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国産SaaS MCP対応一覧 — Notion・Slack以外の選択肢

国産SaaS MCP対応一覧 — Notion・Slack以外の選択肢

freeeやkintone、Backlogなど、自社製のMCPサーバーを配布している国産業務SaaSの一覧です。運営会社・対応領域・接続方法まで確認済みの範囲でまとめました。

NotionやSlackがMCP対応の代表例として語られることは多いものの、どちらも海外製のSaaSです。国産の業務SaaSに絞って探すと、自社製のMCPサーバーを配布しているサービスは意外に見つかります。それぞれの運営会社・対応領域・接続方法を、npmレジストリとGitHubの企業アカウントの記載をもとにまとめました。会計・グループウェア・プロジェクト管理・ワークフロー承認・チャットと、業務の主要な領域が一通りカバーされていることが分かります。

国産SaaSのMCP対応、「企業自身」か「個人開発」かをまず見る

MCP対応をうたうパッケージには、SaaS企業自身が配布するものと、個人開発者が公開APIを勝手にラップしたものが混在します。見分け方は難しくありません。npmレジストリのメンテナー情報を確認し、メールアドレスが企業ドメインで、GitHubリポジトリが企業のOrganizationアカウント配下にあれば、企業自身が関わっていると判断できます。この一覧に載せたのは、その両方に当てはまるものだけです。連携前に規約まで確認したい場合は、SaaSとClaudeの連携が禁止・制限されるケースの見分け方で判断フレームワークを解説しています。

自社製MCPサーバーを配布している国産SaaS一覧

SaaS運営会社対応領域接続方法
freee運営会社freee株式会社対応領域会計・人事労務・請求書・工数管理・販売・IT管理・サイン接続方法リモート(URL登録)/ ローカル(npx)
kintone運営会社サイボウズ対応領域レコード操作・アプリ管理接続方法ローカル(MCPB・Docker・npm)
Garoon運営会社サイボウズ対応領域スケジュール・施設予約接続方法ローカル(MCPB・Docker・npm)
Backlog運営会社ヌーラボ対応領域プロジェクト・課題・Wiki・Gitリポジトリ接続方法ローカル(Docker)
kickflow運営会社kickflow株式会社対応領域ワークフロー承認申請接続方法ローカル(npx)
Chatwork運営会社kubell対応領域チャットメッセージ・タスク操作接続方法ローカル(npx、APIトークン)

いずれもClaude DesktopまたはClaude Codeの設定ファイルにサーバーを登録する形式で、freeeを除くとローカル起動が基本です。Claude Code MCP設定ガイドでclaude mcp addの基本構文を確認しておくと、この一覧のどのSaaSを追加するときも同じ手順で進められます。会計のマネーフォワードもリモート専用の自社製サーバーを出しており、表の対象外である理由とあわせて後半で扱います。

kintoneとGaroonはどちらもサイボウズが運営しており、MCPBという配布形式(Claude Desktop向けのワンクリックインストールパッケージ)を採用している点が共通しています。Garoon MCPサーバーには「Public Only Mode」という設定があり、既定では無効(false)です。既定のままだと非公開の予定も取得対象に含まれるため、組織全体で導入する前に有効化するかどうかを確認しておく価値があります。kintone側にも制限があり、添付ファイルフィールドはレコード登録・更新ツールで指定できず、ゲストスペース内のアプリにはアクセスできません。

Backlogのサーバーはヌーラボ自身が配布しており、プロジェクト・課題・Wikiページの読み書きに加えて、Gitリポジトリやプルリクエストの操作、通知の確認までカバーしています。取得できる項目を絞るフィールド選択や、レスポンスの文字数を抑えるトークン制限の機能も備えており、大規模なプロジェクトで使う前提の作りです。海外製ではClaudeとWrikeを連携する方法が進捗確認やリスク検知を扱っています。

kickflowは、ワークフロー承認システムに特化した自社製サーバーです。アクセストークンを環境変数に設定するだけで、Claude DesktopやCursor、Clineなど複数のMCPクライアントから接続できます。承認申請の作成・確認・承認といった操作を、承認フローの画面を開かずにAIエージェント経由で進められる点が特徴です。Claude Coworkの承認モードと組み合わせて稟議承認フローを自動化する具体的な手順はkickflow Cowork連携で稟議承認フローを自動化するにまとめています。

