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Vercel MCPサーバーの使い方 — 接続手順とツールの全体像

Vercel MCPサーバーの使い方 — 接続手順とツールの全体像

VercelはMCPサーバーをmcp.vercel.comで公式提供しています。接続手順と11カテゴリーのツール範囲、実際に課金される購入系ツールの注意点をまとめます。

Vercelはhttps://mcp.vercel.comで公式MCPサーバーを提供しています。OAuth認証で接続すると、Claude CodeのセッションからVercelのプロジェクト管理・デプロイ・ログ調査・Web Analyticsの照会までを1本の接続でこなせます。ツールは11のカテゴリーに分かれ、なかにはProプランへのアップグレードやドメイン購入のように実際に課金が発生するものも含まれます。接続手順とツールの範囲、事故を防ぐための注意点を確認します。

Vercel MCPサーバーとは — mcp.vercel.comへのOAuth接続

Vercel MCPサーバーは、VercelがホストするリモートMCPサーバーです。エンドポイントはhttps://mcp.vercel.com固定で、ローカルにサーバーを立てる必要はありません。MCP Authorizationの最新仕様とStreamable HTTP転送に対応しており、接続時にOAuthでアカウントを認可します。

対応クライアントはVercelが審査・承認したものに限られます。公式が案内するのはClaude CodeとClaude.ai・Claude for desktop、ChatGPT、Cursor、Codex CLI、VS Code with Copilot、Devin、Raycast、Goose、Windsurf、Gemini Code Assist、Gemini CLIの12種類です。未承認のMCPクライアントは、URLを指定しても接続できません。

Claude CodeでVercel MCPに接続する手順

接続はコマンド1行とOAuth認可だけで完了します。汎用インストーラーのadd-mcpを使うと、ローカルにインストール済みのAIクライアントを自動検出して設定してくれます。

npx add-mcp https://mcp.vercel.com

Claude Codeだけに絞って追加する場合はclaude mcp addコマンドを使います。トランスポートにはhttpを指定します。

claude mcp add --transport http vercel https://mcp.vercel.com

サーバーを追加したらclaudeでセッションを開始し、セッション内で/mcpを実行してOAuth認可を完了させます。

/mcp

Claude.aiやClaude Desktopから使う場合はコマンドではなく管理画面から設定します。設定 → Connectors → Add custom connectorでNameにVercel、URLにhttps://mcp.vercel.comを入力すればカスタムコネクタとして追加されます。カスタムコネクタの利用はPro・Max・Team・Enterpriseプランが対象です。

Vercel MCPで使えるツールの範囲 — 11カテゴリーの内訳

Vercel MCPのツールは、用途ごとに11のカテゴリーへ分かれています。ドキュメント検索のような読み取り専用のものから、実際にコードをデプロイしたり課金したりするものまで幅があります。

カテゴリー主なツールとできること
ドキュメント検索主なツールとできることsearch_vercel_documentationで公式ドキュメントをトピック指定で検索する
プロジェクト管理主なツールとできることlist_teamslist_projectsget_projectでチームとプロジェクトの情報を取得する
デプロイ主なツールとできること一覧・詳細取得・ビルドログ/ランタイムログ/ランタイムエラーの調査・deploy_to_vercelによるコード配信
Web Analytics主なツールとできることget_web_analyticsでページビューやカスタムイベントを集計・照会する
Agent Runs監視主なツールとできることlist_agent_runsget_agent_runget_agent_run_traceでAIエージェントの実行履歴を追跡する
ドメイン管理主なツールとできることcheck_domain_availability_and_priceで空き状況と価格を確認する
購入主なツールとできることProプラン・クレジット・アドオン・ドメインの購入。課金が発生する唯一のカテゴリー
アクセス主なツールとできることget_access_to_vercel_urlweb_fetch_vercel_urlで保護された環境へ認可付きアクセスする
デザインインポート主なツールとできることimport-claude-design-from-urlで外部URLのデザインを取り込む
ツールバー主なツールとできることVercel Toolbarのコメントスレッドを取得・返信・解決する
CLI主なツールとできることuse_vercel_cliでVercel CLIのコマンドを自然言語の指示から実行する

Claude Codeのclaude mcp add --transport httpコマンドの構文やスコープの使い分けはClaude Code MCP設定ガイドにまとめています。OAuth認可の仕組み自体を詳しく知りたい場合はリモートMCPのOAuth認証が対応します。

デプロイとログ調査でよく使うツール

本番障害の調査は、エラーの発見・ログの絞り込み・原因の特定という3ステップに沿ってツールを使い分けます。

まずget_runtime_errorsで直近のエラーを一覧します。既定の遡及期間は24時間で、最大7日分まで指定できます。ルートパスで絞り込むことも可能です。次にget_runtime_logsで該当リクエストのログを掘り下げます。level(error/warning/info/fatal)、statusCodesource(serverless/edge-function/edge-middleware/static)でフィルタでき、group_byを使えばステータスコードやルートごとの件数集計にも切り替えられます。ビルド段階の失敗が疑われる場合はget_deployment_build_logsを使い、errorsOnly: trueにすればエラー・stderr・exit・fatalのイベントだけを抽出できます。

deploy_to_vercelはソースファイルをテキストまたはbase64で渡すと、Vercelがインストールとビルドを代行してデプロイするツールです。

{
  "target": "preview",
  "name": "my-app",
  "files": [
    { "file": "app/page.tsx", "data": "export default function Page() { return <div>Hello</div> }" }
  ]
}

projectSettingsを省略すればフレームワークとビルド設定を自動検出します。targetpreviewからproductionに変えると本番環境へ直接デプロイされます。実行確認を挟まないMCPクライアントでこの差を見落とすと、意図しない本番リリースにつながります。

