列は6つに絞ると、後から各通の本文を頼むときにそのまま材料になります。

列書く内容例
通番とタイミング書く内容登録から何日後に送るか例3通目・登録3日後
読み手の状態書く内容その時点で読者が知っていること・迷っていること例機能は知ったが使い方が分からない
この通の目的書く内容読み終えた人にさせたい行動を1つ例初期設定を1つ終えてもらう
誘導先書く内容本文のリンクの行き先を1つ例セットアップ手順のページ
止める条件書く内容この通以降の配信から外す基準例初期設定を完了した人
次の通への橋渡し書く内容次の通で扱う話題の予告例次は活用例を紹介する

目的と誘導先は、必ず1通に1つにします。1通に複数の行動を詰めると、どれも押されにくくなります。表を作る段階でこの制約を守っておくと、本文を頼むときにも「この通は何を1つだけ伝えるか」が迷いません。

「止める条件」は、後から足そうとすると抜けやすい列です。購入や初期設定が済んだ人に勧誘の続きを送り続けると、読者の印象を損ないます。最初から列として用意しておくことで、各通を書くたびに「この条件の人は、もうこの通を読まなくてよいか」を点検できます。

設計の前提をProjectsに置く

設計表は、1回の会話で完結しません。通ごとの本文を頼み、直しを入れ、配信後の結果を反映して表を更新します。会話が変わるたびに前提を貼り直さなくて済むよう、ClaudeのProjectsを使います。

Projectsは、独立した会話履歴と知識ベースを持つ作業スペースです。Anthropicのヘルプには、知識ベースに置いた内容がそのプロジェクト内のすべての会話で参照されること、プロジェクト指示を設定するとすべての会話にその指示が適用されることが書かれています。同じ記述に、プロジェクト内でも会話をまたいでは文脈が共有されず、共有したい情報は知識ベースに入れる必要があるとあります。

つまり、ある会話で決めた設計は、知識ベースのファイルに書き込まない限り次の会話に持ち越されません。確定した設計表は、必ず知識ベースの最新版に差し替える運用にします。

置き場所入れるもの
プロジェクト指示入れるもの1通1目的・1誘導先の原則、文字数と文体、配信停止の案内を必ず入れる、という守る条件
知識ベース入れるもの商品やサービスの資料、読者像のメモ、確定した設計表の最新版、過去のメールと反応のメモ

プロジェクト指示は、短く守りやすい形にします。たとえば次のように書きます。

このプロジェクトは、ステップメールの設計と文面づくりに使います。
- 設計表(知識ベースの「設計表_最新」)にない通は書かない。
- 1通につき目的は1つ、リンクは1つ。
- 各通の末尾に配信停止の案内を入れる。
- 設計表の「止める条件」に当てはまる読者向けの文面は作らない。

知識ベースは、容量が増えると検索の仕組みに切り替わります。仕組みの詳細はClaude ProjectsのRAG検索の仕組みと全文投入との違いにまとめています。ファイル名を内容が分かる名前にしておくと、Claudeが必要な資料を探しやすくなります。たとえば「設計表_最新」や「商品資料_機能一覧」のような名前です。

Projectsは無料アカウントでも使えますが、作れるプロジェクトは5つまでです。有料プランでは、知識ベースが上限に近づくと自動で検索方式に切り替わり、容量が最大10倍まで広がります。

設計表をClaudeに作らせる

材料を渡す前に、設計の枠を自分で決めておきます。ゴール、通数、期間の3つです。ゴールは「有料プランへの申込」「初回購入」のように、最後の行動を1つ書きます。

次は、ゴールと読者像を渡して設計表の下書きを出させる依頼文の例です。

<instructions>
下の条件で、ステップメールの設計表を作ってください。
列は「通番とタイミング」「読み手の状態」「この通の目的」
「誘導先」「止める条件」「次の通への橋渡し」の6つです。
1通につき目的は1つ、誘導先も1つにしてください。
各通の「止める条件」には、読者のどんな行動を基準にするかを書いてください。
</instructions>
 