Chatworkのサーバーも同様にAPIトークンベースの認証で、Claude DesktopとClaude Codeそれぞれの設定手順がREADMEに明記されています。チャットメッセージの取得やタスクの作成・確認といった、日常のチャットワーク業務をAIエージェントに委ねられます。担当者指定や回数制限など実務で気をつけたい点はChatworkタスク管理をClaudeで効率化する使い方で扱っています。

Sansanは「トライアル提供」段階 — まだ誰でも使えるわけではない

名刺・企業データベースのSansanも、自社でMCPサーバーを開発しています。ただし、この一覧の他のSaaSとは提供段階が異なります。SansanはMCPサーバーをPoC(概念実証)として開発を始め、その後トライアルという形で一部の顧客に提供を開始した段階です。誰でも自由に接続できる公開パッケージにはなっていません。

Sansanは技術ブログの中で、顧客向けに公開しているAPIについて「社外のMCPサーバーからの利用を前提として設計していない」と明言し、無断でのMCP実装を控えるよう呼びかけてもいます。自社製MCPサーバーの提供を進めている最中のSaaSでは、こうした過渡期特有の制限が起きやすいということです。

Sansan MCPサーバーが提供する機能は、名刺情報取得・企業情報取得・コンタクト情報取得・ユーザー情報取得の4種類とされています。名刺交換やメールのやり取り、商談記録といった接点情報を、自然言語の指示から検索・整形して取り出せる設計です。ただし、上の一覧に並んだ他のSaaSのように、誰でもnpmやDockerで導入できる状態にはなっていません。トライアル提供の顧客以外は、正式な一般提供が始まるのを待つことになります。

会計SaaSはfreeeに加えて、マネーフォワードもリモート専用の自社製MCPサーバーを出している

会計クラウドの分野では、freeeが上記の一覧のとおり自社製のMCPサーバーを配布済みです。マネーフォワードも、マネーフォワード クラウド会計向けに自社製のリモートMCPサーバーを提供しています。

2025年10月にβ版が始まり、2026年3月26日に全プランへ広がりました。2026年8月3日にはClaudeの公式コネクタにも対応し、2026年9月24日にはAPIキー認証が加わっています。

この一覧の表に載せていないのは、表がnpmやGitHubで配布されるサーバーを対象にしているためです。マネーフォワードのサーバーはリモート専用で、npmパッケージもGitHubリポジトリもなく、自社の開発者サイトで提供されています。接続URLは/mcp/ca/v3で、利用にはアプリポータルへの登録が必須ですが、登録は無料です。認証はOAuth 2.0とAPIキーの2方式から選べます。

2社を対応領域や接続方法まで含めて詳しく比べたい場合は、freee vsマネーフォワードのMCP対応を比較するにまとめています。ディレクトリコネクタとリモートMCPの手動追加という2つの接続方法の具体的な設定手順は、Claudeマネーフォワード連携 — 2つの接続方法と設定手順で扱っています。

Claude.ai・Claude Desktop・Claude Codeで接続の手間は変わる

上の一覧に並んだSaaSの多くはローカル起動が基本ですが、実際の設定作業は接続する面によって変わります。Claude Desktopでは設定ファイルにJSONを追記する形式が中心で、kintoneやGaroonのようにMCPBというワンクリックインストール形式を用意しているSaaSもあります。Claude Codeではコマンド一発でサーバーを追加でき、環境変数の指定もオプションでまとめて済ませられます。Claude.aiのようなブラウザ経由の利用では、ローカル起動が前提のサーバーはそのままでは使えず、リモート接続に対応したサーバー(freeeのリモートMCPなど)に限られる点も押さえておくとよいでしょう。組織で複数人に同じSaaSを使わせたい場合も、個人のPC上でのローカル起動よりリモート接続のほうが管理の手間は小さくなります。

