Claudeマネーフォワード連携 — 2つの接続方法と設定手順
Claudeとマネーフォワード クラウド会計をMCPでつなぐ方法を、公式コネクター・カスタムコネクター・APIキーの違いと、開発者サイトに載る既知の不具合まで含めて確かめます。
Claudeとマネーフォワード クラウドをつなぐ3つの経路
マネーフォワード クラウド会計は、Claudeから仕訳や試算表を扱えるリモートMCPサーバーを提供しています。環境構築は不要で、接続設定だけで使い始められます。
経路は、使うClaudeの形態と認証方式で3つに分かれます。
| 経路 | 使う場面 | 認証 |
|---|---|---|
| 公式コネクター | 使う場面claude.aiやClaude Desktopから手早くつなぐ | 認証OAuth |
| カスタムコネクター | 使う場面ディレクトリのコネクターを使えない組織設定のとき | 認証OAuth |
| Claude Codeのヘッダー指定 | 使う場面設定ファイルで接続情報を持ちたい | 認証OAuthまたはAPIキー |
マネーフォワード側のMCPが先に動いていたため、時系列も押さえておくと、古い解説との食い違いを読み分けられます。
マネーフォワード クラウド会計のMCP提供の経過
- 2025年10月3日β版の提供開始
AIエージェントと連携するMCPサーバーのβ版が始まりました。
- 2026年3月26日全プランで提供開始
それまでβ版は、プラチナランク以上の公認メンバーである士業事務所向けでした。この日から全プランのユーザーが対象です。
- 2026年7月14日金融機関明細から仕訳登録
連携した金融機関の「未仕訳明細」を取得し、直接仕訳を作れるようになりました。
- 2026年8月3日Claudeの公式コネクターに対応
コネクター設定から直接つなげるようになりました。
- 2026年9月24日APIキー認証に対応
APIキーを使うと、一度の認証で複数の事業者を操作できます。
Claudeのコネクター全般の仕組みはClaude Connectorsとは — 種類・一覧と追加方法にあります。ここではマネーフォワード固有の前提と、つまずきやすい点を扱います。
先にマネーフォワード側で済ませておくこと
Claude側の操作より前に、マネーフォワード クラウド側で次の3点が必要です。
- アプリポータルの利用を開始している(登録・利用は無料。開始には管理コンソールの「全権管理」権限が必要)
- MCPを使うユーザーに、必要な権限が付与されている
- 接続先サービス(クラウド会計)の利用契約がある
アプリポータルは、APIやMCPで外部と連携するときの設定を管理するポータルサイトです。OAuthで接続する場合、各利用者がMCP経由で実行できる操作の範囲は、ここで「アプリ連携権限」として設計します。「アプリ連携」と「クラウド会計・確定申告」にチェックを入れる形です。会計側の権限にかかわらず、ここで権限を付与したユーザーはMCP経由で会計の操作ができます。
順序を誤ると、Claude側の認可画面までは進めても、マネーフォワード側で権限エラーになります。接続テストは、両側の設定が終わってからにすると原因を切り分けやすくなります。
claude.aiとClaude Desktopから公式コネクターで接続する
このコネクターは、Anthropicのコネクターディレクトリに掲載されています。URLの入力は不要です。ただし誰でもすぐ使えるわけではなく、プランで手順が変わります。
| プラン | 事前に必要なこと |
|---|---|
| Free・Pro・Max | 事前に必要なこと不要。自分でディレクトリから選んで認可する |
| Team・Enterprise | 事前に必要なことOwnerまたはPrimary Ownerが、先に組織へ追加する(Enterpriseはライブラリの管理権限を含むカスタムロールでも可) |
Enterpriseでは、検証済みドメインの接続制限やロールベースの権限管理によって、接続できるコネクターが絞られる場合があります。Team・Enterpriseで一覧に出てこないときは、管理者に追加を頼むのが最初の一手です。
個人の手順は、Claude DesktopでもWeb版でも共通です。
公式コネクターでつなぐ手順
- 1
コネクター設定を開く
Customize > Connectorsを開きます。Claude DesktopではSettings > Connectorsの場合もあります。
- 2
ディレクトリから探す
- からコネクターディレクトリを表示し、「マネーフォワード クラウド会計」を選びます。
- 3
Connectして認可する
Connectを押すとマネーフォワード クラウドのログイン画面に移ります。必要なスコープでの連携を承認します。
- 4
会話で有効にする
チャット画面左下の + からConnectorsを開き、追加したコネクターを有効にします。
動作確認には「マネーフォワード クラウド会計の事業者情報を取得してください」と頼みます。事業者情報が返れば接続は成功です。ツール呼び出しの許可を求められたら、内容を確認してから許可します。
公式コネクターを使えないときはカスタムコネクターにする
組織の設定でディレクトリのコネクターが出ないときは、カスタムコネクターとして接続先URLを登録できます。Team・Enterpriseでは、この場合もOwnerがOrganization settings > Connectorsで追加します。
カスタムコネクター自体の登録手順はAnthropicのヘルプにまとまっています。
入力するのは、クラウド会計用の次のURLです。