<context>
ゴール: 無料トライアル登録者に、14日以内に有料プランへ申し込んでもらう
読み手: 資料請求ではなく、自分でトライアルに登録した個人事業主
通数: 5通。登録当日から14日目まで
使える誘導先: 設定手順ページ、活用事例ページ、料金ページ
</context>

返ってきた表は、そのまま採用せず点検の材料にします。たとえば次の形の5通が返ってきたとします。これは設計の形を示す仮の例で、数字や日数は読者と商材に合わせて変えるものです。

通タイミング目的誘導先止める条件
1タイミング登録当日目的初期設定を始めてもらう誘導先設定手順ページ止める条件初期設定を完了した人は2通目の設定案内を飛ばす
2タイミング2日後目的最初の成果物を1つ作ってもらう誘導先設定手順ページ止める条件成果物を作成済みの人
3タイミング5日後目的活用の具体像を知ってもらう誘導先活用事例ページ止める条件有料プランに申し込んだ人
4タイミング9日後目的迷いを解消する誘導先料金ページ止める条件有料プランに申し込んだ人
5タイミング14日後目的期限を伝えて判断を促す誘導先料金ページ止める条件有料プランに申し込んだ人、配信停止した人

この例で見るのは、通ごとに目的が重なっていないか、誘導先が目的と合っているか、止める条件が実際に配信ツールで判定できる行動になっているか、の順です。

最後の点は特に見落とされます。「興味が薄れた人」のような条件は、配信ツールでは判定できません。「3通連続で未開封の人」「リンクを一度もクリックしていない人」のように、記録が残る行動に言い換えます。

ゴールごとに、判定できる形へ直すと次のようになります。

ゴール曖昧な条件判定できる条件の例
初回購入曖昧な条件買う気になった人判定できる条件の例購入完了のタグが付いた人
問い合わせ曖昧な条件相談したくなった人判定できる条件の例問い合わせフォームを送信した人
有料プランへの申込曖昧な条件本気で検討している人判定できる条件の例申込完了のタグが付いた人、料金ページのリンクをクリックした人

クリックを条件にする場合は、止めるのではなく別の通に分岐させる使い方もあります。料金ページを見た人には、迷いを解く4通目を先に送る、といった形です。この分岐を使うかどうかは、設計表の「止める条件」の隣にメモしておきます。

点検をClaudeにやらせる

設計表を確定する前に、同じ会話で重なりと抜けの点検を頼みます。

上の設計表について、次を点検してください。
1. 目的が重なっている通はないか
2. 誘導先が目的と合っていない通はないか
3. 「止める条件」が、配信ツールで判定できる行動になっているか
4. 読み手の状態が、前の通を読んだ前提と矛盾していないか
問題があれば、該当する通番と直し方を示してください。

4つ目の点検は、前の通を開封していない人を想定すると効きます。3通目が「前回お伝えした設定の続きです」で始まると、2通目を読んでいない人には通じません。通をまたぐ橋渡しは、読んでいなくても通じる書き方にそろえておきます。

止める条件には配信停止と同意の扱いを含める

ステップメールは、読者の行動で止まる条件のほかに、法的に止めなければならない場合があります。特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(迷惑メール対策法)は、営利を目的とする団体や営業を営む個人が、自己または他人の営業の広告・宣伝のために送るメールを特定電子メールと定めています。商品やサービスへ誘導するステップメールは、この定義に当たる場合があります。

条文から、設計表に反映できる点は次の4つです。

  • 送信できる相手: 同意を通知した人、自分のアドレスを所定の方法で通知した人、取引関係にある人、アドレスを公表している団体や営業を営む個人に限られる(第3条第1項)
  • 同意の記録: 同意を受けた側は、求めまたは同意があったことを証する記録を保存する(第3条第2項)
  • 送信しないよう求められたとき: 通知を受けたら、その意思に反して送信してはならない(第3条第3項)
  • 表示事項: 送信者の氏名または名称と、配信停止の通知を受けるためのメールアドレスなどを、受信者の画面に正しく表示する(第4条)

ステップメールで実務に直結するのは、第3条第3項です。配信停止の通知を受けたら、まだ送っていない後続の通も止める必要があります。設計表の最後に「配信停止された人は全通から外す」という行を全体の条件として置き、配信ツール側の設定と突き合わせます。