用途別の使い分け早見表

やりたいこと向いているSaaS理由
会計・経費・人事労務までまとめてAIエージェントに操作させたい向いているSaaSfreee理由12のAPI領域と電子契約を自社製MCPでカバー
クラウド会計をローカル環境なしで操作したい向いているSaaSマネーフォワード(リモート専用)理由リモートMCPのため接続設定だけで使える
kintoneのレコードをAIエージェントで検索・更新したい向いているSaaSkintone理由自社製MCPサーバーがレコード操作に対応
チームの予定・施設予約をAIエージェントから確認したい向いているSaaSGaroon理由スケジュール・施設系のツールが揃っている
プロジェクトの課題やWikiをAIエージェントから触りたい向いているSaaSBacklog理由課題・Wiki・Gitリポジトリ操作まで対応
社内チャットの内容をAIエージェントに要約・返信させたい向いているSaaSChatwork理由チャット・タスク操作に対応した自社製MCPサーバーがある
承認ワークフローの状態をAIエージェントで確認したい向いているSaaSkickflow理由ワークフロー承認申請に特化した自社製MCPサーバーがある

よくある質問

この一覧に載っていないSaaSはMCP非対応ということ?

そうとは限りません。本記事は、npmレジストリとGitHubの企業アカウントの両方で企業の関与が読み取れるものだけを載せています。関与が読み取れないもの、あるいは非npm形式(社内ネットワーク限定の配布など)で提供されているケースは、この一覧からは漏れている可能性があります。人事労務や経費精算、電子契約など、業務SaaSは領域が広いため、気になるサービスがあれば同じ方法(npmレジストリのメンテナー情報とGitHub企業アカウントの照合)で自分で確認してみると確実です。メンテナーのメールアドレスが企業ドメインかどうかを見るだけなので、慣れれば1サービスあたり数分で判断できます。

個人開発のパッケージしか無いSaaSはどう扱えばいい?

一律に避ける必要はありませんが、対象SaaSの開発者向け規約が外部ツールからの自動アクセスをどう扱っているかを個別に確認したうえで判断する事項です。接続前に確認すべきサーバーの信頼性については、MCPセキュリティガイドでサーバーごとに許可範囲を決める考え方を解説しています。

この一覧は今後も増える?

MCPは比較的新しい規格で、対応するSaaSは増え続けています。Sansanのようにトライアル段階のSaaSが正式提供に進むケースもあれば、マネーフォワードのようにβ版から全プラン提供、公式コネクタ対応へと段階を進めるケースもあります。開発者向けページやリリースノートを定期的に確認するのが、最新状況を追う一番確実な方法です。半年前には存在しなかったSaaSの自社製MCPサーバーが、いま調べると見つかるということも十分にありえます。逆に、この一覧に載せたSaaSがバージョンアップで接続方法や対応領域を変えることもあるため、実際に導入する直前には各社のリポジトリで最新のREADMEを確認しておくと安心です。

まとめ

国産業務SaaSの中にも、freee・kintone・Garoon・Backlog・kickflow・Chatworkのように自社製のMCPサーバーをすでに配布しているものがあります。いずれもClaude DesktopやClaude Codeの設定ファイルにサーバーを登録する形で接続でき、ローカル起動が基本です。Sansanのようにトライアル段階のSaaSや、マネーフォワードのようにリモート専用で提供するSaaSもあり、対応状況と提供形態はSaaSごとに大きく異なります。連携する前に、自社製MCPサーバーの有無と提供段階を確認する習慣が、規約上のトラブルを避ける一番の近道です。導入を急ぐより、まず一覧と各社のリポジトリを見比べるところから始めるのが遠回りに見えて確実です。

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