https://beta.mcp.developers.biz.moneyforward.com/mcp/ca/v3OAuthのClient IDとClient Secretは指定しません。Advanced settingsも触らずに進めます。Freeプランで追加できるカスタムコネクターは1件までです。
古い解説にある alpha.mcp… で始まるURLは、1時間ごとの再認証が必要で、廃止予定とされています。見つけたら上のURLに設定し直します。
URLは必ず開発者サイトの記載をコピーしてください。ホスト名が beta. で始まるため、AIアプリに尋ねて返ってくる別のURLと見比べると不安になるかもしれません。開発者サイトのトラブルシューティングには、AIの回答から誤ったURLを設定してしまう例が実際に載っています。
Claude Codeからヘッダー指定でつなぐ
Claude Codeは、コネクターではなく claude mcp add でリモートMCPのURLを登録します。--transport http の指定が必要で、ヘッダーは --header で渡します(v2.1.287の claude mcp add --help で確認)。
OAuthで接続する場合の登録コマンドです。
claude mcp add --transport http mfc_ca \
https://beta.mcp.developers.biz.moneyforward.com/mcp/ca/v3APIキー認証なら、アプリポータルで発行したキーを Mf-Api-Key ヘッダーに載せます。キーの新規登録画面では、利用可能サービスで「事業者情報」と「クラウド会計・確定申告」にチェックを入れます。操作できる範囲は、各事業者のクラウド会計でメンバーに設定された権限に従います。
claude mcp add --transport http mfc_ca \
https://beta.mcp.developers.biz.moneyforward.com/mcp/ca/v3 \
--header "Mf-Api-Key: mf_api_xxxxxxxx"mfc_ca はサーバー名で、任意の名前に変えられます。キーはシェルの履歴に残るため、共有環境では環境変数やチームの秘密情報管理に置く運用が安全です。登録先のスコープは --scope でlocal・user・projectから選べます。チームで設定ファイルを共有するならprojectが候補ですが、キーをそのまま書き込まないよう注意してください。Claude Code自体の使い方はClaude Code完全ガイドにあります。
OAuthとAPIキーのどちらを選ぶか
認証方式は2つあり、アクセスの範囲が違います。
OAuth 2.0とAPIキーの違い
OAuth 2.0
認可画面で連携を承認し、アクセストークンを取得します。承認したスコープの範囲で、事業者全体のデータにアクセスします。主な用途として開発者サイトに挙がっているのは、サーバーやワークフローが実行するAIオートメーションです。
APIキー
事前に発行したキーを指定します。キーを発行したユーザー自身の権限で見えるデータだけが対象です。主な用途は、ユーザーが対話的に使うAIチャットやAIエージェントとされています。2026年9月24日の対応で、一度の認証で複数の事業者を操作できるようになりました。
複数の事業者を横断して見たい人にとっては、APIキーが選択肢に入ったのが大きな変化です。ただしマネーフォワードのガイドでは、Claude DesktopとWeb版のClaudeはAPIキー認証に対応していないとされています。Claudeで複数事業者を扱うなら、Claude Codeからの接続が現実的です。
OAuthで事業者を切り替えるときは、チャットのセッションを一度終えてから設定し直すよう案内されています。なお開発者サイトでは、APIキーで使えるMCPサーバーは順次公開される予定とされています。
OAuthの仕組みや再認証のタイミングはリモートMCPのOAuth認証 — 仕組みとClaude Codeでの実装変化で扱っています。3月の発表で予告されていた認証時間の延長と再認証の自動化は、2026年4月1日から使えるbetaのURLで対応済みです。この記事で案内しているURLがそれにあたります。
使えるツールと、Claudeが触れる範囲
開発者サイトが動作確認済みとして挙げるクライアントは、Claude Desktop・Claude Code・Claude Cowork・Cursorです。Codexも記載にあります。2026年3月の発表にはGemini CLIの名前もありましたが、開発者サイトの動作確認済みクライアントの記載には含まれていません。
接続先のOAuthスコープは、mfc/accounting/ で始まるものだけです。開発者サイトのCodex向け設定例には、次のスコープが並びます。
- 読み取り: offices、accounts、departments、journal、report、taxes
- 読み取り(続き): trade_partners、connected_account、transaction
- 書き込み: journal、trade_partners、transaction
これはCodex向けの例ですが、クラウド会計のMCPサーバーが要求するスコープの全体像として読めます。書き込みは仕訳・取引先・取引の3系統で、試算表(report)や税区分(taxes)は読み取りだけです。まず試算表を取得させて数字を見る使い方なら、書き込みを伴わないため安全に始められます。