第4条の表示事項は、各通の末尾に定型の数行として置くと抜けません。たとえば次の形です。

送信者: {{会社名または屋号}}
今後のご案内が不要な場合は、こちらにご連絡ください: {{配信停止の連絡先}}

差し込み部分は配信ツールの書式に置き換えます。この定型文は設計表の外で1度決め、プロジェクト指示にも「各通の末尾にこの2行を入れる」と書いておけば、通ごとの本文づくりで落とさずに済みます。

どの方法で同意を取ったか、同意の記録をどこに保存するかは、設計表の外側で決める運用事項です。Claudeに相談する場合は、自社の手順を渡したうえで、条文との対応を整理させる使い方になります。個別の適用判断は、消費者庁や総務省の資料、または専門家に確認します。

設計表から各通の本文を作る

設計表が固まったら、通ごとに本文を頼みます。1通ずつ頼むのは、1回の依頼で全部を書かせると、後半ほど内容が薄くなりやすいためです。

設計表の3通目の本文を作ってください。
- 目的・誘導先・読み手の状態は、設計表のとおりにする
- 件名の案を、型の違う3つ出す
- 本文は400字前後。リンクは1つだけ、URLは{{URL}}のままにする
- 末尾に配信停止の案内の1行を入れる
- 前の通を読んでいない人にも通じる書き方にする

件名と本文のバリエーションの作り方は、Claudeでメルマガの件名と本文のバリエーションを作る手順で扱っています。本記事の設計表を土台にして、通ごとにその手順を当てはめる関係です。

1通ずつ作った本文は、設計表と照らし合わせて確認します。目的が1つだけか、リンクが設計表の誘導先と一致しているか、止める条件に当てはまる人にも送る文面になっていないかを順に見ます。

配信ツールに載せる前に人が確かめる点

Claudeが作るのは設計と文面の下書きまでです。配信ツールに載せる段階では、人が次を確かめます。

  • 設計表の日数と、ツールの待機時間の設定が一致しているか
  • 止める条件が、ツール上の絞り込み条件(タグ・購入済み・配信停止など)に置き換えられているか
  • 同意の取得方法と記録の保存先が決まっているか
  • 差し込みタグ(など)がツールの書式に置き換わっているか
  • 実際に自分宛てにテスト送信して、全通の表示と配信停止のリンクを確かめたか

配信ツールとの連携は、使うツールによって手順が違います。Mailchimpなら、ClaudeとMailchimpの連携でメールキャンペーンを作る手順で下書き保存までを扱っています。

ActiveCampaignのコネクタは、リスト・タグ・連絡先・オートメーションを会話から扱えるとコネクタのページに書かれています。公開されているツールの一覧には、タグの作成や連絡先へのタグ付け、リストへの追加が含まれます。設計表の「止める条件」をタグとして定義しておくと、この種の連携で条件を実装に移しやすくなります。連携で実際にどこまで任せられるかは、ツール側の画面で確かめてから使います。

配信後の結果を設計表に戻す

ステップメールは、一度作って終わりではありません。配信後に、通ごとの開封、クリック、次の通までの離脱を見て、設計表を直します。

結果は、数字をそのまま貼るより、気づいたことを1〜2行に直して知識ベースに追記します。たとえば「3通目の活用事例は閲覧後の申込が少ない。誘導先を料金ページに近づける案を試す」のような形です。次に設計を頼むとき、Claudeは過去の結果を前提に提案できます。

直したときは、設計表の最新版を差し替え、古い版は「設計表_旧」として残します。何を変えて結果がどう変わったかを後から追えるようにしておくためです。

まとめ

ステップメールの設計では、文面より先に、通ごとの目的・誘導先・止める条件を1枚の表にします。Projectsには確定した表と守る条件を置き、会話をまたいでも同じ設計を使います。止める条件の列に配信停止を含めておけば、法的な前提と実装の確認が表の中で完結します。Claudeには下書きと点検を任せ、判定できる条件かどうかの確認と同意の運用は人が持つ分担になります。

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