Web Analyticsとエージェント実行の監視

get_web_analyticsは、ページビューを集計するvisitsと、track()で送ったカスタムイベントを集計するeventsの2種類のデータセットを扱います。modecountにすれば単純な合計、aggregateにすればroutecountrydeviceTypeなど最大2軸でのグルーピング集計が得られ、OData形式のfilterで条件を絞り込めます。

Agent Runs監視は、Vercel上でAIエージェントを実行した履歴を追跡するためのカテゴリーです。list_agent_run_projectsでエージェント実行のあるプロジェクトを一覧し、list_agent_runsで個々の実行を検索、get_agent_run_traceで実行のトレースまで取得できます。periodパラメーターは5mから90dまでのプリセットに対応し、fromtoを指定すれば任意の期間も扱えます。

ツールバーのコメントとレビュー環境へのアクセス

Vercel Toolbarを使っているプロジェクトでは、デプロイ環境に埋め込まれたコメントスレッドもMCP経由で扱えます。list_toolbar_threadsでスレッドを一覧し、get_toolbar_threadで個別スレッドの内容を取得、reply_to_toolbar_threadで返信、change_toolbar_thread_resolve_statusで解決済みへの切り替えまでできます。レビュー担当者がプレビュー環境に残したフィードバックを、Claude Codeのセッションから直接拾って対応するという使い方が成立します。

パスワード保護やVercel Authenticationで守られたデプロイ環境には、get_access_to_vercel_urlで一時的なアクセストークンを取得し、web_fetch_vercel_urlでそのURLの内容を取得します。プレビュー環境の見た目やレスポンスを、ブラウザを開かずに確認できる経路です。

購入系ツールは実際に課金される — quoteとconfirmの2段階

Vercel MCPにはbuy_probuy_creditsbuy_addonbuy_domainという、実行すると本当に課金される4つのツールがあります。事故を防ぐため、すべて見積もりと確定の2段階に分かれた設計です。

  1. get_purchase_quoteで見積もりを取得する。これは読み取り専用で課金は発生しない。レスポンスには価格(算出できる場合)と、見積もり内容を署名で固定したidempotencyKeyが含まれる
  2. 見積もりの内容を確認し、承認する。承認後の課金は即時かつ返金不可
  3. 対応するbuy_*ツールを、confirm: true・見積もりと同じパラメーター・idempotencyKeyとともに呼び出す

見積もりの有効期限は5分です。期限切れや、パラメーターが見積もり時と一致しないキーは拒否され、再度見積もりを取り直す必要があります。同じidempotencyKeyを2回送っても二重課金にはなりません。支払い方法がチームに登録されていない場合は課金されず、登録用のbillingUrlが返ります。購入が成立すると、請求が反映されるbillingUrlと証跡のproofUrlが返ります。

接続前に確認したいセキュリティ上の注意点

Vercel MCPへの接続は、接続したVercelユーザーアカウントと同じ権限をAIクライアントに与えます。デプロイもドメイン購入も同じ接続から実行できるため、公式が案内するいくつかの注意点を押さえておく価値があります。

接続先は必ずhttps://mcp.vercel.comであることを確認します。一括インストールツールや第三者マーケットプレイス経由で導入する場合も、ドメインを目視で照合します。Vercel MCPは「confused deputy攻撃」への対策として、クライアントごとに明示的なユーザー同意を要求する設計になっています。これは、同意用のcookieを悪用してAIクライアント経由で不正にアクセス権を奪う手口を防ぐための仕組みです。

MCP経由で接続した外部ツールやエージェントには、プロンプトインジェクションのリスクも伴います。悪意のある指示がツールの出力に紛れ込み、それにAIが従ってしまうと、意図しないデータ共有につながる可能性があります。ワークフローを組むときは、各エージェントとMCPツールの権限範囲を個別に確認し、実行確認を有効にしておくことが被害を抑えます。

まとめ — デプロイとログ確認をチャットにまとめる

Vercel MCPサーバーは、https://mcp.vercel.comへの1行の接続で、プロジェクト管理からデプロイ、ログ調査、Web Analyticsの照会、購入までをカバーします。障害調査から修正のデプロイまでをClaude Codeのセッション内で完結させたいチームには効果が大きい構成です。Vercel MCP以外にどのMCPサーバーを組み合わせるか迷う場合はおすすめMCPサーバー10選が用途別の選び方の参考になります。claude mcp addでの接続設定やスコープ・認証まわりを詳しく確認したいときはClaude Code MCP設定ガイドにまとめています。

一方で、購入系ツールを含む接続はVercelアカウントと同じ権限を持ちます。実行確認を無効にした自動化フローに組み込む場合は、事前にクライアントの確認プロンプトの挙動を確かめてから運用してください。

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