機能面では、仕訳の取得・作成・更新、試算表・推移表の取得、事業者情報や会計年度の確認、勘定科目などのマスタ取得に対応します。2026年7月に、連携した金融機関明細からの仕訳登録も加わりました。
接続でつまずいたときの切り分け
開発者サイトのトラブルシューティングが載せている既知の症状は、Claudeの利用者に関わるものが3つあります。症状ごとの原因と対処は次のとおりです。
「人事マスタの権限がありません」と出て先に進めない: 原因は2通りあります。1つは、本来提供されていない https://api.biz.moneyforward.com/mcp/sse を接続先にしている場合で、AIの回答からこのURLが設定された例が報告されています。
もう1つは、クライアントが不要なスコープまで要求している場合です。認証時に「このアプリとの連携を許可する以下の権限がありません。人事マスタ」と出るのが、この症状です。クラウド会計のサーバーが要求するのは mfc/accounting/ 系だけですが、開発者サイトの例ではCodexが人事管理など無関係なスコープも求めています。クラウド人事管理を契約していなければ、認可は失敗します。必要なスコープを明示して指定するか、クライアントの開発元へ問い合わせます。
認可は完了するのにClaude Desktopでツールが使えない: Web版のClaudeやCursorでは動くのに、Claude Desktopだけ接続できなくなる事象が報告されています。マネーフォワード側のログに異常がなければ、Claude側(claude.aiのサーバー側)の問題と見られています。回避策は、Web版のClaudeで認証を済ませ、認可の完了後にClaude Desktopを再起動することです。それでも直らなければ、Claude Desktopの更新やAnthropicのサポートへの問い合わせが案内されています。
しばらく使ったら再認証を求められた: 旧URL(alpha.mcp…)を設定していると、1時間ごとに再認証が必要です。betaのURLに設定し直してください。betaでも求められたときは、ブラウザーで認可をやり直せば再開できます。
これでも解決しないときのために、確認項目をまとめます。
- 接続先サービスの契約があるか
- 接続先URLが開発者サイトやガイドに載っているものか
- アプリポータルの利用開始と、ユーザーへの権限付与が済んでいるか
- 必要なスコープが過不足なく指定されているか
仕訳を任せる前に決めておく運用
連携できることと、仕訳の登録まで任せてよいかは別の話です。開発者サイトのベストプラクティスには、運用の前提がいくつかあります。
まずデータの流れです。MCPで取得したデータは、AIアプリとその提供事業者のサーバーに送信される場合があります。給与や個人情報のように外へ出したくないデータが含まれないか、連携前に確認してほしいという趣旨です。Claude側の学習への利用などのデータ取り扱いは、利用しているプランの設定と規約で確かめます。
次に破壊的な操作です。MCPサーバーは削除や重要な更新のツールを公開することがあり、実行前に確認するようLLMへ促す指示を渡すことがあります。ただし、その指示に従うかどうかはクライアント次第です。削除や一括更新のような影響の大きい操作は、AIの自動実行に任せず、人間の確認を挟む運用が推奨されています。付与する権限も、アプリポータルで必要最小限に絞ります。
最後に制限です。MCPサーバーはAPIを内部で呼ぶため、APIのレート制限の影響を受けます。MCP固有の制限が追加される可能性もあり、上限に達するとツール呼び出しがエラーになります。その場合は少し待ってから再試行する、と案内されています。ツールの定義は接続のたびに最新が取得され、MCP向けの変更ポリシーは定められていません。昨日まで動いた依頼文が、ある日変わることもあると見込んでおくと安全です。
料金・サポートの範囲
MCPサーバーは2026年3月26日から全プランで提供されています。対象は、マネーフォワード クラウド会計・確定申告の利用者です。クラウド会計・確定申告を利用開始していれば、追加料金なしで使えます。登録できる仕訳数などの上限は、契約中のプランの制限がそのまま適用されます。
サポートの線引きにも注意が必要です。API・MCPサーバーの仕様や実装への問い合わせは原則受け付けておらず、受け付けるのはプラチナ・ゴールド・シルバーランクの公認メンバーである士業事務所に限られます。一般の契約者は、この記事や開発者サイトのトラブルシューティングを手がかりに、自力で切り分けることになります。
よくある質問
freeeとマネーフォワード、どちらもMCPで接続できますか
どちらもMCPサーバーを提供しています。
freee側の手順はClaudeとfreee会計の連携 — Claude Codeで仕訳・記帳を確認する手順で扱っています。
接続を解除したいときは
Claude側のコネクター設定から切断できます。連携そのものをやめるなら、アプリポータルから連携を解除してトークンを失効させる運用が案内されています。
まとめ
Claudeからマネーフォワード クラウド会計を使うなら、claude.aiやClaude Desktopでは公式コネクターが最短で、組織設定で出ないときだけカスタムコネクターです。複数の事業者を扱う人は、2026年9月に加わったAPIキー認証が検討材料です。ただしClaude DesktopとWeb版は非対応なので、Claude Codeでの接続になります。接続エラーの多くはクライアントが要求するスコープかURLの誤りに由来するので、まず開発者サイトの記載に戻って確かめてください。